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反抗挑戦性障害のこどもたち

2019年02月14日 | 教育
【反抗挑戦性障害】

 反抗挑戦性障害とは,特に親や教師など目上の人に対して,拒絶的,敵対的,挑戦
的な行動をとる疾患である。DSM-5では,怒りっぽく,しばしばかんしゃくを起こし
たり,口論好きで人をイライラさせたり,意地悪で執念深かったりする様々な症状の
うち,4つ以上が6か月以上持続することとされる。育ちの中での要因の他,ADHDの
2次障害として発症しやすいとも言われている。診断として反抗期とは区別され,そ
の重症度や頻度が重篤なものである。

1 特徴的に表れるところ

・怒りっぽくイライラしやすい。気分の浮き沈みが激しく,周囲からの刺激に対して
 過剰に反応し,かんしゃくを起こす傾向がある。
・周囲がイライラする挑発的な行動をとる。家庭や学校の規則が守れず,学校では破
 壊的な行動を取ったり,校舎の屋根を走り回ってしまったりするなど,注意をされ
 ても繰り返してしまうような行動が見られる。
・意地悪で執念深い言動をする。言動はしばしば挑戦的であり,大人のいうことに対
 していちいち逆らったり,議論をもちかけたりして,その行為を楽しむようなそぶ
 りを見せる。

2 原因

・育ちの中での要因がある。自己調整力の弱さを抱える中,拒絶,無視,溺愛,一貫
 性のないしつけ,学校での不適応,学業不振といった状況が適切に対応されず放置
 されると,問題行動が増加し,反抗的な感情が積み重なって発症する。
・ADHD(注意欠陥多動性障害)の2次症状としての要因がある。ADHDでは,不注意,
 多動性,衝動性など症状のため,周囲から注意を受けやすい,その積み重ねが,2
 次障害として,ODD(反抗挑戦性障害)を発症するとも言われている。

3 教室でやってはいけない対応

・問題となる行動に対して,ただ,非難,批判,叱責を繰り返すことは,症状をさら
 に悪化させる危険性がある。周囲に対して適切な行動をとることができず,これま
 で,十分に非難,批判,叱責等は受け続けてきていることが予想される。

4 教室での対応策

①自己肯定感を高める

・自己肯定感がかなり低下し周囲の大人は敵である,という認識に至っている傾向が
 ある。近づくだけで,「やらない」「やだ」と言ってくる。そういった言動に感情
 的に対応せず,できていることを認め,褒める。席についていること,掃除の場に
 いることでも頑張っていることを認め,周りの大人が決して敵ではないことを気づ
 かせるようにする。

②関係性を改善する接し方に努める

・一緒にいる時間は貴重である。朝など,話をする時間を作る。キャッチボールや腕
 相撲などをする。。人との関係性が上がると,教室内で現れる症状は減少する。

5 未然に防ぐためのポイント

・ある日,突然発症するわけではなく,周囲への不満,不信感が積み重なって発症に
 至る。本人は周囲とうまく対応できず,心の底に強い劣等感が沸き起こり,自己肯
 定感が下がっていく中での起こるものである。早い段階から,うまく行動できない
 ことは,具体的に教えてほめる対応を心がける。本人がうまくできない苦しさを理
 解して接する。
・接する上では周りの大人が共通理解をもって接することが必要である。一貫した態
 度(具体的に教えてほめる)を取るように心がける。


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