球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

哀の揺らぎ

2007-04-16 | 技術
まずはこの音楽を聴いてもらおう。

最初に言っておくとゲーム音楽。この音楽を聴きたいがために
徹夜し(て、ニューゲームからここまでゲームを進め)たことがある。
だから、僕の記憶の音楽の一つ。

時間は朝5時30分、頭はふらふらするし体もゴムのようにふにゅふにゅになりながら、
体中を耳にしてこの音楽のそこはかとない虚無感に、
心臓が白く薄紙のようになっていく感覚を楽しんだものだ。
いや、その当時は楽しんだという言葉すら当てはまらないもっと無に近いものだったけど。

せっかくなので具体的に書くと、
この音楽は遊びやすいSFCの名作"クロノトリガー"の中盤の終わり頃に位置する
古代文明の栄えた王国ジールのテーマソング、曲名は"時の回廊"。調は恐らくfis-moll。

しかしさすがにゲーム音楽で、このテーマソングが流れる王国の末路が
あまりに虚しいからこそ名曲たりえているのも事実。

魔法が使えることで極寒の地上を離れ文字通り空中に住み着いた天空人。
しかし、大いなる厄災の前には彼らの力も歯が立たず、
砂上の楼閣ならぬ空上の楼閣は、あえなく崩れ去った。それを予感させる音楽。

そんな訳でfis-mollは、僕にとっての哀の揺らぎ。
聴いていると心が揺らいでくるし、心が揺らいでいるときに聴くととてもしっくりくる。
コメント
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