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FBI

2021-02-03 02:55:30 | Comic
FBI(名探偵コナン)

登録日:2011/10/26(水) 20:19:14
更新日:2020/10/20 Tue 13:49:35
所要時間:約 10 分で読めます

▽タグ一覧
FBI Xファイル←ではない ×シルバーブレッド←銀のパン ○シルバーブレット ツイン・ピークス←でもない クリミナル・マインド←でも勿論ない ミスリード集団 名探偵コナン 赤井秀一 違法捜査は処分覚悟

FBIとは、アメリカ連邦捜査局 Federal Bureau of Investigation の通称。
主にアメリカ国内における事件、犯罪の捜査を行う組織である。


『名探偵コナン』では、物語に登場する犯罪組織(通称・黒の組織)を追っている存在として登場。 

黒の組織の捜査の為、極秘で日本国内に捜査員を派遣し行動している。

江戸川コナンが誕生(工藤新一が薬を飲んで幼児化)する二年以上前から既に黒の組織の捜査を行っており、
主に黒の組織のメンバーベルモットを標的にしている。

作中ではベルモット登場に次いで、捜査官たちが個々に登場。
捜査官たちは、当初FBIという事を伏せた状態で登場したため、怪しげな面々として描かれ、黒の組織のメンバーであるかのようなミスリードが張られていた。
(特にジョディと赤井。後者は過去に「ライ」というコードネームで組織に潜入していたのである意味間違いではないが)

その後、ベルモットが正体を現すと同時に捜査官たちもFBIである事が明かされ、以降はコナンたちと協力して黒の組織を追っている。だがコナンの正体を知るのは赤井秀一だけである。
灰原哀の正体である宮野志保のことも赤井以外は知らないが、黒の組織から「シェリー」と呼ばれている20歳ぐらいの女性とだけ認識している。


以下、名探偵コナンにおけるネタバレが含まれます




【主な捜査員】
◆ジェイムズ・ブラック
CV:家弓家正
  土師孝也(家弓氏逝去後)
FBI捜査官。ジョディ、赤井らの上司。
日本で調査をしている捜査官達のリーダーであると思われる。
初登場時に巻き込まれたマスコミから質問攻めや、誘拐事件をコナンに救われたことで彼に一目置いている。

慎重かつ冷静沈着な人物で、誘拐事件に巻き込まれた際には鋭い洞察力などを見せるが、なぜかFBIと判明してからは鋭い一面を見せていない。
また、黒の組織と数度に渡り対峙しているFBIの主要捜査官の中で、唯一個別でジンたちと戦っておらず、組織のメンバーたちの話題にも挙がった事が無い。
これは何かの伏線か、単に影が薄いだけか……

名前の元になった人物や、行動・言動の不審さから、FBIのボスにして黒の組織のあの方説が浮上している。


◆ジョディ・スターリング
CV:一城みゆ希(少女時代・冬馬由美)
一番初めに登場したFBI捜査官。
新一や蘭が通う高校に新任の英語教師として赴任、潜入捜査を行っていた。
コナンと初めて対面した事件の直後に意味深な電話を掛けている描写の他、

バスジャック事件でベルモットの口癖「A secret makes a woman woman.」を口にする
コナンや灰原が警戒する
自宅にコナンや蘭、新一の写真が貼られている

など、ジョディ=ベルモットというミスリードが張られていた。
しかし正体は真逆で、ジョディにとってベルモットは親の仇でもあった。
帝丹高校への潜入は、同校の校医「新出智明」に成り済ましたベルモットの調査が目的。
新出に化けたベルモットが灰原を狙っている事を突き止めベルモットを埠頭に誘き出すが、それを先読みされ窮地に立たされる。
しかし、コナンや赤井秀一の介入で窮地を脱し、以降はコナンの協力者となる。
コナンや服部平次、灰原を一目見て只者ではないと見抜く他、
シャロン・ヴィンヤードとクリス・ヴィンヤードが同一人物である事を見抜くなど、中々の頭の切れを見せる。
が、FBIと明かされてからは良くも悪くも感情的な面が強調されるようになり、赤井やコナンの策に翻弄される事も多く、読者からは噛ませと言う声も……
しかし、赤井やコナンがずば抜けているだけで、ジョディ本人は殺人事件で冷静な観察を行い、日本警察よりも先に真相に行きつくなど、決して無能とは言えない実力を持っている。

赤井とはかつて恋人同士で、赤井が組織に潜入するのを境に別れた。
しかし、今もなお彼に想いを寄せているようで、赤井の訃報を聞いた時や火傷痕のある赤井と遭遇した時には取り乱している。


◆赤井秀一
CV:池田秀一
黒の組織に最も恐れられているFBI捜査官。
作中でもトップクラスの切れ者で、コナンと並ぶ推理力を持つ。
同じくトップクラスの切れ者である黒の組織の幹部ジンとも互角に渡り合い、ベルモットやあの方ですら「組織の心臓を射抜くシルバーバレット」として恐れている。

ジョディやジェイムズ同様、コナンの周辺に出現しては謎めいた言動を放つ存在として登場。
さらに灰原が彼の気配に異様な恐怖を感じていたことから、黒の組織の仲間であるとコナンや読者にも認知されていた。

しかし、蘭の回想でFBIと共にいたという事が明かされ、埠頭でのベルモットとの対決でFBIの捜査員と判明した。

並はずれた推理力だけでなく、狙撃の腕も非常に優秀。
黒の組織のスナイパー、キャンティ・コルンでも不可能だった700ヤード以上離れた位置から、
ジンが持っていたビー玉程のサイズの盗聴器を正確に撃ち抜くという離れ業を見せた。
さらに拳銃他、ショットガンなどの扱いにも長けている。
かつて黒の組織内に「ライ」というコードネームで潜入していたが、キャメルのミスで失敗しFBIだと露見。
それが原因で彼を組織に引き込んだ灰原の姉「宮野明美」を殺されてしまう。
明美とは組織への侵入目的の為だけに近づき、交際していたが、いつしか彼女への思いは本物になり、相思相愛の仲だった様子。
その因縁もあって、黒の組織、特に彼女を射殺した張本人であるジンを執拗に追っている。

潜入捜査をしていた頃は長髪だったが、その後長髪はバッサリと切っている。

水無怜奈を巡る黒の組織との戦いでは、コナンと並ぶ推理力を駆使して黒の組織や味方のFBIまで翻弄。
黒の組織に水無怜奈という楔を打ち込む事に成功するが、その代償にジンの策略により怜奈に撃たれ死亡した。

…と思いきや、その後で火傷痕がある赤井そっくりの人物が出現しており、
同時期に現れた黒の組織の探り屋「バーボン」、謎の隣人「沖矢昴」などの登場から赤井生存説も流れていた。

なお、劇場版『異次元の狙撃手』において、卓越した狙撃を行ったり、ラストの一言だけ池田秀一が沖矢の声を充てる(TV放映時の字幕では「赤井の声で」となっていた)など、
沖矢が赤井であるらしい描写がなされている。

そして異次元の狙撃手公開中に連載された原作『緋色シリーズ』にて、“赤井=沖矢”と判明し生存も明らかとなった。
現在は沖矢として工藤邸の留守を任されており、コナンや工藤夫妻と協力して組織を追っている。


愛車はシボレー・C-1500。現在は赤のシェルビーGT-500に乗っている。

名前の元ネタは、シャア・アズナブルと担当声優の池田秀一から。


◆アンドレ・キャメル
CV:梁田清之
怜奈護送の際、増員として派遣されたFBI捜査官。筋骨隆々な身体と人相の悪い顔が特徴、高いドライブテクと運動神経を持つ。
初登場から怪しげな行動を取っていたが実は赤井の密命を受け、怜奈を再び組織に潜り込ませるための行動を取っていた。
結果、見事ジン達を騙し玲奈を再び組織に潜り込ませることに成功。

事の真相が明かされ実はいい人だったということが判明したのも束の間、偶然殺人事件に巻き込まれ容疑者の一人に。
その際コナン以外の少年探偵団には「殺し屋」「国際指名手配犯」など酷い言いようをされる。
その他にも仲間のジョディからはゴリラ、赤井からも筋トレマニアと称されるなどFBIメンバー屈指のギャグキャラ、萌えキャラになりつつある。

実は作品開始時の二年前、赤井が組織に潜入していた頃にミスを犯して赤井の正体を露見させてしまった張本人。
結果として赤井の潜入調査を失敗させ、宮野明美殺害の原因を作った事に負い目を感じており、作戦における覚悟は非常に高い。

名前の元ネタはシャアの副官ドレン大尉とキャメルパトロール艦隊から。


容疑 国籍
毎日更新 ⋅ 2020年12月8日
ニュース
放火容疑でペルー人男逮捕へ
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逮捕されたのは塗装作業従業員、グエン・タイン・サン容疑者(20)。容疑を認めている。被害男性と同じ社員寮で生活。 この記事をシェア. Twitter ...
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愛知県半田市の県営住宅で2015年12月、ブラジル国籍の姉妹が殺害され部屋が放火された事件で、愛知県警が現住建造物等放火の疑いで、妹の元交際 ...
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47NEWS
... 犯罪対策課と同県警相生署などは7日、窃盗の疑いで、いずれもベトナム国籍で住所不定の無職ディン・バン・ズン容疑者(26)ら男3人を逮 .
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頻発する家政婦トラブル 逮捕の女は食べ物に尿・月経血を混ぜた容疑を否認
しらべぇ
その後、カナレス・ロウェナ・オラというフィリピン国籍の43歳の女が暴行容疑で逮捕されていた。 事件から2年が経過し、今月2日にその予備審問が ...
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下山中に滑落 県警ヘリで救助も…愛知県の64歳男性死亡 仲間2人と南木曽岳に登山
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同僚を刃物で刺したベトナム国籍の男が殺人未遂の疑いで逮捕されました。 長野県東御市の塗装作業員・グエンタインサン容疑者(20)は6日、午前9 ...
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感染急増…伊那保健所管内で直近1週間18人 伊那市の飲食店220軒を巡回 対策徹底呼びかけ
www.fnn.jp
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、ベトナム国籍で東御市の塗装作業員・グエンタインサン容疑者20歳です。警察によりますと、グエン容疑者は6日 ...
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殺人放火でペルー人を逮捕へ
ニフティニュース
... 人姉妹の遺体が見つかった殺人放火事件で、県警半田署捜査本部は8日までに、現住建造物等放火容疑で、妹の元交際相手でペルー国籍の男(3…
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スアレスの語学試験不正合格疑惑を巡り、ユベントスに捜査のメスが入る
エキサイトニュース
容疑は、刑法第371条に示された「検察に対する虚偽報告」。 ... マドリー)がペルージャ外国人大学にてイタリア国籍取得に必要な語学試験を受けた ...
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元交際相手のペルー人男逮捕=ブラジル人姉妹の殺人放火—愛知県警
BIGLOBEニュース
... 見つかった殺人放火事件で、県警半田署捜査本部は8日までに、現住建造物等放火容疑で、妹の元交際相手でペルー国籍の男(34)を逮捕した。
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探偵学園

2021-01-31 03:28:49 | Comic
幻奏館殺人事件(探偵学園Q)

登録日:2019/07/20 (土) 10:03:33
更新日:2020/03/28 Sat 10:00:33
所要時間:約 20 分で読めます

▽タグ一覧
アリバイトリック クラシック音楽 クローズドサークル バイオリン 別荘 台風 心理トリック 急展開 探偵学園Q 毒殺トリック 洋館 衝撃のラスト 長野県 陸の孤島 音楽家 館もの


そろそろ独奏会の時間だ………

聴くがいい……罪深きエセ音楽家たちよ!

「冥界のマエストロ」の呪わしき旋律を…

単行本第9巻と第10巻に収録。全13話

日本を代表するバイオリニストの弓削雅臣に脅迫状めいた手紙が届いた。
筆跡から差出人は弓削の一番弟子だった宝生美鶴と考えられたが、美鶴は半年前に自殺をしていた。
弓削の弟子・五島田学から依頼を受けたDDCは、Qクラスに今回の依頼の内容を説明。
山奥*2にある弓削の別荘・幻奏館で行われる愛弟子と友人達の集まりに出向き、手紙の謎を解き明かす事を命じた。
だが今回の依頼には、九頭龍匠が作ったバイオリン「テスタ・ディ・ドラゴ」が関わっていたので、九頭龍の名前を聞いた途端にリュウの表情が変わった。
キュウとメグは団の指示で幻奏館へ出向くが、そこで美鶴の自殺について調べているはずのリュウと出くわす。
今回の集まりでテスタ・ディ・ドラゴの後継者が明かされるため、関係者の間には険悪なムードが漂っていた。
そんな空気の中、弓削がテスタ・ディ・ドラゴで「悪魔のトリル」を演奏するが、その直後に弓削の弟子の1人・白州真弓が殺害される事件が発生する。
現場にはCDで悪魔のトリルが流されていたが、これは自殺をした美鶴が最も得意としていた曲であった。
その後も幻奏館で次々と弓削の弟子が殺害されていくが、事件を捜査していたリュウは何故か焦りを見せていた。
果たして、死の交響曲に沿って殺人を繰り返す「冥界のマエストロ」とは一体誰なのか……?


