【改革すべきもの】明治日本が活力に富み、わずか1世代のうちに、日清・日露の戦争に勝利し得たのは、1)身分制度が消失し、学問をすれば立身出世が可能だったこと、それは「末は博士か大臣か」という言葉にも象徴されている。2)古い官僚システムを解体させ、新しい組織を柔軟に創出したこと、この2点があげられる。
今の日本は、高級官僚も国政レベルの政治家も、身分制になっており、世襲制ともいうべき状態にあるが、誰もそれに正面切って異を唱えない。小泉進次郎など4代目である。つまり日本はいつの間にか、「階級社会」になっているのであり、この解体が必要だ。
官僚制については、保阪正康「そして官僚は生き残った:内務省、陸軍省、海軍省解体」(毎日新聞社, 2011)が分析しているが、戦前の内務省は、いまの「総務省、国交省、厚労省、警察庁、国家公安委員会」の業務をすべて担当していた巨大組織である。
陸軍省、海軍省は文字どおり組織が消滅したが、その業務は内務省に移管された後、新発足した厚労省に受けつがれた。
内務省の解体はきわめて不完全にしかなされず、結果として「戦前の官僚制は生き残った」のである。
明治国家がおかしくなっていったのは、明治維新を実行した人たちが死に絶えた明治末期からである。つまり革命体験にしろ、戦争体験にしろ伝承は不可能であり、だいたい30年、一世代すると忘れられるものである。従って1950年に独立した日本が、30年後の1980年頃からおかしくなるのは何の不思議もない。事実、今日まで尾をひく「バブル経済」というバカな現象が発生したのが80年代の後半である。
これを発生させた官僚組織にはとっくにがたが来ている。以後30年間一世代の間に、事態はもっと悪化している。
官僚制をオーバーホールするには、1)道州制を導入して、地方分権をすすめ、もって中央官僚の権限を縮小し、2)他方、米国の「スポイルズ制」を導入するために、首相公選制か大統領制を導入し、「官僚が官僚を選ぶ」現在のシステムを破壊するしかない。
中央政府の課長以上のポストは、すべて政権交代により新たに首相により任命することにする。終身雇用制はこれを廃止する。出向はワンウェイとし、本省への復帰は保証しない。そういったドラスティックな方策を導入するのがよい。
政治家の世襲制は利権の温床であり、これを禁止すべきである。そのためには「公職選挙法」を改正して、親族が政治家であった場合、立候補できないようにすることが必要だ。このようなドラスティックな措置は、既成の政治家にはできない。
よって橋下徹に期待するところは大だが、不安材料はヒトラーの台頭と「維新党」の急速な躍進との間に類似性がある点である。
ナチス党は正式には「国民社会主義ドイツ労働者党」である。1919年に「ドイツ労働者党」としてミュンヘンで結成されている。もともと地方政党である点は「維新党」と同じだ。1920年に上記党名を採用し、21年にヒトラーが党首となった。
ヒトラーはオーストリア生まれで、黒い髪と茶色の瞳をもち、「アーリア白人」ではなかった。それが「アーリア人の民族的優秀性」を説くのだから、第一次大戦に敗北し、ヴェルサイユ条約で巨額の賠償金を科され、ハイパーインフレーションに悩む、困窮したドイツ人に大いにアピールしたわけである。ヒトラーはまた果断であり、演説にすぐれ、カリスマにとむ人物であった。
この人物像は、「出身」とされる橋下氏とよく似ている。
大阪の猪飼野といえば、朝鮮人町だが、仮に橋下がそこの出身であり、「慰安婦」問題について、韓国政府に強硬な発言をすれば、多くの大阪市民は喝采するであろう。http://ja.wikipedia.org/wiki/猪飼野
橋下の右翼的発言が受けるのは、実は非アーリア人、ヒトラーの「アーリア人優秀説」と似たところがある。
ヒトラーは1921年にナチス党の党首になり、選挙の度に躍進し、11年後の1932年にはワイマール国会で第一党になり、翌33年には首相に就任した。以後、6年後にポーランド侵入により第二次大戦が始まるわけだが、彼の統治下でのドイツの経済回復、軍事力の充実などには目覚ましいものがあった。それは他方で、障害者、精神病患者の強制安楽死による社会保障費の削減などと一体をなしていた。
こういう類似性はあるが、歴史はそのままでは繰り返さない。橋下の主な支持層は1980年代以降に生まれた「失われた世代(ロスト・ジェネレーション)」の無党派層にある。43歳という若さの橋下は、バブル期とその後の「失われた20年」をよく知っている。
民主党に完全に失望した国民の多くは、古い自民党(ことに潰瘍性大腸炎で紙おむつをしていた安倍総裁)に未来を託するよりは、「維新党」に期待を寄せるのは間違いないであろう。すでに民主党はあと一人離党すれば過半数割れとなり、内閣不信任案の可決は間違いない状況に追い込まれている。
