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Darth Sidious

2023-12-12 12:38:26 | 🇺🇸TV

ダース・シディアス

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登録日:2012/05/30 Wed 17:39:27
更新日:2023/12/08 Fri 23:24:21
所要時間:約 14 分で読めます

 



 

もしかして→ローマ法王





「……事はすべて余の予測通りに進んでおる……」



ダース・シディアスDarth Sidiousとは、スターウォーズシリーズの登場人物。
銀河帝国の初代皇帝であり、シスの暗黒卿の一人。
シリーズ全体のラスボスである。
エピソードⅤにてホログラム越しに、エピソードⅥで建造中のデス・スターⅡ視察の際にその全容を見せた。

 

  • 演:イアン・マグダーミド Ⅵ、Ⅰ、Ⅱ、Ⅴ(DVD版)、Ⅲ)
  • 吹き替え:坂口芳貞(Ⅰ)小林勝彦(Ⅰ、Ⅱ)稲垣隆史(Ⅲ、クローンウォーズシリーズ)岩崎ひろし(日本語版ロボットチキン)



●目次



【概要】

ダース・ベインの死後、千年ぶりに表舞台に現れたシス卿の一人。
弟子であるダース・モールダース・ティラナスダース・ヴェイダーの三人もいずれも強力なシス卿であったが、「師匠越え」を一人前の証とするシスの教えにあって、最後まで弟子たちが単独では越えられない壁として君臨し続けた*1

 

ライトセーバーを持たなくとも、指先から放つフォース・ライトニングの電撃だけでライトセーバーを掌中からもぎ取るばかりか、精鋭とされるジェダイマスターをほとんど斬り結ぶ事なく仕留め、スターファイター等を容易く撃墜し、グランドマスターとも互角以上の戦いを繰り広げる*2

 

アニメ・クローンウォーズでは、復活を遂げたダース・モールその弟を意図的に徹底した舐めプ余裕っぷりで軽々と蹴散らしてのけた。



そして彼の最も恐るべき本領は、巧みな話術や人心掌握術、権謀術数など、頭脳・策謀面におけるシスの力にある。
深謀遠慮の計略を進行中に、フォースの予知でもカバーし切れない不測の事態に遭遇しようとも、臨機応変に軌道修正。

 

自身の安寧とジェダイ殲滅及び帝国勃興計画の妨げになる組織力を伴って成長し得る障害*3は早々に摘み取るようリスクヘッジを徹底。
ヴェイダーにしても、あえて粗悪な改良を施して自身への反逆を防ぐ枷にしつつ、暫定的な手駒として抑圧することで憎悪を煽り暗黒面の習熟の助けにもすると、使い潰すことばかり意図したものではない。

 

在位中に銀河で起きたあらゆる事象を、ことごとく自分の懐中に収めて、シスによる銀河支配の贄としてまとめ上げたのである。

 

冒頭のセリフ「……事はすべて余の予測通りに進んでおる……」はシディアスの持つ真の恐ろしさを端的にかつ的確に、そして明快に表現している。



ただし、シディアス本人は自身の能力について、限界があることも認めている。
例えば『ダース・プレイガス』で「陰謀は達成したはずだが、違和感が拭えない」と悩んだり、カノン小説『ターキン』では「まだ暗黒面について修行が足りん」と物思いに耽っていたりしている。
レジェンズ小説『悪の迷宮』ではティラナスから「読み間違えたり驚いたりすることもあるが、臨機応変に対処し、最終的に自分の利益に還元する術に優れている」と評されている。
しかし、そうした不足な部分がありながらも、持ち前の極めて高い計画修正力と並外れた忍耐で修行に打ち込むからこそ彼は優れたシスマスターとして在位できたのだろう。



唯一の欠点は慢心と、大きな隙。

 

絶大すぎる権勢を手に入れて気が緩んだ帝国建立後は、シスの研究に熱心になるあまりプリクエル時の思慮深い一面は失われ、政治はほぼターキン、軍事ではベイダーを初めとする優秀な指揮官たちに丸投げしすぎて大なり小なりの災難*4に見舞われている。



