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moon

通勤読書47

              「動物園の鳥」坂木 司


心優しき人達が巣立った。
ヤな奴もちょっと巣立った。

ヤな奴には想像力がないから、
イジメもほんの一時のゲームとして受け流す。
概ね、いじめる側として。

引きこもり気味の探偵、鳥井サンは
そんな奴にもきちんと教えてあげる。
言葉が通じない奴なのに。

『何か悪いことをしようとした時、
こんなことしたら天罰がくだる、とか地獄に墜ちるなんて
考えが浮かばない人間は、
心中に神様どころか誰も住んでいないのさ
そいつの前でこれができるか、
そいつの目を見られるか、
そういう相手を心に持っていれば、最低限の道徳は身につく』

そうよ、そのとおり



人は迷う。
どんなに絵に書いたように器用な人も
迷う。
迷いながら生きる。

迷わずに生きるにはあまりにも人は複雑だ。
滝本も寺田さんも松谷さんも巣立つ。
そして、当の本人達も、やはり決意する。

すがっていた手を離し、
再び出会う彼らは、元通りみたいだけど 違う。

この間までとは違うのだ。
それは、明らか。

殻を破るのって、大人になるのって
全ての決別じゃないんだ。
続いていくんだ、これってちょっと素敵。

またかえってきてね
坂木クンと鳥井サン。





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コメント一覧

u-mi
いいコンビでした。
そうなんですねー

次も楽しみです。
根無し草
この人は一度出したキャラを使い捨てにせず、
再登場させて大事にしてるでしょ?

この三部作が今でも一番人気なんです。

取り敢えず栄三郎と松谷さんは覚えておいて下さい。

次は新井クリーニング店の物語ですね。
新井と沢田のコンビ。今回は引き篭もってないですけど(笑)

坂木と鳥井に再会出来るのはいつになる事やら
・・・


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