30年後に人口が半分になるという宇和島、箱物投資は慎重に

週頭の街頭活動。
市長と市民のタウンミーティング参加のご報告から。
三間会場から始まり、城南中会場・城東中会場が終わりました。
私は、城南中で参加しましたが、参加者がとても少のうございました。
下記のとうり、後の日程をお知らせしますので、ふるってご参加ください。
私は、限られたお金を何に使うか、つまり優先順位の決定には、充分な効果予測が必要だという考え方を採っています。（当たり前ですが）
費用対効果とも言ったりします。
実施に際しても費用を最小化（適切化）し効果を最大化することが必要です。
伊達博物館の建て替えを例にして話します。
伊達博物館がその他の機能を併せ持つ複合施設になると、当然、管理運営費は増えます。
建物が大きくなれば、維持費は高くなります。
建物の構造や外壁等の材質や意匠によって、修繕費が予想以上にかかることもあるでしょう。
新しい伊達博物館は、観光交流センターと一緒になって整備されるという方針です。
当然、今以上の集客はできるでしょう。
しかし、城山下に整備された「シロシタ」との連係や機能分担。
きさいや広場の持つ観光案内や情報発信機能についてのポテンシャルの差をどう埋めていくかという代替性や補完性という問題。
等々、既存施設との関係にも注意が必要です。
過剰に、重複して整備することは無駄ですから。
現在、伊達博物館にはどれだけの方が来場されているのでしょう。
移転先とされている天赦公園の利用者はどれくらい居られるのでしょう。
今の伊達博物館は、いかほどの管理費等がかかっているのでしょう。
充分な数字が示されて、建て替えの検討が進んだとは思えません。
タウンミーティングで、利用状況を尋ねられた市長はお答えになりませんでした。
概略は、把握していらしゃると思いますが答えられませんでした。
私は、他の事業についてもそうするように、この建て替え計画が出た当初から、将来費用の予測、目標入場者数等の収入予測など、目論見を示して欲しいと主張していますが、出て参りません。
新しい伊達博物館を「どう活用していきたいので建て替えを急ぎたい」という説明は少ないのです。
この制度（活用出来る資金の調達手段）を使いたいのでこの時期。
その制度を利用するために複合施設に。
という理屈が前面に出て見えています。
失敗の責任は、事業予算を承認した議会にあるのでしょうか。
責任がないとは申しませんが、議会でも多くの懸念の声が上がっていました。それを事実上無視して無関心の賛成意見を含めた賛成多数として一部の関係する予算等が承認されたに過ぎません。
建て替え計画に異を唱える議員がいました。
今、市民の皆さんから計画見なおしを求める声が上がりました。
市民の意見を聞いて欲しいという活動が起こりました。
「身の丈にあった」という言葉があります。
IPU短期大学部の公立化を断念する際に、岡原市長が使った言葉です。
年間2万人も来場者のない施設の整備費に40億も使って良いのでしょうか。
それも、年間、一億ほど管理運営費がかかるのではないかという施設を建てるためにです。
人口減少のこの30年40年という時期（30年後には人口半減）にどういう箱物投資が許されるかを根本から検討すべきではないでしょうか。
よりコンパクトに再建を進め、
むしろ、古文書等の電子データ化に投資をして、その解読作業を積極的に支援する方が効果が高いのではないかと思っています。
リピートも含め来場者を年々増やしていくためには、ディズニーランドのように集客力のあるところでさえ、アトラクションの入れ替えや追加に多額（百億ほど）の投資が継続して必要です。
一方、地域の魅力を高めるには、箱物を整備することで満足するのではなく、その箱物を如何に活用して、地域の幸福度を増していくのか、指標とする数的な目標を示して、その目標に対する達成度でもって事業の評価をしていく責任をとれる事業計画とその説明が必要なのです。
どれだけの投資をして、どれだけの効果を上げるか。
市民の皆さんに説明できなければ、大きな投資は進めてはいけません。
九島大橋のB/C。きちんと示され議論が進みました。
かかる費用（コスト）と得られる便益（ベネフィット）。
自分の財布からお金が出ていくとしたら、その買い物をしますか。
そんな決め方で、買うか買わないかを決めてしまいますか。
市民の皆さんからお預かりしているお金です。
使い道を決めるには、もう少し慎重になりたい私です。と。