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【沸き立つ野望】難波先生より

2013-04-12 12:19:10 | 難波紘二先生
【沸き立つ野望】4/9付「中央日報」論説が朝鮮人の「Raw Ambition」を取りあげている。イサベラ・バード『朝鮮紀行』に触れるなど「ちょっとハイレベルだな」、と思ったらソウル大学教授の執筆によるものだった。


 http://japanese.joins.com/article/291/170291.html?servcode=100§code=120
 Raw Ambitionというのは、韓国が財政破綻してIMFの管理下に入っていた90年代の終わりに韓国に来た、アメリカのある企業のCEOが韓国の国民性を評していった言葉だそうだ。


 <韓国人が絶えず生産する熱望を「そのままの野望(raw ambiton)」と表現したが(朝鮮日報3月30日付)、「胸の底から無限に湧く本能的野望」、外国人が理解できない「沸き立つ野望」だ。>
 <1894年の冬に朝鮮に入国した英国王立地理学会の会員イザベラ・バードも、暮れていく中世でうごめく溶岩を目撃した。無秩序に沸き立つ溶岩から強烈な魅力が発散されているのに気づくまで1年ほどがかかった。朝鮮に足を踏み入れた時のその嫌な感じはいつの間にか強い好奇心に変わり、ついにこうした結論に到達した。「韓国人はある行政的なきっかけさえ与えられれば恐ろしいほどの自発性を発揮する国民だ」。沸き立つ野望、その恐ろしい自発性で20世紀を渡ってきたのだ。 >


 と、このソン・ホグン教授は書いている。バードの『朝鮮紀行』(講談社学術文庫)は、1894年冬から5度にわたる朝鮮旅行をまとめたものだが、朝鮮人をほめた箇所はどこにもないはずだ。1894年の「日清戦争」により、清国からの独立を保証された朝鮮は「開化路線」を採用し、「断髪令」、「太陽暦の採用」、「新聞の刊行」などを行ったが、「まげ」を切るのに抵抗して民衆暴動が起こり、1896/2、日本の影響下での改革を嫌った国王は在ソウル・ロシア大使館に亡命し、そこから復古政策を実施する「国王の勅令が法であり、その意思を絶対とする絶対君主制にもどってしまった」とバードは書いている(P.471-72)。


 第32章「国政改革」では、日清戦争以後に日本人顧問の指導で行われた改革の要点が述べられている。内閣制度、議会の設置、官報の印刷と「漢字混じりハングルの採用」(以前の手書き官報は漢文)など、「現在行われている改革の基本路線は日本が朝鮮に与えたのである」(P.474)


 バードの『朝鮮紀行』には、ソン・ホグン教授のいう「Ambition」という言葉は「序章」における、「強力で、野心があり、性急で、節度があるといえない諸列強」が、群をなして朝鮮という国におおい被さっているという箇所にしかない。ここは一文がそうとう長いので、英語を読んだのなら誤読したか、朝鮮語訳に誤訳があるのであろう。
 バードは第1章「朝鮮の第一印象」、第2章「首都の第一印象」で王宮を除き、庶民の見るに耐えない貧しさ、不潔、街に立ちこめる悪臭について書いている。「北京を見るまでは世界で一番不潔な町だと思っていた」(p.59)とある。


 バードが朝鮮人一般の性質について言及した箇所は以下の部分である。
 「無気力で、何もかもあなたまかせの朝鮮人」(p.555)
 「朝鮮では何もかもが低く、貧しく、お粗末なレベルにある」(p.556)
 「朝鮮の重大な宿痾は、何千人もの五体満足な人間が、より暮らし向きのいい親戚や友人にのうのうとたかっていることだ。つまり<人の親切につけこむ>体質にある。それを恥と自覚せず、非難する世論もない。」(p.556)
 「朝鮮語の<仕事>ということばは<損失>、<不運>、<悪魔>と同義語であり、怠惰な生活を送れるのは貴族の徴なのである。」(p.557-58)
 
 朝鮮から満州へも旅行したバードは、ロシア支配下にある満州の朝鮮人が勤勉で、生活レベルも高く、本国の朝鮮人より豊かであるのを認めた。(第37章「最後に」冒頭部, p.555)
 それで「朝鮮の革命家はダメだから、朝鮮の未来のためには、ロシアか日本の保護国になるのが最善であろう」(p.569)と結論したのである。


 「韓国人はある行政的なきっかけさえ与えられれば恐ろしいほどの自発性を発揮する国民だ」などと、イサベラ・バードはどこにも述べていない。これは「ソン・ホグン教授の解釈」あるいはambitionを「客観的事実」にすり替えたもので、一種の捏造である。バードの『朝鮮紀行』は、1878年に初来日し、戊辰戦争で敗者となり取り残された東日本に、西洋化する前の「古い日本(アイヌを含め)」を探究した記録『日本奥地紀行』と対をなす旅行記である。


 だから日本と朝鮮を比較した記述が『朝鮮紀行』にはあちこちにある。強調されているのは日本人の勤勉さ、道徳心の高さ、清潔好き、教育熱心、創意工夫の才、商売上の抜け目なさ、大きな信念のために命をすてて省みない勇敢さなどであり、ふつうの韓国人が読めば気分が悪くなるであろう本だ。
 しかし、この本『朝鮮紀行』を読めば「朝鮮近代化の最大の恩人は日本人だ」とちゃんと書いてある。だから韓国ではほとんど読まれていないだろう。それをよいことに大学教授が「嘘の言説」を書く。
 困った国だ。「結論が先にあり、都合の良いデータをそろえる」。あの国に「論文捏造」が流行するわけだ。


 「Ambition」という言葉は、札幌農学校を去るとき送ってきた生徒たちに、峠の上でクラーク博士が行ったスピーチの結語に、「Boys, Be ambitious!」と呼びかけたことで有名だ。
 日本では「青年よ大志を抱け」と訳されている。これが彼の別れのメッセージとなった。
 韓国人は「Raw ambition」を持っているとアメリカ人に指摘されたことを、ソン・ホグン教授は「ほめ言葉」と理解したようだが、大きな間違いだ。


 『ロジェ・シソーラス』にはrawの同義語として、incomplete(不完全な)、uncovered(剥き出しの)、ignorant(無知な)、imperfect(不完全な)、immature(未熟な)、uncooked(調理されていない、生の)、unskilled(熟練されていない)、boyish(子供っぽい)が載っている。
 Rawが褒めるさいの形容詞として用いられることはまずない。だから「Raw ambition」とは「剥き出しの野望」、「身分不相応な野心」という意味である。


 韓国人は<外国人が理解できない「沸き立つ野望」>を抱いていることは確かで、それは「WILL」5月号で元時事通信の室谷克実が指摘したように、「外華内貧」という体面のためには、「両班出身だから豚肉が食えない」というような、嘘を平気でつく国民的心性に由来している。職業的窃盗団の盗品である仏像を「愛国心による」と主張して、返還しないのもそれだ。
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