ちなみにカノン小説『ターキン』によると、シディアス本人が欲しいのはフォースを極めた先の、フォースの財産のみ。
彼が「皇帝」という地位ゆえに所有している数々の財産(住居・地位・芸術品・食事・部下)は確かに最高級品でそろえているが、それは周囲が「皇帝ならそういうものを持つものだ」と意識しているのを反映しているだけで、シディアス自身は世俗的な快楽に興味がないという、ストイックな一面もある。
シスの正装という意味もあるのだろうが、衣類については終生、飾り気のない黒いローブのままだった。
例外はシスの権威を象徴するような遺産や工芸品・美術品。その類の物品を手に入れると本気で喜んだり、シス好みの伝統的な「冷徹の美」を手放しで絶賛し、EPⅢ小説版によれば、髑髏を思わせるヴェイダーの意匠は趣味だったりしている。



【来歴】

◆過去

彼がシスの道に入った詳しい経緯は不明だが、本人曰くダース・プレイガスという暗黒卿に師事していたらしい。
プレイガスはミディ・クロリアンを操ることで生命を創り出したり、ついには死から逃れる術をも修めたという。
しかし、彼は修めた知識の保全を重視し、弟子であるシディアスに自身が得たシスの知識の全てを教えてしまう。
そのため、必要な知識は得た為に「師はもう用済み」と判断したシディアスに寝込みを襲われ殺害されてしまう。

 

ただし、シディアスの過去に関しては不明な点が数多くあり、上記の出来事は全てシディアス自身の口から語られたものにすぎない。(即ち、アナキンを誘惑するために誇張している、もしくは全て真っ赤な偽りである可能性も否定できない。)













以下ネタバレ













俗名はシーヴ・パルパティーン(Sheev Palpatine)。惑星ナブー代表の銀河共和国元老院議員にして、後の銀河共和国最後の元老院最高議長である。
彼は元老院議員パルパティーンとして活動する裏で、暗黒卿ダース・シディアスとして銀河系支配のために策をめぐらしていた。

 

旧三部作当時から「元老院議員パルパティーンだった」とは裏設定で定められていた(一部小説作品でも触れられることがあった)が、
皇帝となる以前が描かれたのは新三部作で、かつパルパティーン=シディアス卿と確定するのはEP3後半だった。
しかし一部の読者は新三部作初期から察していたようである。
というかエピソードⅠのパンフレットが「後に銀河皇帝となる」とネタバレしていた。



◆エピソードⅠ以前

 

今ではレジェンズとなっている小説「ダース・プレイガス」においては、17歳の少年期にプレイガスに見出された、という設定である。

 

代々惑星ナブーの政治家だったパルパティーン家に生まれた彼は、幼い頃から非常に知性が高いだけでなく強大なフォースの力が自分の内にあると自覚していた。年に不相応な程に知的で力を秘めた彼は、広い世界で自分の力を発揮することを渇望する開国主義者になり、その野心は「銀河を支配出来るか試したい」と願う程に大きく育った。

 

しかし、当時のナブーは鎖国状態。鉱脈に膨大なプラズマ資源を秘めていたが、保守派の政治家達は他の惑星や共同体に搾取されることを警戒しており、パルパティーンの父であるコシンガもその一人だった。
政治一家の息子としてフォースの力を隠すだけでなく、自分の欲求と異なる鎖国主義の国で生きることにパルパティーンは強い欲求不満を抱き、それが噴出して非行に走り補導される。そんな事態もしばしば起こった。
コシンガはそんな息子の政治的思想の対立だけでなく、特殊な力とそれが由来の優越意識と野心から来る暴力性にも気付いており、息子を矯正しようとして隔離的な教育環境に身を置かせていた。
だが、それは自由主義のパルパティーンに対しては逆効果。
自分の家族はパルパティーン家として成すべきことを成していないばかりか自分を束縛してくる、という不平不満は憎悪にまで育ってしまった。
プレイガスと出会ったのはその頃である。

 

