アレックス・キャゼルヌ
登録日:2016/06/14 (火) 21:54:13
更新日:2021/07/20 Tue 11:33:00
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よくまあ、あんなしょうもないゲームに熱中できるもんだ
……しかし、まあ、笑い声のほうが、泣き声よりずっとましではあるがね
アレックス・キャゼルヌは、『銀河英雄伝説』の登場人物。
物語全編に渡って主人公ヤン・ウェンリーとユリアン・ミンツを支え続けた「史上最強のデスクワーカー」である。
CV:キートン山田(石黒版)、川島得愛(Die Neue These)
略歴
※巻数表記は本編10巻構成のものに準拠※
宇宙暦761年5月1日:自由惑星同盟領にて出生(道浦版コミック)
776~780年頃:同盟軍士官学校に入学、卒業。主に後方勤務を行う
783~787年頃:士官学校に事務次長として赴任。ヤンと出会う
788年(外伝・螺旋迷宮):統合作戦本部参事官として、ヤンにアッシュビー元帥暗殺未遂の調査を命じる。階級は中佐
789年2月25日:オルタンス・ミルベールと結婚
794年(外伝・我が往くは星の大海):第6次イゼルローン要塞攻略戦の後方参謀を務める。階級は准将
796年(本編第1巻):統合作戦本部長シトレ元帥の次席副官を務める。階級は少将
同年10月:帝国領侵攻作戦に後方主任参謀として従軍。責任を取らされたシトレ元帥に連座する形で第14補給基地司令官に左遷される
797年1月16日(2巻):イゼルローン要塞指揮官となったヤンに要塞事務監として召還される
798年3月~5月(3巻):ヤンのハイネセン出立に伴い要塞指揮官代理に。第8次イゼルローン攻防戦ではヤン帰還まで指揮を執る
799年1月~2月(5巻):帝国軍の同盟領侵入に伴い、イゼルローン要塞からの撤退作戦を実施。惑星ハイネセン帰着後に中将に昇進
同年2月~5月:辞令が有耶無耶なのを利用してヤン艦隊司令部に勝手に居座り、バーミリオン星域会戦までの戦いを見届ける
同年6月:辞表を却下され後方勤務本部長代理に就任
同年7月25日(6巻):ヤン一党がハイネセンを脱出することを知り、急遽職を捨てて合流
800年1月(7巻):イゼルローン要塞再奪取作戦。要塞事務監に復帰
同年6月(8巻):ヤンの死に伴い、後継者としてユリアンを推挙。以後、彼をサポートする
801年6月(10巻):シヴァ星域会戦。戦闘後、ハイネセンへ出発するユリアン達を見送る
人物
自由惑星同盟軍の軍人であり、軍官僚。物語登場当初は35歳。
キャリアエリートのテクノオフィサーで、補給や事務関連等、後方勤務を主に担当してきた。
OVA版では金色寄りの茶髪の落ち着いた白人男性として描かれてiる。
藤崎竜版コミックでは、オレンジ~赤色のつんつん髪を二つに分け、四角い眼鏡をかけている。35歳にしてはかなり若い。
DNTはフジリュー版から髪色が焦茶になって額を隠し、あと丸眼鏡になった感じ。
官僚とかお役人とかのステレオタイプにありがちな「上にへつらい下には強く当たる」とか「何事も前例重視で旧態依然」とか「自己保身に汲々」とかといった面は全く無い、いい意味で全くエリートらしくない好人物。
ただかなりの毒舌家で上司にもオブラートを平気で外して噛みつくため、(無能な)上層部からの受けは悪い。一方で部下や後輩たちへの面倒見は良く、適切な配慮を行うため、彼を慕う者は多い。
特に士官学校で彼の世話になったヤンとダスティ・アッテンボローは全く頭が上がらず、「キャゼルヌ先輩」と慕って奥さんの飯をタカリにいったり、遠慮なく毒舌をぶつけたり、事務仕事をマルナゲしたり、補給面で無理難題を吹っかけたりしている。2人は先輩を強く慕っているのである。
ヤンの被保護者のユリアンも、亡くなった自分の部下だった男の息子で、施設からヤンの下に送ったこともあって偉く気に入っており、頻繁に娘婿にしようと画策していた(が、後にカリン嬢が現れたときは流石に諦めたようだ)。
「自分だけはまともだと思い込んでいる軍人が揃う」ヤン艦隊では比較的良識人、すなわち「少し常識はずれな軍人」のポジションに位置する。
