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通勤読書 576 この男、キライ

 「ミッドナイトバス」伊吹有喜

一度バラバラになった家族の話。

どうして妻は子どもをおいて行ったのだろうと思っていたが、
読み進めるとそれなりの理由があった。

出ていく母を見送ったことは、
子ども達が寂しかったろうと思うとたまりません。

でも、どうしても、
この物語に出てくる主人公と元妻は好きになれなかったなぁ。

責任を取ることを恐れている男は
決定的なことをしないで、
責任を回避しているようにしか思えなかった。

16年前も今も。

今の恋人にさえ、
自分から別れておいて、
今更、追いすがるような生き方が腹立たしい。

でも、こういう人、モテるんだよなぁ、
あー、ムカつく。

「愛情ではなく愛惜」という言葉は、
さすがくぐさりと刺さった。

それは私も中年だから。
そして、そんな私も責任回避が上手なのかも。
モテないけどね。

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ミッドナイト・バス (文春文庫)
伊吹有喜
文藝春秋

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