ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

1-5-2015鹿鳴荘便り・難波先生より

2015-01-06 16:28:48 | 難波紘二先生
賀正
 日経の連載小説「禁断のスカルペル」は(私もそうですが)、切り抜いて保存している人が多いようです。「朝日新聞連載小説の120年」というムックによると、新聞連載小説のルーツは、明治8(1875)年「平仮名絵入新聞」に3日間連載された「岩田八十八の話」という犯罪実話小説だそうです。
 明治の新聞読者は朝読んだ小説を夜また読み、さらに切り抜いて帳面に貼り付けて保存していたそうです。私も伯母が朝日連載の井上靖「氷壁」を何はさておいても、真っ先に読んでいたのを覚えている。中学1年の頃だったと思う。上記ムックの索引を見ると、綺羅星の如き名作が、朝日紙上で発表されたことを痛感する。
 産経が本家の司馬遼太郎ですら、「花神」、「胡蝶の夢」は朝日紙上で発表している。
 そういう意味でも、朝日はきちんと立ちなおってほしいと思う。

 珍しい写真をお目にかけたい。
 昨年の12/17日、仕事場の軒に見事に下がったツララを観察しているうち、小さな氷柱が宙に浮いているのを認めた。(写真A)
(写真A)
 「不思議なことよ…」と思いズームアップしてみたら、何と氷柱がクモの糸により軒下からぶら下がっていた。(写真B)
(写真B)
 クモ糸のことは日本のクモ学の第一人者小野典嗣先生か、『クモの糸のミステリー:ハイテク機能に学ぶ』(中公新書)という著書があるバイオポリマーの工学者大崎茂芳さんにでも、お聞きするしかないのだが、この部位には秋口までゴミグモの巣があり、縦の太い糸(縦糸)が屋根裏まで延びていた。ゴミグモの糸でないと、こんな重い氷柱は支えきれないだろう。氷柱に左端からぶら下がっているゴミは、ゴミグモが巣に溜めていたゴミの名残ではないかと思う。(小野先生、間違っていたらご指摘下さい。)

 大崎氏の研究によるとジョロウグモの牽引糸の破断界は伸び率20%、重さ2gだそうで、この氷柱はとても2gというような軽いものではない。
 ひょっとすると、ゴミグモの牽引糸はもっとも強靱な糸かも知れない、と思った。

 どうしてこんなものができたのか?
 恐らくツララが成長する過程で、牽引糸を巻き込み、クモ糸が強靱だから切れることがなかった。朝になって陽が昇り、ツララの付け根が溶けてくると、クモ糸の引っ張りの強さに負けて、落下して宙づりになった、その証拠は氷柱が直でなく、屋根裏からの牽引糸の付着部で曲がっていることであろう。
 つまり夜の間、ツララとクモ糸は引っ張りっこをしていて、陽が昇るとついにツララが負けたというわけだろう。それが私なりの解釈だ。しかしこんな光景は初めて見た。
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