【事件関係者】

五島田学(ごとうだ まなぶ)
CV:井上倫宏
バイオリニストで今回の依頼人。24歳。
弓削の弟子の1人であるが、弓削の世話役も担っている。
謎の手紙を受け、幻奏館で行われる集まりで何かが起きるのではないかと思い、この件の捜査をDDCに依頼した。
幻奏館へは遅れて行く事となっていたが、手紙が届いて以来奇妙な無言電話がかかってくるようになったので、彼の護衛にキンタと本郷が付く事になった。
幻奏館へ繋がる道が犯人によって塞がれてしまったので徒歩で向かう事となる。その途中で何者かに崖から突き落とされるが、キュウ達によって何とか助け出された。

弓削雅臣(ゆげ まさおみ)
CV:大木民夫
バイオリニスト。72歳。
日本を代表するバイオリニストの巨匠で、その演奏は聴く人の心を魅了する。
現在は病に冒されているらしく、病で倒れた後でテスタ・ディ・ドラゴを弟子の1人に譲ると公言している。
今回の集まりでテスタ・ディ・ドラゴを譲り渡す人物を、遺言を兼ねて発表する予定でいた。

白州真弓(しらす まゆみ)
CV:天野由梨
バイオリニストで弓削の弟子の1人。28歳。
弓削の一番弟子を言い張っているが、村雨からは「「一番」の上に「自称」がつくんじゃないの?」と嫌味を言われていた。
最初の被害者。ガラスや陶器の破片が散乱している部屋の中で、喉をナイフで一突きにされ殺害された。

村雨紫音(むらさめ しおん)
CV:千葉進歩
バイオリニストで弓削の弟子の1人。20歳。
歯に衣着せない物言いが取り得で、かなり神経質な性格。
亜里沙へのセクハラをリュウに止められると、「芸術家ってのは狂気を秘めてるって意味じゃ犯罪者と紙一重だ。ヘタに怒らせると何しでかすかわからないからね?」と忠告する。
第1の事件が起きると、弓削の演奏を凄い目つきで聴いていたリュウを疑う。
2番目の被害者。ドレッシングに毒を入れられ、それをサラダにかけて食べた途端に苦しみ出し死亡した。

霧島想七太(きりしま そなた)
CV:桐本琢也
バイオリニストで弓削の弟子の1人。30歳。
弓削の演奏を聴いた途端に顔が青ざめ、逃げるようにして部屋を出て行く。
第1の事件が起きた後で何者かに電話で「悪魔のトリル」を聴かされ、叫び声をあげていた。
どうやら美鶴の影に怯えているようで、美鶴のポルターガイストが自分達に復讐していると考えている。
3番目の被害者。注射器による毒で死亡。
部屋のパソコンに自分が犯人だと告白する遺書が残されていたので、罪を悔やんでの自殺だと考えられたが…

福丘一哉(ふくおか かずや)
CV:掛川裕彦
音楽評論家。46歳。
弓削の演奏を高く評価しており、テスタ・ディ・ドラゴの後継者選びにも興味を示している。
美鶴の事は生前娘のように可愛がっており、彼女の死を現在も悔やんでいる。

司馬朝絵(しば あさえ)
CV:茂呂田かおる
楽器コレクター。35歳。
テスタ・ディ・ドラゴに強い関心があり、手に入れるためなら何億でも出すと言っている大富豪。
福丘とは長い付き合い。

立木亜里沙(たちき ありさ)
CV:今野宏美
メイド。18歳。
最近入ったばかりだが、事件が起きるとひどく怯え、何かを隠しているような様子を見せていた。
その事に気づいたリュウには「悪魔のトリルが聞こえる」と言っていたが、その後で人目を忍んでテスタ・ディ・ドラゴを持ち出し、「悪魔のトリル」を弾いていた。

宝生美鶴(ほうしょう みつる)
CV:國府田マリ子
バイオリニスト。故人。
10代で海外の名だたるコンテストを総なめにした天才で、弓削の後継者とまで言われていた。
今年の1月の中頃、急に決まった演奏会に出演するため、幻奏館から車で町へと向かう。
その時に立ち往生してしまい、車を捨てて雪道を延々何十キロも歩く羽目になる。
その結果、両手に酷い凍傷を負い、指を何本も切断する事となってしまった。
指を失った事で演奏家生命を断たれ、事故の2ヵ月後に自殺。だが現場となった別荘には彼女の血が残っていただけで、彼女の遺体はどこからも発見されなかった。
なお、この事故は「4つの不運」が重なったせいで起きたとされているが、その不運にはそれぞれ1人ずつ弓削の弟子が絡んでいた。


【レギュラー陣】

キュウ
美南恵
団の指示で2人で幻奏館へ出向くが、そこでリュウと鉢合わせしたのでつい驚いていた。
リュウが村雨に犯人扱いされると、「Qクラスのメンバーであるリュウが、尊敬する先生の名を汚すようなことをするはずがありません」と庇っていた。
だが、捜査中のリュウの様子がどこかおかしい事に気づき、強引なやり方で霧島を犯人扱いすると、キュウは「今のやり方、全然リュウらしくないよ!!」と彼を諌める。
メグのほうも、リュウが何かに焦りながら推理をしている事に感づいていた。

天草流
美鶴の自殺について調べる役目だったが、テスタ・ディ・ドラゴに魅かれるものを感じ、団に無理を言って幻奏館を訪れていた。
第1の事件の際には冷静な判断力で、先走った行動をするキュウ達を止める。
だが第1の事件のアリバイトリックを暴いた後は、強引なやり方で霧島を犯人扱いし、逆にキュウに諌められていた。
この事件の裏にはある「組織」が動いていると考えており、その存在を感づいた事で幻奏館へ来たようだが…

遠山金太郎
今回は遅れて幻奏館へ出向く五島田の護衛を本郷と共に担当。
本郷の事はまだ信用しておらず、彼に何かを言われる度にムッとしていた。

鳴沢数馬
今回はDDSのITルームに残り、情報基地としてDDSとメンバーの架け橋となる。
キンタの受け売りで「足」を使って美鶴の遭難事故について調べ上げ、事故が起きる要因となった「4つの不運」にそれぞれ弓削の弟子が絡んでいた事をキュウ達に教えた。
情報を聞いただけで第2の事件の毒殺トリックも見抜き、ヒントとなるメールをキュウに送っていた。

団守彦
テスタ・ディ・ドラゴや脅迫めいた謎の手紙に、探偵としての勘が激しく警鐘を鳴らす。
そのため今回はチーム分けを自らの判断で行い、別々の観点から調査をするようキュウ達に命じた。

本郷巽
キンタと組んで五島田の警護を担当する。
キンタと違って冷静な判断力を見せ、万一の時に備えて非常食も携帯していた。
その際にキンタに「探偵でもないのに用意のいい人間がいたら、それは何か?」と問いかける。
ちなみに答えは「その人物が犯人だから」。
どうやら既に犯人の目星をつけているようだが…

ミス・カオリ
冒頭でクライアントと接触し、「あるモノ」を頂く条件で今回の殺人計画を授けていた。


【以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください】

























…は…はい……先生……私です……
私がやったんです…

卑劣な罠で宝生美鶴を陥れたあの3人をこの手で…!


五島田学
今回の事件の犯人「冥界のマエストロ」。

実は彼と美鶴は恋人同士であり、バイオリニストとしても、恋人としても彼にはかけがえのない存在であった。

今年の1月、音楽界の巨匠・アントニオ・ジェラルデリの来日公演に出演するはずだったバイオリニストが急病で出られなくなり、その代役として美鶴を抜擢する。
美鶴の才能を買っていたため彼女に出演を頼む事にしたが、急遽彼女の出演を決めたのは「世界最高レベルの評論家達が見守る舞台の上で、彼女の天才的な演奏を見てもらいたい」という思いがあったからだった。
だが演奏会当日、美鶴はなかなか会場に現れず、霧島達が様子を見に行った時には美鶴は雪道で倒れていた状態だった。
この事故により美鶴は手に酷い凍傷を負い、両腕の指を何本も切断する事となった。
バイオリニストとしての生命も一緒に断たれた美鶴は、それ以降別人のように塞ぎ込み、海の見える別荘に引きこもるようになる。
かつて美鶴が「もし死に場所を選べるなら、こんな海のあるところで死にたい」と冗談を言っていた事を思い出した五島田は、嫌な予感が脳裏をよぎりすぐに別荘へ駆けつける。
だがその頃には既に美鶴は手首を切って自殺しており、彼女の遺書には正気を失いかけた彼女の悲痛な叫びが便箋3枚に渡って書き連ねられていた。
手紙の最後には「あの「テスタ・ディ・ドラゴ」だけは誰にも渡さないで。もしできるなら私の亡骸と一緒に海に沈めて。先生のバイオリンは私のもの。誰にも渡さない。死をもって私はそれを知らしめる」と書かれており、これを読んだ五島田は彼女の遺体を海へ沈めた。
今回、弓削に届いた謎の手紙は、美鶴の遺書の最後の1枚だったのである。

その後、五島田は美鶴の死の真相を確かめるため、事故が起きる要因を作った霧島・白州・村雨の3人に、美鶴の奏でる「悪魔のトリル」を無言電話でかけ続ける。
すると彼らは思ったよりも早くボロを出した。

やはりあの事故は霧島達3人が仕組んだ卑劣な罠によって引き起こされたものだった。
美鶴の演奏会出演を聞いた白州は霧島や村雨と組み、彼女を演奏会に出られなくするような罠を仕掛けていたのである。
その結果、美鶴は音楽家生命を断たれ自殺をしたので、霧島は彼女を罠にかけた事がばれないか酷く怯えていた。
しかし、村雨は「ばれっこないだろ」と高を括り、白州は「仮に疑われても証拠はないわ」と言い張る。
そして、自分達がやった事はただの「偶然」だと言いきり…

自殺したのは美鶴の勝手――

あたしたちはなにもやましいことなんてしてない!


仮にあの子が冥界から甦ったとしてもなにもできやしないわ!

…と開き直ったかのように吐き捨てた。
これを立ち聞きした五島田は彼らに殺意が芽生え、美鶴の復讐を決意。

甦れ宝生美鶴!
「冥界のマエストロ」…!

悪魔の調べに乗って…


おぞましきエセ芸術家たちに

死を――!!

