ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【仙花紙】難波先生より

2013-03-11 12:25:07 | 難波紘二先生
【仙花紙】1955年頃の雑誌記事を読むと、もう今では「死語」になった言葉が多いのに驚く。


 進駐軍=日本占領軍のことだが、「敗戦」を「終戦」といいかえた手前、「進駐軍」と公式には呼んだ。
 「アシを出して馬を牽いて帰った」=吉原の遊廓で遊んだが、翌朝勘定が足りず、「つけ馬」=勘定取りの男を伴って自宅に帰ること。1959年の「売春防止法」施行以来、この風景は消滅した。
 妓夫太郎=「ぎゅうたろう」と発音し、牛太郎とも書く。色街の女郎のヒモであったり、逃亡監視者であったり、客の借金取りだったりする。
 花電車=お祭りなどで市外電車に装飾をほどこしたもの。しかし風俗の世界ではストリッパーがバタフライの代わりに、局部に花束を挿んで隠して踊ることを言った。
 ゾッキ本=まとめて現金で仕入れ、夜店などで安く売る本のこと。日本の「再販制」では本を出荷してから、出版社に入金されるのは6ヶ月後であり、返品率が4割もあったから、出版社も「現金取引、返品なし」を好み、1946年~1950年頃の悪性インフレの時代には流行した。ゾッキは「まとめて」という意味からきた、という説とそぎや(「殺屋」)から来たという説がある。
 ゾッキ本の出版社は、倒産した出版社から「紙型」を買い取り、著者に無断で出版したから、組み版代も印税支払いもいらず、商品の返品もなかったので、売れれば即儲けになった。大手出版社でも、子会社でこれをやるところがあった。
 仙花紙=本来は2枚合わせにした強靱な和紙のこと。戦後の仙花紙は、クズ紙を再生した粗悪な用紙をいう。硫酸含量の高い酸性紙で、茶色に変色しやすく、ページを折るとちぎれてしまうことがある。


 私が所蔵しているもっとも粗悪な作りの本3冊は、以下のものである。
 1)菊川忠雄「学生社会運動史」(海口書店, 昭和22/6)
 2)河上肇「マルクス主義経済学」(真理社, 昭和23/5)
 3)小倉豊文「絶後の記録」(中央社, 昭和23/11)
 これらはいずれも、ソフトカバーで、帯も箱もなく、製本も悪い。給紙事情が悪い上に、悪性インフレにより紙価格が高騰した時代の本である。
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