【本が高すぎる】ものが高いか安いかは相対的な問題で、買い手が決めることだ。
食い物は肉体の栄養だが、書籍は脳の栄養だ。脳にはグルコースやケトン体以外に刺激が必要だからだ。
何日かぶりに、妻と買い物に行った。西高屋駅に通じる道路にそって「ドッグウッド」の、花弁が4枚ある白い花が咲いていた。日本では「ハナミズキ」と呼んでいる。野生のドッグウッドに相当するのが「ヤマボウシ」である。
ともに「ミズキ科」でBenthamidia属だが、ドッグウッドは外来種で、フロリダ原産なので「B. florida」が学名。ヤマボウシは「B. japonica」である。ともに5月の半ば以後に咲くのだが、今年は気づいてみると、市街地のある「西条盆地」を取りまく山々の中腹に、ヤマボウシが白い花を咲かせていて、山が白く見える。桜がまだ咲いていないのに。異常気候である。
3/26朝の「産経」に雑誌「WILL」が「総力大特集:韓国人の嘘が止まらない!」という大広告を載せていて、記事の個別タイトルを見ると面白そうなので、まず本屋に行った。ところが発売は明日だった。
どこかに「日本では大手取り継ぎのおかげで、雑誌が全国同日発売が可能となっている」と書いてあったので、月刊誌は大丈夫だろうと思ったら、騙された。週刊誌と同じだ。
「WILL」編集長の花田紀凱には、例の文藝春秋の週刊誌「マルコ・ポーロ」に「ホロコーストはなかった」という主旨の論文を掲載し、ユダヤ人団体からつよい抗議をうけ、雑誌が廃刊になり、花田は退社したという過去がある。一時、「朝日」にもいた。だから信頼をおいていない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/マルコ・ポーロ事件
1)桑原武夫編「日本の名著:近代の思想 改版」(中公新書)」改版とあるので本の入れ替えがあると思って買ったら、1945年までの本しか入っていなかった。「改版」とあるから、昔読んだ本と内容が違っているかと思ったが、本の入れ替えはなく50冊中7冊がマルクス主義の本だ。これを1000円で売るとは…
2)板野徳隆「風刺漫画で読み解く、日本統治下の台湾」平凡社新書:着想はよい。ビゴーの風刺画が明治の社会風俗や欧米の価値観をよく伝えているように、台湾の漫画も貴重な資料だろう。経歴にはJAPAN TIMESの記者だったとある。
しかし台湾人を「マレー・ポリネシア系原住民」とするのは間違いだ。
BC5000年頃、アウトリッガー・カヌーを発明して、マレー、ポリネシアに広がり、「オーストロネシア語」を広めたのが台湾人の部族であることは、比較言語学とDNA研究から明らかにされている。(ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」)
3)森村誠一「60歳で小説家になる」幻冬社新書:75歳の黒田さんが芥川賞を受賞したから、セカンドライフに小説家を目指す人が増えたのだろうか。ともかく森村がまだ生きているのを知り、買った。巻末に「新人賞の一覧表」があり、チャレンジする人には必携だろう。
4)繁沢敦子「原爆と検閲:アメリカ人記者が見た広島・長崎」中公新書:元読売の記者で、現在はフリーのジャーナリスト。一時、広島市立大平和研究所の資料室職員だったことがある。主に、米人記者の原爆報道を追っている。レスリー・中島はハワイ生まれの日系二世で1934年に来日に、開戦後は同盟通信記者をしていた。母親のいた広島市にかけつけ、原爆報道記事を英文で書き、UP通信の記者に渡したのは事実だが、他の米人従軍記者2名と同列に扱うのはおかしい。
5)本庶佑「ゲノムが語る生命像」ブルーバックス」:前著「遺伝子が語る生命像」を完全改訂したものであることを確認して買った。この領域では10年前の本はもう役に立たない。しかし写真で見ると本庶さんもジジイになったなあ。
6)武村政春「新しいウイルス入門」ブルーバックス:はじめ新型のコンピュータ・ウイルスのことかと思った。東京理科大学教育学部準教授とあるから、研究者ではない。中味はかなり手抜きしてある。
7)塚崎朝子「いつか罹る病気に備える本:100の病気への不安が軽くなる基礎知識」ブルーバックス:もと「読売」の科学・医療担当記者。「週刊エコノミスト」連載記事をまとめたもの。「がん」とか「糖尿病」というようにひとくくりにせず、全15章を部位別にわけ、「男と女に特有の病気」という章を設けているのがユニークだ。この方が、読者は使いやすい。各病気に東京医科歯科大の医師/歯科医師のコメントが付いているのもユニークだが、ちょっと宣伝臭がする。
で、すべて新書なのに7冊買ったら6,600円。それ自体では高いか安いかは、前述のようにわからない。
しかし次ぎに食料品のスーパーに行って、35%焼酎1.8Lパック2本、梅昆布茶3パック、イカの塩辛、花らっきょう、ニンニクの醤油漬け、合わせて4ビンを買ったら合計で4,400円。これは2ヶ月はもつ量である。
本はたんなる消費財でなく、「耐久消費財」(人によってはゴミ)である点だけが違うが、高すぎると思う。
もう機能していない「取次制度」をやめ、価格上昇を抑える努力をすべきだと思う。「再販制」も撤廃すべきだ。