そして冥王星から計画を授かり、美鶴を死に追いやった白州達を悪魔の調べに乗って次々と殺害していった。

今回使われたトリックは「自動殺人トリック」であり、このトリックを使ったのは「館に閉じ込められている人間の中に犯人がいる」と思わせるためであった。
実はキンタ達との待ち合わせ場所に来るまでに、白州殺しと村雨殺しのトリックの仕込みを終えていた。
台風が来る日に会合の日取りを決めたのは、3人もの人間を一度に殺す密閉状況がどうしても必要だったからである。
白州殺しのアリバイトリックと、村雨殺しの毒殺トリック*3の下準備を済ませると急いで幻奏館を出発し、キンタ達との待ち合わせ場所に向かう。
その途中で通り過ぎた道を2箇所、ダイナマイトで爆破していった。
ダイナマイトで道を塞いだのは、単にターゲットを館に閉じ込めるだけではなく、白州と村雨が確実に死ぬまでの時間を稼ぐためと、自分の手で霧島を殺害するチャンスを作り出すためでもあった。
館へ向かう途中の崖で誰かに突き落とされたふりをして身を隠し、キンタ達が自分を探しに降りている隙に幻奏館へ向かう。
そして霧島の部屋の窓まで行き、窓を開けた霧島を注射器で毒殺。自殺に見せかける工作をした後ですぐに崖まで戻り、自分から崖を滑り降りてずっとそこで気絶したかのように偽装していた。

ちなみに館に向かう時にずっと持っていたバイオリンケースは実は空っぽであった。
弓削が自分のために選んでくれた大切なバイオリンを雨で台無しにしたくなくて持って来ていなかったが、それが裏目に出てしまい、「事件が起き演奏する機会がなくなる事を知っていたからバイオリンは持って来なかった」として犯人だと見破られてしまった。

罪を認めた後は、白州達を殺した動機を告白。
だが亜里沙が持っていた包丁を見た途端目つきがおかしくなり、包丁を拾い上げたキンタを突き飛ばしそれを構える。

神々の食卓の秘密を洩らせし者は

タルタロスへ堕ちる

そう言った途端、謎を解いたキュウを包丁で襲おうとするが、間に割って入ったリュウの左肩を刺す事となる。
すぐにキンタに取り押さえられるが、その直後に気を失ってしまった。
どうやら降霊術殺人事件や軽井沢映画祭殺人事件の時と同様に、謎の人物に強力な後催眠をかけられていたようだが……

白州真弓
村雨紫音
霧島想七太
3人で共謀し、弓削の後継者と言われていた美鶴を罠にかける。
3人それぞれ「偶然」を装った罠を美鶴に仕掛けて演奏会に出演できなくするが、その結果美鶴は酷い凍傷によりバイオリニストの命である指を失ってしまう。
霧島は秘密がばれるのを恐れていたが、村雨は秘密がばれるはずがないと高を括っており、白州にいたっては「誰かに疑われても証拠がない」「自殺したのは美鶴の勝手」と笑顔で言うなど微塵も罪悪感を持っていなかった。
その際に白州は「美鶴が甦ったとしても何もできやしない」と吐き捨てていたが、この言葉によって五島田の怒りを買い、次々と殺害される事となった。
しかし霧島に関しては、怯え方から白州や村雨と違い保身だけでなく、美鶴を自殺にまで追い込んでしまったことへの罪の意識もあったかもしれない。もし彼が正直に真実を話し相応の罰を受けていれば今回の事件は起きなかった可能性もある。

司馬朝絵
館にいた彼女は偽物で、正体はミス・カオリ。五島田の監視をするために司馬に変装し館に来ていた。
リュウに変装を見破られた時に、彼に「僕達DDSは事件の謎を既に解いた」と言われたので、この事を組織に報告する。
事件の謎をキュウに解かれると、自分達が立てた芸術犯罪を台無しにされたとして、あらかじめ後催眠をかけていた五島田を使い、自分達の災いの芽になりかねないキュウをこの場で殺害しようとした。
だが、リュウがキュウを庇った事で、五島田はリュウを刺してしまい、この失態が組織に知られれば処罰は免れないと震え上がる。
しかも本郷に今回の事件に冥王星が絡んでいる事に気づかれてしまったため、とりあえず司馬になりきりその場をやり過ごそうとした。
だが不用意な発言*4をしたせいで冥王星のメンバーである事がばれてしまい、抵抗をするもののあっという間に本郷に取り押さえられてしまった。

ちなみに計画を見届けた後は、五島田からテスタ・ディ・ドラゴを頂く手筈だった。
また、本物の司馬朝絵はどこかに拉致監禁されていて、事件を見届けた後で後催眠を使い、拉致された記憶を消して解放する予定だったらしい。

警察が到着するとすぐに身柄を引き渡されるが、パトカーで護送されていた時に組織のメンバーに催眠術をかけられ、「タルタロスタルタロス…」と呟いた後で顔を激しく引っ掻き車内で大暴れする。
すぐに警官に取り押さえられるが、組織が行った催眠術によって自分が誰なのかも分からない状態にされてしまった。

友情の決死行
後催眠で操られた五島田に左肩を刺されてしまったリュウ。
すぐに応急処置はされたが、傷は深く失血性ショックで貧血を起こしていた。
町へ続く道は崖崩れで塞がれていたが、早く病院へ運ばないと命が危なかったので、キンタはリュウを運ぶ役を買って出る。
後の事を本郷に任せ、リュウを担いで館を飛び出したキンタ。その途中で気がついたリュウに「こんな事になったのは俺のせいみたいなもんだからな」と謝るが、リュウはそれを否定し「僕の…せいだ…」と返していた。
1時間後、キンタ達が車を乗り捨てたところまで辿り着くが、そこの崖を登っていた時に手を滑らせ落ちそうになる。
咄嗟にキンタはリュウを崖の上に放り投げるが、その際に右肩を外してしまい、自力で登る事が出来なくなってしまう。
そこに、館にいるはずのキュウが登場。キンタが出て行った後にいてもたってもいられなくなったキュウは、命懸けで守ってくれたリュウを救うために、本郷の命令に背いて台車を駆使してここまで駆けつけたのである。
キュウ達は何とか崖崩れを乗り越えるが、そこにあるはずの本郷の車は谷底へ落ちており、救急車もそこからさらに10km先で発生した土砂崩れにより立ち往生していた。
それでもリュウを救うため、必死で走るキュウとキンタ。
その結果、何とか救急車のいるところまで辿り着き、病院へ運ばれたリュウは一命を取り留めた。
翌朝。病院で目を覚ましたリュウは、看護師からキュウ達の活躍で命が助かったと聞き、側で疲れ果てて眠っているキュウとキンタを見る。
その際に看護師に「この2人あなたの同級生?」と聞かれると、「同じ志を持つ仲間――いえ、親友です」と答えていた。

弓削雅臣
今回の後継者選びで、テスタ・ディ・ドラゴを五島田に譲ろうとしていた。
以前彼が言っていた「2人目の逸材」とは、五島田の事だったのである。
五島田は美鶴とはまったく違うタイプであったが、彼の隠れた才能を高く評価していたからこそ、彼をひときわ厳しく指導していた。
美鶴亡き後は後継者は五島田しかいないと密かに心に決めていたが、この事を早く打ち明けていれば今回の事件は起きなかったと思い、「私のせいだ…」と涙を流していた。

立木亜里沙
実は美鶴の実の妹。
美鶴の自殺の背景にテスタ・ディ・ドラゴの後継者争いがあった事を知り、自殺の真相を知るべく幻奏館にメイドとして来た。
五島田を美鶴の仇だと思い、最後に残った彼を自分の手で殺そうとして、キュウの推理中もずっと包丁を構えていた。
しかし、五島田が本当に美鶴の事を愛していたと知ると、包丁を落として涙を流し、自分は美鶴の実の妹である事を認めた。

夜が明けた後、3年前に亡くなった母が買ってくれたというバイオリンを演奏。
自分にはバイオリンの才能はないと言っていたが、その音色は荒削りだが心に響く、温かく明るい調べであった。
彼女の演奏を聴いた弓削は、その音色により自分の心に「希望」の灯がともったような感覚を覚える。
そして彼女を弟子に取る事に決め、生涯をかけて彼女の才能を伸ばす事を心に決めていた。

団守彦
事件解決後、弓削の様子を見るために彼の自宅を訪ねる。
弓削とは20年前のテスタ・ディ・ドラゴ盗難事件以来であり、招き入れられると久々の再会を喜んでいた。
弓削から「生涯をかけて亜里沙の才能を伸ばしていく」と聞かされると、厳しい面持ちで「同感です」と答える。
その様子を見ていた紫乃は、団の考えている事を察したのか心配した様子を見せていた。


【その後】
キュウとキンタの活躍により一命を取り留めたリュウ。
見舞いに来てくれたキュウ達に笑顔を見せ、「ありがとう」とお礼を言うが、彼らと入れ替わる形で見知らぬ男性が病室に入ってくる。
その男性はブラック・パールという品種の黒バラを持っており、幻奏館の事件の顛末をやけに詳しく知っていた。
男性の正体は、DDSの宿敵である冥王星の一員・ケルベロス。
先ほどミス・カオリに「処刑」を行ったのは、催眠暗示のエキスパートである彼であった。
彼が冥王星の一員だと知ると「卑劣な殺人集団だ!!」と軽蔑し、出て行くように言う。
その言葉に対しケルベロスは「我々は殺人集団などではなく、クライアントの正当なる願望に手を貸し、完璧な計画を立案しコーディネートする誇り高き頭脳集団です」と返した。
そしてリュウの事を「キング・ハデスの血を引く、「冥王星」の大切な後継者」と言うが、その言葉でリュウの怒りを買い、「僕はお前ら犯罪集団の後継者にはならない!!」と花瓶を投げつけられた。

ケルベロスは去り際に「あなたはあくまで私のもの」と黒バラの花言葉を教え、「逃れられません。「血の運命」からは…ね」と言って病室を後にする。
その途端リュウの肩が痛み出し、頭の中で「お前の体にはこの私と同じ、誇り高き「悪魔」の血が流れているのだ」との言葉が響く。
そして、自分の運命から逃れられないと悟ったリュウは「お願いです、どうかこの呪われた命を今すぐ絶ってください。さもなくば「悪魔の血」に最後まで抗う力を僕にください」と神に祈るのだった。

数日後、リュウは無事に退院。キュウ達はお好み焼き屋でリュウの退院を祝った。
お開きになった後、リュウはキュウに「しばらくキミの家に厄介になれないか?」と頼む。
いきなりの頼みについ驚くキュウだったが、リュウの家が複雑な家庭環境だと考え、彼を自宅へ歓迎した。
その際にキュウは「どんな事情で家出するかはわかんないけどさ!オレ、リュウの味方だよ!!」と笑みを浮かべ、リュウは「ありがとうキュウ、本当に…」とお礼を言っていた。


【余談】
ドラマ版では第2話にて、今回のトリックの1つ「共鳴振動トリック」が使われている。

アニメ版ではケルベロスの代わりにオリジナルキャラのサー・アヌビス(CV:緑川光)が登場し、入院したリュウと会っていた。





追記・修正は悪魔のトリルを演奏しながらお願いします。

探偵学園

2020-07-24 12:40:00 | Comic
▽タグ一覧
03年春アニメ Q TBS さとうふみや ぴえろ アニメ アニメ版は迷走気味 ミステリー 催眠術無双 冥王星 天才のバーゲンセール 天樹征丸 実写化 探偵 探偵学園Q 推理漫画 日本テレビ 漫画 講談社 豪華声優陣 週刊少年マガジン

『金田一少年の事件簿』
回答編の前に事件のヒントを整理してくれるので読者にも推理しやすい構造になっている。


中学生のキュウは子供の頃自分を誘拐犯から救ってくれた探偵のおじさんに憧れ、伝説の名探偵、団守彦が経営するDDS(Dan Detective School)に入学する。
入学試験であった、美南 恵・天草 流・遠山 金太郎・鳴沢 数馬ら5人ともにDDSのQ(Qualified)クラスとして難事件へ挑む。



○登場人物


◆DDS

警視庁特別公認探偵『団守彦』が設立した探偵学園。通常は成績順にA~Dクラスまでに別れているが、Qクラスのみ自身を受け継ぐ探偵を育成する為後から作られた。
LINE Comic

◇Qクラス

キュウ (本名:連城 究(れんじょう きゅう))
CV.緒方恵美、演.神木隆之介
主人公。中学3年生(連載時)。学校の成績は絶望的だが先生曰くやれば出来る子との事。
しかし、推理力やひらめきはずば抜けており、それを用いて事件を解決する。
名字は不明であったが、最終回で明確となる(ただし、あくまで「その時から名乗った」設定であり、それ以前に使っていた名字(母方の姓)は不明のまま)。
決め台詞は「ヒントは○つ、答えはひとつだ!」「探偵が諦めたら事件は迷宮入りなんだ!」

美南 恵(みなみ めぐみ)
CV.桑島法子、演.志田未来
ヒロイン。中学3年生(連載時)。通称メグ。
瞬間記憶能力をもち1度聞いたり見たことは絶対に忘れない。その能力から事件解決のキーを握る事も。
バストはBカップ。後にキュウの嫁に。

天草 流(あまくさ りゅう)
CV.遠近孝一、演.山田涼介
もう1人の主人公的な存在。中学3年生(連載時)。
アメリカ帰りの帰国子女で高校までを1年で飛び級している天才。クラスの成績トップ。
最初はクールな二枚目だったが後半からギャグもこなせる天然いじられキャラと化す。
しかし、彼には出生に重大な秘密が…
決め台詞は「今霧が晴れた…」
女装時のエロさは異常。
女子校潜入時はガチレズの女の子達に狙われまくっていた。
因みにドラマ版の中の人は別作品の主人公を後に演じている。

遠山 金太郎(とおやま きんたろう)
CV.石川英郎、演.要潤
遠山の金さんの末裔。父親は警視庁の警視正。通称キンタ。高校3年生(連載時)。
ばば抜きを10回やって10回1位になる程の強運の持ち主で試験もその運で乗り切る。剣道・柔道・空手は合わせて10段の腕前。後にリア充と化する。
一応後述の三郎丸と同じ金田一のセルフパロディキャラであり、決め台詞も「ご先祖様の名にかけて!」というどっかで聞いたような物。

