ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【訂正】荻野 昇→萩野 昇/難波先生より

2014-01-07 12:25:17 | 難波紘二先生
【訂正】東広島市にある本城内科小児科の本城典彦先生から、「イタイイタイ病」について、誤りのご指摘があった。
 <先生のメルマガで、イタイイタイ病の発見者が荻野 昇となっているのは間違いだと思います。萩野 昇(ハギノ・ノボル)です。
荻野久作(オギノ・キュウサク)とは苗字が別です。>


 萩野昇『イタイイタイ病との闘い』(朝日新聞社, 1968)の奥付の著者ルビを調べると「はぎの のぼる」とありますので、これは私の読み間違いです。
 萩野久作(おぎの きゅうさく=1881~1975)は、愛知県生まれ、新潟市竹山病院の産婦人科医長・病院長です。新潟医大病理学教室で卵巣の黄体と子宮粘膜の周期的変化を研究し、排卵日と受胎日の関係を明らかにし、「オギノ式受胎調節法」を開発しました。
 共に新潟県で活躍した人で、名字が漢字ではともに「荻野」ですから、間違えました。
 オギノという医者は、
 荻野吟子=日本最初の女医
 荻野元凱=江戸後期の医家
 と有名人がいますが、ハギノ姓の有名人は少ないようです。


 ともあれ、お詫びして訂正いたします。


 なお本城先生のメールには「綿ふき病」について、
 <松田心一・横川宗雄編『日本の奇病』現代書房、1964が挙げられ、この書物には「綿ふき病」(執筆者 田尻 保 岡山美作町田尻診療所長)が採録されていて、トンデモ本扱いされるがそんなことはない。〕>
 とありますが、綿ふき病については、
 「綿は植物繊維のセルロースであり、人体が植物繊維を生産することはなく、患者が傷口に脱脂綿を当ててて、綿が傷から生みだされたように詐病していたもの」ということで決着していると理解しています。


 1960年代にはまだそういう生化学、分子生物学の基本知識が乏しく、北朝鮮の金日成思想により発見されたという「ボンハン氏管」なるものが、皮下に存在していて、電子顕微鏡で見るとそれが見えるとか、針灸のつぼの解剖学的実体がこれだとか、岡山大学医学部の左がかった解剖学者や病理学者が騒いでいた時代でした。


 東北大法医学教授、赤石英「法医学は考える」(講談社現代新書, 1967)によると、患者は少なくとも3例で、
 1)岡山県の開業医が報告した45歳農婦、
 2)17歳女子高校生、
 3)27歳知恵遅れの女性、
といずれも女性で、傷口から「ふき出した綿」を法医学的に調べると、付着した体液成分の血液型は患者と一致している。顕微鏡検査により、線維には木綿、羊毛、化学繊維が認められたそうで「詐病」と断定しています。


 これはメディアが騒いだから、もともとヒステリー性格があった患者が「自分も有名になろう」とまねしたものです。


 この綿ふき病事件とボンハン氏管事件に関しては、ちゃんと総括した1書があってよさそうなものですが、ない。岡山県医師会と岡山大学の恥部ですから、取材協力が得られないのでしょう… 

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