【解離性障害】
解離性障害とは,耐えがたい心理的苦痛やストレスのため,記憶や感情,自我
が分離し,感覚をまとめる力が失われ,過去の記憶の一部が失われたり,感覚や
感情が麻痺し,自分が誰だかわからなくなったり,いくつもの人格が現れたりす
るなど,その症状が深刻で,日常生活に支障をきたすもの状態の障害である。
1 特徴的な症状
・激しいもの忘れ,記憶の喪失がある。
・意識がはっきりしなくなる。
・心が体から離れているような感じが続く。
・二重人格,多重人格が起こる。
2 原因
・ストレスや心的外傷が関係しているといわれる。心的外傷には様々な種類があ
り,災害,事故,暴行を受けるなど一過性のものもあれば,幼少期の虐待,性
的虐待,長期にわたる抑圧状態など慢性的に繰り返されるものもある。そのよ
うな苦しい体験によるダメージを避けるため,精神が緊急避難的に機能の一部
を停止させることが解離性障害につながると考えられている。
3 子ども虐待との関係
・解離性障害の原因の一つとして,児童虐待,性的虐待,養育放棄などが指摘さ
れることが多い。最も重要な人物である養育者による虐待は,本来適切な養育
によってはぐくまれていく自己感も生じないことにつながる。苦しい状態を別
な自分に置き換えることによって回避する行動へとつながる。それが,多重の
人格の表れにつながる場合もある。
4 解離性障害の主な症状と種類
・解離性健忘:最近の重要な出来事の記憶喪失であり,器質的な精神障害に起因
せず通常の物忘れでは説明できないほど強い。
・解離性とん走:自分が誰か分からなくなり,また,最近の重要な出来事の記憶
も喪失した中,家庭や職場から離れ,失踪して旅に出たり,新たな生活を始め
たりするなどの症状である。
・多重人格障害:一人の人格の中にいくつもの人格が存在する。
・離人性障害:自分の感覚がなくなり,自分が自分でなくなってしまう。
5 正常な想像機能の除外
・解離という現象は,大きく正常な(適応的な)解離と,不適応的な解離に分け
ることができる。子どもの遊びの中には,ヒーローになりきったり,おままご
とをしたりなど,ごっこ遊びの世界が存在する。この世界は,想像力によって
現実とは離れた世界に行ったり,現実を再構造したりする点で解離ともいえる
体験である。この状態は,10歳までが多く,解離性障害とは区別しておく必
要がある。
6 行動を改善するための方策
・認知行動療法:症状の原因となっている不安や恐怖がなんであるかを突き止め
て,どのように対処していけばよいかを探る方法。
・心理療法:ともすると全く理解できない不可解なことであっても,無意識に抑
圧され,ストレスがかかっている状態だと見て取ることで理解しやすくなる。
症状から「なぜだろう」とその意味を考えることで症状が改善していく。
7 家族や友人が心がける対応
・専門医などで家族相談という形で面談を入れ,解離性障害の正しい理解を図
る。
・解離性の症状は,何らかのストレス要因によって悪化する傾向があるため,日
常場面でのストレス軽減に努める。
・友人の立場の場合,ストレスになりそうな事態をよく理解し,軽減する。例え
ば,普段より仕事量を減らしていく,休息がとりやすい環境を作ってあげる。
・虐待的な家族環境がある場合,その状況から切り離す手立てを講じる。
解離性障害の改善には,より安全で保護的な環境が極めて重要である。
解離性障害とは,耐えがたい心理的苦痛やストレスのため,記憶や感情,自我
が分離し,感覚をまとめる力が失われ,過去の記憶の一部が失われたり,感覚や
感情が麻痺し,自分が誰だかわからなくなったり,いくつもの人格が現れたりす
るなど,その症状が深刻で,日常生活に支障をきたすもの状態の障害である。
1 特徴的な症状
・激しいもの忘れ,記憶の喪失がある。
・意識がはっきりしなくなる。
・心が体から離れているような感じが続く。
・二重人格,多重人格が起こる。
2 原因
・ストレスや心的外傷が関係しているといわれる。心的外傷には様々な種類があ
り,災害,事故,暴行を受けるなど一過性のものもあれば,幼少期の虐待,性
的虐待,長期にわたる抑圧状態など慢性的に繰り返されるものもある。そのよ
うな苦しい体験によるダメージを避けるため,精神が緊急避難的に機能の一部
を停止させることが解離性障害につながると考えられている。
3 子ども虐待との関係
・解離性障害の原因の一つとして,児童虐待,性的虐待,養育放棄などが指摘さ
れることが多い。最も重要な人物である養育者による虐待は,本来適切な養育
によってはぐくまれていく自己感も生じないことにつながる。苦しい状態を別
な自分に置き換えることによって回避する行動へとつながる。それが,多重の
人格の表れにつながる場合もある。
4 解離性障害の主な症状と種類
・解離性健忘:最近の重要な出来事の記憶喪失であり,器質的な精神障害に起因
せず通常の物忘れでは説明できないほど強い。
・解離性とん走:自分が誰か分からなくなり,また,最近の重要な出来事の記憶
も喪失した中,家庭や職場から離れ,失踪して旅に出たり,新たな生活を始め
たりするなどの症状である。
・多重人格障害:一人の人格の中にいくつもの人格が存在する。
・離人性障害:自分の感覚がなくなり,自分が自分でなくなってしまう。
5 正常な想像機能の除外
・解離という現象は,大きく正常な(適応的な)解離と,不適応的な解離に分け
ることができる。子どもの遊びの中には,ヒーローになりきったり,おままご
とをしたりなど,ごっこ遊びの世界が存在する。この世界は,想像力によって
現実とは離れた世界に行ったり,現実を再構造したりする点で解離ともいえる
体験である。この状態は,10歳までが多く,解離性障害とは区別しておく必
要がある。
6 行動を改善するための方策
・認知行動療法:症状の原因となっている不安や恐怖がなんであるかを突き止め
て,どのように対処していけばよいかを探る方法。
・心理療法:ともすると全く理解できない不可解なことであっても,無意識に抑
圧され,ストレスがかかっている状態だと見て取ることで理解しやすくなる。
症状から「なぜだろう」とその意味を考えることで症状が改善していく。
7 家族や友人が心がける対応
・専門医などで家族相談という形で面談を入れ,解離性障害の正しい理解を図
る。
・解離性の症状は,何らかのストレス要因によって悪化する傾向があるため,日
常場面でのストレス軽減に努める。
・友人の立場の場合,ストレスになりそうな事態をよく理解し,軽減する。例え
ば,普段より仕事量を減らしていく,休息がとりやすい環境を作ってあげる。
・虐待的な家族環境がある場合,その状況から切り離す手立てを講じる。
解離性障害の改善には,より安全で保護的な環境が極めて重要である。