みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 引っ掛ける爪もないけど

2016-07-08 23:07:16 | 日記
ああ、もう本当どん底ってのはこう言うことだ。仕事も車もバイクも部屋も無くして、涙は枯れはて、手足の爪は剥がれ落ちた。ここまで来たらね、後はよじ登るしかないでしょう?暗闇から引っ掛ける爪もないけど。愛されるなんて願いは持ったらいけないけど。人間いつかは死ぬんだ。それは決して逃れられない。一回生まれて、一回死ぬ。遅いか早いか。だったら今死ななくてもいーじゃん。後は死ぬ気で頑張るしかない。指先は血が滲んでまだ力も入らないけど。愛されなくても対等でいたい。バリバリ働くたけに追い付きたい。追い付きたい。追い付きたい。うちらが仲良くなったのは過去に同じ車を乗っていたことが始まりだった。じゃあ今度はあたしがあなたと同じ車を買わなきゃ。愛しい人。最後の想い。届かない。だからせめて対等でありたい。会社ではヘラヘラしているので、なんで、結婚しないの?と聞かれる。なんで、ですかねえとヘラヘラしながら心の中で叫ぶ。それはあたしの好きな人があたしを好きじゃないからです。あたしを好きな人が居ないからです。だからせめて対等でありたい。のです。

みりんの徒然声 七夕の夜に

2016-07-07 21:56:06 | 日記
御守りに着けていた指輪があった。最近体調不良かストレスか金属アレルギーを起こし指が爛れたので外す。で、七夕だからとりあえず願いを書いて庭の百合の花の根本に埋めた。たけといたい、暮らしたい。だけど、もしあたしが本気でたけに想いを告げたなら。結果は分かっている。何言ってんのー?(笑)と茶化すだろう。願いは途方もない願いだ。何だかんだでもう結婚十年位のたけ。彼が離婚したとして、でもあたしが選らばれる確率。ほら、途方もない。しかも友達ならせめて対等でいたい。今のあたしは同じ仕事の目標すらない圧倒的な下だ。何が偉いのかなんて分からないけど。じゃあやっぱり会いたくなかったよ、しかも、とあたしは思う。毎日泣いてばかりいる、この年にして結婚もせず稼ぎが少なく居候の娘を母親はどんなにうっとおしいだろう。誰にも迷惑かけたくないとかきれいごと言っててあたしは親を傷つけているんだ。だいたいにして、たけと一緒にいたいと願うだけで、不倫したいと言ってるようなもんだ。馬鹿だなあ。もう途方も無さすぎて本気で愕然とする。夏バテしているのか毎日生活するだけで精一杯なんて。抜け出さなきゃ。せめて1人で泣ける場所位確保したい。あたしはリストカッターに戻ってしまうかも知れない。ほら、このセリフさえ自己愛で泣けるわ。滑稽だわ。まずは体調を整えてもっと働かなくては。感情を殺すための方法が切ることなんて馬鹿気ている?足の傷が鈍く痛む。死ぬ気なれば何だって出来るって本当?じゃあ、やっぱりあたしは甘えているのね。さようなら、涙。さようなら、たけ。もう泣かない。血が流れて這いつくばってあたしは頑張って行かなきゃ。せめてここから出ていかないと。七夕様。途方もない願いは、途方もないでしょうね。

みりんの徒然声 リアル白昼夢

2016-07-06 22:21:12 | 日記
とうとう幻覚か、と目を疑った。たけが歩いて来た。にやりと笑いながら。あたしは多分子犬の如く尻尾をパタパタ振ったであろう。あたしは本気で久しぶりに笑っただろう。あー、たけやん。泣きそう、ってあたしは言ってとりあえず写メ取っていー?と言ってパシャリ。で、ぼんやりたけを眺めた。あー、やっぱ背ぃ高いなあ。あー、やっぱクライミングとかアウトドア派だから顔にそばかすみたいなシミ出来てんなあー。ああ、もう帰るん?そっか、出張ついでかー。五分もいなかった。たけが帰ってからああ、あたし舞い上がって話たいこと何もしゃべれなかったー。あー、何の靴履いてたっけ?あー匂い嗅いどけば、よかった。変態か、あたしー。てか舞い上がりすぎだろう、あたし。と泣けた。たけに着いていきたくてなんで一緒にいらんないんだろーって思ってあー、たけは結婚してるんだったー。うちらは一応親友なんだよね。って思って、会いたいけど会ったら余計悲しくなった。七夕前に願い叶っちゃったよ。ああ、会いたいじゃなくて一緒に暮らしたいって願えば良かったなあって我が儘になって本当に泣けた。指先が震えて1日仕事にならなかった。あー、でもたけはもう気がついたなーあたしが大好きなこと。でもそんなにたけはあたしを好きではないんだなー。どうしたらいいんだろう?これから。途方に暮れた。夢が現実になって、それがあたしを苦しめる。うー、優しい終わりの迎え方はまだまだ遠い。てか、あたしはまだ浮かれられるのね、と思って、また泣けた。写メを、しみじみ眺めて、あーここにタトゥー入ってるのね、とか一人思って、握手くらいすれば良かったなあって。人に触れたいって思うの久しぶりだなあって思って、はい、ただひたすら今、途方に暮れています。会わなきゃよかった?たけの気まぐれに勝手に振り回される滑稽なあたし。どうしよう。救いがないな。林檎さんの歌で、シドと白昼夢ってのあったな、あなたには殺されてもいいわ、か。うん。それが最高の終わり方なんかなー。頭がまとまらないや。涙も止まらないや。

