【消滅する集落】
今年は元旦から「中国」で「消滅寸前の限界集落」にスポットを当てた「中国山地」連載が始まった。興味深く読んでいる。この新聞はかつて高度成長経済が始まった頃「中国山地」という連載を行った。その後、もう一度「西中国山地」という連載でその後の中国山地を取り上げた。二度目の時には高校同期の安藤欣賢君が担当したと記憶する。いずれも囲み記事で、読みやすく内容もよかった。
同じ中国山地が今度は「高齢化」により集落が消滅危機を迎えている。1/10の同記事で「東広島市の「消滅危惧集落なし」と報じているが、これは役所の回答をそのまま報じたもので、記者が足で歩いて得たデータではないだろう。
「集落」をどう定義するかにもよる。役所では地区の集会所がある単位を「集落」としているのではないか。自然地理的に「共同体」が維持できる範囲を戸数に関係なく「集落」とすれば、65歳以上の「高齢化集落」や「8割が無住か廃墟である集落」はもっともっとある。普段国道を走っているから気づかないだけだ。
GOOGLE EARTHでも航空写真が古いから気づかれない。

これは東広島市福富町上戸野上神地区の写真だ。田んぼは圃場整備が行き届いているが、すでに耕筰放棄地が認められる。

ここは1985年から7年かけて、21.7hの田んぼを整備するために、2億7,820万円が使われた。1ヘクタールあたり1,282万円である。それがたった20年でこういう有り様だ(下図)。

(この写真の撮影位置は上掲の航空写真のGoogleの文字の右手にある変形四叉路である。)
目の前の二階建て廃屋の手前には2個分の宅地があり、これはすでに撤去されたと思われる。背景にある3戸ともいまは廃屋である。
これは国道375線からたった300m奥に入った集落だが、目立たないのである。東広島市内まで30分、JR西高屋駅まで20分の位置にあるから、交通の不便が限界集落を促進したのではなく、高齢化と「米のモノカルチャー」の魅力の乏しさが主因であろう。「米のモノカルチャー」を前提とするのでなければ、1町に1,300万円もかけて、大きな一枚田をつくる必要もなかった。この田を耕作するには、耕運機、種まき機、刈り取り脱穀機が必要で、これらを自前で揃えた農家は、儲けを全部、農協のローン返済にもって行かれてしまう。
結局、若い者は町に働きに出て、その月給でローンを返済し、土日に農業をするということになる。それなら農業やめ、土日は人並みに遊んだ方がマシだということになり、後継者がいなくなる。こうして集落は消滅する。とまあ、そういったパタンだと思っている。
「中国」の「中国山地」担当記者も頭と足で調査確認して、あっと驚くようなレポートをしてもらいたいものだ。
今年は元旦から「中国」で「消滅寸前の限界集落」にスポットを当てた「中国山地」連載が始まった。興味深く読んでいる。この新聞はかつて高度成長経済が始まった頃「中国山地」という連載を行った。その後、もう一度「西中国山地」という連載でその後の中国山地を取り上げた。二度目の時には高校同期の安藤欣賢君が担当したと記憶する。いずれも囲み記事で、読みやすく内容もよかった。
同じ中国山地が今度は「高齢化」により集落が消滅危機を迎えている。1/10の同記事で「東広島市の「消滅危惧集落なし」と報じているが、これは役所の回答をそのまま報じたもので、記者が足で歩いて得たデータではないだろう。
「集落」をどう定義するかにもよる。役所では地区の集会所がある単位を「集落」としているのではないか。自然地理的に「共同体」が維持できる範囲を戸数に関係なく「集落」とすれば、65歳以上の「高齢化集落」や「8割が無住か廃墟である集落」はもっともっとある。普段国道を走っているから気づかないだけだ。
GOOGLE EARTHでも航空写真が古いから気づかれない。

これは東広島市福富町上戸野上神地区の写真だ。田んぼは圃場整備が行き届いているが、すでに耕筰放棄地が認められる。

ここは1985年から7年かけて、21.7hの田んぼを整備するために、2億7,820万円が使われた。1ヘクタールあたり1,282万円である。それがたった20年でこういう有り様だ(下図)。

(この写真の撮影位置は上掲の航空写真のGoogleの文字の右手にある変形四叉路である。)
目の前の二階建て廃屋の手前には2個分の宅地があり、これはすでに撤去されたと思われる。背景にある3戸ともいまは廃屋である。
これは国道375線からたった300m奥に入った集落だが、目立たないのである。東広島市内まで30分、JR西高屋駅まで20分の位置にあるから、交通の不便が限界集落を促進したのではなく、高齢化と「米のモノカルチャー」の魅力の乏しさが主因であろう。「米のモノカルチャー」を前提とするのでなければ、1町に1,300万円もかけて、大きな一枚田をつくる必要もなかった。この田を耕作するには、耕運機、種まき機、刈り取り脱穀機が必要で、これらを自前で揃えた農家は、儲けを全部、農協のローン返済にもって行かれてしまう。
結局、若い者は町に働きに出て、その月給でローンを返済し、土日に農業をするということになる。それなら農業やめ、土日は人並みに遊んだ方がマシだということになり、後継者がいなくなる。こうして集落は消滅する。とまあ、そういったパタンだと思っている。
「中国」の「中国山地」担当記者も頭と足で調査確認して、あっと驚くようなレポートをしてもらいたいものだ。
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