ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【毛沢東】難波先生より

2013-03-09 22:19:35 | 難波紘二先生
【毛沢東】が神棚から下りる日」(というのは、元朝日上海支局長による現代中国の分析だった。大した本でない。
 中国が「共産党一党独裁」を維持したままで民主化がありえると、著者は思っているようだ。そういう活動家が中国にいるのは事実だが、それは甘い。
 そこだけ見て、中国全体の動向を判断するのはおかしい。


 すでに1950年代にミロバン・ジラスは「新しい階級」を書き、社会主義に移行したユーゴ(だったか?)で、共産党と官僚がひとつの特権的新階級になりつつあることを指摘した。レーニンの革命理論によれば、革命により「プロレタリア独裁」が成立し、資本主義から社会主義へ、社会主義から共産主義へと移行して行けば、完全な平等と民主主義が可能となり、専業的な官僚や警察官もいらなくなり、「暴力装置としての国家」は死滅することになっていた(「国家と革命」岩波文庫)。常備軍もなく、普通選挙により誰もが国会議員になれ、国家が自治会のようになるはずだった。


 実際には1917年のロシア革命は、史上まれな「専制独裁体制」を生み出し、それが崩壊するまでに70年かかった。
 中国も共産党が崩壊し、ソ連のようにその植民地(本来の中国は黄河と揚子江の間の土地だ)が独立して、人口が2億以下に減少するまで、真の民主化はないだろう。建国が1949年だから70年目が来るのは、2019年のことだ。6年後だが、ソ連の場合東ドイツをはじめとする東欧圏があり、西側の文化や情報の流入があり、ソルジェニーチンのように内部の実状を暴露する作家がいたが、中国は実質鎖国している。反体制派の情報収集力も発進力も乏しい。共産党と軍内部の思想対立もまだ深化していない。だからソ連のように行くかどうかわからない。
 せいぜいどんどん国防費という名の軍事費を増やしてもらって、政府予算の8割ぐらいになり、早く自滅するように祈りたい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【稿條剛】難波先生より | トップ | 【無輸血手術】難波先生より »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事