今の日本は、高級官僚も国政レベルの政治家も、身分制になっており、世襲制ともいうべき状態にあるが、誰もそれに正面切って異を唱えない。小泉進次郎など4代目である。つまり日本はいつの間にか、「階級社会」になっているのであり、この解体が必要だ。
官僚制については、保阪正康「そして官僚は生き残った:内務省、陸軍省、海軍省解体」(毎日新聞社, 2011)が分析しているが、戦前の内務省は、いまの「総務省、国交省、厚労省、警察庁、国家公安委員会」の業務をすべて担当していた巨大組織である。
陸軍省、海軍省は文字どおり組織が消滅したが、その業務は内務省に移管された後、新発足した厚労省に受けつがれた。
内務省の解体はきわめて不完全にしかなされず、結果として「戦前の官僚制は生き残った」のである。
明治国家がおかしくなっていったのは、明治維新を実行した人たちが死に絶えた明治末期からである。つまり革命体験にしろ、戦争体験にしろ伝承は不可能であり、だいたい30年、一世代すると忘れられるものである。従って1950年に独立した日本が、30年後の1980年頃からおかしくなるのは何の不思議もない。事実、今日まで尾をひく「バブル経済」というバカな現象が発生したのが80年代の後半である。
これを発生させた官僚組織にはとっくにがたが来ている。以後30年間一世代の間に、事態はもっと悪化している。
官僚制をオーバーホールするには、1)道州制を導入して、地方分権をすすめ、もって中央官僚の権限を縮小し、2)他方、米国の「スポイルズ制」を導入するために、首相公選制か大統領制を導入し、「官僚が官僚を選ぶ」現在のシステムを破壊するしかない。
中央政府の課長以上のポストは、すべて政権交代により新たに首相により任命することにする。終身雇用制はこれを廃止する。出向はワンウェイとし、本省への復帰は保証しない。そういったドラスティックな方策を導入するのがよい。
政治家の世襲制は利権の温床であり、これを禁止すべきである。そのためには「公職選挙法」を改正して、親族が政治家であった場合、立候補できないようにすることが必要だ。このようなドラスティックな措置は、既成の政治家にはできない。
よって橋下徹に期待するところは大だが、不安材料はヒトラーの台頭と「維新党」の急速な躍進との間に類似性がある点である。
ナチス党は正式には「国民社会主義ドイツ労働者党」である。1919年に「ドイツ労働者党」としてミュンヘンで結成されている。もともと地方政党である点は「維新党」と同じだ。1920年に上記党名を採用し、21年にヒトラーが党首となった。
ヒトラーはオーストリア生まれで、黒い髪と茶色の瞳をもち、「アーリア白人」ではなかった。それが「アーリア人の民族的優秀性」を説くのだから、第一次大戦に敗北し、ヴェルサイユ条約で巨額の賠償金を科され、ハイパーインフレーションに悩む、困窮したドイツ人に大いにアピールしたわけである。ヒトラーはまた果断であり、演説にすぐれ、カリスマにとむ人物であった。
この人物像は、「出身」とされる橋下氏とよく似ている。
大阪の猪飼野といえば、朝鮮人町だが、仮に橋下がそこの出身であり、「慰安婦」問題について、韓国政府に強硬な発言をすれば、多くの大阪市民は喝采するであろう。http://ja.wikipedia.org/wiki/猪飼野
橋下の右翼的発言が受けるのは、実は非アーリア人、ヒトラーの「アーリア人優秀説」と似たところがある。
ヒトラーは1921年にナチス党の党首になり、選挙の度に躍進し、11年後の1932年にはワイマール国会で第一党になり、翌33年には首相に就任した。以後、6年後にポーランド侵入により第二次大戦が始まるわけだが、彼の統治下でのドイツの経済回復、軍事力の充実などには目覚ましいものがあった。それは他方で、障害者、精神病患者の強制安楽死による社会保障費の削減などと一体をなしていた。
こういう類似性はあるが、歴史はそのままでは繰り返さない。橋下の主な支持層は1980年代以降に生まれた「失われた世代(ロスト・ジェネレーション)」の無党派層にある。43歳という若さの橋下は、バブル期とその後の「失われた20年」をよく知っている。
民主党に完全に失望した国民の多くは、古い自民党(ことに潰瘍性大腸炎で紙おむつをしていた安倍総裁)に未来を託するよりは、「維新党」に期待を寄せるのは間違いないであろう。すでに民主党はあと一人離党すれば過半数割れとなり、内閣不信任案の可決は間違いない状況に追い込まれている。
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