みりんの徒然声

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みりんの徒然声 優しい終わりの迎え方 その2

2016-07-04 20:37:19 | 日記
忍さん、(仮名です。忍ぶ恋、堪え忍ぶから最近気にいってるので、、)あたしは呼ばれて目を開ける。ボランティアかデイケアなのかたまに若い人がやって来る。その頃はタトゥーは当たり前になっていて今日やってきた若い女の子には腕に白い百合の花が入っていた。あたしはもうしわしわでタトゥーもしわしわだ。一緒に年を取ったのだとそれはそれで安心する。あたしは夏場は大抵黒いタオル地のシンプルな袖無しのワンピースを来ている。肌触りがいいし、猫も喜ぶから。多分これがあたしの死に装束になるのだろう。忍さん、女の子はまた呼ぶ。若さが眩しくて目を細めながら、なんだい?とあたしはゆったりと答える。忍さんは随分早くにタトゥーを入れたんですね。その右腕の英文はなんですか?さあ、昔だったから忘れてしまったねえ、あたしは答える。一度たりとも忘れたことのないあたしの信念。だけど今更誰かに明かした処で何になるだろう?忍さん、女の子は遠慮なくまた訪ねる。どうしてコウモリのタトゥーばかりなんですか?それはあたしがコウモリ女だったからだよ。でも言わない。さあ?とあたしは微笑む。あたしは結局ピアスは外せずに古びたデザインのピアスを付け続けている。それを聞かれてもあたしはさあ?と答え、年を取って外すのも付けるのも面倒だから、と答える。若い人は遠慮がない。色々聞いてくる。恐らく珍しいのだろう。この年でタトゥーと、ピアスだらけのばばあが。若い人はまたあたしに尋ねることがある。これはあたさはが仕組んだことだ。

続くー