「ガラスの海を渡る舟」寺地はるな
発売前のネットゲラで読了。
亡くなった祖父のガラス工房を兄妹で再開する道と羽衣子。
学校生活が上手く送れなかった道と
そつのない羽衣子、
出て行った父と離婚をしない母。
母の弟である叔父とその家族。
家族それぞれの生き方を考えるとシンプルには動けない。
他人との繋がりよりも家族の繋がりのほうが
こんがらがった時には面倒なことが多い。
その中で成長をしつつ
人を家族をそして何より自分をほどいてゆく物語だった。
必ず訪れる人の死を見つめ受け入れるための物語でもあった。
人それぞれの供養の仕方というよりも受け入れ方なのかもしれない。
「誰もが唯一無二の存在で誰も誰かの代わりにはなられへん」という言葉は
優しくもありとても厳しい言葉だ。
みんな違ってみんないい、
でも、それは自分の生き方は自分で選び責任を持てということ。
多分それは言葉にするよりも厳しい。
よかった、今作品も。一気読みでした。