※2023年6月、追加・更新版、あります。
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毎年暮れに、ことし読んだ本をまとめていますが、年の半ばの折り返しに、本のトピックをおひとつ。時代小説好き、ミステリ好きの私(とだんなさん)。
が、それぞれ茶道を習ったり骨董蒐集をしていたりするわけで。そういえば、付き合い始める前からこのテの本の貸し借りがありました。
あまりまとまった情報がないように思いますので、ごっそりご紹介します。
アマゾンなどへのリンクがしてあるものは、ほぼ、私が読んだ本…実はまだ積ン読もある…です。
こんな本もあるよのご紹介も歓迎です。
◆「茶道」「茶人」
(おおむね時代順)
『兵庫の壺』 新宮 正春
『信長の茶会』 永田 ガラ
『織田信長 最後の茶会』 小島 毅
『秀吉と利休』 野上 弥生子
『利休と秀吉』 邦光 史郎
『鞆ノ津茶会記』 井伏 鱒二
『小説千利休』 童門 冬二
『千利休とその妻たち』 三浦 綾子
『利休』 星川 清司
『利休にたずねよ』 山本 兼一
『利休の闇』 加藤 廣
『天下人の茶』『茶聖』 伊東 潤
『茶道太閤記』 海音寺 潮五郎
『本覚坊遺聞』 井上 靖
漫画『千利休』 清原 なつの
『小説 織田有楽斎』 菅 靖匡
『宗湛修羅記』 森 真沙子
『神屋宗湛の残した日記』 井伏 鱒二
『覇商の門』(上下) 火坂 雅志
『数寄の織部』 永岡 慶之助
『幻にて候 古田織部』 黒部 亨
『小堀遠州』 中尾 實信
『孤蓬の人』 葉室 麟
『小堀遠州』 滝川 駿
『茶将 高山右近』 浅田 晃彦
漫画『へうげもの』 山田 芳裕
漫画『闘茶大名利休七哲』 西崎 泰正, 工藤 かずや
『千家再興』『千家奔流』『千家分流』 井ノ部 康之
『洛中の露 金森宗和覚え書』 東郷 隆
『茶筅の旗』 藤原 緋沙子
『仮想 茶会潜入記――時空を超えた茶人の彷徨』 谷 晃
『おおとりは空に』 津本 陽
『松風の家』(上下) 宮尾 登美子
『雪燃え』 円地 文子
『山月庵茶会記』 葉室 麟
『千羽鶴』 川端 康成
『銭の戦争』1~10 波多野 聖
『雨にもまけず粗茶一服』(上・下)『風にもまけず粗茶一服』『花のお江戸で粗茶一服』 松村 栄子
『卒業』 東野 圭吾
『利休伝説殺人事件』 柏木 圭一郎
『茶室殺人伝説』 今野 敏
『真贋』 今野 敏
『毒草師 白蛇の洗礼』 高田 崇史
漫画『私は利休』(1~4) 連打 一人、木村 宗慎、 早川 光
『尾道茶寮 夜咄堂 おすすめは、お抹茶セット五百円(つくも神付き)』『尾道茶寮 夜咄堂 猫と茶会と花吹雪(つくも神付き) 』 加藤 泰幸
私が読んだ中で、利休時代の小説では、やっぱり圧倒的に面白かったのは『利休にたずねよ』でしょうか。エキサイティングな小説でした。もうずいぶん以前に読んだのですが。
通好み的に面白かったのは古典的名作『本覚坊遺聞』。
マンガなら『へうげもの』。
それから必ずしも茶道というだけでない作ですが面白かったのが『覇商の門』。茶道というだけでないと言いましたが、この時代、時代的なこういう激動の要素があったからこその茶だったはずで、切り離して存在したり成立したりしたもののはずがない。 そのへんの面白さです。
そういう面も含めて読んでみたいなぁとかねて思っているのが 『神屋宗湛の残した日記』。なかなかご縁がつながらず★
『山月庵茶会記』、これは歴史ものではありませんが、茶的な雰囲気ゆたかな、時代小説です。しっとりと楽しめます。
