【朝鮮日報の論評】
1/21「朝鮮日報」が<韓国の歴史上、日本を軽視した時に何が起きたか>というコラムを掲載していた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/20/2017012001474.html
公使館脇に慰安婦像を建立して日本を侮蔑し、それが不当だと思いもしないでいると、日本は報復に何をするかわからないぞ、という韓国メディアにはまれな「国民への警告」だったからだ。韓国の学者が書いたものかと思って末尾を見たら同社の論説委員が執筆していた。
この鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員はよく勉強していて、
①柳成竜(朴鐘鳴訳)「懲毖録(ちょうひろく)」、東洋文庫、1979/7
②申叔舟(田中健夫訳注)「海東諸国記:朝鮮人の見た中世の日本と琉球」、岩波文庫、1991/12
③李舜臣(北島万次訳)「乱中日記1~3:壬辰矮乱の記録」、東洋文庫、2000/10
をちゃんと読み、引用している。
②は宋希璟(村井章介校注)「老松堂日本行録: 朝鮮使節の見た中世日本」(岩波文庫、1987/3)と同様に鎌倉・室町時代の日本について記載されている。
朝鮮通信使が残した旅行記には、他に
申維翰(姜在彦訳)「海游録:朝鮮通信使の日本紀行」、東洋文庫、1974/1
があるが、これは日本文化への嫉妬と日本人への蔑視を顕わにした例外的な記録であり、これを引用しなかったことに、鮮編集委員の識見が表れている。
前回のメルマガ記事【斥洋の碑と国王拉致】に一部誤りがあったので、「訂正版」を宇和島の武田元介ブログに掲載をお願いした。在日から非難が殺到して、炎上により武田さんに迷惑が及ぶことを恐れたからだ。
http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/99d6d9511cbc0616a1847a18e4b96258
だが内容的には同じ主旨のコラムを「朝鮮日報」が掲載してくれたので、その恐れはなくなった。韓国にも私と同じように考えるジャーナリストがいたことを嬉しく思う。
日韓併合条約が成立したのは1910年、日露戦争の後である。朝鮮総督府はすでに「大韓帝国」から、司法権と検察権を譲渡されていた。それまで朝鮮では「一族から犯罪者を出したら、一族全員が罰せられる」という「連座制」が通用していた。大石内蔵助が討ち入りを前に妻を離別したのは、巻き添えにしたくないという愛情の表現であり、江戸期日本では朝鮮・中国由来の連座制が通用していた。
日本の連座制は明治維新による新法により廃止された。朝鮮のそれも日韓併合(1910)後に朝鮮総督府により廃止された。100年以上前の話だから、「罪を憎んで人を憎まず」という近代刑法の概念はとっくに韓国民の常識となっているものと思っていた。
ところが1/21「共同」が
<米、潘氏実弟の逮捕を韓国に要請、大統領選へ影響必至>と報じた。
https://this.kiji.is/195346446488061429?c=39546741839462401
「時事」はこう伝えている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170121-00000061-jij-n_ame
要はベトナムのハノイにある自社ビルを中東バーレーン政府関係者に売却するのに高額の贈賄を提供した疑い、というものだ。韓国籍なら米国の贈賄罪には問われないはずだが、報道では実態がよくわからない。
この報道にはびっくりした。しかしこの報道は「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」「ハンギョレ新聞」には一切載っていない。潘基文が次期大統領に選出された際の報復を恐れてのことかと思うが、「事実は事実」としてちゃんと報道しなければダメだ。
ネットで日本ニュースを読んでいる韓国人も多いので、韓国メディアの信用を落とすだけだろう。(朝鮮日報は1/21夜になって初めて報じた。)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/21/2017012100855.html
この記事が「潘基文韓国次期大統領」を阻止するための、「米国の陰謀」かどうかわからない。
ひとつだけはっきりしていることがある。私見では朝鮮総督府による「連座制廃止」は間違っていた。この制度は一族の誰かが出世したら、親族・姻族がそれにもぐれつくという因習の打破に目的があった。しかし独立後の韓国はまさにそれを繰り返してきた。朴槿恵のスキャンダルなど、象徴的なものだ。近代以前の国家である韓国に必要なものは、連座制の暫定的復活と罪を犯したら一族全員を罰するという近代以前の法律だろう。私はそれくらい、韓国は「前近代的」だと思う。
「記事転載は事前にご連絡いただきますようお願いいたします」
