ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

1-11-2016鹿鳴荘便り/難波先生より

2016-01-11 15:49:02 | 難波紘二先生
 1.昨年春、弘前大医学部から「血液型と性格に相関がある」という論文が出て、一部のネット誌が大きく取り上げたようです。
 この論文に対する批判を「ヘルスプレス」誌に発表しましたので、お読み下さればと思います。5回連載予定のうちの2回目です。
 http://healthpress.jp/2016/01/post-2198.html


 2.米軍が北朝鮮の地下核実験に対して、戦略爆撃機を韓国に配備し、示威行動に出たためにわかに北東アジアがきな臭くなってきた。
 その前に、去年の秋から日本海岸に北朝鮮軍兵士が漁師に化けて操業する漁船の難破船と死体が多数漂着し始めた。


 日本のメディアは「漁業を盛んにし、輸出を増やすように金正恩が指令したから」と解説報道していたが、まったく信じられなかった。冬の日本海の荒波は

ベテランの漁師さえも遭難の危険がある。にわか仕立ての北朝鮮陸軍兵士の漁師が操業などできるものか。


  M5クラスの地下核実験の成功と運搬可能な小型核兵器の開発の試行と、この日本海における不審な軍の行動とは美事に結びつく。これは、
 若杉洌 「原発ホワイトアウト」(講談社, 2013/9)
が警告したように、福井県か新潟県にある原発をターゲットした、「原発テロ」の下準備であろう。


 未だに補助金ほしさに「原発再稼働」に賛成している住民は「原発テロ」の恐ろしさを少しでも考えたことがあるのだろうか?


 世界は今、局地紛争が多発している。北朝鮮がらみの核問題、中国の領土的野心に伴う南沙諸島などの紛争、パキスタン北部とアフガンのテロ、イランとサウジの争い、シリア北東部とイラク北部を巡るISのテロ支配とシーア派・スンニ派の争い、ロシアの帝国主義化に伴うクリミア半島をめぐるウクライナとロシアの争い、EUに押しかけるイスラム系の大量の難民。アフリカでも紛争は多発している。これらが一挙に繋がり合うと「第三次世界大戦」が起こりかねないという予測もある。


 が、二度の世界戦争をへて、人類の「理性(Rationale)」は少しはマシになっており、そこまでの破局(カタストロフィ)には至らないだろう。
 いま、スティーブン・ピンカー「暴力の人類史(原題The Better Angels of Our Nature: Why Violence has Declined)」(青土社)を読んでいる。原題の「人間性の善なる天使」はアブラハム・リンカーンの言葉から採られたそうだ。
 進化心理学者のピンカーは、渾身の力を振るって、人類の歴史において暴力の質と量がいずれも時代とともに穏和になり減っていることを多数の統計を駆使して示している。
 スイスアルプスの「アイスマン」からピロリ菌が見つかったと、メデイアが騒いでいるが、ピンカーはこの男が殺害されたことを各種のデータから示している(p.28)。


「テロ組織は時間の経過とともに指数関数的な割合で消滅し、その平均存続期間は、5〜9年」だという(p.605)。
 1970年代には日本を含めて世界の先進国に多くのテロ組織が誕生し、活発に活動した。中には「日本赤軍」のように、パレスチナの民族テロ組織に合流したものもある。だが、それらは10年と経たないうちに消滅してしまった。
 私は表面的な波乱(タービュランス)にもかかわらず、長期的にはピンカーの結論を支持したい。


 今回は、
目次
1.書評など,:野坂昭如の初期代表作「エロ事師たち」、S.Kubrickの発音について、
2.消滅する集落,(写真3枚):役人は消滅しつつある集落の現状を把握していないこと
3.死亡宣告,:医師の「最後の一言」もなかなか難しいこと、
4.死亡診断書,:書き方により、死因・疾病統計はいくらでも変わること。「デンマーク・モデル」に学ぶ必要があること、
5.訃報=加島祥造,英訳で老子を「発見した」英語学者の死について、
6.丸山眞男,:山本義隆(元東大全共闘議長)による痛烈な批判
7.本さまざま,(写真2枚):イサベラ・バード「朝鮮奥地紀行」(東洋文庫)と「朝鮮紀行」(講談社学術文庫)が同じものであることについて、
以上、7つの話題を取り上げました。
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