4月4日(月)はれ
久々に無性に読みたくなって読んだ短編。
村上春樹の【沈黙】
この本、初めて村上春樹の短編を読んだ時に衝撃が走った話。
情景の表現方法の豊富さ、
人の感情、心理を分かりやすく表現する事に富んでいる村上春樹。
その作品の中でも、この作品は格が違う。
以前にも増して、表現のスゴさに感銘を受けました。
衝撃というと大袈裟だが、
心の傷、傷みをあたかも手に取った様に受けとる事ができる。
いじめ、けんか、
現代とは切っても切り離せない、一番になくなって欲しいこと。
故に、この作品が集団読書テキストとして、
短編集の中からわざわざ、わずか3ミリ程の厚みの本が、
全国学校図書館協議会から発行されています。
初めて読んだ村上春樹の短編集
【レキシントンの幽霊】
このタイトルがつけられた本に、
まさかこのような内容の【沈黙】という話が入っていようとは思いもしなかった。
初めての衝撃があまりにも大きく、
レキシントンの幽霊を持っているにも関わらず、
集団読書テキストをアマゾンで発注したのが7、8年程前だった。
今では、いつでも読める様にPCの近くに置いてある。
人は傷つき強くなれる人も居れば、
傷ついたことで弱くなってしまう人も居る。
人の痛みを、傷を理解できる人にならなければいけないと
この本を読む度に思う。
一冊3ミリ程度の本で、じっくり考えさせられることは大きい。
是非、読んでいただきたい短編です。
もちろん、欲張って【レキシントンの幽霊】を読むのもおすすめです。
これで満足できないのならば、
村上春樹、NY逆輸入版短編集
【象の消滅】にも【沈黙】は集録されています。
わたしはいつでも手元にある薄い短編を読む事が多いけど、
ときには、3つの中からその時しっくり手になじむ厚みで読んでいます。
(今は、引越のミスで間違ってレキシントンの幽霊を実家に送ってしまったから2冊)
厚みがかわったからといって、感情が変化することはないけれど
ずしっと重い時は、自分がもっと物事を重くとらえようというシグナルだと考えています。
そして村上春樹がやっぱり大好きです。