1/21「朝鮮日報」が<韓国の歴史上、日本を軽視した時に何が起きたか>というコラムを掲載していた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/20/2017012001474.html
公使館脇に慰安婦像を建立して日本を侮蔑し、それが不当だと思いもしないでいると、日本は報復に何をするかわからないぞ、という韓国メディアにはまれな「国民への警告」だったからだ。韓国の学者が書いたものかと思って末尾を見たら同社の論説委員が執筆していた。
この鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員はよく勉強していて、
①柳成竜(朴鐘鳴訳)「懲毖録(ちょうひろく)」、東洋文庫、1979/7
②申叔舟(田中健夫訳注)「海東諸国記:朝鮮人の見た中世の日本と琉球」、岩波文庫、1991/12
③李舜臣(北島万次訳)「乱中日記1~3:壬辰矮乱の記録」、東洋文庫、2000/10
をちゃんと読み、引用している。
②は宋希璟(村井章介校注)「老松堂日本行録: 朝鮮使節の見た中世日本」(岩波文庫、1987/3)と同様に鎌倉・室町時代の日本について記載されている。
朝鮮通信使が残した旅行記には、他に
申維翰(姜在彦訳)「海游録:朝鮮通信使の日本紀行」、東洋文庫、1974/1
があるが、これは日本文化への嫉妬と日本人への蔑視を顕わにした例外的な記録であり、これを引用しなかったことに、鮮編集委員の識見が表れている。
前回のメルマガ記事【斥洋の碑と国王拉致】に一部誤りがあったので、「訂正版」を宇和島の武田元介ブログに掲載をお願いした。在日から非難が殺到して、炎上により武田さんに迷惑が及ぶことを恐れたからだ。
http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/99d6d9511cbc0616a1847a18e4b96258
だが内容的には同じ主旨のコラムを「朝鮮日報」が掲載してくれたので、その恐れはなくなった。韓国にも私と同じように考えるジャーナリストがいたことを嬉しく思う。
日韓併合条約が成立したのは1910年、日露戦争の後である。朝鮮総督府はすでに「大韓帝国」から、司法権と検察権を譲渡されていた。それまで朝鮮では「一族から犯罪者を出したら、一族全員が罰せられる」という「連座制」が通用していた。大石内蔵助が討ち入りを前に妻を離別したのは、巻き添えにしたくないという愛情の表現であり、江戸期日本では朝鮮・中国由来の連座制が通用していた。
日本の連座制は明治維新による新法により廃止された。朝鮮のそれも日韓併合(1910)後に朝鮮総督府により廃止された。100年以上前の話だから、「罪を憎んで人を憎まず」という近代刑法の概念はとっくに韓国民の常識となっているものと思っていた。
ところが1/21「共同」が
<米、潘氏実弟の逮捕を韓国に要請、大統領選へ影響必至>と報じた。
https://this.kiji.is/195346446488061429?c=39546741839462401
「時事」はこう伝えている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170121-00000061-jij-n_ame
要はベトナムのハノイにある自社ビルを中東バーレーン政府関係者に売却するのに高額の贈賄を提供した疑い、というものだ。韓国籍なら米国の贈賄罪には問われないはずだが、報道では実態がよくわからない。
この報道にはびっくりした。しかしこの報道は「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」「ハンギョレ新聞」には一切載っていない。潘基文が次期大統領に選出された際の報復を恐れてのことかと思うが、「事実は事実」としてちゃんと報道しなければダメだ。
ネットで日本ニュースを読んでいる韓国人も多いので、韓国メディアの信用を落とすだけだろう。(朝鮮日報は1/21夜になって初めて報じた。)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/01/21/2017012100855.html
この記事が「潘基文韓国次期大統領」を阻止するための、「米国の陰謀」かどうかわからない。
ひとつだけはっきりしていることがある。私見では朝鮮総督府による「連座制廃止」は間違っていた。この制度は一族の誰かが出世したら、親族・姻族がそれにもぐれつくという因習の打破に目的があった。しかし独立後の韓国はまさにそれを繰り返してきた。朴槿恵のスキャンダルなど、象徴的なものだ。近代以前の国家である韓国に必要なものは、連座制の暫定的復活と罪を犯したら一族全員を罰するという近代以前の法律だろう。私はそれくらい、韓国は「前近代的」だと思う。
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