鳴沢 数馬(なるさわ かずま)
CV.川上とも子、演.松川尚瑠輝(単発)、若葉克実(連続)
小学生にして天才プログラマー。財閥の御曹司。小学5年生(連載時)。
成績は流についで2位だが現場に行くよりも後方支援の方が多い。数学的なトリックに対してはキュウ以上の推理力。
決め台詞は「方程式は解けた!」



◇Aクラス

雪平 桜子(ゆきひら さくらこ)
CV.雪野五月(現・ゆきのさつき)
17歳。Aクラスのトップで団守彦の姪。が、団には探偵になることを反対されており今の地位は実力で勝ち取った。
Qクラスに強いライバル意識を抱いていると同時に彼らの事を認めてもいる。

白峰 隼人(しらみね はやと)
CV.葛城政典
16歳。8歳でラスベガスでのショーを経験した天才マジシャンだが特に活躍しない。

郷田 京助(ごうだ きょうすけ)
CV.千葉進歩
19歳。数学オリンピックで世界ランクに入る数学の天才。大体こいつがQクラスに喧嘩を売るような台詞を吐き登場するのがお決まり。

獅子戸 猛(ししど たけし)
CV.栗山浩一
20歳。ハーバード大学の学生。現在は休学して通っており犯罪心理学の博士号を所得済。

遠矢 邦子(とおや くにこ)
CV.金田朋子、演.田島ゆみか(連続)
15歳。高校1年生。
『殺人コレクター』で容疑者の一人として登場し、図らずも殺人のきっかけとなってしまったことが発覚しショックを受けるも、
その自分を変えたくてDDSに入学。
当時は地味で引っ込み思案かつオタク気味な眼鏡っ子だったが、編入を機に茶髪のギャル風にイメチェンした。
潜入捜査で知り合ったリュウに惚れ、以後彼を想ってこっそり覗き見したりする色々と残念な恋する乙女。
実は合気道の達人で心霊写真も好きという属性過多な少女。

三郎丸 豊(さぶろうまる ゆたか)
CV.飛田展男、演.中尾明慶(単発)
IQ180と金田一と同じ頭脳を持つ現役東大生。だが今作きってのネタキャラ。
後にA→Bへとクラス落ちし現在Cクラス落ちの危機に瀕している。一応メグと同じく国立能力開発研究所へ通っていた為IQも現役東大生であることも事実。
原作者曰く、「IQが高い=頭が良いとは限らないことを言いたかった」ための設定。
金田一本編にちょい役で出演した経験有。
単発ドラマ版ではすごくいい奴だった。連続ドラマ版で出なかったのが残念でならない。



◆DDC(Dan Detective Company)

団守彦が率いる探偵結社。DDSの講師も兼任する。

団守彦(だん もりひこ)
CV.田中秀幸、演.陣内孝則
警視庁特別公認探偵。65歳。拳銃の所持を許可されている日本唯一の探偵。車椅子に乗っている。Qクラスを直接教えている。
ドラマ版で彼を演じた陣内孝則は明智小五郎や毛利小五郎も演じており、探偵役のベテランである。

七海 光太郎(ななみ こうたろう)
CV.三木眞一郎、演.山本太郎
自称団守彦の右腕。
変装の名人で声等もそっくりに真似できるが、サボテン等にも変装する今作きってのネタキャラその2。
探偵としてはDDCトップクラスで団守彦の右腕もあながち間違っている訳でなく一時期学園長代理を務めていた。
ドラマ版で彼を演じたのは後の参議院議員。

片桐 紫乃(かたぎり しの)
CV.久川綾、演.鈴木砂羽(単発)
団守彦の秘書にして探偵。ダイイングメッセージ等の解読を得意とする。

真木 慎太郎(まき しんたろう)
CV.成田剣、演.東根作寿英
DDCの監察医。国立能力開発研究所の設立メンバーでもある。特に目立たないが…

本郷 巽(ほんごう たつみ)
CV.梁田清之
七海と並ぶほどの探偵だったが足の怪我によりDDC専任になる。しかし、キンタに勝つほどの実力者。

鬼首 独郎(おにこうべ どくろう)
DDSきっての科学開発担当者で、探偵ツールや変装マスクの開発、科学捜査の指揮を担当する科学のエキスパート。
だがどうしようもなく奇人で変人なマッドサイエンティスト。通称「ドクター・ドクロ」で、変人同士、七海と仲がいい。
「地球は平らなんだよ!!」

連城暁(れんじょう さとる)
CV.関俊彦、演.細川茂樹
団の最初の助手。そしてQの憧れの「探偵のおじさん」
高校を中退して、団と共に探偵社を設立したが8年前にサー・カロンから団を庇って殉職。誘拐されたキュウを救った事がある。実はキュウの父親。


◆冥王星

犯罪組織。自らは手を汚さず殺人事件等の犯罪計画をプロデュースする集団。報酬は依頼主のその時点での全財産半分。
なお、計画が失敗した場合、もしくは犯行を警察やDDSらに見破られた場合には、事前に依頼主にかけていた後催眠を発動させ、口封じのために廃人状態にする。

キング・ハデス
CV.納谷悟朗、演.若松武史
冥王星トップ。
物語終盤まで表舞台に出ることはなく存在が語られるだけだったが、終盤で登場しキュウ達最大の敵として立ちはだかる。

本名は「黒王星彦」(こくおう ほしひこ)と言い、団守彦の中学の同級生で、親友でもあった。
だがある日、彼の優秀さを妬んだ同級生により、彼の母親の事(冥王星のような殺人プランナーで、警察に逮捕された直後に自殺した)を暴露され、
団守彦からも曖昧な態度を取られた(ただし団の方は母親の事を知っても仲良くしようとしていたのだが、彼の方が暴走した形ではある)。
その後、母親の事を暴露した同級生をトリックを用いて負傷させ、退学に追い込み、自らも学校を辞めて団の前から姿を消した。
そして父親である九頭龍匠の元に身を寄せたようだが、(多分)勘違いから警戒された挙句に地下牢に監禁され、
そこで「キング・ハデス」としての人格が形成されることとなった。

ケルベロス
演.鈴木一真
冥王星幹部。26歳。キング・ハデスが団守彦のライバルならケルベロスは七海光太郎のライバル。
催眠術の天才でよく後催眠をかけ依頼主や裏切り者を死よりも苦しい結末で始末する。悪役だが金田一の地獄の傀儡師と同じく人気がありその為彼の番外編が作られた。
だが殺人は絶対しないポリシーを持ってる分、地獄の傀儡師よりはずっとマシ。
もっとも、あっちは単独行動をしているので、殺人をしないのはある意味不自然だし、最近では自分からは人を殺さなくなってきている。
彼の脱獄エピソードは、作者のお気に入り。
本名は「ケン・L・ベルローズ」と、コードネームそのまんまに近い。

サー・カロン
CV.緑川光
顔の半分に仮面をつけた冥王星幹部。だが裏切り行為をした為あっさり始末された。
正直何の為に存在したのかよく分からない。
アニメ版では名前が「サー・アヌビス」となっている。

サー・タナトス
冥王星幹部。DDSにスパイとして潜り込んでいる。
かなりの外道だが、詰めが甘い。

ミス・ユリエ
CV.野田順子、演.奥貫薫
冥王星幹部。流の世話人。
メグの命を狙った事がある。ドラマ版ではケルベロスと共に暗躍し、キュウ達と何度も対決した。

ミス・カオリ
CV.茂呂田かおる
冥王星下位クラスに位置する女性構成員。
追い詰められるとナイフで斬りかかる等、冥王星としては美に反するとして軽蔑されている。
幾度とQクラスの関わった事件の監視をするが、『幻奏館殺人事件』でボロを出し、逮捕される。
その後ケルベロスの催眠術で廃人化させられるが…。


◆その他


九頭龍匠(くずりゅう たくみ)
芸術家。絵画・建築・工芸・陶芸・作曲など様々な分野にわたって活躍し、「トリックアート」を採り入れた作品も多い。
ただし1つの分野についてはそれぞれ「9つ」の作品しか作らなかったとされる。
登場するのは回想シーンに限られ、直接登場することはなかった(ネットの情報では「没年不詳」とされており、故人である可能性が高い。たとえ存命でも90代)。
実はキング・ハデスの父親であり、リュウの曽祖父である。
と言ってもその二人に直接の血縁は無く、九頭龍の正妻との間の子の子孫がリュウであり、キング・ハデスは九頭龍の愛人の子である。


■主なエピソード

切り裂き島の惨劇
神隠し村殺人事件
降霊術殺人事件
Q対A 延長戦
殺人コレクター
幻奏館殺人事件
魔矢姫伝説殺人事件
雪月花殺人事件
吊り橋村殺人事件
サイキック・マーダー
棲龍館殺人事件
LINE Comic

デスノート

2019-11-02 00:03:44 | Comic
1930年代[edit source]
1933年
5月1日、ワタリ誕生[1]。
1939年
4月29日、ロジャー・ラヴィー誕生[1]。
1950年代[edit source]
1955年
7月12日、夜神総一郎誕生[2]。
1960年代[edit source]
1969年
5月11日、相沢周市誕生[3]。
1970年代[edit source]
1973年
9月13日、 模木完造誕生[4]。
1978年
12月14日、 松田桃太誕生[5]。
1979年
10月31日、L(エル・ローライト)誕生[6]。
1980年代[edit source]
1982年
6月7日、魅上照誕生[7]。
1984年
12月25日、弥海砂誕生[8]。
1985年
7月12日、高田清美誕生[9]。
1986年
2月28日、 夜神月誕生[10]。
1989年
12月13日、メロ誕生[11]。
1990年代[edit source]
1990年
2月1日、 マット誕生[1]。
1991年
8月24日、ニア誕生[12]。
2000年代[edit source]
2001年
9月1日、南空 ナオミがFBIに入る。
2002年
7月22日、ロス市警に難解なクロスワードパズルが届けられる。
7月31日、ロサンゼルス BB 連続殺人事件発生。
2003年
5月19日、弥 海砂の両親が強盗の手により殺害される。
11月28日、夜神 月が校庭でデスノートを拾う。同日、音原田 九郎と渋井丸 拓男がデスノートの力で死亡する。
12月3日、夜神 月と死神・リュークが出会う。
12月4日、ICPO キラ対策会議で探偵・L がキラ捜査開始を宣言。
12月12日、L、キラが死の時間を操れる事を確信。同日キラの警察情報のリーク確信。同日、夜神 月、デスノートの隠し場所に二重底を作る。
12月27日、盗見 米吾郎、レイ=ペンバーの目の前でデスノートの力で死亡、その後レイを含む12 人のFBI 捜査官がデスノートの力で全員死亡する。
2004年
1月2日、南空 ナオミ、デスノートの力で死亡する。
1月8日、夜神一家に隠しカメラが仕掛けられ、数日間Lの監視下に置かれる。
1月17日、夜神 月と L、センター試験会場で出会う。
4月5日、夜神 月、東応大学に入学する。
4月13日、第二のキラビデオが投函される。
5月23日、弥 海砂、さくら TV ビデオを投函する。
6月1日、夜神 月がレムのデスノートの所有権を放棄する。同日、夜神 月と夜神 総一郎が監禁される。
6月7日、夜神 月、リュークのデスノート所有権を放棄しキラの記憶を失う。同日死神・リュークが死神界へ帰る。
7月23日、夜神 月・弥 海砂釈放される。
10月28日、火口 卿介捕獲作戦開始。白場 維人と火口 卿介、デスノートの力で死亡。同日、L、死神・デスノートの存在を確認。夜神 月、デスノートの記憶を取り戻す。
11月5日、ワタリとL、デスノートの力で死亡(同時に亡くなる直前、コンピュータのすべてのデータが抹消される)。同日夜神 月、レムの残したデスノートを入手。
11月15日、 夜神 月、2代目Lを継承。同日夜神 月、弥 海砂との同棲生活を始める。
2005年
1月10日、メリー=ケンウッド、デスノートの力で事故死。
4月7日、ティエリ=モレロ、デスノートの力により肝臓癌で死亡。
4月10日、ヨツバグループ社員、尾々井剛・木多正彦・紙村英・鷹橋鋭一・奈南川零司・三堂芯吾、デスノートの力で死亡。
2009年
3月5日、ニア、アメリカ大統領にキラ事件の調査結果を報告。同日ニア、L の死とデスノートの存在が明かされる。
3月12日、キラ対策機関・SPK (Secret Provision for KIRA) が創設される。
4月1日、夜神 月、警察庁に入庁。情報通信局情報管理課に配属される。
10月12日、夜神 月とニアが電話で初めて会話する。
11月11日、日本捜査本部がデスノートを奪還する。同日、メロの本名発覚、その後アジトを爆破し逃亡。同日、夜神 総一郎、マフィアの凶弾をくらい死亡。
11月18日、ニア、二代目 L がキラであると確信。アメリカ副大統領、キラを認めると宣言する。この宣言をきっかけに日本政府を含め各国混乱が始まる。
11月23日、ニア、デスノートの嘘ルールを見抜く。二代目 L に揺さぶりをかける。
12月31日、ニア、弥 海砂を拘束する。
2010年代[edit source]
2010年
1月26日、高田 清美がメロに拉致され、隠し持っていたノートの切れ端でメロを殺害し、夜神 月と魅上 照の2人によってキラとしての証拠隠滅の為にノートに名前と死因を焼身自殺と書かれて死亡。
1月28日、夜神 月ら日本捜査本部とニアら SPK、大黒埠頭 YB 倉庫にて対面する。その後、夜神 月、キラである事を自白したあと松田 桃太に発砲される。夜神 月、リュークに見捨てられデスノートによって死亡[10]。リューク、死神界へ帰る。ニア、デスノートを二冊とも焼却。キラ事件を解決する。
2月8日、魅上 照、獄中で発狂死する。
2011年
1月28日、ニアが3代目Lを襲名する。
2月14日、弥 海砂死亡[8]。
2013年
Cheapキラによるデスノート事件発生。