食い物は肉体の栄養だが、書籍は脳の栄養だ。脳にはグルコースやケトン体以外に刺激が必要だからだ。
何日かぶりに、妻と買い物に行った。西高屋駅に通じる道路にそって「ドッグウッド」の、花弁が4枚ある白い花が咲いていた。日本では「ハナミズキ」と呼んでいる。野生のドッグウッドに相当するのが「ヤマボウシ」である。
ともに「ミズキ科」でBenthamidia属だが、ドッグウッドは外来種で、フロリダ原産なので「B. florida」が学名。ヤマボウシは「B. japonica」である。ともに5月の半ば以後に咲くのだが、今年は気づいてみると、市街地のある「西条盆地」を取りまく山々の中腹に、ヤマボウシが白い花を咲かせていて、山が白く見える。桜がまだ咲いていないのに。異常気候である。
3/26朝の「産経」に雑誌「WILL」が「総力大特集:韓国人の嘘が止まらない!」という大広告を載せていて、記事の個別タイトルを見ると面白そうなので、まず本屋に行った。ところが発売は明日だった。
どこかに「日本では大手取り継ぎのおかげで、雑誌が全国同日発売が可能となっている」と書いてあったので、月刊誌は大丈夫だろうと思ったら、騙された。週刊誌と同じだ。
「WILL」編集長の花田紀凱には、例の文藝春秋の週刊誌「マルコ・ポーロ」に「ホロコーストはなかった」という主旨の論文を掲載し、ユダヤ人団体からつよい抗議をうけ、雑誌が廃刊になり、花田は退社したという過去がある。一時、「朝日」にもいた。だから信頼をおいていない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/マルコ・ポーロ事件
1)桑原武夫編「日本の名著:近代の思想 改版」(中公新書)」改版とあるので本の入れ替えがあると思って買ったら、1945年までの本しか入っていなかった。「改版」とあるから、昔読んだ本と内容が違っているかと思ったが、本の入れ替えはなく50冊中7冊がマルクス主義の本だ。これを1000円で売るとは…
2)板野徳隆「風刺漫画で読み解く、日本統治下の台湾」平凡社新書:着想はよい。ビゴーの風刺画が明治の社会風俗や欧米の価値観をよく伝えているように、台湾の漫画も貴重な資料だろう。経歴にはJAPAN TIMESの記者だったとある。
しかし台湾人を「マレー・ポリネシア系原住民」とするのは間違いだ。
BC5000年頃、アウトリッガー・カヌーを発明して、マレー、ポリネシアに広がり、「オーストロネシア語」を広めたのが台湾人の部族であることは、比較言語学とDNA研究から明らかにされている。(ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」)
3)森村誠一「60歳で小説家になる」幻冬社新書:75歳の黒田さんが芥川賞を受賞したから、セカンドライフに小説家を目指す人が増えたのだろうか。ともかく森村がまだ生きているのを知り、買った。巻末に「新人賞の一覧表」があり、チャレンジする人には必携だろう。
4)繁沢敦子「原爆と検閲:アメリカ人記者が見た広島・長崎」中公新書:元読売の記者で、現在はフリーのジャーナリスト。一時、広島市立大平和研究所の資料室職員だったことがある。主に、米人記者の原爆報道を追っている。レスリー・中島はハワイ生まれの日系二世で1934年に来日に、開戦後は同盟通信記者をしていた。母親のいた広島市にかけつけ、原爆報道記事を英文で書き、UP通信の記者に渡したのは事実だが、他の米人従軍記者2名と同列に扱うのはおかしい。
5)本庶佑「ゲノムが語る生命像」ブルーバックス」:前著「遺伝子が語る生命像」を完全改訂したものであることを確認して買った。この領域では10年前の本はもう役に立たない。しかし写真で見ると本庶さんもジジイになったなあ。
6)武村政春「新しいウイルス入門」ブルーバックス:はじめ新型のコンピュータ・ウイルスのことかと思った。東京理科大学教育学部準教授とあるから、研究者ではない。中味はかなり手抜きしてある。
7)塚崎朝子「いつか罹る病気に備える本:100の病気への不安が軽くなる基礎知識」ブルーバックス:もと「読売」の科学・医療担当記者。「週刊エコノミスト」連載記事をまとめたもの。「がん」とか「糖尿病」というようにひとくくりにせず、全15章を部位別にわけ、「男と女に特有の病気」という章を設けているのがユニークだ。この方が、読者は使いやすい。各病気に東京医科歯科大の医師/歯科医師のコメントが付いているのもユニークだが、ちょっと宣伝臭がする。
で、すべて新書なのに7冊買ったら6,600円。それ自体では高いか安いかは、前述のようにわからない。
しかし次ぎに食料品のスーパーに行って、35%焼酎1.8Lパック2本、梅昆布茶3パック、イカの塩辛、花らっきょう、ニンニクの醤油漬け、合わせて4ビンを買ったら合計で4,400円。これは2ヶ月はもつ量である。
本はたんなる消費財でなく、「耐久消費財」(人によってはゴミ)である点だけが違うが、高すぎると思う。
もう機能していない「取次制度」をやめ、価格上昇を抑える努力をすべきだと思う。「再販制」も撤廃すべきだ。
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