【自然のバランス】
ショウジョウバエの成虫が15匹になり、このままコップの中の腐った熟柿にたかって殖えていくと、大変な数になるな!と思っていたが、意外にハエが殖えない。コップの中には蛆がうようよしており(Fig.1)、コップの内壁や上縁には蛹になったものがたくさん付着しているのに。
(Fig.1:ショウジョウバエのウジ)
写真は右下にサナギになる前の、白く太いウジが水中を游いでいる。左の柿の断面には、卵から幼生に変わったばかりの小さな白いウジがひしめいている。これはたぶん、「第4世代」だと思う。
右の太い幼生は、USB顕微鏡で見ると、こんな感じだ。(Fig.2)
(Fig.2.:ショウジョウバエのウジ幼生)
もう少し発生が進むとこうなる(Fig.3)。
(Fig.3:ショウジョウバエのサナギ。これは羽化する直前である。)
二三日前、どうしても水を流す必要があり、コップとビールの空き缶をキチネットの卓上に移した。そしたら何と小さなヤモリが隠れていて、大あわてで窓際の食器の水切りの下にもぐり込んだ。水滴を受けるためにステンレスのバットが置いてあり、それと壁との間に隠れたらしい。昼間のことで陽が射していたから、それで爬虫類のヤモリが活動できるのか、とさして気にも止めなかった。
ところが11/4(水)夜の21:00、別の用でまたコップを動かそうとしたら、窓際をヤモリが走って逃げた。外気温は9℃で、とてもヤモリが活動できる温度ではない。不思議に思い棒状温度計で、キチネットの流し鉢の中の気温を計測したら20℃あった。この気温なら、ハエや蛆が活動していることも、ヤモリがやってくることも説明できる。
「方丈」に近い仕事場は浴用カーテンで仕切りがしてあり、石油ストーブを使用しているので、室温は25℃ある。エアコンのファンだけ廻して、天井から下向きの気流を作り出している。その圧で、一部の暖気がカーテンの隙間から書庫の他の箇所に広がり、キチネットの気温も20℃まで上がっている、というわけだ。
それでショウジョウバエが増えて行くが、今度は小さなヤモリが活動して、ハエを餌にしているというわけだ。ヤモリが見事なハンターであることは、夏の間に仕事場の窓の外にやってくる蛾を捕らえるやり方を見て、よくわかっている。
「資料・日本動物史」によると、ヤモリは平安時代から江戸中期までイモリと混同され「ヤマイモリ」と呼ばれ「守宮」と書かれたそうだ。ヤマイモリがなまって「ヤモリ」になり、守宮とあて字され、その血が珍重されたとある。「惚れ薬、イモリの黒焼き」というのは、元は「ヤモリの黒焼き」だったそうだ。
そういうわけで、ここは完璧に管理された実験室でないので、ショウジョウバエの対数曲線的な増殖は起こらず、ヤモリという天敵が現れて個体数を適当に減少させるのだ、ということを「発見」した。ヤモリは開放的な日本家屋には昔からどこでもいた。もしかするとあれが、屋内に侵入したハエや蛾を退治してくれて、家をクリーンにしていたのかも知れない。ひょっとすると「家守」とも書いたのではないか…。
ショウジョウバエの成虫が15匹になり、このままコップの中の腐った熟柿にたかって殖えていくと、大変な数になるな!と思っていたが、意外にハエが殖えない。コップの中には蛆がうようよしており(Fig.1)、コップの内壁や上縁には蛹になったものがたくさん付着しているのに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1d/8f/c52698e42e4e8e9365b7f70ea8ff788d_s.jpg)
(Fig.1:ショウジョウバエのウジ)
写真は右下にサナギになる前の、白く太いウジが水中を游いでいる。左の柿の断面には、卵から幼生に変わったばかりの小さな白いウジがひしめいている。これはたぶん、「第4世代」だと思う。
右の太い幼生は、USB顕微鏡で見ると、こんな感じだ。(Fig.2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0c/ea/fbddfcc4f7ec7651e1e251a6bc768803_s.jpg)
(Fig.2.:ショウジョウバエのウジ幼生)
もう少し発生が進むとこうなる(Fig.3)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/48/3e/07e6e56024692b62ddbd5baecaa8d7f9_s.jpg)
(Fig.3:ショウジョウバエのサナギ。これは羽化する直前である。)
二三日前、どうしても水を流す必要があり、コップとビールの空き缶をキチネットの卓上に移した。そしたら何と小さなヤモリが隠れていて、大あわてで窓際の食器の水切りの下にもぐり込んだ。水滴を受けるためにステンレスのバットが置いてあり、それと壁との間に隠れたらしい。昼間のことで陽が射していたから、それで爬虫類のヤモリが活動できるのか、とさして気にも止めなかった。
ところが11/4(水)夜の21:00、別の用でまたコップを動かそうとしたら、窓際をヤモリが走って逃げた。外気温は9℃で、とてもヤモリが活動できる温度ではない。不思議に思い棒状温度計で、キチネットの流し鉢の中の気温を計測したら20℃あった。この気温なら、ハエや蛆が活動していることも、ヤモリがやってくることも説明できる。
「方丈」に近い仕事場は浴用カーテンで仕切りがしてあり、石油ストーブを使用しているので、室温は25℃ある。エアコンのファンだけ廻して、天井から下向きの気流を作り出している。その圧で、一部の暖気がカーテンの隙間から書庫の他の箇所に広がり、キチネットの気温も20℃まで上がっている、というわけだ。
それでショウジョウバエが増えて行くが、今度は小さなヤモリが活動して、ハエを餌にしているというわけだ。ヤモリが見事なハンターであることは、夏の間に仕事場の窓の外にやってくる蛾を捕らえるやり方を見て、よくわかっている。
「資料・日本動物史」によると、ヤモリは平安時代から江戸中期までイモリと混同され「ヤマイモリ」と呼ばれ「守宮」と書かれたそうだ。ヤマイモリがなまって「ヤモリ」になり、守宮とあて字され、その血が珍重されたとある。「惚れ薬、イモリの黒焼き」というのは、元は「ヤモリの黒焼き」だったそうだ。
そういうわけで、ここは完璧に管理された実験室でないので、ショウジョウバエの対数曲線的な増殖は起こらず、ヤモリという天敵が現れて個体数を適当に減少させるのだ、ということを「発見」した。ヤモリは開放的な日本家屋には昔からどこでもいた。もしかするとあれが、屋内に侵入したハエや蛾を退治してくれて、家をクリーンにしていたのかも知れない。ひょっとすると「家守」とも書いたのではないか…。
自然の摂理で本来の人口に落ち着こうとしているんです。
難民受け入れなど冗談じゃないよ。