火の鳥

2019-09-12 04:48:50 | Comic
火の鳥
人智を超えた存在である超生命体。炎をまとった鳥の姿をしている。100年に一度自らを火で焼いて再生(幼体化)する事で永遠に生き続ける。他者との会話はテレパシーで行ない、未来を見通す。火の鳥の血を飲めば永遠の命を得る事ができるため、多くの人間がその生き血を求める。呼称は鳳凰・火焔鳥・フェニックス・不死鳥などとも呼ばれる。
時空を超えて羽ばたく超生命体として描かれる。その身体は宇宙生命(コスモゾーン)で形成されており、関わった人々の魂をも吸収して体内で同化し生かし続ける事も可能。話によっては人間との間に子供をもうけていたりもする。『エジプト編』の設定では元々は天上界にいたが人間界に降りたことになっている。火の鳥は一羽だけではなく、『ギリシャ編』ではチロルと呼ばれる火の鳥の娘が登場する。チロルはややわがままな性格をしており、他の編の火の鳥がチロルかどうかは不明。
手塚治虫はストラヴィンスキーのバレエ「火の鳥」を見て、その中の火の鳥の精を演じるバレリーナの魅力に心を奪われたのが本作の漫画「火の鳥」を描くきっかけだったとしている[8]。また手塚はソ連の映画「せむしの仔馬」のファンでもあり、この映画にも「火の鳥」は登場する。
猿田
『黎明編』から『未来編』まで多くの物語に関わってくる共通の特徴を持つ人物の総称。作品ごとに猿田彦、猿田博士、我王(鞍馬の天狗)、八儀家正(八百比丘尼の父)など個別の名前が付けられていることが多い。共通して大きな鼻の持ち主と運命づけられているが、性格や何ゆえにそのような大きな鼻を持ったのかの由来が少しずつ異なる。
猿田彦、八儀家正は「元々醜い顔で、さらに鼻が大きくなった」、猿田博士は「元よりそのような顔と鼻」、我王は「病で醜くなると同時に鼻も大きくなる」、『宇宙編』の猿田は「元より鼻は大きく、さらに醜くなる」、『生命編』/『太陽編』の猿田は「鼻が大きいだけ」など、作品ごとで異なる。鼻が大きい理由も、猿田彦は蜂の群れに刺されたことによるもの、八儀家正は鼻癌であるが、それ以外は原因不明。
始祖である猿田彦の犯した数々の悪行を清算する為に、酷い目に遭う宿命にある。『鳳凰編』では我王が『未来編』の猿田として生まれ変わり、人類の最期を看取ることが描写されている。基本的には、猿田の人物の殆んどはその醜さから女性との縁が無い事が多いが、一部にはその容姿とは関係無しに純粋に正反対の美女に惚れられた者もおり(例えば、猿田彦はウズメに惚れられた。しかも鼻が大きくなってからである)、その女性は後の猿田の名がつく者に繋がるとされる子孫を身籠っている。
この事も含めて、猿田と名が付く者は先述の女性と縁がない一方で何らかの形で子孫は受け継がれているとみられる(生まれ変わりとする説もある)。ただし『未来編』の猿田博士のみは、その容姿ゆえに女性に縁が無い事が明確に描写され、子孫も残していない。『生命編』の猿田も、鼻が奇形になってから女性に縁のないままで命を絶っているため子孫を残したかは不明。
歴代の猿田は才能を持つ者が多く、科学者や指導者といった立場にいる者もいるが、彼らもまた心に弱さを持ち、悪行を行うこともある。
クマソタケル
『黎明編』と『ヤマト編』に登場する熊襲の族長(『黎明編』にて邪馬台国に滅ぼされた当時の族長はカマムシ)。
『黎明編』終盤で主人公ナギの姉ヒナクと邪馬台国の医師グズリの跡取り息子として登場。火山噴火で出来たクレーターの中で生まれ育ち、外界への憧れと近交弱勢への懸念から外界への脱出を決意。火の鳥の激励を受けてクレーターの絶壁を登り切り、外界へ旅立ち配偶者を得る。後に妻と協力してクレーターから両親と弟妹を脱出させる事に成功し、熊襲の復興を成し遂げる。
『ヤマト編』では年老いた初代タケルとその後継者である川上タケルが登場。後者は武勇を尊ぶ熊襲としては珍しく外交と文化に重きを置くインテリで、九州の諸部族の連合とヤマト政権の自己美化を糾弾する歴史書の制作で侵略してくるであろうヤマト政権に対抗しようとしていた。王妹カジカ(少女ながらも単身でツキノワグマを狩る戦士にして狩人である)に文弱を責められているが、本気を出せば妹の稽古相手7人を同時に相手にして完勝する武術の達人でもある。熊襲討伐指令を受けてヤマトからやってきた『ヤマト編』の主人公オグナ(日本武尊)にもその人格と器量の大きさを感服されるも、初代タケルの葬儀の際に最後まで墓前に残っていた処を女装したオグナに暗殺されてしまう。
 川上タケルの記していた熊襲史は暗殺の時点でほぼ完成(全25巻のうち最終巻が書き掛け)しており、「鳳凰編」にも登場している。
山之辺マサト
『未来編』の主人公。35世紀の都市国家メガロポリス・ヤマトの中央本部職員、2級人類戦士で宇宙飛行士。タマミと出会うまでは教条主義者であったとのこと。猿田と共に人類の最期を見届け、なお数十億年の時を経て新たな人類の誕生を待つことを運命づけられる人間。「劇団わらび座」によるミュージカル「火の鳥 鳳凰編」では「鳳凰編」に登場する茜丸がその生まれ変わりとする解釈をした。ただし、これは「鳳凰編」中において茜丸が死亡するシーンで「茜丸は二度と人間に転生することはない」と火の鳥が告げていることと明らかに矛盾している。手塚の遺作である1989年の舞台劇「火の鳥」では主人公の名前が「山辺マサト」で同姓同名である。
ムーピー
いかなる厳しい環境にも耐え得る生命力を持つ不定形宇宙生物。変身能力を有し、人型をとり人間の社会に溶け込むことができるが、その能力から人気が高く人に狩られてしまうため、どこかの星でひっそりと暮らしている。『未来編』では一種のテレパシー能力を用いた「ムーピー・ゲーム」が人類を堕落させるとして、保有を禁止されたペットであり、メガロポリス・ヤマトでは1匹残らず処分するよう命令が出されている。「未来編」の主人公山之辺マサトの恋人タマミがそのムーピーだった。寿命は人間より遥かに長く、500年位は生きられる。
『望郷編』では人間とムーピーのハーフが登場する。ハーフ達は視力と耳朶(聴力)が無く、代わりに触角が生え、これで感覚を認識している。
ロック
『未来編』などに登場。『未来編』ではメガロポリスヤマトの中央本部職員、1級人類戦士。エリートで、同期でありながら総合審査によって自分の部下となった「未来編」の主人公マサトに対して敵意を向けるが、戦争を嫌い『未来編』において人間の愚かさを見事に演じ切ったキャラクターでもある。試験管ベビーとして誕生したので両親はわからず、本人に言わせれば自分を生み出した精子と卵子を選んだ中央コンピュータ「ハレルヤ」こそが親である。「火の鳥2772」では科学センターの長官として登場。1989年の舞台劇『火の鳥』では主人公の兄であり、恋敵の設定。 未制作の映画「火の鳥(第二部)」では地球連邦の移民局の長官として登場予定だったことがシナリオで残されている。プロットのみの『大地編』では主人公の一人として登場する予定だった。
ロビタ
初出は『未来編』。同時代には人間、あるいは自然動物と何ら変わらぬ外見のロボットも存在するが、ロビタは二本指で、足もなく臀部で滑って移動するなど、構造は非常に単純で「旧式ロボット」とされるが、まるで人間のように感情がこもった会話をし、猿田博士にしばしば諫言するなど、ロボットらしくない行動を取る。猿田脱出用のロケット整備をしていたところ、ロックにロケットを貸すよう脅迫され、断ったところ銃で破壊されてしまう。
『復活編』において、その誕生と理由が描写される。主人公のレオナとチヒロが結ばれて誕生したロボット。電子頭脳が大きくなりすぎて重心が頭部に偏ってしまったためバランスが悪く、二足歩行を断念し両脚は取り外され、「摩擦よけの車」と表現される臀部のベアリングで滑るように動く事となった。一方でレオナの精神と記憶を受け継いだ為、普通のロボットと違い人間臭い感情を持つ。稼動限界の後に業者が引き取って、その構造を模して記憶をコピーした物が量産される。その後、技術の発展でより精巧なロボット(ロビタや前身のチヒロと違い、人間に極めて近い構造)が作られても、ロビタはその人間臭い感情によって多くの人間に好まれ数世紀に亘って量産される。その一方でロボットを人間の道具と考える人間にとっては極めて不快な存在でもあった。
31世紀頃、ある子供が親や家政婦よりも懐いているロビタに会いに放射能農場に迷い込んだために死亡。怒り狂った親から「ロビタが殺した」という冤罪を受け、数十年間裁判を繰り返した結果、個体ナンバーを特定できなかったという理由から、事件発生時に農場で働いていたロビタ全員が溶解処分される。同胞をそのような形で失った世界中のロビタは集団自決を行い、稼動可能な物は全て溶鉱炉に身を投じる。しかし月面にいて集団自決に参加できず、エネルギー回路切断による自決を選んだ最後の一体のロビタは、35世紀に猿田博士に救助され、『未来編』へとつながる。
牧村五郎
『宇宙編』『望郷編』で登場するアストロノーツ(宇宙飛行士)。生まれた時からアストロノーツとなる事を宿命づけられ、外宇宙に地球由来の細菌を持ち込まないために、無菌室で成長する。初恋の女性に裏切られた事がトラウマとなり、女性に手が早くかつ冷酷である。その初恋の女性の幻(ホログラム)に惑わされる形で異星人を虐殺、その罪により火の鳥から、若返っては赤ん坊に戻り、再び成長して大人に戻っては若返るというサイクルを繰り返し、流刑星で永遠に生き続けなければならない罰を受けている。赤ん坊に戻っている間は、「ケース」と呼ばれる自身の姿を模した等身大の人型ロボットに乗り込み操縦をしている。時系列的に見て恐らく罰を受ける前である『望郷編』において、地球に帰郷する途中のロミと出会う。映画「火の鳥(第二部)」のシナリオでは主人公の名前が「牧村壮吾」であるが関連性は不明。
チヒロ
精密機械局で作られた量産型の事務ロボット。2545号は『望郷編』にて地球に不法侵入したロミとコムを助け、61298号は『復活編』でチヒロが美少女に見えるようになった主人公レオナと出会い、愛の感情を得る。『望郷編』時のチヒロ2545号の発言によれば、チヒロ型の仲間は13,692,841体、他の型も合わせると世界に1,277,554,539体の仲間がいる。映画『火の鳥(第二部)』のシナリオでは同名の人間が登場しており、レオーナと言う男性と娘(ヒロイン)をもうけている。二人は「エデン17」という惑星で暮らした。
八百比丘尼
『異形編』『太陽編』に登場。その正体は戦国時代の女性・八儀左近介である。彼女は成り上がりの領主である父・八儀家正から虐待を受けつつ「跡継ぎの男子」として育てられた。やがて彼女は家老の息子と恋愛関係になるが、家正は彼を討ち死にに追い込んでしまう。父を恨む左近介は家正が致死性の鼻の病に罹患したと知り、その治療を行わせないため、万病を癒すと評判の八百比丘尼を始末すべく山の庵「蓬萊寺」に向かう。比丘尼は己の運命を受け入れ、笑いながら斬られ死ぬ。その折、蓬萊寺を包んだ暴風雨(時空の乱れ)で道が閉ざされ、左近介は比丘尼の蓬萊寺に閉じ込められる。やがて、比丘尼の治療を請う村人らが何も知らずに訪れ始め、左近介はやむなく比丘尼になりすまして、火の鳥の羽で人々を癒して日々を送る。やがて己が比丘尼を殺めた罪で過去の世界に流されたこと、そしていずれ来訪する「左近介」に殺される定めを永遠に繰り返すのだと悟る。左近介は取り乱して嘆くが、やがてこの理不尽な罪と罰を受け入れ、人のみならず異形の妖怪までもを癒す寛大さを持つようになり、名実ともに八百比丘尼として己の死をも笑って受け入れた。
『太陽編』で、霊界の戦いで傷ついた神々の手当てを行っているのは、負った罪を清算する方法であると語られている。