平気で同僚達と毒の入った愚痴やジョークを叩きあったり、ヤンが平然と会議中に取り出した酒を平然と横取りして回し飲みする同僚に乗っかったり、
艦隊戦では特にやることがないのに戦艦に同乗したり、フェザーン商人からの軍資金の借金を「借りてしまえばこちらのものだ」と言い切ったりと、いろいろと変わっている。
後輩に階級を抜かれたり、指揮下に入ることになっても気にすることのない、よき兄貴分である。
物語後半でヤン一行がハイネセンを脱出する際、即効で家族に荷物をまとめるよう連絡を取り、さりげなく示された後方勤務本部長の椅子を「ふん!」の一言で蹴飛ばしつつ同盟軍を出奔した点にも、その人の好さが現れている。
『銀英伝』刊行当時は、まだ戦術と戦略の区別もつかない、軍事面で素人なオタク層が多数の時代だった。
アレックス・キャゼルヌは彼らに現代戦の一面――補給や後方支援の重要さを教えた名脇役でもある。
家族
ヤン艦隊では珍しい妻帯者。妻のオルタンス(旧姓ミルベール)との間に姉妹を設けている。
オルタンス・キャゼルヌ
「あなたが大きくなったとき、男の人に、わたしはあのことを知ってるわよ、と言っておやりなさい。
みんなかならずぎくりとすることでしょう。これが母さんの予言よ」
「あのな、おい……」
「今日の夕食は、チーズ・フォンデュですよ。ガーリック・ブレッドとオニオン・サラダをそえますからね。
お酒はビールとワイン、どちらにします?」
「……ワインがいい」
CV:松尾佳子
銀英伝では珍しい女性の主要登場人物。
気配りが出来て料理もうまく、子育ても過分なく行う、「良妻賢母」を絵にかいたような男の理想とする嫁さん。
ただし、根っこはアレックス以上の弁論スキルを持つ銀英伝最強の毒舌キャラ。
そして、ある意味ではヤン以上の、これから先の展開を見通すことが出来る「預言」の力を持っている。
イゼルローンの支配者たるアレックスも彼女には頭が上がらないため、「イゼルローンの白い魔女」の異名で呼ばれる。
彼女の登場場面は決して多くはないが、その度にアレックスを始め、ヤンやフレデリカ、ユリアンら、多くの登場人物の力となり、その行動を支えてきた。
「たまにはコニャックの一本もさげてこい。なんだ、女房の好物ばかりもってきおって」
「だって、どうせ媚をうるなら、実力者にうったほうが効率的ですからね。料理をつくってくださるのは奥さんでしょう」
「視野の狭いやつだ。料理の材料費をだしているのはおれだぞ。表面どう見えても真の権力を握っているのは……」
「やはり奥さんでしょ」
シャルロット・フィリス・キャゼルヌ
「ごきげんよう、ヤン小父ちゃま。フレデリカお姉ちゃま」
「なんで僕は小父ちゃまで、君はお姉ちゃまなんだ」
「あなた私が小母ちゃまとよばれて嬉しいんですか!」
CV:天野由梨
長女。OVA版では金髪の母親似の少女として描かれている。
すくすくと育ったとても良い子で、ユリアンやカリンらにもよく懐いている。
下の娘
次女。OVA版では茶髪の父親似の幼女として描かれている。銀英伝で最も有名な名無しキャラ。
年少なのであまり出番は多くない。父親の負け惜しみをポカンとして聞くシーンが印象的。
以下は田中先生へのインタビューより。
――そういえば、次女の名前などは「シャルロット・フィリスの妹」で終わりましたしね。
田中:「ウルトラの母」や「バカボンのパパ」といい勝負ですね(笑)。
ま、オルタンスさんのほうは読者の要望に応えて名前を出しましたんで、こっちは出してやらない、という(笑)。
――いいんでしょうか(笑)。
能力
アニメや漫画ではどうしても映えないので描写を省かれたり、あるいは「後方にふんぞり返って命令だけをよこす傲慢or臆病な人物」の無能さを引き立てる地位として使われ、その結果ヲタクから軽視されがちになる「後方勤務」「事務処理」である。
実際の軍組織ではこれこそが最大の肝となり、これが出来ない軍は戦う前に負けているといっても過言ではない。
例えば100人の歩兵達に、5日以内に使える武器を配らないといけないとする。
武器はどれを選定するか? 銃とナイフを100づつの在庫を探して、自分のとこになければ他所から借りるか急遽メーカーに発注しなければならない。
それらをどうやって運ぶ? 空輸か陸か海か、そもそも自分でやるか民間に委託するのか。弾はどうする?
