ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

ユタ州で修復腎移植 難波先生より

2012-06-03 21:49:47 | 難波紘二先生
米ユタ州マレー市の「キャニオン外科病院」の藤田先生から、6月1日にメールがありました。ユタ州で初めての修復腎移植がおこなわれたそうです。許可をえて内容を公開します。


<ついに、私の勤めている病院でも修復腎移植が始まりました。

 ドナー(患者さん, 30代女性)は腎盂尿管接合部に慢性炎症のある方で数年前から、腎臓部の痛みを訴えていました。去年、手術用ロボット介助による腹腔鏡下の手術で、腎盂形成術を施行されています。
 が、その後も痛みが続き、慢性炎症へのステロイド 投与も試みられましたが、痛みは軽減せず、患者さんの希望で腎臓の全摘出が計画されました。
 担当医師から、摘出する腎臓自体は機能的には十分働いているので、自家移植も可能、また、希望するのならば、腎移植を待っている患者さんへ提供もできる旨の話がなされ、患者さんが腎臓患者への移植を希望したしだいです。

 レシピエントの選択は、地元の移植ネットワークの個人的つてを介して探し出され、東部州(ニューヨーク州)へ運ばれて、そこで移植が成功裏に行われました。

 この病院では、Good Samaritan (心よきサマリア人)と呼ばれるドナー(自ら希望して、誰にでもいいから、私の腎臓を上げてくださいと申し出る人たち)からの移植が多く行われており、今回の移植もその例にのっとった形で行われたため、倫理委員会なども経ていません。また、レシピエントの選択にあたっても、UNOSのマッチングを介さず、個人的なつながりから選ばれました。>


 日本の移植学会などは、「海外で行われていない」というウソを、「先進医療としての認可反対」要望書に書いて、厚労省に提出していますが、移植用腎臓が圧倒的に不足している日本だからこそ、「修復腎移植」が必要とされるのであり、「海外で普及したら日本でもやりましょう」というのは、人まねザルの奴隷根性です。


 「徳洲会の先進医療申請書が却下された」という悪質なデマが流れているようですが、「返戻(へんれい)」というのは、書類に不備があって「差し戻し」になったということです。目下、再提出のための努力が行われています。


 こうして日本では、あの手この手で学会がストップをかけている間に、世界では徐々に修復腎移植が広まりつつあります。


 これは粟屋先生などに考えてもらいたい問題ですが、今のまま禁止を続けていると、患者サイドが賢くなって、
 「小径腎癌を発見されたので、腎臓をあげたいが、国内では手術できない。レシピエントがユタ州の病院までの旅費・滞在費と手術経費を払ってくれたらあげる」
 と知り合いの透析患者に持ちかけたら、どうなるのでしょう?という問題が起こりますよ。


 これはイスタンブール宣言が禁止している、
 1)海外渡航移植の定義に合致しない
 2)臓器の対価としての金銭授受がないので、日本の臓器移植法にふれない(必要経費の支払いは認められている)
 ので合法だと思いますが、


 米国では「心よきサマリア人」を認めて、他人への腎提供を承認しているので、まったく問題がない。
 (注:「心よきサマリア人」は「新約聖書」ルカ福音書に出て来る話です。)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/善きサマリア人のたとえ


 どう思われますか?


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3 コメント

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日本移植学会は「世界で禁忌」と断言。 (さざ波moo)
2012-06-03 23:27:45
お邪魔します。さざ波mooです。
> 日本の移植学会などは「海外で行われていない」というウソを・・・
 「海外で行われていない」というのは、「病腎移植を知らないからしていない」という
意味に取れますが、日本移植学会はもっと大嘘を言っているのです。「世界で禁忌だ」と。つまり「世界で禁止されている」と学会の広報ビデオで延々、何年も流しています。

 移植学会のお偉方は、海外の学会に出席して修復腎移植の症例発表を見聞きしているのに、憚ることなく「世界で禁忌」と明言。国民の目だけでなく、国内の腎移植に詳しくない医師達の目をも、誑かしているのです。医師として学会幹部としてあるまじき行いです。http://www.mediobank.com/media_workshop/WMVdata/tokubetsuhoukoku_20080324_yoshida.wmv

 上記がその広報ビデオですが、今みたら、何と消えています。新年度で役員交代などで、「これは拙い」と削除したのでしょう。削除は、記述が不正確だったということで、削除=実質的敗北宣言ですね。これ以上《世界で禁忌、妥当性がない》と言い続けたら、日本移植学会の世界に対する醜聞になる、と誰かが気付いたのでしょう。事態は変わるかも知れません。
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病腎移植の広報ビデオ (さざ波moo)
2012-06-06 15:18:20
済みません。日本移植学会の《病腎移植に対する広報ビデオ》ですが、
出るのに時間が掛かっていただけで、再度、試してみたら健在でした。

解説者は、日本移植学会・広報委員会「秒腎移植」担当 吉田克法氏、
ビデオは13分43秒です。まだ ご存じない方、ご覧下さい。
《世界で禁忌》といまだに断言しているのが、日本移植学会の認識です。
http://www.mediobank.com/media_workshop/WMVdata/tokubetsuhoukoku_20080324_yoshida.wmv
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Unknown (たけだ もとすけ)
2012-06-08 12:42:33
コメント、ありがとうございます。
私も、よく見て見ます。
どうして、この国の学会は、こんな体たらくなのでしょう。
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