黎明編(漫画少年版)
初出:『漫画少年』(1954年7月号 - 1955年5月号)未完
主人公のナギの父親は重病に罹患していた。もし上空にある「血の星」という星が沈むまでに父の病が完治しなければ、村のしきたりにより父親は村人たちに食べられてしまう。悩みぬいたナギが長老に相談すると、父親の病気を治すには「火の鳥」という鳥の生き血が必要と教えられる。ナギは火の鳥を訪問し、運良く生き血を貰う。しかし、ナギが村に帰る頃には「血の星」はすでに沈み、父親は村人に食べられてしまっていた。行き場を失った火の鳥の生き血は仕方がないのでナギと妹のナミが飲むことになった。やがて村はさらに豊かな土地へと引越しするために船を出すが、嵐のためナギとナミは難破し知らない島国に流れ着く。その知らない土地は原住民が住んでおり、火の鳥の生き血を飲んでいて死なない体の二人は彼らに神様と崇められる。主人公のイザ・ナギと妹のイザ・ナミは原住民から天照大御神(あまてらすおおみかみ)の名前を貰う。その後、二人は原住民の長である卑弥呼に出会うが、卑弥呼が岩戸の中に入るところで雑誌休刊のため未完に終わった。
エジプト編
初出:『少女クラブ』(1956年5月号 - 10月号)
紀元前1000年頃。主人公のエジプトの王子クラブは、父親の命令により、飲めば3000年の命が貰えるという火の鳥の血を求めて旅に立つ。しかし、その間に王家を乗っ取ろうと考えていた王女(クラブの継母)は王と王子を殺そうと計画する。旅に出たクラブは、もう一人の主人公である奴隷のダイアと出会う。ダイアの国はクラブのいるエジプト軍に滅ぼされ奴隷として育てられていた。やがてクラブとダイアは恋に落ち火の鳥を探す旅を続ける。そして二人は火の鳥の卵を洪水から救い、代わりに火の鳥の生き血を貰う。しかしクラブは王女の部下に殺され、ショックを受けたダイアも後を追って自殺する。
ギリシャ編
初出:『少女クラブ』(1956年11月号 - 1957年7月号)
エジプト編の続き。
殺されたクラブとダイアの死体は300年経ちナイル川に流され、ギリシャの海を彷徨っていた。そしてダイアの死体はトロヤ軍の船に引き上げられ、クラブの死体はスパルタの海岸に打ち上げられた。火の鳥の血を飲んでいた二人はそこでそれぞれ目覚める。クラブとダイアはスパルタの宮殿で偶然出会うが、二人は記憶をなくしていた。しかし、二人の心は何故か惹かれ合い「きっと前世では兄妹だったのだろう」と決め兄妹として愛するようになった。やがて二人はトロヤとスパルタという敵同士の国に運命を引き裂かれ、トロイア戦争に巻き込まれる。そして悲劇が起き、トロイの木馬によってダイアは潰され死亡する。クラブは悲しみのあまりダイアの死体を抱え海に飛び込み死亡する。
ローマ編
初出:『少女クラブ』(1957年8月号 - 12月号)
ギリシャ編の続き。
海に飛び込み溺死したクラブとダイアはユリシーズによって死体を回収され長い間ギリシャの宝物庫に保管されていた。しかし、300年経ちローマのシーザーがギリシャを制圧すると、シーザーの部下・アンドロクレスによって2人の死体は引き取られた。ローマへと渡った死体は火の鳥の生き血のおかげで生き返り、アンドロクレスに兄妹として育てられた。2人の暮らしは平和そのものであったが、そんな暮らしも長く続かず、ダイアはローマの暴君ネボケタスによって無理矢理妻にされそうになる。2人は抵抗するが、代わりに死刑を宣告され、闘技場に追い込まれてライオンの餌食となりかける。
黎明編(COM版)
初出:『COM』(1967年1月号 - 11月号)
3世紀の倭(日本)、ところは熊襲。主人公のナギの姉ヒナクは破傷風にかかり、生死の境をさまよう。ヒナクの夫であるウラジは妻を助けるため火の鳥の生き血を求めて火の山に入るが、火の鳥の炎に包まれ死んでしまう。そんな折、村の海岸に漂着した異国の医師グズリが現れ、最新の医学知識でヒナクを救う。やがてグズリとヒナクは恋に落ちる。ところが婚礼の夜、グズリの手引によって、多数の軍船から猿田彦率いる防人の軍団が上陸。グズリはヤマタイ国のスパイであった。村人は虐殺され、ひとり生き残ったナギは猿田彦を襲撃するも捕えられる。猿田彦はナギの勇気を称え奴隷としてヤマタイ国に連れ帰り、狩り部(猟師)に鍛え上げる。ヤマタイ国がクマソを侵略した裏には、老いた卑弥呼が火の鳥の血を欲していたという事情があった。
本作は未完に終わった「漫画少年」版の黎明編を基に大幅に内容を変え連載したもの。大和朝廷の成立については、定説ではなく本作品執筆時に話題になった江上波夫の騎馬民族征服王朝説を採用している。その後何度か描き直されており、後年の版では主人公たちを襲う様々なスタイルの狼の中に、「ファミコン型」や「赤塚不二夫型」等も登場する。また日食の場面では太陽の欠け方が間違っており、手塚本人によって単行本では正しい日食の欠け方へと修正されている。今では、黎明編といえば普通は漫画少年版ではなくてCOM版のことをさす。
TVアニメ版では幼少期の猿田彦のシーンが追加され、卑弥呼に忠誠を誓った経緯が分かるようになっている。
未来編
初出:『COM』(1967年12月号 - 1968年9月号)
西暦3404年。時間軸で考えた場合の火の鳥の結末にあたる作品。人類は25世紀を頂点として衰退期に入り、文明も芸術も進歩が少しずつ停止、人々は昔の生活や服装にばかり憧れを抱くようになり、すでに30世紀には文明は21世紀頃のレベルまで逆戻りしていた[9]。地球人類は滅亡の淵にあり、他惑星に建設した植民地を放棄し、地上は人間はおろか生物が殆ど住めない世界となっていた。人類は世界の5箇所に作った地下都市“永遠の都”ことメガロポリス「レングード」(レニングラード:ソ連)「ピンキング」(北京:中国)「ユーオーク」(ニューヨーク:アメリカ)「ルマルエーズ」(マルセイユ:フランス)「ヤマト」(大和:日本)に移り住み、超巨大コンピュータに自らの支配を委ねていた。しかし、そのコンピュータも完璧な存在ではなく、コンピュータ同士で争いが起き、メガロポリス「ヤマト」と「レングード」の対立[10]から核戦争が勃発した。その結果、対立関係とは無縁だった残りの3都市までもがなぜか超水爆で爆発し、地球上に5つあった全ての地下都市が消滅。人類が滅亡してしまう[11]。生き残ったのはシェルターに居た主人公の山之辺マサト、そして猿田、ロック、タマミのみであった。その後、山之辺マサトの意識は体外離脱し、火の鳥により、宇宙の構造と、人類の滅亡が生命の歴史のリセットを目的として実行されたことを告げられ、生命を復活させ正しい道に導くために永遠の命を授かる。他の者が次々と放射能の作用や寿命が尽きて死んでいく中で、山之辺マサトだけは永久に死ねない体のまま苦しみ、悶えながら生き続ける。途方も無い時間をたった一人で過ごす中で、マサトは地球の生命の復活を追究し続け、やがて一つの答えにたどり着く。
本作は結末が黎明編へ繋がるような展開となっており、読む順番を最初にしても、最後にしても問題が無いような作りになっている。また雑誌版では第一話の最後でマサトとムーピーが火の鳥に会うというシーンがあったが、単行本ではカットされている[12]。
なお、NHKアニメ版では本作が最終エピソードとされたが、尺の都合及び倫理的理由のため内容が大幅に削除・変更されている(マサト達がドームに来る以前の物語はカットされ、後半もナメクジの進化―滅亡エピソードを全カットなど大幅に内容を変更している)。
ヤマト編
初出:『COM』(1968年9月号 - 1969年2月号)
4世紀頃の倭(日本)。古墳時代。主人公のヤマト国の王子ヤマトオグナは、父である大王からクマソ国の酋長川上タケルを殺すことを命じられる。その理由は川上タケルが真実を書いた歴史書を作ろうとしているからであった。大王は、自分たちは神の末裔であるとする嘘の歴史書を作ろうとしていたため、川上タケルがやろうとしていたことは不都合であった。オグナは川上タケルの妹であるカジカと出会い恋に落ちるが、迷いながらも父の言いつけ通りに川上タケルを殺す。タケルは死に際に「わしの名前をやろう。これからはヤマトタケルと名乗るがいい」と名前を譲る。愛したカジカに、仇として命を狙われる事となったタケル。二人の愛はやがて悲劇へと向かって行く。
本作は『古事記』・『日本書紀』の日本武尊伝説と、日本書紀の垂仁紀にある埋められた殉死者のうめき声が数日にわたって聞こえたという殉死の風習と埴輪にまつわるエピソードを下敷きにしている。殉死者が死ななかったのは火の鳥の血の効果であるとし、期間も1年にわたっての事とした。石舞台古墳造営にまつわるエピソードがあるが、史実ではもっと後代の古墳であり、殉死者が埋められているという事も無い。オグナは日本神話のヤマトタケルがモデル(「倭男具那命」-「やまとをぐな」はヤマトタケルの別名)で、川上タケルは川上梟帥がモデル。本作に登場するクマソの国の長老は黎明編の最後で崖を登り切った青年であり、彼の子孫が繁栄しクマソ国へと発展している。
雑誌掲載版と単行本版では、手塚により細かな修正が行われている。ヤマト編は時事ネタが多かったため、単行本ではセリフの手直しが多い。作中で川上タケルは、"長島"なる部下に「王」と呼ばれている。これは初出時には川上タケル=川上哲治として、クマソを巨人軍に見立て、その部下の長島=長嶋茂雄という洒落であったが、川上が監督を引退したので、川上タケルを王貞治に見立てる内容に改稿したためである。雑誌版では川上タケルがオグナを出迎えた場面で、手塚の学生時代の体験談である「日本とアメリカが都合のいい様に相手国を中傷していた」という2ページに渡った内容があったが、単行本時に省かれている。
OVA版はほぼ原作に準じているが、原作の時代設定を無視したギャグや歴史書に関するくだりは削除されている。
宇宙編
初出:『COM』(1969年3月号 - 7月号)
西暦2577年。主人公達5人は、ベテルギウス第3惑星から地球へ向かうために宇宙船で人工冬眠を行いながら宇宙を航海していた。しかし宇宙船は操縦者である牧村五郎の自殺によって事故に遭う。その事故により船は大破、乗員はすぐに宇宙船から離れないと危険な状態であった。乗員は人工冬眠から目覚め宇宙救命艇で脱出する。救命艇は一人乗りの小さな緊急用の物で、4人はバラバラに宇宙に投げ出されるような形になった。救命艇にはそれぞれ無線通信機が付いており、彼らは宇宙に漂いながら会話を始める。その内容は過去に起きた牧村五郎に関するものであった。やがて彼らの乗る4つの救命艇に謎の救命艇が近づいていく。果たしてその救命艇には誰が乗っているのか。
本作では、どうして猿田が過去から未来へと延々と苦しみ続けているのか、その理由が語られる。
また本作がOVA化された時には、牧村とナナと奇崎が出会うシーンが追加され、隊長の死亡理由の変更、牧村がラダを殺す動機の変更、牧村が不老不死になる過程の変更など、全体的にストーリーは変えないまでも細かな演出がより現実的になっている。また、オリジナルのラストシーンが追加されている。
鳳凰編
初出:『COM』(1969年8月号 - 1970年9月号)
奈良時代。主人公の一人、我王は誕生直後に片目と片腕を失っており、心に影を持ちながら殺戮と強奪を繰り返しながら生活していた。もう一人の主人公である仏師の茜丸は、旅先で我王に利き腕を傷つけられ仏師としての生命の危機に追い込まれる。その後、我王は速魚という女性と出会って愛を知るが、彼女を信じ切れず些細な誤解から殺してしまう。しかし彼女の正体を知った時、激しい後悔に襲われることとなる。後悔の中、彷徨い続ける我王は良弁僧正と出会い、怒りを糧としながら仏師としての才能を開花させる。
一方、茜丸もまた負傷して以来、彼を慕う少女ブチとの出会い、仏師としての栄達などを経て少しずつその心と運命が変化していく。そして、それぞれに変わった二人は、国を挙げて建立されていた東大寺の鬼瓦製作という大勝負の場で再会する。
本作は、生まれながらに苦しみ続けるがその中で次第に悟りを得ていく我王と権力の庇護を得て慢心し堕落していく茜丸の対比、東大寺大仏建立の真相、輪廻転生といった深い題材を取り上げている。火の鳥は茜丸が鳳凰の像の制作を命じられることで物語に関わってくる。しかし、史実では橘諸兄によって重用されている吉備真備が政敵として対立する、良弁僧正が即身仏となるなど、史実と改変された点も多々見られる(良弁については作中でギャグ的にではあるが、朝廷がその死を隠す様に指示しているというフォローがなされた)。一方で作中で我王と茜丸が作った鬼瓦は、同じ意匠のものが東大寺に実在する。
雑誌掲載版では、我王が泥を壁に投げてヒョウタンツギの絵を作るというお遊びのシーンがあったが、ストーリーに無関係なため、単行本では手塚本人により省略されている。
劇場アニメ化された時は60分という尺の短さから大幅に内容を短縮され、我王は速魚を殺した後は最後の対決までほとんど登場しない。また原作では比重の大きかった良弁僧正が一切登場せず、二人の心理変化もあまり描かれず、主人公の一人がもう一人の主人公の墓を彫る(弔う)というラストシーンもカットされている。
復活編
初出:『COM』(1970年10月号 - 1971年9月号)
西暦2482年。主人公の少年レオナはエアカーから墜落した。レオナは最新科学の治療で生き返るが、人工細胞で脳を補うという方法だったため認識障害を起こす。具体的には、有機物(生命体)が無機物(人工物)に見え、無機物(人工物)が有機物(生命体)に見えるようになるというもので、レオナには人間が奇妙な無機物の塊にしか見えなくなってしまった。そんなある日、レオナは街で美しい少女を見かける。彼にとって唯一普通の人間に見えるその少女に心ひかれ追いかけるが、彼女の正体は人間とは似ても似つかぬ旧式ロボットであった。やがて過去の記憶を辿る内に、墜落死の原因がかつてアメリカにおいてレオナがフェニックス(火の鳥)の血を入手したという過去がからんでいる事も判明した。だが、認識障害が改善されても、ロボットのチヒロを人間の女性と認識し愛する事に変わりは無く、ついにレオナはチヒロと駆け落ちしてしまう。そして再び瀕死の重傷を負ったレオナは、ある決断をする。
一方西暦3030年、旧式ながら通常のロボットとは異なる奇妙な人間味を持つロボット・ロビタが、溶鉱炉へ飛び込んで「集団自殺」するという異常事態が発生した。それはなぜなのか、そして月面の貨物施設で酷使される最後のロビタの運命は。二つの物語は、やがて意外な形で収束する。
本作では「未来編」に登場するロビタの誕生が描かれ、ラストシーンにおいて繋がるようになっている[9]。また雑誌掲載版と単行本版では2484年から3009年、さらに3030年へと行き戻りする物語の順番が手塚により一部修正されている。
NHKのテレビアニメ版では大幅に内容を変更し、主人公の設定を変え、新キャラや新ヒロインを登場させ、さらにロビタが登場するパートを全カットして、ほぼ別物語に仕立てている。
羽衣編
初出:『COM』(1971年10月号)
10世紀、三保の松原。主人公の漁師のズクは家の前にある松の木に、薄い衣が引っかかっているのを見つける。すぐさまそれを手に入れ売ろうとするが、衣の持ち主である女性・おときが現れ、ズクは彼女を天女だと思い込む。ズクは衣を返すことを引き換えに、3年間だけ妻として一緒に暮らすことを約束させる。
本作は天の羽衣の伝説が元になっており、舞台で演じられる芝居を客席から見たような視点で描かれている。また羽衣伝説を基に描いているが、おときの正体は天女ではなく未来人であり、羽衣の正体は未来の技術で作られた謎の物体である。最後はひとり残されたズクが、この物体を数千年後の未来へと託すために地面に埋めるところで終わっている。短い作品であるが、「放射能[13]の影響で奇形で生まれた赤ちゃんを嘆いて殺そうとする」という表現についての問題や作者の意向があり、1980年まで描き直されるまで単行本化されなかった。本来は「望郷編(COM版)」と関連する話であるが、1980年に単行本化される際、全ての文章を手塚が書き直し独立した話になっている[14]。そのため、本来ならば最後に埋めた物体の正体がCOM版「望郷編」で語られたはずが、そのままになっている。
望郷編(COM版)
初出:『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』(1972年1月号)
城之内博士は人類の歴史をやり直すため、人間も植物も動物も全てクローンで賄われた「第二の地球」を創りだした。城之内博士の娘「時子」は、戦争から逃れるために4次元航空装置で「羽衣編(COM)」の時代へ逃げていた。時子の正体は実は羽衣編の「おとき」であり、本作は彼女が未来へと戻ってくるところから始まる。時子には放射能のせいで奇形で誕生した赤ちゃんがいた。しかし、時子に恋心を抱いていたジョシュアという男は城之内博士を殺し、4次元航空装置を奪い、奇形の赤ちゃんを池に投げ捨て、時子を連れ本当の地球へと旅立つ。赤ちゃんは生きており、クローン動物から「コム」と呼ばれるようになる。
本作はCOMの休刊によって[15]、未完のまま中断される。放射能障害を描いたCOM版「羽衣編」を前提としているため、「羽衣編」改稿に伴い、構想を新たに関連のない物語として『マンガ少年』版「望郷編」が描かれ[16]、この版は未完のままで長く単行本に収録されることがなかった。復刻版でも絵と会話の内容が一部変えられている。放射能という単語が削除され、生まれた赤ちゃんであるコムの角は一角獣のようであったが復刻版ではメロンのような触覚に替えられた。また前後を大幅にカットした短縮版が『マンガ少年』に掲載されたこともあるが、そちらの短縮版はまだ一度も単行本化・書籍収録されたことはない。
乱世編(COM版)
初出:『COM』(1973年8月号)
平安時代末期。主人公である猟師の「まきじ」は実の妹である「おぶう」と体も心も愛しあう関係であった。ある日、まきじは山で死にかけていた一匹の猿を救った。それはまきじが普段「赤坊主」と呼んでいたボス猿であった。どうやら赤坊主はハンニャとよばれる猿と争って負けボスの座を奪われたようである。まきじは瀕死の赤坊主を手当する。まきじは体の治った赤坊主と一緒に京都へ仕事に行くと、赤坊主をめぐり路上で役人と衝突。危ういところを名僧である明雲に助けられる。明雲の忠告もあり、まきじは赤坊主を山へ返そうとする。
本作は後の「乱世編」の元となる話であるが、『COM』が再び休刊したことにともない連載中断している。主人公の「まきじ」は後の「マンガ少年」版の弁太の原型であるがほっそりしている。また、まきじとおぶうは兄妹でない設定に変わった。猿と子犬のエピソードは「マンガ少年」版に流用されているが、二匹の名前が変えられており、天狗に育てられた話になっている。
望郷編(マンガ少年版)
初出:『マンガ少年』(1976年9月号 - 1978年3月号)
時代は宇宙時代。自然が失われ続ける地球に絶望した主人公ロミと恋人のジョージは、強盗で得た金で宇宙不動産会社から小さな惑星エデン17を買い、移住する。しかしそこは地震が頻発し、荒廃した惑星であった。悪徳業者に置き去りにされ、ジョージは事故で死に、ロミは残された息子と結ばれることで生命を繋ぐ決断をする。しかし近親婚の影響で女児を得ることができず、ロミは唯一の女性として、息子と結婚して子供を産んでは冷凍睡眠を繰り返す事となった。やがて小さいながらもロミと息子たちのコミュニティが築かれていくが、兄弟同士の諍いから恐るべき計画が持ち上がり、それを聞かされたロミは絶望して睡眠装置に閉じこもってしまう。彼女を憐れんだ火の鳥は、ロミの夢に呼びかけ、異星人との混血をすすめた。火の鳥の働きかけによりムーピーがエデン17へ訪れ、ムーピーとの混血の新しい種族が繁栄していく。ロミが数百年にわたる眠りから目覚めた時、エデンには心優しく素朴な人々の住む、平和な文明が育っていた。ようやく心の平安を得たロミは、エデンの女王として人々に慕われ、静かに老いていくが、次第に地球への望郷の想いを募らせ、コムという少年と共に地球を目指す旅に出る。その旅先で、ロミは宇宙パトロール隊員の牧村と出会う。しかし牧村の任務は、地球に不法入国しようとする帰還者たちを阻止すること、即ちロミたちを殺すことだった。
本作は『COM』版の「望郷編」(未完)との関連はほとんどなく、唯一、被爆した少年コムだけが、ムーピーと地球人との混血児という設定で再登場している。
手塚本人により何度も描き直されており、雑誌掲載版・朝日ソノラマ版・講談社版、角川書店版の各単行本では大きく内容が異なる。雑誌版では地球到達までのロミの顔は老婆のような状態だったが、朝日ソノラマ版では若く描き直されている。単行本ではフォックスと呼ばれるブラック・ジャックに似た男がロミを自然が残った場所へと連れて行くシーンが追加された。また雑誌版ではロミは牧村に撃ち殺されるが、単行本では若返りの副作用のため死んだことになっている。ラストシーンも牧村がロミのために星の王子さまを読むという場面が追加された。ロミとジョージの声が最後に聞こえるシーンも単行本で加筆されたもの。また角川版ではロミとジョージの出会いのシーンを冒頭に移動し、展開を早くするため宇宙船に他の宇宙人が搭乗する場面を省き、地球に向かう途中に立ち寄る星に違うものがあったりするなど内容が異なる。また、本作は火の鳥全シリーズ中で最も手塚による加筆・修正が多い編であり、雑誌掲載版、角川書店版、朝日ソノラマ版・講談社版では上記以外でも100ページ以上の変更がある。特にムーピーと人間との混血が生まれる場面はそれぞれ設定が異なる。今日では望郷編と云えば、普通はCOM版ではなくてマンガ少年版のことを指す。
乱世編
初出:『マンガ少年』(1978年4月号 - 1980年7月号)
西暦1172年。平安時代末期。平安京近郊の山村に住む木こりの弁太は、恋人おぶうと愛を育んでいた。ある日、薪と猪の皮を売りに都へ行った弁太は役人とトラブルを起こすも高価な櫛を拾い、おぶうへとプレゼントする。ところが、それは藤原成親の持ち物であった。弁太一家は成親の一味と見なされて焼討に遭い、弁太の両親は斬られ、さらにおぶうの父も殺害された。弁太は連れ去られたおぶうを追って都へと出向くが、その先で源義経の仲間にされてしまう。義経は一見したところ美貌の英雄だが、その実は平家打倒の目的のためならば非情な行いも平然とやってのける没義道な男であった。一方おぶうは平清盛の侍女となる。悪名高い清盛は、実は世間の荒波と家中の乱暴狼藉の板ばさみに苦悩する小心な老家長であった。そしてその清盛には、大陸からもたらされた火の鳥を隠し持っているという噂があった。
本作は源平の抗争に巻き込まれた二人のすれ違いの運命を追っていき、源平の抗争や源頼朝・義経兄弟の相克には、火の鳥の争奪が関わっているという筋立て。弁慶伝説を下敷きとする。「鳳凰編」の我王も義経の師匠鞍馬天狗として登場している。本作では英雄として名高い義経が非情な人間として描かれるが、その行為は文献に準ずるものもある(例えば民家への放火など)。清盛は残虐な面も描かれるが、平家一門の身内の増長に対しては逆に叱責したり、また大仏の焼き討ちなど自らのやり過ぎを後悔するなど、人間らしい面が描かれる。なお、この乱世編では手塚の実の先祖でもある手塚太郎光盛が手塚の自画像と似せて登場する。
手塚により何度も描き直されており、雑誌掲載版、角川書店版、朝日ソノラマ版・講談社版では大きく内容が異なる。特筆すべき大きな変更は犬と猿のエピソードは本編の途中(天狗が死ぬ場面)に存在したが、朝日・講談社版ではラストに移動し、犬と猿が義経と清盛の転生後という設定になっている。その中では犬と猿が人間だった頃の思い出(義経と清盛だった頃)を思い出すという内容が追加された。また角川版では犬と猿のエピソードは冒頭に移動され、物語の序章として扱われている。さらに弁太が義経を丸太で自慢の顔を潰して殺す場面は角川版では藤原泰衡軍の弓矢で死ぬ場面に変えられている。この他、細かな変更も多い。
生命編
初出:『マンガ少年』(1980年8月号 - 12月号)
2155年。主人公のテレビプロデューサー青居は、クローン人間を使った殺人番組を考案する。クローンを使えば法律の抜け穴をついて合法的な殺人が行え、それを番組にすれば視聴率が取れると考えたためである。青居はクローン技術の工場があるペルーに向かうが、なんと自分自身が大量生産されてしまう。そして日本に連れて帰られた大量の青居は、皮肉なことに自分自身が他のクローンとともに企画した殺人番組の標的にされることになった。青井は番組初回に駆り出され、大量の青井が殺される中で左腕を失いながらも追手から逃れた後、逃亡中に出会った少女と生活を始める。
単行本では手塚による修正が入っている。まずサイボーグのおばあちゃんは雑誌掲載版では本当に生きたおばあちゃんであったが、朝日・講談社版では見るからにロボットの姿へと変更された。また鳥の顔をした女性は、雑誌掲載版では本当に火の鳥の顔をしていたが、単行本版では人間と火の鳥の中間的な顔つきへと修正されている。エンディングも全く異なり、雑誌掲載版では青居はテレビ番組内で殺されるのに対して、単行本版では青居がクローン人間培養工場を爆破するエピソードが追加されている。また雑誌版では主人公の青井は最後にはっきりとクローンと断定されるのに対して、単行本ではクローンではなく失った指から本物の青井であったと思えるような描写になっている。
異形編
初出:『マンガ少年』(1981年1月号 - 4月号)
戦国の世(室町時代)。主人公の左近介は本来は女であったが、幼少の頃より父に男として暴力をもって育てられた。その左近介の父は応仁の乱の功績で名をあげた残虐非道の男であり、左近介は父を憎んでいた。ある日、左近介の父の鼻に「鼻癌」と思わしき症状が現れ苦しんでいたところ、それを治せるという尼「八百比丘尼」が現れた。左近介と父は、まるで老いた左近介のような八百比丘尼の姿に驚く。父に恨みを抱いていた左近介は、治療を阻止するために、寺を訪れ八百比丘尼を殺す。だが、殺害を終えた左近介は不思議な力に阻まれ、寺から出られなくなる。八百比丘尼の治療を求める近隣住民たち、さらには人外の異形の者たちが次々と寺を訪れ、左近介は心ならずも比丘尼の身代わりとして治療に従事する羽目になるが、そこから恐ろしい因果応報が左近介に巡ってくる。
本作は八百比丘尼伝説を下敷きにしている。雑誌掲載版と単行本とでは結末に大きく加筆がされ、主要登場人物が最後に切られるという大事な場面は単行本で追加されたもの。その他にコマの入れ替えやページの組み換えなど細かな修正が多い。雑誌版と初期の単行本では、治療に訪れる異形の患者は宇宙人(火の鳥が他の星の生き物である事と、その理由を説明する)だが、後の版では「太陽編」へと繋げるために、治療される対象は妖怪になり、絵も妖怪に近いデザインに改められている。
NHKアニメ版では、唯一ほぼ変更なしにアニメ化されている(NHKアニメ版は父子関係の相克を重視する路線で製作されており、本作はその路線に適合していた)。
太陽編
初出:『野性時代』(1986年1月号 - 1988年2月号)
7世紀と21世紀(2009年)の2つの時代を交互に描いた物語。西暦663年、主人公の一人ハリマは百済の王族の血を引く存在であったが、白村江の戦いで敗れ、顔の皮を剥がされ、その上に狼の顔を被せられた。狼の皮はハリマの顔に張り付き、本来の皮膚と同化して取れなくなってしまった。ハリマが倒れているところを占い師のオババが助け、逃げるために将軍・阿部比羅夫と共に倭(日本)に渡る。ハリマは倭では犬上宿禰(いぬがみのすくね)と名乗り、狗(ク)族の少女マリモとの出会いを経て、やがて壬申の乱に巻き込まれてゆく。壬申の乱は世俗での権力闘争であると同時に、外来宗教である仏教と日本土着の神々との霊的な戦いでもあった。
一方、21世紀の日本は「火の鳥」を崇拝する宗教団体「光」一族に支配されていた。もう一人の主人公である坂東スグルは幼い頃から「光」によって地下街に荒廃した環境で生活させられ、スグルはその中の反「光」団体「シャドー」に属したテロリストとして冷酷な人殺しを繰り返していたが、ある作戦に失敗したことによって「光」のメンバーに捕らえられ洗脳するための施設に入れられ、狼の頭に似た洗脳ヘルメットを被せられる生活を送ることになる、そしてかつて任務で同い年という理由から殺さなかった少女兵士・ヨドミと施設で知り合い、惹かれ合っていく。
本作はハリマがスグルになった夢を見て、スグルはハリマになった夢を見るというように交互に物語が入れ替わる。過去と未来の宗教は双方とも火の鳥自身がご神体となっている。
単行本化の際は手塚自身により未来側のストーリーが大幅に変更され、火の鳥が登場したり、猿田が罰を受ける描写などかなりのカットがなされている。雑誌掲載版では回想シーンに猿田の兄として鉄腕アトムのお茶の水博士が登場する。

