口は災いの"素"

音楽テクニカルライター布施雄一郎のポジティブなネガティブ語録/独り言編

アッピア街道の松

2008-03-03 10:48:01 | 吹奏楽/クラシック

2時就寝、12時起床。

先日、HMVのフリーペーパーを
パラパラとめくっていたときのこと。
ふと、カラヤンの写真に目が留まりました。


   ヘルベルト・フォン・カラヤン生誕100周年


そうかぁ、今年はそういう年だったんですね。

僕は、カラヤンが大好きで。
極々単純に、ミーハー的に。カッコいい。

そして、そのページに載っていた、生誕100周年を記念して
リリースされるCDやDVDのリストを眺めていて、思わず、


   えっつ!?


と声を上げてしまいました。

24年前の1984年にカラヤン&ベルリン・フィルが来日した際の、
大阪ザ・シンフォニーホールでのライブが、
昨年末にDVDになってリリースされていたのでした!

このライブ映像こそが、僕がカラヤンを


   このジジイ、超かっけぇ!( ̄□ ̄;)


と思った最初の出来事だったのです。


『LIVE IN OSAKA 1984/ライヴ・イン・大阪 1984』
Herbert Von Karajan/ヘルベルト・フォン・カラヤン
SIBC-50/DVD/2007.12.19/¥4,935(税込)



   *****


1985年、僕が高校3年生になったばかりの時だったか、
K先生という、確か生物の先生が我が高校に赴任してきまして。

その先生が、オーディオ&クラシックおたくだったんですね~。
僕は生物を選択してませんでしたが、僕ら吹奏楽部の連中と
仲良くしてもらいまして、よくK先生の家に遊びに行ってたんです。

CDの音を初めて聴いたのも、そのK先生の家だったし、
S-VHSのビデオテープにPCM録音できるビデオデッキがある、
なんてことも、このK先生に教えてもらいました。

そんなこんなで、いつものごとく
K先生の家に遊びに行ったときに見せてもらったのが、
この1984年のカラヤンの来日公演のビデオだったんです。


   このジジイ、超かっけぇ!( ̄□ ̄;)


一発でやられちゃいました。

僕は、カラヤンという指揮者がいるという程度の知識はありましたが、
クラシックも高校に入って初めて聴き始めた程度でしたので、
まだまだ、オケに関しては全然詳しくはなかったのですが、
そんな僕にとっても、このライブ映像は衝撃的でした。

もちろん、カラヤンの指揮やベルリン・フィルの演奏もスゴイのですが、
これらの素材を120%活かしたカメラ・アングルやカット割り、
そして映像編集センスの素晴らしさに大いに感銘を受けました。

しかも、これらの映像編集の演出や
自身の写真のチェックをカラヤン本人が自ら行っていることを知り、


   このジジイ、超かっけぇ!( ̄□ ̄;)


と、その想いをさらに強くしたわけです。

こうしてカラヤンに完全にやられてしまった僕は、
その数日後に、高校3年生の分際で、約7000円もの大金をはたいて
カラヤン75歳記念の写真集+LPセットまで買っちゃうわけです。

んでもって、その勢いはさらに加速していき、
その年の定期演奏会の演奏曲目に、後輩達の迷惑も顧みず、
『ローマの松~アッピア街道の松』をリストアップしてしまうわけです。^^;)


部長Iくんに『俺が買うつもりだったのに!』と怒られましたが( ̄w ̄)ぷ


当時僕は、当然ながらビデオデッキは持っておらず、
しかもK先生も数年後に県外の高校に転任してしまったこともあって、
このライブ映像は、そのときに見た記憶しか残ってなかったのですが、

皮肉にも、カラヤンが1989年に亡くなった際に
追悼番組で一部が再放送され、そのビデオを大事に保管してました。

それがまさか、DVDでリリースされる日が来るなんて。

このDVDに収録されている映像は、テレビ放送された映像そのものではなく
一部に編集が加えられていますが、ライナーノーツを読むと、
どうやらそれも、カラヤン自身の意図によるもののようです。

うむ、いい時代になったもんだ。


今見ても、このライブ映像、秀逸です。音ナシでも、ごはん3杯いけます。