一旦奈良中央郵便局で小包を出してくると、そこに高畑町ゆきのバスがやってきて。
近鉄新大宮駅まで歩いてそこから近鉄奈良駅へ、そしてそこからバスで国立博物館へ向かおうとおもっていたけれど、
このバスなら乗り換えなしで行けます。
ラッキーです。
「氷室神社・国立博物館前」には停まりませんが、(市内循環バスはとまります)
その次の「東大寺大仏殿・春日大社前」には停まります。
そこから歩いて5分ほどです。
バス停前には、松ぼっくりとナンキンハゼ。
そして蝉の抜け殻。「空蝉(うつせみ)」ですね。
空蝉、といえば何を思い出しますか?
自分は源氏物語の第三帖の「空蝉」と、さだまさしのアルバム「夢供養」に収録されていた「空蝉」。
「空蝉」を口ずさみながら博物館へ。
〽もう汽車はきません、とりあえず今日はきません、今日の予定は終わりました~
「馬酔木(あしび、あせび)」、春に咲くのですが、もう蕾がついているのでしょうか?
空をみるとうろこ雲。
博物館前の池に鹿。
博物館と高円山。
もう4度目の忍性展ですが、後期展示は初めてです。
今回の目的は本邦初の東征伝絵巻の全5巻全場面公開、その後期巻き替え展示です。
会場には前期、後期の見どころの写真両方が展示されているので、どちらかだけでもそれなりに楽しめます。
タブレット端末でも見ることができますしね。
今日は比較的、というかかなり空いていて、ゆっくりと観ることができました。
そして仏像館へ。
この仏像館は旧帝国美術館ですので、休憩室や貴賓室の屋根は当時の豪華さを実感できます。
一頃法隆寺をはじめ、数々の奈良の仏像が一堂に展示されていたということです。
会津八一も「南京新唱」の中の「奈良博物館にて」の中で六首詠んでいますが、
そのうちの二首はそこの中央の大ケースに展示されていた法隆寺の百済観音を詠んでいます。
くわんおん の せ に そふ あし の ひともと の
あさき みどり に はる たつ らし も
ほほゑみて うつつごころ に あり たたす
くだらぼとけ に しく ものぞ なき
新聞記事で紹介されていた毘沙門天立像も拝観できました。
修復前は表面が分厚い後補の彩色で覆われ、足元の餓鬼は矧目が完全に糊離れしていて、
かろうじて針金を巻いて四文五裂するのを防いでいる状態でした。
そしてよくあるように両手先や光背の一部をはじめ亡失した部分も多かったようです。
それが余計な彩色が取り除かれ、失われた部分を補われて、みごとに復元されています。
像の隣に、修復前の写真も展示されていて、
その違いに驚かされます。
いいもの見せてもらいました。
第8室、まだ河内長野の金剛寺の降三世明王坐像が展示されています。
(ちなみに金剛寺で一緒に安置されている大日如来座像、不動明王座像は京都国立博物館平成館で展示中です。)
その前にたたずむと、心の中を見透かされている気持ちがします。
同じ部屋にある興福寺の広目天。
左胸についていた装飾品が失われたせいでしょうか、
そこだけ鮮やかな彩色が残っていて、その彩色にかつての仏像の煌びやかだったことが想像されます。
時間が有れば興福寺の三重塔・五重塔の両方の公開(同時公開は初めてのようです)を観たかったのですが、
15時半までということで断念。
こちらは10/10までということですから、焦る必要はなさそうです。
近鉄奈良駅まで徒歩で戻り、そこからバスに乗って「旧跡庭園」まで。
すぐ前がイトーヨーカドー。
夕食にと鶏むね肉を買ってきました。
空を見るとまるで飛天のような軽やかに空を舞うような雲。
買い物の後、部屋に戻ると夕焼け。
結構歩いたと思ったけれど、8500歩。