よかったぁ、とてもよかった。
若い工藤君の、無知と気づきと熱い思いが
とてもよく描けていた。
心を動かすような小説が
必ずしも本になるわけではないという事実。
頭の固い企業も、
やはりお金をかけたところで
儲けを出さねば、存続できないわけで。
壁をなぜたり、押したり、突き破ったりしながら
生まれる、本というものの重さを思うと
ある一冊が、ある人のかけがえのない一冊になるのも
うなづける。
小説の書かれた頃の作者の想いや背景は
いろいろと考えたり
奥を覗き込んだり、
読んだり、聞いたりするような気がするけれど
本を取り囲む、ハード面のことは
あまり取り上げられることがない。
大好きな一冊になった。
しばらく余韻に浸りたい、
そういう一冊で、
素晴らしい。
クローバー・レイン (一般書) | |
大崎梢 | |
ポプラ社 |