「海蝶」吉川英梨
海上保安庁という何となく知ってるけど実は全然知らない世界。
中でも海保初の女性潜水士を扱った作品で
読むのを楽しみにしていた。
若い頃にお遊びダイビングをしていたので、
イメージしやすい場面もチラホラ。
言葉もチラホラ。
なので読みやすかった。
女性初というのは
どんな職業でも大変だと思うけれど、
潜水士の大変さは肉体と精神に相当なストレスという感じがした。
いやぁ、何といってもそれはもう
生物学的に難しそう・・・
愛が潜水士として
何より人として成長していくのがとても頼もしかった。
兄の思い、父の思いもみんなわかる気がして
胸が熱くなる。
これから家族が再スタートするような
希望の持てるラストで良かった。
東北の震災の場面はちょっとしんどくて目をそらしてしまった。
近い将来、本当の女性初潜水士が誕生するのだろうか。
余談ですが
元同僚の娘さんが海保なので
どんな世界なのだろうと思っていた。
その娘さん、
子どものころからスポーツというものをやったことがないのに
海保に興味を持って自ら進路に定めて入学した。
体力がないのは勿論、
運動の基本の「き」がわかっていないので
相当苦労したと聞いている。
今、立派に働く娘さんの話を聞くと
並大抵な努力ではなかったであろうと思った次第。