【古書価格】
「STAP騒動」のせいで科学捏造に関する品切れ本の価格が暴騰している。本が売れない時代にどうして出版社が増刷・再版しないのか理解に苦しむ。
1.W.ブロード& N.ウェイド(牧野賢治訳)「背信の科学者たち」(化学同人, 1988, \2,200)はこの分野の古典だ。2006/11に「背信の科学者たち:データ改ざんはなぜ繰り返されるのか」(講談社ブルーバックス, \1,140)として、牧野による長文の訳者解説「原書刊行後のミスコンダクト事情」(国内・国外における科学不正事件の事例)を加えて再版された。
Amazon古書価格は前者が最安で¥4,320、後者は¥5,400だ。紙版が無理ならなぜKindle版で電子ブックにしないのか、出版社の社会的責任だろうに…
2.山崎茂明「科学者の不正行為:捏造・偽造・盗用」(丸善出版, 2002, \2,400)も品切れで、古書価は\3,450~17,626もしている。
3.山崎茂明「科学者の発表倫理: 不正のない論文発表を考える」(丸善出版, 2013,\2,808円)もやはり品薄、古書価\5,800になっている。
4.ソウル大教授によるES細胞捏造事件を扱った李成柱(イ・ソンジュ)「国家を騙した科学者」(牧野出版, 2006, 2,300円)は最低でも\4,676だ。
5.ベル研究所の「シェーン事件」を扱った村松秀「論文捏造」(中公新書ラクレ, 2006, \929)も品薄で、\1,264~2,000の古書価格が付いている。
図書館学を専攻した愛知淑徳大学の山崎教授は前から「日本版ORI」の必要性を提唱してきた研究者だ。この方面の本も売れていることは、日本版ORI相当機関の設立に関心をもつ人が増えてきたことを意味していて喜ばしい。
2Ch「生物板」だけでスレッドがNo.378まで現在立っていて、約38万件の書き込みがある。全体のスレ数は2Ch史上最大だという。「武田元介ブログ」でも閲覧数183万件、訪問者数約48万人だ。もちろん武田さんの「つぶやき」への閲覧もあるが、書き込みのほとんどはSTAP細胞がらみだ。これは異常な事態で、事件に対する国民の関心の高さを示してあまりあると思う。
「科学不正」関連本の古書価高騰は、立花隆のような「性善説に立つ」人があわてて買っているのかも知れない。そもそも人間の本性を「善と悪」に二分する思考法がおかしい。置かれた状況で人間は善にも悪にもなる。本来的には利己主義で他人の迷惑など考えないものだ。軽犯罪法違反だが、警視総監だって田舎の田圃では立ち小便する。かつて秦野章はそういった。人間を善にとどめるのは倫理と法律だ。ルソーの「高貴な野蛮人」説は文化人類学によりあやまりと証明されている。
デレク・フリーマン「マーガレット・ミードとサモア」(みすず書房, 1995)と羽入辰郎「マックス・ウェーバーの犯罪」(ミネルヴァ書房, 2002) は、文化人類学と社会学における科学不正を暴いている。
いささか「泥縄」だが、読まないよりもはるかにましだろう。
「STAP騒動」のせいで科学捏造に関する品切れ本の価格が暴騰している。本が売れない時代にどうして出版社が増刷・再版しないのか理解に苦しむ。
1.W.ブロード& N.ウェイド(牧野賢治訳)「背信の科学者たち」(化学同人, 1988, \2,200)はこの分野の古典だ。2006/11に「背信の科学者たち:データ改ざんはなぜ繰り返されるのか」(講談社ブルーバックス, \1,140)として、牧野による長文の訳者解説「原書刊行後のミスコンダクト事情」(国内・国外における科学不正事件の事例)を加えて再版された。
Amazon古書価格は前者が最安で¥4,320、後者は¥5,400だ。紙版が無理ならなぜKindle版で電子ブックにしないのか、出版社の社会的責任だろうに…
2.山崎茂明「科学者の不正行為:捏造・偽造・盗用」(丸善出版, 2002, \2,400)も品切れで、古書価は\3,450~17,626もしている。
3.山崎茂明「科学者の発表倫理: 不正のない論文発表を考える」(丸善出版, 2013,\2,808円)もやはり品薄、古書価\5,800になっている。
4.ソウル大教授によるES細胞捏造事件を扱った李成柱(イ・ソンジュ)「国家を騙した科学者」(牧野出版, 2006, 2,300円)は最低でも\4,676だ。
5.ベル研究所の「シェーン事件」を扱った村松秀「論文捏造」(中公新書ラクレ, 2006, \929)も品薄で、\1,264~2,000の古書価格が付いている。
図書館学を専攻した愛知淑徳大学の山崎教授は前から「日本版ORI」の必要性を提唱してきた研究者だ。この方面の本も売れていることは、日本版ORI相当機関の設立に関心をもつ人が増えてきたことを意味していて喜ばしい。
2Ch「生物板」だけでスレッドがNo.378まで現在立っていて、約38万件の書き込みがある。全体のスレ数は2Ch史上最大だという。「武田元介ブログ」でも閲覧数183万件、訪問者数約48万人だ。もちろん武田さんの「つぶやき」への閲覧もあるが、書き込みのほとんどはSTAP細胞がらみだ。これは異常な事態で、事件に対する国民の関心の高さを示してあまりあると思う。
「科学不正」関連本の古書価高騰は、立花隆のような「性善説に立つ」人があわてて買っているのかも知れない。そもそも人間の本性を「善と悪」に二分する思考法がおかしい。置かれた状況で人間は善にも悪にもなる。本来的には利己主義で他人の迷惑など考えないものだ。軽犯罪法違反だが、警視総監だって田舎の田圃では立ち小便する。かつて秦野章はそういった。人間を善にとどめるのは倫理と法律だ。ルソーの「高貴な野蛮人」説は文化人類学によりあやまりと証明されている。
デレク・フリーマン「マーガレット・ミードとサモア」(みすず書房, 1995)と羽入辰郎「マックス・ウェーバーの犯罪」(ミネルヴァ書房, 2002) は、文化人類学と社会学における科学不正を暴いている。
いささか「泥縄」だが、読まないよりもはるかにましだろう。
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