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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

修復腎移植の先進医療認可反対」声明【追加情報】難波先生より

2012-08-18 07:57:28 | 難波紘二先生
.【追加情報】8/17の「読売」朝刊記事は科学部の執筆によるもの。だからポイントがぶれている。これは「医療介護CBニュース」君塚記者の記事。要は小宮山厚労大臣に5学会が再度の「修復腎移植の先進医療認可反対」声明文を8/8に提出したが、厚労省の反応が鈍いのに危機感を抱いて、8/16に厚労省で(!) 記者会見を開いたというもの、「バカコミ」代表「朝日」、「読売」のうち、読売だけが記事にしたというのが真相。


 <日本移植学会(高原史郎理事長)など5学会は16日に記者会見し、小径腎がん患者をドナーとする病腎移植の先進医療適応について、「先進医療として国が認めるならば、取り返しがつかない失態を演じることになる」などと、あらためて反対を表明した。厚生労働省の先進医療専門家会議が23日に開催されるのを前に、5学会としてのメッセージを発信し、けん制する狙いもある。




 5学会は、日本移植学会のほか、日本泌尿器科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会。小径腎がん患者をドナーとする病腎移植の先進医療適応をめぐっては、早期適応を求める医療法人沖縄徳洲会などと、5学会の間で、意見の応酬が続いている。5学会は8日、小宮山洋子厚労相に対し、医療法人沖縄徳洲会の見解には「重大な問題点がある」として、声明文を提出している。

 記者会見で日本移植学会の高原理事長は、「先進医療は一度申請されると、比較的短期間で決まってしまう。わたしたちはドナーサイドの危険性を非常に重く考えている。厚労省が先進医療に認めたら、腎臓を摘出された患者や、その家族が訴えた場合も想定しておくべき」と述べ、慎重な対応を求めた。

 この日の反対表明では、患者であるドナーが不利益を被る可能性が高いと指摘、腎がんと診断しても、10人に1人から2人の割合で良性腫瘍であり、腎臓が不必要に全摘される医療の正当性はありえないとしている。(【君塚靖】医療介護CBニュース 8月16日(木)20時30分配信)>

 「腎癌と(臨床)診断しても、10人に1人から2人の割合で良性腫瘍であり、腎臓が不必要に全摘される医療の正当性はありえない」だと…。臨床診断の正診率が100%なら病理医の必要性はない!日本にはアメリカの半分、2,000人の病理専門医しかおらず、臨床からの術中迅速病理診断や生検、細胞診の要望が高く、どの病院も病理専門医を求めている。まだ病院長になるケースは少ないが、公的病院に永年勤続した病理医は「全科の職務内容を把握していること、全科の医師と人脈があること、病院管理学の基礎を勉強していること」などの理由で副院長になる例が多い。




 高原のいわんとすることは、「腎癌と臨床診断しても誤診率が10~20%あり、良性腫瘍を全摘することがあるから腎全摘に正当性がない」ということだ。だから術中迅速病理診断が必要になるのである。もうひとつ、いま、「内視鏡手術専門医」の「経験症例数」稼ぎのため、良性腫瘍のため摘出の必要がない腎臓が、多数、内視鏡的に全摘され、病理医による摘発を恐れて、病理検査もされないでいる。これを自称「人道的な患者利益の擁護者」、別名「偽善者」高原氏はどう考えているのだろうか?

 欧米には「患者から摘出した組織/臓器は病理学的に検査しなければならない」という法律がある。論文のピアレビューと同じで、臨床医による治療行為は病理医という同僚の「審査」を受けるのが当たり前だ。日本では手術件数>>病理検査件数であっても、「保険審査会」は「むしろ病理からの請求額が少なくてよい」と問題にしない。札幌の和田心臓移植の際、胸部外科は心臓摘出を受けたレシピエントの心臓を病理検査に提出せず、何ヶ月も医局に隠していた。これが日本における「移植医療不信」の始まりだよ、日本移植学会理事長の高原さん、あんたちっとは歴史から学んでいるのかね?


「先進医療なら将来に禍根」と強調する高原理事長(16日、厚労省) =これが「悪玉コレステロール」の顔。またも厚労省にすり寄って、「ヤドカリ」記者会見。社団法人ならちゃんとした事務所くらい持つべきだろう。もっとも会員の寄付金は、自分らの訴訟費用に使っているから、金がないか…
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