低学年で,牛乳を飲まない,好き嫌いが多く食べない,という子がいる。
このような子は現在,とても多く見られる。どの様に指導していくのがよいのか。
1 指導の仕方
これまで20年以上経験してきた中で,指導の仕方は主に次の3つである。
(1) 何としても飲ませる食べさせる。
・何としても飲ませる,食べさせる,という指導を見かける。
・泣いてさけんでも,ゲッともどす感じになっても許さない。
・「甘えてるんです」「こうやれば何でも許されると思ってるんです」
という主張である。
(2) 挑戦は試みるが,無理はしない。
・少しにして「食べてみる?」「なめてごらん」と勧める
・小さく粉砕して食べさせてみる。
・好きな食べ物と混ぜて食べさせる。
(好きなうどんに粉砕した野菜を混ぜて進める。)
(3) 食べないものはそのうち食べるので良しとして勧めない。
・食べない物はそのままにして本人の食べたい気持ちに任せる。
2 考察
(1)はよくない
・発達障害のある子にとって,感覚は,通常と違うことがある。
・嫌いな物は,ヘビを食べさせられている気持ち悪さ,怖さがある場合もある。
・指導者の生きてきた感覚で,無理強いすることはそれこそ恐ろしい。
・牛乳など飲んだ瞬間に泣き叫んで「ウゲッ」とするならまだましである。
・牛乳を飲む前に泣き叫んで「ウゲッ」としたらかなり危険なサインである。
・それは,すでに条件反射となっており,3つの危険をはらむためである。
①戻しやすくなる可能性,癖になる可能性,反芻に行く可能性がある。
②周りの子の影響が心配される。
・知的に高い子は,「きちんと食べないと怒られてしまう」と学習できるかもし
れないが,知的に低い子は,「大人は怒るもの」「大人は怖い物」という認識
をもってしまう。
③保護者は了解していることか。
・そんな状態をよしとしているかどうかが心配される。
(2)がよいと考える
・食のこだわりは成長に伴って生物学的にかなり変化する。
・しかし,未経験で食べないこともある。
・ヘビをかむほどの本当に嫌な感覚がなければ,少しは挑戦させて,食や経験を
広げたい。
・少しずつなら1年で食べられるようになることはある。
(3)は(1)よりははるかによい。
・まったく誘わないのはもったいないので,いけそうなときは少し誘うくらいで
後はこだわらなくてよい。地域で何千人も発達障害の子を見てきたこの世界で
も尊敬を受けているドクターが,「偏食の指導はしないでください。そのこと
で,栄養失調などになった子は見たことがありません。むしろ,偏食指導でト
ラウマや人嫌いになってきた子を何人も見ています」と話されていた。
熱意があると,どうしても(1)にいきやすい。
本人や周りの指導者は,それがその子にとって必要だと真剣に行う所だが,他
の人が見ると,泣き叫んで吐いているのを食べなさいという行為はどう映るか。
このような子は現在,とても多く見られる。どの様に指導していくのがよいのか。
1 指導の仕方
これまで20年以上経験してきた中で,指導の仕方は主に次の3つである。
(1) 何としても飲ませる食べさせる。
・何としても飲ませる,食べさせる,という指導を見かける。
・泣いてさけんでも,ゲッともどす感じになっても許さない。
・「甘えてるんです」「こうやれば何でも許されると思ってるんです」
という主張である。
(2) 挑戦は試みるが,無理はしない。
・少しにして「食べてみる?」「なめてごらん」と勧める
・小さく粉砕して食べさせてみる。
・好きな食べ物と混ぜて食べさせる。
(好きなうどんに粉砕した野菜を混ぜて進める。)
(3) 食べないものはそのうち食べるので良しとして勧めない。
・食べない物はそのままにして本人の食べたい気持ちに任せる。
2 考察
(1)はよくない
・発達障害のある子にとって,感覚は,通常と違うことがある。
・嫌いな物は,ヘビを食べさせられている気持ち悪さ,怖さがある場合もある。
・指導者の生きてきた感覚で,無理強いすることはそれこそ恐ろしい。
・牛乳など飲んだ瞬間に泣き叫んで「ウゲッ」とするならまだましである。
・牛乳を飲む前に泣き叫んで「ウゲッ」としたらかなり危険なサインである。
・それは,すでに条件反射となっており,3つの危険をはらむためである。
①戻しやすくなる可能性,癖になる可能性,反芻に行く可能性がある。
②周りの子の影響が心配される。
・知的に高い子は,「きちんと食べないと怒られてしまう」と学習できるかもし
れないが,知的に低い子は,「大人は怒るもの」「大人は怖い物」という認識
をもってしまう。
③保護者は了解していることか。
・そんな状態をよしとしているかどうかが心配される。
(2)がよいと考える
・食のこだわりは成長に伴って生物学的にかなり変化する。
・しかし,未経験で食べないこともある。
・ヘビをかむほどの本当に嫌な感覚がなければ,少しは挑戦させて,食や経験を
広げたい。
・少しずつなら1年で食べられるようになることはある。
(3)は(1)よりははるかによい。
・まったく誘わないのはもったいないので,いけそうなときは少し誘うくらいで
後はこだわらなくてよい。地域で何千人も発達障害の子を見てきたこの世界で
も尊敬を受けているドクターが,「偏食の指導はしないでください。そのこと
で,栄養失調などになった子は見たことがありません。むしろ,偏食指導でト
ラウマや人嫌いになってきた子を何人も見ています」と話されていた。
熱意があると,どうしても(1)にいきやすい。
本人や周りの指導者は,それがその子にとって必要だと真剣に行う所だが,他
の人が見ると,泣き叫んで吐いているのを食べなさいという行為はどう映るか。