届けたとしてどこにどうやって保管する?どこでどうやって100人に受け渡す?
服は?飯は?包帯や薬は?その100人が怪我して後方へ下げるときの補充兵は?
それらを決めた後、調達・管理・輸送・保管・維持にかかる総費用を見積もり決済しなければいけない。
そして、それ以後もメンテナンスパーツや弾薬を安定して供給できるルートを確保できるか?
――素人知恵でもざっとこれくらいの懸念事項が浮かんでくる(もちろん実際にはもっと多い)。そして実際の部隊は1000人以上の規模がザラである。
いささか失礼な極論ではあるが、後方勤務を主体とする事務官、とりわけ複数の事務官を統括し、実際に部隊を動かせる幹部級の事務官は、当人の才覚も必要となってくる分、歩兵やパイロットより遥かに育成が難しいのである。
(別サイトだが、興味がある人はニコニコ大百科の「兵站」のページを覗いてみるといい。発狂したくなること請け合いである)
キャゼルヌはこうした兵站マネジメント能力が非常に高い。士官学校時代に書いた組織工学に関する論文が大企業の経営陣に認められてスカウトされかけ、軍から止められたという逸話もある。
イゼルローン要塞事務監という事実上の市長職に就いていた時には、施設、装備、通信、生産、流通という、要塞のハードウェアとソフトウェア両面を有機的に機能させるという大役を見事に果たしていた。1週間ほど急性胃炎で病欠した際には事務全般が前例処理に終始し、「無能!非効率!お役所仕事!」という苦情が殺到したという。
司令官席で茶を飲んだりふんぞり返って昼寝したり読書したりしているヤンの傍で、黙々と事務仕事をするアレックスとフレデリカの姿は一種の名物となっていた。
第7次イゼルローン要塞攻略戦では、ヤンの頼みを受けて、以前に鹵獲した帝国軍艦と帝国軍の軍服200着を3日で調達している。(普通に考えたら2週間から1ヶ月はかかる)
イゼルローン要塞脱出作戦では506万8224人を脱出させるべく、要塞中から輸送艦をかき集めてきたが、500隻程をアッテンボローの囮作戦に勝手に使われて喪失し、責任者のヤンにぶちギレた(OVAだと立案者のアッテンは指令室で吼えるアレックスを見た瞬間回れ右、逃亡)。最後は民間人を軍艦に押し込んで退避させる非常手段をとり、大過なく終了させている。
ヤン艦隊が同盟軍から離反した後も、エル・ファシル革命政府との物資面での仲介を担当し、イゼルローン共和政府樹立後は一国の大臣的な立場として敏腕を振るった。
この頃になると「おい、金がないぞ」と頻繁にヤンの尻を叩き、人気取り(スポンサー集め)のための人身御供(革命政府の英雄)になれと暗に強要していた。
地味な裏方故にどうしても目立たないが、その実『銀英伝』屈指の「内政チート」。
銀英伝世界では戦時中と言うのもあって戦果さえ挙げればホイホイ昇進できるのだが、ほぼ後方勤務だけしかしていないのに33歳で准将まで昇進している辺り、異常とも言える実力が覗える。
恐らく、軍上層部では将来の後方勤務部長候補として本腰を入れて育成する決定が出ていたのだろう。
