ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【エイズ】難波先生より

2013-12-19 13:02:06 | 難波紘二先生
【エイズ】日赤血液センターを献血のために訪れるドナーの中に、HIV検査目的の人があるとは、かねて聞いていたが、「20人分」をまとめて検査しているとは知らなかった。

 NATというDNA増幅法を用いるから、20人分をまとめてやっても、もしHIVウイルスが末梢血中に出ていれば、ロットが陽性になる。


 これについて11/27「読売」はこう報じている。
 <日赤は1999年、ウイルスの遺伝子を増幅させて検出する高精度の「核酸増幅検査(NAT)」を導入したが、03年にNATをすり抜けた血液を輸血された患者1人がHIVに感染。日赤は、検査精度を上げるため、50人分の血液をまとめて調べていた手法を04年から20人分に見直したが、来夏までに1人分ずつ調べることにする。>


 ところがHIVウイルスは感染後4週間は、T細胞性リンパ球の中に潜伏しているから、この方法では陽性にならない。しかし輸血用血液には感染力があるというギャップ期間(ヒアタス)が生じる。


 利益=売価ー経費 であるから、血液センターもできるだけ「経費」を削減しようと、20人分をまとめて検査し、たまたまその中に検出不能のHIV感染者が紛れ込んでいた、ということであろう。

 これは一人ずつを別個に検査していたら発見できたいた、という性質の話ではない。
 すべての感染症には「潜伏期間」というものがあり、菌ないしウイルスが十分に増殖するまでは検査に引っかからないし、症状もでない。だから、昔は「クァランティン(検疫)」といって、一律に40日間、島などに隔離したのである。


 エイズはもう日本ではコントロールに成功したのかと思っていたが、年間1500人も新規感染者がいるとのTV報道に接して驚いた。


 「検査目的での献血志望者がいるから、HIV陽性でも本人には告知しない」という方針を日赤はとっているというが、「感染症予防法」第12条により、「無症状のHIV感染者」でも医師は発見したら「都道府県知事」に対して届出の義務がある。
 これがあれば知事は新規感染者に対して、健康診断を受けさせ、あるいは入院させることができる。だから、「検査結果を本人に知らせない」という措置は、百害あって一利なしであろう。HIV感染者が地下に潜るのを助長しているとしか思えない。


 血液センターにも医師がいるのに、これまでHIV陽性者を知事に通報した事例は、なかったのであろうか?

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