プレイガスが表向きの立場である投資家ヒーゴ・ダマスクとして、プラズマ資源利権獲得の為にナブーの開国派と協議する目的でナブーを訪れた際に、プレイガスとパルパティーンは出会った。
プレイガスは当初、鎖国派議員の息子をスパイとして利用出来るか判断するべくパルパティーンに接触したが、自分が暗黒卿の弟子に求める資質をパルパティーンが備えていることを見抜いて魅入られた。

 

プレイガスは火に油を注ぐように、パルパティーンに対して目的を成す上で暴力の有用さについて説き、同時にプレイガスを警戒したコシンガが息子に対する束縛を更に強めるように誘導。
プレイガスが狙った通り、我慢の限界を超える抑圧によってパルパティーンは己がフォースと破壊衝動を思うままに発揮。勢いに任せて自分の家族を皆殺しにしてしまった。

 

聡いパルパティーンはすぐにプレイガスに仕向けられたと気付いたが、復讐心は湧かなかった*5
むしろ、望むままに己の力を振るい支配者となれるか挑戦したいと願い、プレイガスに師事することを決意した。
こうして彼はシディアスという真の名を賜った。

 

その後は、家族を惨殺した本性と所業の隠蔽に専念して、家族を事故で亡くした悲劇の少年として遺産を全て相続。
家族を失った喪失感から放蕩癖がついたと見せかけて偶に辺境へとシスの修行に出かける傍ら、故郷ナブーではパルパティーン家の当主としての地盤を固める活動に奔走する二重生活が始まった。





プレイガスを殺害しシス・マスターとなったシディアスは、具体的な時期はハッキリしないが*6、シス・アプレンティス……すなわち弟子探しに着手した。
初めの弟子候補として、暗黒面のフォースに関する独自の技術体系を持つナイトシスターの長であるマザー・タルジンに接触。
両者は知恵と力を提供し合う関係にあり、ダソミアの魔術やシスの技術を共有することで暗黒面への知見を深めていった。いずれはタルジンを弟子にしてシスのより深い領域の知見も与えるという約束であったが、タルジンの長男であるモールの方が弟子とするのに好都合と目星をつけたシディアスは約束を破ってモールを誘拐しタルジンの元から去った。
以後ダース・モールを弟子として育て上げる傍ら、銀河系支配に向けての綿密な計画を進め始める。

 

なお、計画の破綻(=ジェダイにシスの生存が露呈すること)を防ぐためモールはジェダイとの接触を禁止されており、シディアスは力を振るえないことに不満を募らせるモールの血の気の多さを抑える為に頭を悩ませることもあった。
そのためモールのガス抜きと政敵の排除を兼ねて、犯罪勢力およびそこに生け捕りにされオークションに出されたジェダイを始末させるなど、水面下で確実に計画を進めていた。



エピソードⅠ ファントム・メナス

まず、通商連合のヌート・ガンレイ総督を操り、貿易関税を口実として自らが代表を務める惑星ナブーを武力によって封鎖、制圧させる。
そして、ナブーの君主であるアミダラ女王に元老院の政治腐敗*7を直視させ、
通商連合を打倒しナブーの民と文化を守るためには官僚の傀儡となっている現在の最高議長フィニウス・ヴァローラムを廃し、清廉で力のある人物を最高議長の座に就かせるべきだと説いた。

 

パルパティーンの思惑通り、最高議長ヴァローラムはアミダラが提出した不信任案によって失脚。
彼の失脚の原因となった親族による彼への不正献金疑惑も、もちろんパルパティーンが裏で手をまわした工作によって仕向けられ露呈したものである。
パルパティーンは、周囲にはヴァローラムの良き友人であり支持者であったが裏切られたのだという顔を崩さずあくまで謙虚な態度のまま、ヴァローラムに関する不信を撒いて自分へ票が集まるように巧みに工作を重ねていた。
その後、パルパティーンは次期最高議長候補として自ら選挙に出馬し(無論多くの人々からの推薦を受けたという体裁で)、
ナブー閉鎖やヴァローラムの件に対する同情票を集める形で最高議長の座に就任する。

 

