【航空機事故】
アシアナ航空の広島空港での事故が、メディアで大きく取り上げられている。
巡航高度から、航空機が着陸のために高度を下げて、大気圏内に突入した時に、予期せぬ乱気流に巻き込まれることがあるのは常識だ。
私も何度かそういう経験がある。
最初は1960年代の終わりで、広島空港からYS11機で鳥取空港に行くのに、中国山脈の上空でひどい乱気流に遭遇した。
1980年代に、ロスから搭乗した成田行きのパンナム航空(今はもうない)のジャンボ機が、着陸のため高度を3000m以下に下げた時に、異常な雷雨による乱気流と落雷に見舞われ、エアポケットに入り、一気に100mくらい機体が落下したり左右にローリングしたり、さらに左主翼に落雷があって、先端が2m近く吹っ飛ぶという事故に遭遇したことがある。
落雷があったことはわかったが、主翼の先端が吹っ飛んだことは、機内からは見えず、成田に着陸して、地上から観察してはじめてわかり、ゾッとした。あの時、乗客に発生した機内パニックは、今もよく覚えている。
この話にはオチがあって、その次ぎに成田からロンドンまでのパンナム便に乗ったら、あの時のスチュワーデスが乗っていて、「お客さん、よくも懲りないで、この飛行機に乗りますね」と言われた。乗りたくはなかったが、旅費の支払い元がアメリカ政府で、アメリカのフラッグ・キャリアーに乗ることが、指定されていたのだ。
今度の事件を報じる各紙を読んで、肝心の2点がまったく報じられていないのに気づいた。
第一は、このパイロットは広島空港に何回着陸したことがあるのか?
第二は、この空港は台地上にあり、滑走路は東西に延びている。西側には濃霧でも着陸できる誘導装置が空港端から空中ブリッジのように突き出している。それなのに山が迫っていて、着陸が難しい、東側からなぜ着陸しようとしたのか?
私はこの空港から、羽田、成田、仙台、札幌と何度も飛んだことがあるが、離陸・着陸ともすべて西側からだった。広島空港で東側からの離着陸を経験したことがない。それは羽田空港での離着陸がすべて海側から行われるのと同じことだ。広島市にあった旧広島空港でも、北にはすぐ市街地があり、離着陸は南の海側から行われていた。
濃霧の中、目視着陸をしようというパイロットの感覚がおかしいし、広島空港を熟知していれば、高度を下げる前に管制塔から気象情報を得て、初めから計器誘導により西側着陸を行うことを考えたはずだ。航空評論家が「ゴーアラウンドすべきだった」と述べているが、それ以前に問題があると思う。
報道する記者が、「専門家」の言うことをたれ流ししていて、こうした疑問を感じていないのではないか?
逆に言うと、記者が広島空港における通常の離着陸について、無知なのではないか?さもないと、素人の私でも不思議に思う、上記2点について報道がまったくないことの説明がつかない。
「パイロットの判断ミス」説が強まりつつあるが、そもそも航空事故調査のシステムは、「同じ事故が繰り返されないように、罪を問うのではなく、事故の教訓をシェアし、より安全な空の旅を実現する」という点に主眼をおいて、情報をすべて公開して行うことになっていたはずだ。報道からその「初心」が失われつつあるのではないか。
アシアナ航空の広島空港での事故が、メディアで大きく取り上げられている。
巡航高度から、航空機が着陸のために高度を下げて、大気圏内に突入した時に、予期せぬ乱気流に巻き込まれることがあるのは常識だ。
私も何度かそういう経験がある。
最初は1960年代の終わりで、広島空港からYS11機で鳥取空港に行くのに、中国山脈の上空でひどい乱気流に遭遇した。
1980年代に、ロスから搭乗した成田行きのパンナム航空(今はもうない)のジャンボ機が、着陸のため高度を3000m以下に下げた時に、異常な雷雨による乱気流と落雷に見舞われ、エアポケットに入り、一気に100mくらい機体が落下したり左右にローリングしたり、さらに左主翼に落雷があって、先端が2m近く吹っ飛ぶという事故に遭遇したことがある。
落雷があったことはわかったが、主翼の先端が吹っ飛んだことは、機内からは見えず、成田に着陸して、地上から観察してはじめてわかり、ゾッとした。あの時、乗客に発生した機内パニックは、今もよく覚えている。
この話にはオチがあって、その次ぎに成田からロンドンまでのパンナム便に乗ったら、あの時のスチュワーデスが乗っていて、「お客さん、よくも懲りないで、この飛行機に乗りますね」と言われた。乗りたくはなかったが、旅費の支払い元がアメリカ政府で、アメリカのフラッグ・キャリアーに乗ることが、指定されていたのだ。
今度の事件を報じる各紙を読んで、肝心の2点がまったく報じられていないのに気づいた。
第一は、このパイロットは広島空港に何回着陸したことがあるのか?
第二は、この空港は台地上にあり、滑走路は東西に延びている。西側には濃霧でも着陸できる誘導装置が空港端から空中ブリッジのように突き出している。それなのに山が迫っていて、着陸が難しい、東側からなぜ着陸しようとしたのか?
私はこの空港から、羽田、成田、仙台、札幌と何度も飛んだことがあるが、離陸・着陸ともすべて西側からだった。広島空港で東側からの離着陸を経験したことがない。それは羽田空港での離着陸がすべて海側から行われるのと同じことだ。広島市にあった旧広島空港でも、北にはすぐ市街地があり、離着陸は南の海側から行われていた。
濃霧の中、目視着陸をしようというパイロットの感覚がおかしいし、広島空港を熟知していれば、高度を下げる前に管制塔から気象情報を得て、初めから計器誘導により西側着陸を行うことを考えたはずだ。航空評論家が「ゴーアラウンドすべきだった」と述べているが、それ以前に問題があると思う。
報道する記者が、「専門家」の言うことをたれ流ししていて、こうした疑問を感じていないのではないか?
逆に言うと、記者が広島空港における通常の離着陸について、無知なのではないか?さもないと、素人の私でも不思議に思う、上記2点について報道がまったくないことの説明がつかない。
「パイロットの判断ミス」説が強まりつつあるが、そもそも航空事故調査のシステムは、「同じ事故が繰り返されないように、罪を問うのではなく、事故の教訓をシェアし、より安全な空の旅を実現する」という点に主眼をおいて、情報をすべて公開して行うことになっていたはずだ。報道からその「初心」が失われつつあるのではないか。
羽田等のように両方に着陸誘導装置(ILS)があればベストです。アシアナ機が壊したローカライザー装置のアンテナはグライドパス装置とともにILSの要であり、あの巨大な鉄骨は付属装置の一部に過ぎません。成田や羽田のように平らな陸地か海があれば不要です。
今回の事故はパイロットの技能不足です。
「濃霧の中、目視着陸をしようというパイロットの感覚がおかしいし、広島空港を熟知していれば、高度を下げる前に管制塔から気象情報を得て、初めから計器誘導により西側着陸を行うことを考えたはずだ。」とのことですが、侵入方向は管制塔の指示に従って行うため、勝手に西側から侵入する事はできません。
ILSがなくともPAPI(進入角指示灯)は視認できたはずで、パイロットの技能不足とのKAKIさんのご意見に賛成です。