一方、戦闘指揮官としての技量は低い。ヤンに代理をまかされた第八次イゼルローン要塞攻防戦ではほぼ完全に防戦一方だった。
ただ、本人もそれを自覚、現実を直視しておりしておりパトリチェフはヤン提督にすぐ戻ってきてもらわないと、というのを進んで快諾し(本来なら「俺では不安か?」と不機嫌になるのが普通)ムライやメルカッツ提督、シェーンコップら「戦いの専門家」に遠慮なく意見を求め、指揮権を委譲したりしている。
ヤンの死後も、事務方に偏りすぎている自分はリーダーに相応しくないことを感じていたのか、積極的にユリアンを擁立した。
名言
「とんだ贅沢だ。30歳をすぎて独身だなんて、許しがたい反社会的行為だと思わんか」
「生涯、独身で社会に貢献した人物はいくらでもいますよ。4、500人リストアップしてみましょうか」
「おれは、家庭をもったうえに社会に貢献した人物を、もっと多く知っているよ」
ユリアンの昇進祝いとして、オルタンスの料理をご馳走になりにきたヤンとユリアン。
シャルロットに手をひかれるユリアンを見ながら、アレックスとヤンの毒舌劇場が始まる。
「ひとつまじめな話をしたいんだがな、ヤン」
「……ヤン、お前さんは組織人としては保身に無関心すぎる。そいつはこの際、美点ではなくて欠点だぞ」
真面目にヤンの身を案ずるアレックス。良き先輩である。
「子供は完全な親を見ながら育ったりするものじゃないさ。むしろ、不完全な親を反面教師にして、子供は自主独立の精神を養うんだ。わかるかね、提督閣下」
「ずいぶんとひどいことを言われているのはわかりますよ」
「言われたくなかったら、どうだ、完全に近づけるため結婚したら?」
ユリアンの昇進祝いでは他にもさまざまな毒舌が飛び出すので必見。
「浮気するなよ。シャルロットが泣くぞ」
フェザーンの高等弁務官事務所へ異動が決まり、イゼルローン要塞の親しい人々に挨拶をするユリアン。
アレックスは笑いながらこう声をかけた。
「こいつはおせっかいと承知で言うんだがな、恋愛にかぎらず、人の心のメカニズムは数字じゃとけない。方程式などたちやしないんだ。
お前さんの場合はあこがれですむ段階だから、まあ、きれいな想いというやつで消化される。
ところがもっと深刻になると、ひとつのものにたいする愛情が、ほかのものへの愛情も尊敬も失わせてしまう。
善悪の問題じゃない。どうしようもなく、そうなってしまうんだ。」
バーミリオン星域会戦を前に結ばれたヤンとフレデリカ。アレックスは失恋の感情を引きずるユリアンを慰める。
こうした大人の対応が出来る所こそが、キャゼルヌ先輩が深く愛される理由であろう。
「そうだ、勿論いっしょに行くさ。俺がいなくてヤンのやつがやっていけるわけがないだろう。いいな。じゃ」
同盟軍本部にてヤン暗殺未遂事件の顛末を知ったアレックスは、即座にオルタンスに連絡を取り、ハイネセンを脱出するヤン一党に家族まとめて合流する決意を語る。
彼はその場で同盟軍ワッペンと階級章を剥ぎ取り、家族の元へ走りだした……
「キャゼルヌ中将!待ちたまえ! ヤン・ウェンリーと一緒に行くというのは本当か?
