モジリア

74歳のブロガー。ギネスを目指す!(^^)!
おじさんが読む「赤毛のアン」

手で読む

2012年04月06日 | 折り紙
12.4.6(金)


気になっていた蕾はこんな花でした。


目立たないがよく見ると、可憐な草花です。


折り紙と治癒力の係り方に引っ掛かって千羽鶴を折ることになった。
千羽折っても、治癒力との係りについて皆目見当がつかない。
「仕方ない!もう千羽折ってみよう!」と実はかなり意欲的になっていた。

恐らくその流れで幸田露伴の「五重塔」を丸ごと書き写して見よう、と思い立った。

大工の腕は確かだが、のっそり十兵衛と綽名された十兵衛、
世間的なことには音痴な男が五重塔を建立したい夢を描きやがて完成するまでの物語です。

「五重塔を建てたい!」と思うだけでも世間の笑いものになる十兵衛、その十兵衛が朗円上人に願い出ている。
言葉を変えれば行動を起こしている。

十兵衛を駆り立てたものは何か、そして、その思いがどのようにして実現していったか……丸ごと書き写すことで探りたかった。

丸ごと書き写す作業を通じて、分かったことがある。

十兵衛自身が動いたのは朗円上人に願い出ただけである。
その前に50分の1の雛形を作っている。十兵衛の積極的な行動はこの2点だけである。

川越の源太は十兵衛に「のりでやろう」と申し出ている。
今でいう、ジョイントベンチャーで仕事をしよう、と云う提案を断っている。

十兵衛に対して源太はだんだん退けてくる。ついに源太は全面的に撤退して十兵衛が五重塔を受注する。

建築は大工を始め鳶職など15種類ぐらいの職方によって進められる。

十兵衛は棟梁、今でいう、ゼネラルマネジャー、大工の腕だけでは御しきれない、人間的な才覚が要る。
人間的には不器用な十兵衛には最も相応しくない。だが、足りないところは補おうとする方向に周囲は動く。
言葉を変えれば、十兵衛の思い通りに周囲が動いてくれる。

十兵衛には取り立てて才能とか才覚があるわけではない。
手段とか手法を越えたところに人を動かす源泉がある。

一言で云えば「徳」ではないか……。

朗円上人がふと漏らした一言で感応寺建立が計画され、有り余るほど寄金が寄せられた。
余った資金があったから五重塔建立が計画され、十兵衛の眠っていた意欲に火が付いた。

因みに丸ごと書き写す、手で読む、読み方がある。