ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書評】黒田勝弘『韓国 反日感情の正体』/難波先生より

2014-06-10 18:55:32 | 難波紘二先生
【書評】エフロブ「買いたい新書」のNo.220書評に黒田勝弘『韓国 反日感情の正体』,角川新書を取り上げました。
 http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1400047905
 本屋の店頭に行くと嫌韓本が何種も平積みされ,いずれもよく売れている。テレビの「韓流ブーム」はとっくに消え去った。修学旅行の若い高校生を多数乗せた客船が遭難しても,海難救助にかけては世界トップレベルの日本に,援助を求めないほどの反日感情は,いったいどこから生まれてくるのだろうか?これはその疑問にかなりよく答えてくれる本だ。
 著者は1941年生まれ,京大経済学部を卒業後,韓国の延世大学に留学した。現在は産経新聞論説委員とソウル支局長を兼ねている。韓国ウォッチャーとなって40年,ソウル在住30年という大ベテランだ。日韓関係を学問的に研究した書物も多いが,多くは文献のみを基礎としているのに対して,この本では著者がリアルタイムで経験した,韓国の新聞やテレビの報道やドラマが,豊富に素材として用いられている。
 歴代の韓国大統領は政権末期に支持率が下がると「反日カード」を切ったが、今の朴槿恵大統領は就任直後から反日全開だ。本書を読んでその理由がわかった。大統領選の時に,テレビ討論で対立候補から「忠誠の血書を書いて日本軍将校になったタカギマサオが誰であるかわかるでしょう,韓国の名前は朴正煕…」といわれたのだという。実父のことだ。
 朝鮮の文化は「恨(ハン)の文化」といわれる。ハンは日本の「うらみ」とは違い,「夢や希望や期待が,かなわなかったことに対するやるせない気持ち」が根底にあり,それを誰かのせいにして「けしからん」と怒りを爆発させれば,カタルシスになるという。この「恨」の概念を根底においてみると,反日の正体が実によく見えてくる。「韓国は法治社会でなく,情治社会だ」という著者の指摘も,対馬の仏像窃盗事件を韓国がどう裁いたかをみればうなずける。
 韓国には「朝鮮半島の南北分断は日本の責任だ」という主張があるという。驚いてしまうが,著者の説明には説得力がある。1951年の対日講和条約に参加できず,戦勝国の一員になれなかったことが韓国の「歴史の恨」となっているという指摘など,単なる嫌韓本とはひと味違う。
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