【知的障害】
IQ70以下の知的機能で,意思伝達,自己管理,家庭生活等で困難が存在する。
IQ70付近の場合,支援学級へ通級しての個別指導が望ましい。知的障害を主とす
る特別支援学校への措置に関しては,知的障害の診断を受けているか,もしくは療育
手帳等を取得していることが基本となる。アメリカ精神遅滞学会による新定義の中で
は,社会的観点から能力障害のレベルの判定にIQは用いられず,社会適応とその状
態が重要とされる。
1 特徴的に表れるところ
・時間や数量の理解が苦手である。
・覚えたことをすぐ忘れてしまいやすい。
・運動発達の遅れが見られる。
・手先を使った動きが苦手である。
2 教室で見られる様子
・小学校:授業中,分からないことが多く,授業についていけなくなり,鉛筆などで
いたずらを始めてしまうことがある。平仮名50音もしっかり覚えられていないとき
には,ノートを取れないこともしばしば見受けられる。国語・算数に関しては特に
支援学級等で発達段階に合った学習が必要である。
・小学校4年生でIQ70の場合,認知面で2~3歳遅れた発達段階ということになり
行動が周りから見て幼く見える場合も多い。
・中学校:中学校の一般学級の授業にはほとんどついていくことが難しくなる。支援
学級等で,発達段階に合った学習が必要となってくる。以前,知的な遅れがあるが
一般学級での指導を望んで支援学級等にはあまり行かない生徒がいた。一般学級で
はノートを取ることが中心の学習となり,後は説明が分からないことが多いため,
資料集を見て過ごしたり,本を眺めたりしていた。家庭科で,掃除の仕方のお手本
など活動があると,積極的に前に出ていた。
3 支援について
・支援員が教室に配置され,教科書を出すよう声をかけたり,プリントの今やってい
るところを指さして教えたりする支援がある。しかし,支援員は学習の指導は制限
されており,授業に直接かかわることが難しい。担任との連携が重要となる。
・全体に指示した後,分からず困っていることがしばしばあるので,個別の指示をす
る。全体の指示をし,他の生徒が活動をし始めた後,さりげなく個別指示,指導を
することが必要である。
4 早期発見のポイント
・小学校に入学した際,ひらがなが書けるか,見る必要がある。読み書きの力が分か
る。
・入学して早い段階でケンケンパ―をさせてみる。知的遅れがある場合,うまくでき
ず,ぎこちない動きになる。運動の協調性を見る。
・キラキラ星の歌を,振付を付けて歌い真似をさせる。模倣の力が分かる。
5 教室でやってはいけない対応
・「何でやらないの」とやっていないこと,できていないことを叱る対応である。分
からずにやらないことがしばしばある。分からないことを「はやくやりなさい」と
叱られると,「こんなのやりたくない」と癇癪を起こしたり,勉強が嫌いになった
りしてしまう。
・なにも支援をせず,様子を見るだけでもいけない。言葉かけや何かできる活動の保
障が必要である。
IQ70以下の知的機能で,意思伝達,自己管理,家庭生活等で困難が存在する。
IQ70付近の場合,支援学級へ通級しての個別指導が望ましい。知的障害を主とす
る特別支援学校への措置に関しては,知的障害の診断を受けているか,もしくは療育
手帳等を取得していることが基本となる。アメリカ精神遅滞学会による新定義の中で
は,社会的観点から能力障害のレベルの判定にIQは用いられず,社会適応とその状
態が重要とされる。
1 特徴的に表れるところ
・時間や数量の理解が苦手である。
・覚えたことをすぐ忘れてしまいやすい。
・運動発達の遅れが見られる。
・手先を使った動きが苦手である。
2 教室で見られる様子
・小学校:授業中,分からないことが多く,授業についていけなくなり,鉛筆などで
いたずらを始めてしまうことがある。平仮名50音もしっかり覚えられていないとき
には,ノートを取れないこともしばしば見受けられる。国語・算数に関しては特に
支援学級等で発達段階に合った学習が必要である。
・小学校4年生でIQ70の場合,認知面で2~3歳遅れた発達段階ということになり
行動が周りから見て幼く見える場合も多い。
・中学校:中学校の一般学級の授業にはほとんどついていくことが難しくなる。支援
学級等で,発達段階に合った学習が必要となってくる。以前,知的な遅れがあるが
一般学級での指導を望んで支援学級等にはあまり行かない生徒がいた。一般学級で
はノートを取ることが中心の学習となり,後は説明が分からないことが多いため,
資料集を見て過ごしたり,本を眺めたりしていた。家庭科で,掃除の仕方のお手本
など活動があると,積極的に前に出ていた。
3 支援について
・支援員が教室に配置され,教科書を出すよう声をかけたり,プリントの今やってい
るところを指さして教えたりする支援がある。しかし,支援員は学習の指導は制限
されており,授業に直接かかわることが難しい。担任との連携が重要となる。
・全体に指示した後,分からず困っていることがしばしばあるので,個別の指示をす
る。全体の指示をし,他の生徒が活動をし始めた後,さりげなく個別指示,指導を
することが必要である。
4 早期発見のポイント
・小学校に入学した際,ひらがなが書けるか,見る必要がある。読み書きの力が分か
る。
・入学して早い段階でケンケンパ―をさせてみる。知的遅れがある場合,うまくでき
ず,ぎこちない動きになる。運動の協調性を見る。
・キラキラ星の歌を,振付を付けて歌い真似をさせる。模倣の力が分かる。
5 教室でやってはいけない対応
・「何でやらないの」とやっていないこと,できていないことを叱る対応である。分
からずにやらないことがしばしばある。分からないことを「はやくやりなさい」と
叱られると,「こんなのやりたくない」と癇癪を起こしたり,勉強が嫌いになった
りしてしまう。
・なにも支援をせず,様子を見るだけでもいけない。言葉かけや何かできる活動の保
障が必要である。