ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ゆっくりと急げ】難波先生より

2017-05-30 12:24:45 | 難波紘二先生
【ゆっくりと急げ】 この言葉はローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(Augustus)の座右の銘、ラテン語の「Festina lente」の訳として知られる。重要な急ぎの仕事ほど、あわてないでゆっくりやれ、という意味だ。ちなみに八月をオーガスト(August)というのは、彼の誕生月にちなむ。

 前に江戸期の儒者佐藤一斎の「言志四録(三)」中の「壮にして学べば、すなわち老いて衰えず」を紹介した。 
 その「言志四録」の中にアウグストゥスの言と同じ意味のことが書かれていた。長いから全文は略すが、「急ぐほどゆっくりと」いう題名が付いている。元は戦国の武将小早川隆景の言葉らしい。(「言志四録(二)」p.228, 講談社学術文庫)

 江戸町奉行・大岡越前守の「大岡裁き」の中に「二人母親」の話がある。あれは旧約聖書「ソロモンの智恵」の中に、二人の母親が赤児を巡って争う話があり、ソロモンが本当の母親がどっちかを裁定する(「旧約聖書・列王紀3:16-28」)。つまり大岡裁きの話は、ソロモンの智恵の話が原話だと考えられる。
 しかし儒者の佐藤一斎がアウグストゥスの言葉を知っていたとは考えにくく、これは小早川が言い、その精神が一斎に受け継がれたものであろう。
 格言、寓話、神話のなかには、オリジナルが拡散・変形したものと多中心性に生まれたものとがある。

 毎日、新聞4紙の重要と思う記事を切り抜いている。最近では裏面を確認した後、切り抜く記事に緑のマーカーで縁に印をつけ、刃渡り7cm位の紙切り鋏で切り抜いている。よく切り端がギザギザになるのは、気が急いで鋏の先の方でチョキチョキやるからである。
 それで最近では頭の中でFestina lenteととなえながら、刃渡り全長を使って切っている。これだとよほど綺麗に切り抜きができる。よって「ゆっくりと急げ」は私の言葉にもなったわけだ。


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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-05-30 22:49:02
「ゆっくり急げ」はよい言葉だ。

ついでに訂正依頼を。
>ちなみに八月をオーガスト(August)というのは、彼の誕生月にちなむ。

アウグストゥスの名に因むが、誕生月ではない。
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Unknown (花土子)
2017-06-01 05:17:48
「 ゆっくりと急げ 」 良い言葉ですね。 思わず声に出しました。
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