逆にぜんぜんしっとりしない面白さだったのが、歴史小説というか時代小説というかナンセンスものというか、『銭の戦争』。これ面白かったなぁ。次々新刊がでるのをかなり楽しみにどんどん読ませてもらいました。歴史を、経済、外交、世相、数寄、といった多様な面からとてもよく踏まえていて、ストーリーはめっちゃナンセンスでどこまでいっちゃうのこの話と苦笑しつつ、なんというか、時代の空気を楽しみました。戦国数寄者たちが『覇商の門』のようだったとすると、明治の数寄者たちはこんなようだった、かも、しれない。。。
現代ものとして最高に面白く素敵なのが『雨にもまけず粗茶一服』からのシリーズ。これはいいわぁ。オイオイと言いたくなってしまう現代っ子たち。でもそんな若者たちにこそ、意外とこういうふうに本当にお求めている的なことに、茶の湯で出会えたりするかもしれないと思います。
それから、ライトノベルですが、『尾道茶寮 夜咄堂』の2冊。これも好きです。出ないかなぁ、続き。。。
◆「茶道具」「芸術家」「道具屋」「骨董屋」等
『小説日本芸譚』 松本清張
『乾山晩愁』 葉室 麟
『木葉天目の謎』 原田 隆峰
『源内なかま講』 高橋 克彦
『贋作師』 篠田 節子
『骨董屋征次郎手控』『骨董屋征次郎京暦』 火坂 雅志
『桂籠』 火坂 雅志
『晋平の矢立』 山本 一力
『狂い咲き正宗』『黄金の太刀』 ―刀剣商ちょうじ屋光三郎 山本 兼一
『千両花嫁』『ええもんひとつ』『赤絵そうめん』『利休の茶杓』―とびきり屋見立帖 山本 兼一
『珍品堂主人』 井伏 鱒二
『光琳の櫛』 芝木 好子
『文福茶釜』『離れ折紙』 黒川 博行
『人が見たら蛙に化れ』 村田 喜代子
『清談 佛々堂先生』『わらしべ長者、あるいは恋 清談 佛々堂先生』 服部 真澄
『孔雀狂想曲』 北森 鴻
『狐罠』『狐闇』『緋友禅』『瑠璃の契り』 北森 鴻
『深淵のガランス』『虚栄の肖像』 北森 鴻
『藍の雨 蒐集者たち』『白い久遠』 浅野 里沙子
漫画『ギャラリーフェイク』(全34巻) 細野 不二彦
『神の値段』『嘘をつく器 死の曜変天目』(『骨董探偵 馬酔木泉の事件ファイル) 『絵に隠された記憶』 一色 さゆり
『茶碗継ぎの恋―編集者風見菜緒の推理』 鏑木 蓮
『古道具 中野商店』 川上 弘美
『京都寺町三条のホームズ』(既刊1~14) 望月 麻衣
『月影骨董鑑定帖』(既刊1~3) 谷崎 泉
『京都骨董ふしぎ夜話』(1~3) 獅子ししゃも
『古道具屋 皆塵堂』(全8冊) 輪渡 颯介
『アンティークFUGA』(1~3) あんびるやすこ
さいごのほうは、もう、人の思い入れの詰った古いものには妖怪や怪異が…という世界に。
こちらの分野は、もうこの分野だというだけで通好みというか、フカい分野なので。どれが面白いと思われるか、お好み次第ですね。
でも、そうでもなく一般受け的にもよかったのは『とびきり屋見立帖』シリーズ。山本 兼一さん素晴らしかったんですよねぇ。ほんとうに、惜しまれます。。。
『清談 佛々堂先生』の2冊。これもおもろいよねぇ。これも、続きは出ないのかなぁ。
北森 鴻さんの連作はもう、言うに及ばず。鉄板の通好みのシリーズです。
『珍品堂主人』、 『文福茶釜』、『人が見たら蛙に化れ』、このあたりも、「うわ~っ」と圧倒されたというか、ちょっと引くというか、しかし忘れられないインパクトでした。
さいきんの怪奇もののはやりか、ライトノベルのはやりか、軽い道具屋さんモノが出てきて、ちょっと楽しい。たださーっと楽しく読んで終わってしまうかなぁ。
さらに経営者は教養と審美眼!とかいう論調も出てきているので、そういう方面の深みがある小説も出てきてほしい!!
期待していますよ~~~。
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