みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

雪音の徒然声 雨男の唄

2014-10-24 16:54:49 | 日記
雨だ、雨が降ってきた。流し込まれた土砂に埋もれていく植物達に最後の雨が降り注いだ。
僕は耳を塞ぐことも出来ず、彼らの声を聞き続けけた。一ヶ月もすると、そこは綺麗な公園になった。降りしきる雨は、ただ硬いアスファルトを叩き、染み込む大地も見つからないまま、また空へと帰っていった。
僕はいつも人間である事を悔やんだ。目の前に広がる木々やはっぱ達に合わせる顔がないと思った。もしもう一度生きれるなら、その時は心持つ植物になろう。雨染み込む大地に根をはって両手に大気と風を感じ、ただそよぐように生きては行けないかと僕は何度も目を閉じた。僕の自由な足では何処にも行けない。僕は大地に両足を埋め、変わっていく風景をどんな想いで見るだろう。自然破壊なんて言葉は僕には空々しく、胸締め付ける日常ほど僕を苦しめなかった。物事や人を愛するように、家族や友人を愛するように、僕はこの雨が大好きになった。雨染み込む大地に根をはって、ただそよぐように生きては行けないか、雨染み込む大地に根をはってただ、そよぐように・・・