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moon

「9月9日9時9分」一木けい 2021-88

「9月9日9時9分」一木けい

16歳の女の子が自分が見ているものだけが
本物なわけじゃないことを知り成長してゆく物語。

バンコクからの帰国子女の漣が主人公。
漣のスキップするような朋温への思いと
元夫からのDVに苦しみ続ける姉の気持ちが
両方同時にやってくるのが苦しかった。
がバンコクの暑くて優しい描写に救われた。

この先の未来が描かれていたら
どんな結末でも「ふーん」ってなりそうなので
この終わり方は好き。

バンコクでも日本でも友達がよかったなぁ。

朋温がやや大人過ぎな気がするが
一木さんの小説には
よく出てくる男子な気がする。

あ、漣のお父さんはなんかあまり好きになれなかった。

 

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