【妙好人】2/1の「中国」を開いて驚いた。紙面の組みが変わり、1頁12段、1行12字(これまでは10字)と読みやすくなっていたからだ。それだけでない。新聞の「目玉」である1面のコラム「天風録」が、これまでの1段横帯状から、2段1行14字に変更になっていたからだ。これで格段に読みやすく、四角に切り抜くことも可能になった。
これまで同紙に対して、紙面改革の必要性を訴えて来たが、そのせいとはいわない。なぜなら、アリストテレスが述べているように、「あることがあることの直後に起こったことをもって、その原因と見なすのは誤り」だからである。(「弁論術」、岩波文庫、第2巻24章)
それはともかく、コラムは「妙好人(みょうこうにん)」を取り上げていたから興味を惹かれた。(添付2.「天風録」)![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/54/d7/279589242a756c3fa90a919eff36a86b_s.jpg)
「因幡の源左」は知らない。が、鈴木大拙『日本的霊性』(岩波文庫)では、緒言をいれて全5篇のうち、1篇が「妙好人」に当てられており、島根県温泉津町小浜の人、浅原才市の生涯(昭和8年83歳で没)が論じられている。「妙好人」とは特段の学問はないが、浄土真宗の信仰が厚く徳行に秀でている市井の人をいう。
アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは鈴木大拙を通じて、禅に魅せられていたという。大学ドロップアウトの彼にとって、妙好人はある種の理想であったかも知れない。
大拙の本を読み、妙好人に興味を惹かれて温泉津町小浜の港町に、才市の足跡を尋ねたことがある。観光客もまばらな小さな町で、中心部の一角に広場あり才市の顕彰碑が建っていた。それ以外にはなにもなし。船大工から下駄職人に転じた人だというから、生家も仕事場も何も残っていない。
生涯に多くの歌とも寸言ともつかぬものを、かんなくずに書き取り、それが転写されて今に伝わる。そのいくつかを鈴木大拙は上記著書で紹介している。大拙の理屈を私は好かないが、以下の才一の歌は好きである。解釈は読者のものである。
「わしが阿弥陀になるじゃない、阿弥陀の方からわしになる」
「才市どこが、浄土かい。
ここが浄土の、なみあみだぶつ」
「天風録」氏がこれからも「読ませるコラム」を執筆してくれることを期待したい。
今日は節分、明日はもう立春だ。ハワイ島でも、孫たちが家内が送った鬼の面を付けて豆をまいて楽しむだろう。
(2/3午前中に頂いた原稿です。 転載者付記)
これまで同紙に対して、紙面改革の必要性を訴えて来たが、そのせいとはいわない。なぜなら、アリストテレスが述べているように、「あることがあることの直後に起こったことをもって、その原因と見なすのは誤り」だからである。(「弁論術」、岩波文庫、第2巻24章)
それはともかく、コラムは「妙好人(みょうこうにん)」を取り上げていたから興味を惹かれた。(添付2.「天風録」)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/54/d7/279589242a756c3fa90a919eff36a86b_s.jpg)
「因幡の源左」は知らない。が、鈴木大拙『日本的霊性』(岩波文庫)では、緒言をいれて全5篇のうち、1篇が「妙好人」に当てられており、島根県温泉津町小浜の人、浅原才市の生涯(昭和8年83歳で没)が論じられている。「妙好人」とは特段の学問はないが、浄土真宗の信仰が厚く徳行に秀でている市井の人をいう。
アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは鈴木大拙を通じて、禅に魅せられていたという。大学ドロップアウトの彼にとって、妙好人はある種の理想であったかも知れない。
大拙の本を読み、妙好人に興味を惹かれて温泉津町小浜の港町に、才市の足跡を尋ねたことがある。観光客もまばらな小さな町で、中心部の一角に広場あり才市の顕彰碑が建っていた。それ以外にはなにもなし。船大工から下駄職人に転じた人だというから、生家も仕事場も何も残っていない。
生涯に多くの歌とも寸言ともつかぬものを、かんなくずに書き取り、それが転写されて今に伝わる。そのいくつかを鈴木大拙は上記著書で紹介している。大拙の理屈を私は好かないが、以下の才一の歌は好きである。解釈は読者のものである。
「わしが阿弥陀になるじゃない、阿弥陀の方からわしになる」
「才市どこが、浄土かい。
ここが浄土の、なみあみだぶつ」
「天風録」氏がこれからも「読ませるコラム」を執筆してくれることを期待したい。
今日は節分、明日はもう立春だ。ハワイ島でも、孫たちが家内が送った鬼の面を付けて豆をまいて楽しむだろう。
(2/3午前中に頂いた原稿です。 転載者付記)
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