「カレーの時間」寺地はるな
昭和の頑固親父かぁ。
この年代の人は苦労してるからなぁ
という言葉では済ませられない。
うちの父も、頑固じゃないけど、
それ、今言う?とかその言い方!とか
思うことがしばしば。。。
頑固な祖父義景と令和男子の孫桐矢。
二人が一緒に暮らすことで
いろんなことがわかってゆく、
いろんなことが溶けてゆく。
義景の生きた時代は
今の苦労とは違う大変なことが
たくさんあったことはよくわかる。
離婚した妻の桐乃が
亡くなったと報告を受けて行った家で、
祖父を遮って
桐矢が放った言葉が気持ちよかった。
どうやっても、なにやっても、
覚悟かなんか知らんけど、
子どもを置いて出ていくのはわからん、私には。
精進落としにみんなでレトルトカレー食べるのが良かった。
カレーって同じ市販のルーをつかっても、
家庭によって味が違う。
隠し味を入れれば入れるほど
理想の味からかけ離れてゆく
不思議な食べ物だ。
あたたかな作品でした。