ただEP1作中ではよく読みを外している。
冒頭でいきなり「最高議長がジェダイを特使に派遣するとは予想外だった」と驚いたのをはじめ、脱出したアミダラ捜索に出したモールが護衛のジェダイに振り切られたり、アミダラのナブー帰還後の動向の意図が読めなかったり、彼女がグンガンと同盟したことを正面決戦の構えと早合点して「全滅させろ」とガンレイ総督に総攻撃命令を出して陽動にかかったり、「ジェダイなど敵ではない」と確信していたモールを倒されたりと、意外と策略がうまく行っていない。
のちにモールが復活した際も「あれで生きているとは思わなかった」とこぼしており、EP1の彼は「すべて思い通りに運んだ」わけではなかったようである*8



エピソードⅡ クローンの攻撃

最高議長に就任し、共和国の最高権力を手にしたパルパティーンの次なる目的は、この権力をさらに強めることであった。
概ね計画通りに事が進んでいたものの、彼が1人前のシスに成長したと太鼓判を押したダース・モールが予想外の死を迎えたため、計画にいくらか修正が必要になった。

 

そのために、まずは戦死した とシディアスも誤認していたダース・モールに代わる新たな駒として、かつて高名なジェダイの騎士であったドゥークー伯爵と接触する。
ドゥークーは政治腐敗が進む共和国と、従来の戒律に縛られるあまりそれに迎合・静観するジェダイに失望してジェダイ騎士団を去っており、ジェダイへのこだわりがない状態であった。
また、彼は昔からの因縁でフォースの暗黒面に関しても独自の研究を行っており、その意味でもシスに転向させるのは容易だった。

 

それにドゥークーはフォースの技術もライトセーバーの剣術も卓絶しており、加えて人当たりの良さと品格、ジェダイ時代の人脈を活かして交渉術にも長けており、高い戦略的な能力を持っていた。
そうした性格や個人レベルの能力に加えて、故郷の惑星セレノーの伯爵になった彼は豊富な財力まで備えており、パルパティーンにとってあらゆる点で利用価値がある存在だった。その時点では。

 

かくしてシディアスは「長い付き合いの政治家」としてではなく「シスの暗黒卿」としてドゥークーと接触、長い議論の果て、ついにドゥークーをシスの弟子となることに合意させる。
パルパティーンは彼にダース・ティラナスの法名を与え、腐敗した共和国からの脱退を訴える分離主義運動の盟主となることを指示。
ドゥークーは自身が持つカリスマや財産、人脈や交渉術を活用して多くの惑星や大企業に共和国からの脱退を表明させ、独立星系連合を結成。
一方でドゥークーのかつての友人であったジェダイの騎士、サイフォ=ディアスを唆し、ジェダイ評議会や共和国には秘密裏にクローン兵による軍隊を発注させる。

 

さらにその後、パルパティーンはクローン軍団の発注プロジェクトを乗っ取り、かつドゥークーの忠誠心を試すべく彼にサイフォ=ディアスを殺害させる。

 

ドゥークーの先導によって分離主義運動が活発化し、共和国内に危機感が満ちた時を狙って、パルパティーンはジェダイがクローン軍団の存在を知るように仕向ける。
独立星系連合に対抗するにはクローン軍団を使わざるを得ない状況を作り出し、
さらにアミダラの代議員だったジャー・ジャー・ビンクスの人の好さを利用して*9、クローン軍団を即座に使えるよう、最高議長に非常時大権を与える動議を提出させる。
動議は満場一致で可決、パルパティーンはさらなる権力を手に入れることに成功する。
パルパティーンは手にした非常時大権をさっそく行使し、共和国の正規軍に組込まれたクローン軍団はドゥークー伯爵が潜伏する惑星ジオノーシスに進軍。
この戦いを皮切りに、銀河共和国と独立星系連合によるクローン戦争が幕を開けた。

 

しかし、銀河系の歴史に残るこの壮大な大戦も、全ては邪悪な暗黒卿の掌の出来事、それも通過点にすぎなかった。
 
悪の美学  闇堕ち
Star Wars  Darth Vader

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