ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【買いたい新書】難波先生より

2019-01-19 22:47:43 | 難波紘二先生
【買いたい新書】
 このタイトルのもとに書評を書き始めて約10年、1/14(月)にNo.460 (F/アメリカ文学/青春小説/古典:J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』、(野崎孝訳:白水Uブックス, 1984/5, 332頁, ¥880)をアップしたばかりだ。
https://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/
 何という偶然だろうか。1/14「産経」文化欄がサリンジャーの特集記事を載せていた。
今年の1月1日が彼の生誕100周年に当たるのだそうだ。書評原稿は野崎孝訳と村上春樹訳の両方を読み込んで書いたので、読むのに1週間、書くのに2日かかった。原稿は土曜日にメール送信した。「ライ麦畑」はこれまで世界で6,500万部売れ、今も毎年25万部程度売れているという。まさに「古典」になってしまったわけだ。
 思うにサリンジャーという作家は時代を50年ほど早く生まれた人だと思う。今の若者はサリンジャーみたいにADHDぽくなってきたから、「ライ麦畑」に容易に共感できるのではないか。

 毎年、約50冊の書評を書いているのだが、従来はPC画面で見る仕様で、アクセス数が100万のオーダーだったが、昨年の5月末からスマホでもアクセスできる仕様に変わったら、とたんに1,000万単位のヒット数が出るようになった。これまでアクセスが3,000万件を超えた本は、以下の5冊である。
 1)保坂正康:「昭和史の怪物 七つの謎」(講談社現代新書, 2018/7, 277頁, ¥880)
 2)蔀(しとみ) 勇造:「物語 アラビアの歴史」(中公新書, 2018/7, 386頁, ¥1,100)
 3)村田沙耶香:「コンビニ人間」(文春文庫, 2018/9,168頁, ¥580)
 4)江崎禎英:「社会は変えられる 世界が憧れる日本へ」(国書刊行会,2018/6,221頁, ¥1,800)
 5)藤岡換太郎:「川はどうしてできるのか」(講談社ブルーバックス, 2014/10, 222頁, ¥860)
 書評アップ後に、念のためにAMAZONのレビューと比較しているが、藤岡本が五つ星、他は四つ星であり、選書眼に大きな狂いはないと思っている。
 最近の書評8本はここにあるのでご覧頂きたい。
https://frob.co.jp/kaitaishinsho/new2.php

 「晴耕雨読」ではなく、すっかり「晴読雨読ときどき執筆」の生活になってしまった。
次回は小林登志子「シュメル:人類最古の文明」(中公新書)か、下村湖人の大作「次郎物語・全五部」を取り上げようと考えている。

 1/17「日経」を読んでいて、「トークン不動産」という新語を知った。
 一般英語としての「トークン(token)」は「1.サイン、象徴, 2.商品券、3.自動改札機用の専用コイン」の意味がある。歴史的には、上記「シュメル」によれば、紀元前3000年前のシュメール文化で初めてトークンが出現した。雄牛と雌牛とかヒツジとか犬とかパンや油を形取った粘土製の小人形で、それを数個ずつ「ブッラ」という蓋付き円球状容器に入れ、資産管理に使用していた。まだ柔らかい粘土製の容器の外側に契約の印として、中に入れたトークンのスタンプを押したという。
 ブッラの中に同じトークンが入っており、それが資産の量を示していたのだ。

 粘土板の絵文字はこのトークンをいろいろ押すところから始まったという。初めは縦書きであったが、後に表音の楔形文字が発明され「ウルク古拙文字」は600字あったという。「ハムラビ法典」の石碑は縦書きで、後に粘土板のウルク文字は横書きに移行したが、これにも右横書き、左横書き、牛耕書き(折り返し書き)といろいろあったそうだ。
 フェニキア・アルファベットのA(アレフ)が元は「V」で、雄牛を意味し、その後に絵文字が逆転して横に一が入って「A」になったのがよく分かる。あれは元雄牛のトークンだった。オウム真理教の後継団体「アレフ」は、フェニキア語のAを名称に採用した。

 日経の記事によると不動産の権利書を分割して小口化し、「トークン」(デジタル権利書)として、ブロックチェーン(分散型台帳)に基づいて個人投資家に販売するのだそうだ。5,000年前のシュメール人の考案が、IT化社会で生かされるとは思わなかった。

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