【バニシング・ポイント】文字情報の読み過ぎによる脳疲労を軽減するため、「映画wo療法」をやっている。2/7(水午後は、米映画「Vanishing Point」(1971,米20世紀フォックス,99分)を見た。ベトナム戦争に海兵隊員として徴兵され、負傷して深い傷を心に負った青年の物語だ。映評はいくつか読んだが、DVDは積んだままで、今まで見る暇がなかった。
主人公の青年コワルスキー(バリー・ニューマン)は、デンバーからサンフランシスコまで15時間で車を輸送するという仕事を、「賭」として業者の店主から請け負う。平均時速200キロで走らないとムリな仕事だ。
私も1975年に休暇を取って家族で走ったことがあるが、デンバーからユタ州でルート70に合流して南下し、ネバダ州に入り、デス・バレーを越えてアパラチア山脈の東側から、ヨセミテ国立公園を越える路に入るのが、もっとも近道だ。コワルスキーが輸送する「ダッジ・ハードトップ」車でも難なく走れる。
初めはいきなりスピード違反するコワルスキーに違和感があったが、地元デンバーのラジオ局の黒人ディスクジョッカー「スーパーソウル」が応援しはじめるところから、物語に奥行きと広がりが出る。スーパーソウルの支援は本格的で、警察無線を傍受し、リアルタイムで放送を通じてコワルスキーに情報を送る。
フラッシュバック技法でコワルスキーの過去が、モンタージュ手法で彼を追う警察側の動きが説明され、映画の進行と共に主人公に対する共感が湧いて来る。
途中、砂漠の中で会ったヒッピーのカップルやガラガラヘビなど「毒ヘビ獲り」で暮らしを立てている老人などとの出会いも面白い。砂漠の中で新興宗教が信徒集会を開いている。これは後にエクアドルで集団自殺事件を起こした、カルト教団を描いたものだろう。
ヒッピーの助けで、屋根に警察車両のサイレンと非常灯をつけて、ソノーラ(アリゾナ南部の砂漠)への道を飛ばし、路上封鎖していたパトカーを退けさせるが、何とその先には大型ブルドーザーが2台並んで、巨大なシャベルを垂直にして道路を完全封鎖していた。
前方の障害物を認めたコワルスキーは、何のためらいもなく時速200キロでブルドーザーに激突する。まさに「バニッシング・ポイント(消滅地点)」である。
特攻隊の若者を思い浮かべながら、映画を見終えた。衝撃的な作品だった。
WIKIによると監督のリチャード G. サラフィアンについて、<『バニシング・ポイント』は、アメリカン・ニューシネマの代表作の一つとして高い評価を受けている。>とのことだ。
さすがにこの時代の米語は分かりにくい。日本語の「サヨナラ」、スペイン語の「アミゴ」や「ニガー」という黒人への差別用語も出てくる。
「記事転載は事前に著者の許可が必要です。必ずご連絡いただきますようお願いいたします」
主人公の青年コワルスキー(バリー・ニューマン)は、デンバーからサンフランシスコまで15時間で車を輸送するという仕事を、「賭」として業者の店主から請け負う。平均時速200キロで走らないとムリな仕事だ。
私も1975年に休暇を取って家族で走ったことがあるが、デンバーからユタ州でルート70に合流して南下し、ネバダ州に入り、デス・バレーを越えてアパラチア山脈の東側から、ヨセミテ国立公園を越える路に入るのが、もっとも近道だ。コワルスキーが輸送する「ダッジ・ハードトップ」車でも難なく走れる。
初めはいきなりスピード違反するコワルスキーに違和感があったが、地元デンバーのラジオ局の黒人ディスクジョッカー「スーパーソウル」が応援しはじめるところから、物語に奥行きと広がりが出る。スーパーソウルの支援は本格的で、警察無線を傍受し、リアルタイムで放送を通じてコワルスキーに情報を送る。
フラッシュバック技法でコワルスキーの過去が、モンタージュ手法で彼を追う警察側の動きが説明され、映画の進行と共に主人公に対する共感が湧いて来る。
途中、砂漠の中で会ったヒッピーのカップルやガラガラヘビなど「毒ヘビ獲り」で暮らしを立てている老人などとの出会いも面白い。砂漠の中で新興宗教が信徒集会を開いている。これは後にエクアドルで集団自殺事件を起こした、カルト教団を描いたものだろう。
ヒッピーの助けで、屋根に警察車両のサイレンと非常灯をつけて、ソノーラ(アリゾナ南部の砂漠)への道を飛ばし、路上封鎖していたパトカーを退けさせるが、何とその先には大型ブルドーザーが2台並んで、巨大なシャベルを垂直にして道路を完全封鎖していた。
前方の障害物を認めたコワルスキーは、何のためらいもなく時速200キロでブルドーザーに激突する。まさに「バニッシング・ポイント(消滅地点)」である。
特攻隊の若者を思い浮かべながら、映画を見終えた。衝撃的な作品だった。
WIKIによると監督のリチャード G. サラフィアンについて、<『バニシング・ポイント』は、アメリカン・ニューシネマの代表作の一つとして高い評価を受けている。>とのことだ。
さすがにこの時代の米語は分かりにくい。日本語の「サヨナラ」、スペイン語の「アミゴ」や「ニガー」という黒人への差別用語も出てくる。
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