火の鳥で描かれる歴史上・神話上の人物・出来事[edit source]
黎明編
イザナギ
卑弥呼(→アマテラス)
スサノオ
猿田彦
ウズメ
天弓彦
ニニギ(→神武天皇)
邪馬台国
クマソ
天岩戸
騎馬民族征服王朝説
ヤマト編
ヤマトタケル
クマソタケル
大王(おおきみ)(→景行天皇)
石舞台古墳
草薙の剣
埴輪
鳳凰編
良弁
橘諸兄
吉備真備
藤原仲麻呂
聖武天皇
奈良の大仏
遣唐使
羽衣編
三保の松原(羽衣伝説)
平将門の乱(承平天慶の乱)
乱世編
鞍馬天狗
弁慶
源義経
金売吉次
平清盛
平重盛
平宗盛
越中守盛俊
源頼朝
文覚
土佐坊昌俊
木曾義仲
巴御前
志田三郎
明雲
俊寛
藤原成親
後白河法皇
手塚太郎光盛
平氏政権
鹿ケ谷の陰謀
源平合戦
日宋貿易
鳥獣戯画(覚猷)
異形編
人魚#八百比丘尼
応仁の乱
百鬼夜行絵巻
太陽編
余豊璋
阿倍比羅夫
天智天皇
大海人皇子
大友皇子
十市媛
大伴吹負
壱伎韓国
蘇我果安
山部王
壬申の乱
白村江の戦い

