ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【緑のマーカー】難波先生より

2012-11-14 13:20:19 | 難波紘二先生
【緑のマーカー】先日5本まとめ買いした緑色の蛍光ペンの具合が悪い。いつものZEBRAがなかったので、トンボ製を買ったのだが、キャップが固くて片手では取れない。キャップには胸ポケットに挿むクリップがついているから、普通、親指でそれを押せば回転してゆるみ、親指と人差し指で上に押せばはずれるように作ってあるものだ。


 ところがトンボ製は固くてこれができない。両手を必要とする。左手は普通、読んでいる本を押さえて右手でマーカーのキャップをはずし、必要なところにマークをつけるので、いちいち両手を使うとなると、面倒でかなわない。無理に片手でキャップを突き上げるようにして外したら、キャップが2メートルくらい飛んで、パソコン・ラックの下にもぐり込んでしまい、LEDライトで床を探すハメになった。このトンボ製は、片側しかマーカーになっておらず、細線は引けない。これで1本85円。


 今日、散髪に行ったついでに100円ショップの「ダイソー」をのぞいて見た。ホワイトボードやブラックボードに書ける蛍光ペンと並んでダイソー・オリジナルの蛍光ペン5本セットを売っていた。「赤、青、黄色、緑、橙色」の5色である。いづれも必要な色なので、一袋を買った。5本で100円だった。
 戻って昭和15年に出た安田徳太郎「世紀の狂人」(岩波新書)を開いて読み始めた。これは1965年に古本屋で買ったもので、定価は50銭、買値は50円くらいか。戦争中はメモ用紙も不足したと見え、見返しの白紙ページには、お金の計算が鉛筆書きでしてある。総合計が20円80銭とあるが、これは月収だろうか?


 安田は精神病というものを、ことに狂人の妄想というものを、「文学趣味、猟奇趣味、探偵小説趣味」の素材としてしか扱わない「日本の医学者一派」に対抗するためこの本を書いた、と述べ、「狂人は社会的産物であり、狂人の妄想にはその時代の政治社会的情勢があるから、逆にその分析により時代の背景を明らかにできるのだ」と主張している。正論である。ここにマークするのに、ダイソーのTWIN緑色マーカーを使った。
 
 使用感はなめらかである。キャップも容易に片手ではずれる。反対側の先細芯の部分も試したが、やはり同じようにキャップが容易にはずれる。ZEBRAと比較すると、両端が使える、芯のかたちが同じである、など基本構造がよく似ている。MADE IN JAPANと書いてないが、よく見るとKOREAとあった。してみるとZEBRAのOEMではなさそうだ。これなら初めからダイソーに来ればよかった。円高のせいなのか、デフレのせいなのか、来る度にダイソーの商品に高級感が出て来て、100円で買える商品の質が良くなっているように思う。40袋入りA4クリアーホルダーも2冊買う。


 まあ、これでトンボは品質管理がなっていないことが分かったから、以後二度と買わない。大学生協にZEBRAがあればそれを買うが、なければダイソーで買うことにする。それにしても、普通に暮らすには楽になったと思う。散髪して、文具2点(フォルダーと蛍光ペン)、トニックシャンプー、ヘアートニック、ポリデントを買って5,000円でお釣りが来る。ハードカバーの本なら2冊でこのくらいかかる。本が高すぎる。


 詰め替え用のトニックシャンプーが198円で、ビン入りのヘアトニックが1,579円。量は後者は前者の半分。詰め替え用の「ネスカフェ・ゴールドブレンド」もそうだが、どうしてガラスビンやプラスティック容器にメーカーのラベルが付いただけで、同じ量のものが値段が倍になるのか、納得がいかない。それなら結局、ビンなどの容器を売っていることになりはしないか。


 バブルの頃、「カミユ・バカラ」というブランディーをバーでキープすると、30万円取られた。クリスタルガラス製の独特のビンは、それだけで10万円の値がついて取り引きされた。ブランディーの味など、あってなきがごとしで、疑うなら試しに「レミ・マルタン VSOP」とサントリーの「果実酒用ブランディ」を飲み比べてみるとよい。値段ほどの差はないから。


 質実剛健な社会を築くには、容器を豪華かつ大切にして、中味は詰め替え用で足りるような、そういう文化を築いて行く必要性があると思う。それなら、排出するゴミも確実に減少するだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【書評】難波先生より | トップ | 【理解できない】難波先生より »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事