みりんの徒然声 優しい終わりの迎え方 ラスト

2016-07-05 22:18:12 | 日記
なああ、しゃがれた猫の声で我に返る。またうとうとしていたようだ。もはやあたしをこの世に留めておくのはこの猫のためだけかもしれない。でもね、長く生きた猫は猫又になる。と言うからあんたもきっと大丈夫ね。とあたしは微笑む。不眠はいつしか他眠となり、あたしの味方になった。夢の中はいつだって幸福なあたしがいてあたしはもう夢と現実の境目が曖昧になっている。壁に張られた引き延ばされた古い写真をあたしはうっとりと眺める。忍さん、御主人ですか?そうだよ、今何をしているのか?生きているのかすら分からない大好きな人の写真。お子さんは?若い子は遠慮がない。ふふふ、あたしはゆったりと答える。いないよ、彼はあたしの恋人であり、親友であり、親代わりであり、子供であったからね。二人だけの世界ってやつですか?羨ましいですね。でしょう?あなたもそんなソウルメイトに出逢えるといいわね。余裕たっぷりに答える。やだー、忍さんったら。笑う彼女。ほら、もうその過去は現実だ。あたしは今、ソウルメイトを先に亡くし来世の再会を夢見る幸せな未亡人だ。小さな部屋は言った側から現実になる幸せな部屋だ。ああ、また眠くなってきた。忍さん、またね。はいはい、さようなら。この子を宜しくね。あたしは深々と頭を下げる。訪れた人にはこうして深々とさようなら、と言うことにしている。万かーあたしが死んだらこの猫が困らないように。忍さん、さようならじゃなくて、またね、でしょう?女の子は言う。はいはい、さようなら。もう、忍さんは。苦笑する背中を見送りあたしはまた目を閉じる。古い写真が笑い掛ける。なああ、猫が寄りそう。おやすみなさい。そして、さようなら。静かに静かに眠りが誘う。

みりんの徒然声 優しい終わりの迎え方 その2

2016-07-04 20:37:19 | 日記
忍さん、(仮名です。忍ぶ恋、堪え忍ぶから最近気にいってるので、、)あたしは呼ばれて目を開ける。ボランティアかデイケアなのかたまに若い人がやって来る。その頃はタトゥーは当たり前になっていて今日やってきた若い女の子には腕に白い百合の花が入っていた。あたしはもうしわしわでタトゥーもしわしわだ。一緒に年を取ったのだとそれはそれで安心する。あたしは夏場は大抵黒いタオル地のシンプルな袖無しのワンピースを来ている。肌触りがいいし、猫も喜ぶから。多分これがあたしの死に装束になるのだろう。忍さん、女の子はまた呼ぶ。若さが眩しくて目を細めながら、なんだい?とあたしはゆったりと答える。忍さんは随分早くにタトゥーを入れたんですね。その右腕の英文はなんですか?さあ、昔だったから忘れてしまったねえ、あたしは答える。一度たりとも忘れたことのないあたしの信念。だけど今更誰かに明かした処で何になるだろう?忍さん、女の子は遠慮なくまた訪ねる。どうしてコウモリのタトゥーばかりなんですか?それはあたしがコウモリ女だったからだよ。でも言わない。さあ?とあたしは微笑む。あたしは結局ピアスは外せずに古びたデザインのピアスを付け続けている。それを聞かれてもあたしはさあ?と答え、年を取って外すのも付けるのも面倒だから、と答える。若い人は遠慮がない。色々聞いてくる。恐らく珍しいのだろう。この年でタトゥーと、ピアスだらけのばばあが。若い人はまたあたしに尋ねることがある。これはあたさはが仕組んだことだ。

続くー