その他・余談[edit source]

宝塚市立手塚治虫記念館前に設置されている火の鳥のモニュメント
テレビアニメ『ふしぎなメルモ』に登場するミラクルキャンディーは、第1話で描かれる製造過程によると原料は火の鳥の卵である。エンディング場面では毎回火の鳥の卵からキャンディーが作られる工程が放送された。なお、福山けいこによるリメイク漫画『メルモちゃん』には、他の手塚キャラとともに火の鳥も出演している。
漫画『ブラック・ジャック』の「不死鳥」回は火の鳥にまつわる話である。しかし何故か手塚自身がこの作品を封印していたこともあり、手塚の存命時には単行本に収録されなかった(「不死鳥」は手塚の死後アニメ化もされている)。
テレビアニメ『アストロボーイ・鉄腕アトム』(2003-2004年)に手塚作品のスター・システムの一環でゲストキャラクターとして登場、声優はNHKのTVアニメ版と同じ竹下景子。
「火の鳥2772」については、手塚自身が講談社手塚治虫漫画全集で描き下ろしをして再漫画化する予定もあったが、実現しなかった。
手塚の死後に作られたオリジナルストーリーでは、二階堂黎人による小説『火の鳥アトム編』、創作舞踊劇『火の鳥 転生編』、プラネタリウム用アニメ映画『火の鳥-絆編-』、音楽劇『NINAGAWA火の鳥』、宝塚歌劇花組公演『火の鳥』、短編アニメ『火の鳥アースキーパーズ編』など様々なものが作られている。
鈴木英史による吹奏楽曲「鳳凰〜仁愛鳥譜」は、鈴木のお気に入りである「未来編」のイメージで作曲されたものである。
イギリスのアンビエント・テクノ・バンドのシステム7が、シングル「Hinotori」を含むアルバム『Phoenix』を2007年に発表。これは、手塚治虫の長女・手塚るみ子の呼びかけによるもの。『火の鳥』の内容に触発されて制作された。
火の鳥は阪神・淡路大震災復興活動のシンボルマークとして使われていた。これは悦子夫人が兵庫県に「火の鳥」のイラスト使用権を10年間無償提供した事による。
2010年8月6日に全国農業協同組合中央会は、2010年日本における口蹄疫の流行で被害を受けた畜産農家の復興支援を目的に、火の鳥をデザインしたマークを作成している[30]。
2011年8月7日開催のロック・フェスティバル「WORLD HAPPINESS 2011」において、東日本大震災からの復興・再生をテーマに掲げ、火の鳥を“再生”のシンボルとしてキービジュアルに起用[31]。同イベントでは、イエロー・マジック・オーケストラが火の鳥をモチーフにした新曲「Fire Bird」を初披露した[32]。
バレーボール全日本女子チームの愛称は「火の鳥NIPPON」であり、ロゴ等のデザインは手塚プロダクションが担当している[33][34]。
火の鳥の実写映画は本来はアニメとの二部構成であった。シナリオまで作られていたが未制作に終わった。内容は火の鳥の世界の結末の一つが描かれている。(シナリオの内容は後述)
手塚生前時における掲載誌は廃刊・休刊する事が多く、陰ながら「本作が掲載されると廃刊になる」などと囁かれた[35]。ただし、これは実際には火の鳥のせいではなく、火の鳥が月刊誌のみに連載していたことが原因である。火の鳥は1950年代から連載してきたが、週刊漫画雑誌が登場し主流になり、1950年代からある月刊漫画誌が全て廃刊していったため。なお、火の鳥太陽編が連載していた「野性時代」は1996年に休刊した後、2003年に新創刊し、2016年現在「小説 野性時代」として刊行中である。
元手塚のアシスタントの石坂啓は乱世編で見開きで村祭りのシーンがあった時に、それが最後まで仕上げられていなかったので、「これは時間がかかるから、後でアシスタントにやらせるのだろう」とアシスタント全員で思っていたら、手塚治虫が下描き無しで、踊る村人たちを全部書き始めたが、火を囲んでいる大勢の人の輪と、一人ひとりの影をちゃんと角度を変えて驚異的な速さで仕上げたので、「まるで魔法を見ているようだった」と語った[36]。
本作品をオマージュした(影響を受けた)作品は少なくない。
全体を元にしたもの
浦沢直樹のマンガ『BILLY BAT』
谷甲州の小説『終わりなき索敵』は、火の鳥との関連性が指摘されている[37]。
一部を元にしたもの
藤木稟の小説『旅立ちの時』は、復活編との類似点が指摘されている[38]。
『沙耶の唄』、『セイバーマリオネット』はどちらも復活編を元にしている。
旧ソ連の映画「せむしの仔馬」には火の鳥が登場し、これは手塚治虫が漫画「火の鳥」を描くきっかけとの一つとなった。手塚が胃癌の闘病中に病院のベッドで手がけたアニメに「青いブリンク」があるがこれは「せむしの仔馬」の手塚風のリメイク作品である。「青いブリンク」はアニメでの手塚の遺作の一つになった。
手塚治虫がまだ漫画家になるか医者になるか迷っていた時に、母親とアニメーション映画を見に行き、開演までの時間にロビーの椅子で母親に相談すると「好きな方を択ぶように」と言われ漫画家になった。その時のアニメーションが「せむしの仔馬」である[39]。
ミッシェル・ルグラン作曲の交響組曲「火の鳥」の原曲は、1975年第4回東京音楽祭世界大会にイギリスから参加したスーザン・モーン歌唱の「あふれる想い(There is a River)」である。作詞はルグランとの曲づくりパートナーでもあるハル・シャパーで日本発売もされた。東京音楽祭には深町純や村井邦彦も参加している。