ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【PM2.5】難波先生より

2013-03-19 12:56:17 | 難波紘二先生
【PM2.5】について、メデイアが連日報道しているが、ついぞ言葉のいわれないし定義の説明にお目にかかったことがない。
 私は「粒子(Particle)、ミクロン(Micron) 2.5以下」のことかと思っていた。月曜日の「中国」「子供理科」の欄に広島大理学部の教授が記事を書いていて、「Particulate Matter(粒子状物質) 2.5マイクロメーター以下」と説明していた。


 もともと、ものを測る単位は尺(前腕の長さ、尺骨に名が残る)、フット(つま先から踵の後ろまでの長さ)、スパン(両腕をひろげた長さ。日本では「ひろ」)のように、人の体を基準にしていた。(重さの単位の起源は多様)。フランス革命により、地球を基準にしたメートル法が出てきて、生理感覚からずれはじめた。


 フランス革命の合理主義では1立方メートルの水の重さが1トンで、その千分の1が1キログラムになるはずだったが、1リットルの水は1000ミリリットルよりも実測では多くなった。これでメートル法における長さと重さは、合理的つながりを失ったのだが、「メートル原器」と「キログラム原器」を設置することで、矛盾を回避した。


 1960年に「国際単位系」が合意された。フランスがイニシアチブを発揮したので正式名が「System International d'Unites」で、普通なら略号がISになるところをフランス語は形容詞が後ろに来るから、SIとなった。 日本は1993年に、SIを完全に受け入れた。


 われわれの年代は、尺貫法で育ち、成人してからはメートル法で生活し、働いていたので、「SI系」になじみがない。
 髪の毛の太さは500ミクロン、
 組織切片の厚さは、セロイジン標本なら20ミクロン、パラフィン標本なら2ミクロン。これは細菌のサイズ。
 電子顕微鏡切片の厚さは、500オングストローム、と覚えていた。
 1ミクロンは1/1000ミリ、オングストロームは光の波長の単位でした。(1ミクロンの1/100が1オングストロームだった。これはウイルスのサイズ)赤い波長の光で6000オングストロームくらいと覚えています。


 こういう風に、実際に見えるものと結びついていれば覚えやすいのだが、1mを基準にして、1000分の1=ミリ、100万分の1=ミクロ、1億分の1=ピコ、といわれても、さっぱりわからない。こんな単位で教えられて、今の生徒や学生は理解できるのだろうか?


 日本語WIKIの説明はダメだが、英語WIKIにはよい図が付いていた。粒子物質(PM)のサイズと身の回りのもののサイズが比較して示してある。
 http://en.wikipedia.org/wiki/File:Airborne-particulate-size-chart.jpg
単位はミクロメーター(ミクロン)で、
 第1欄の細菌(Bacteria)が0.5~10ミクロン、花粉が10~100ミクロン、ウイルスが0.005~0.08ミクロン、
 第2欄の「空中浮遊塵(Suspended Atmospheric Dust)」が0.002~1ミクロン、「沈降塵(Setting Dust)」が1~100ミクロン、
 第3欄の煤(Soot)、タバコの煙(Tobacco Smoke)、スモッグが0.01~2ミクロン、石油の煙が0.5~7ミクロン、浮遊灰(Fly ash)が1~100ミクロン、
 第4欄の「ガス状汚染物(Gaseous Contaminants)」が0.001を中心にいろんなサイズがあるというのもよくわかる。


 この分散で、どうして「2.5ミクロン」以下に限定することに意味があるのだろうか?図を見ればこれ以下のサイズのものには、かびの胞子(Molde Spores)、「イエダニのアレルゲン(House Dust Mite Allergens)」、細菌、「猫アレルゲン(Cat Allergen)」、「沈降塵」、「浮遊灰」、「石油煙」が含まれる。石油煙というのは、ガソリンと重油(ディーゼルエンジン)からでる排気ガスのことだろう。スモッグ、タバコ煙、ススは1ミクロン以下だ。後は吸い込む量の問題だろう。


 花粉は10~100ミクロンと大きいからマスクで防げるのはわかる。今年は冬にインフルエンザが流行し、マスクした人が目立った。しかしこの粒子サイズ分散表をみると、サイズ0.1ミクロン (10オングストローム)以下のウイルス粒子がマスクで防げるとは私には思えない。
 どなたか今の薬局で売られているマスクの性能について、ご教示下さい。
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