どうだ、後方勤務本部長代理、なんなら“代理”を外してもいいと思っているんだがな、考えなおしてくれんか」
「……」
「ふん」
「キャ、キャゼルヌ中将!」
……走り出したところを、独断で動いたあげくヤン暗殺事件の収拾に失敗して後のないロックウェル本部長が呼び止める。
アレックスの返答は一言だけだったが、その眼には、ロックウェルをひるませるには十分な敵意がこもっていた。
OVAでは宇宙港へ駆けつけるキャゼルヌ一家のカットが描かれているが、タクシーから降りてブルームハルトに敬礼をするシャルロットと妹がめちゃくちゃ可愛い。
「なあ、ユリアン、もともとヤンの奴は順当にいけばお前さんより十五年早く死ぬ予定になっていたんだ。
だがなあ、ヤンはおれより六歳若かったんだぜ。おれがあいつを送らなきゃならないなんて、順序が逆じゃないか」
ヤンの亡骸と共にイゼルローンに戻ったユリアンに対してこう語った直後、アレックスは嗚咽する。
旧同盟軍で最高級の軍官僚といわれた男が、このていどのことしか言えないという事実は、改めてユリアンを沈ませるのであった。
「シェーンコップがね。あの男でも死ぬのかねぇ」
シヴァ星域会戦後、発表された戦死者の中にシェーンコップの名があるのを聞いて。キャゼルヌにとっても、不良中年は大切な仲間であり同志であるのが伺える。
《これは、不幸の留守番電話です》
《これを見た人は、直ちに50件の家へ電話してください》
《実行した人は、更に不幸になれます。あしからず》
外伝・螺旋迷宮にて。あからさまにヤンを狙い撃ちしたメッセージに、ヤンは苦笑するしかなかった。
キャゼルヌ中将の不幸の留守番電話を聞いた方々は、追記・修正をお願いいたします。
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出典検索?: "アレックス・キャゼルヌ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL(2018年4月)
アレックス・キャゼルヌ(Alex Caselnes)は、田中芳樹のSF小説(スペース・オペラ)『銀河英雄伝説』の登場人物。自由惑星同盟側の主要人物。
作中での呼称は「キャゼルヌ」。
Contents
1 概要
2 略歴
3 能力
4 人柄
5 家族
6 演じた人物
7 関連項目
概要[edit source]
同盟軍の後方勤務で才幹を発揮する軍事務(主計)の天才。33歳で准将となるなど、将来、後方部門のトップになると目されており、イゼルローンがヤン艦隊の拠点となるとイゼルローン要塞司令官としてヤン艦隊の後方業務を一手に引き受け、兵站や物流を完璧に制する。後輩であるヤンとは、彼が士官学校の学生だった頃からの縁で、シトレと並んで最も初期から彼を評価していた人物であり、ユリアンやフレデリカをヤンに引き合わせたのもキャゼルヌの手配による。一方プライベートも充実した良き家庭人であり、ヤンとは家族ぐるみで付き合いがある。
本編での初登場はアスターテ会戦後に、ハイネセンに帰還したヤンとの会話(第1巻)。本伝以前を扱った外伝での登場も多く、時系列上の初登場は外伝4巻『螺旋迷宮』である(当時は27歳で統合作戦本部参事官、階級は中佐)。
略歴[edit source]
宇宙暦761年5月1日生まれ(コミック版のデータより)。士官学校を卒業して任官後は、主に後方勤務に従事。ヤン・ウェンリーが士官学校在学時、事務次長として同校に赴任したことがきっかけで知り合い、「心温まる交流(ヤンから話を聞いたユリアンの述懐より。多分に皮肉を込めた表現であると推測される)」の末、互いに得がたい友人となる。 銀河英雄伝説列伝1では士官学校の経理研究科を卒業後、少尉任官し後方勤務本部に1年、中尉時にタッシリ星系補給基地に異動し3年、大尉時に士官学校事務次長に就任、 1年後ハイネセンポリス憲兵隊(少佐時)に所属していた頃のエピソード『士官学校生の恋』のある登場人物の噂話をしていた所、その人物の言動に違和感を抱いた当時交際中のオルタンスからの意見で素性を調査し、背後にいた反政府組織をあぶり出し検挙した。 宇宙暦788年(ヤンがエル・ファシルの英雄になった年)、27歳の時点では中佐/統合作戦本部で参事官を務めていた。宇宙暦794年、33歳の時点では准将/第6次イゼルローン要塞攻略戦の後方参謀を務めている。宇宙暦796年、35歳の時点では少将/統合作戦本部長シドニー・シトレ元帥の次席副官を務めている。
同年の同盟軍の帝国領侵攻では後方主任参謀として補給に従事した。この侵攻が失敗し、上司のシトレの引退に連座する形で左遷され、第14補給基地司令官となってハイネセンを去ったが、後輩でイゼルローン要塞の司令官及び駐留艦隊司令官となったヤン・ウェンリーの要請で、797年1月16日、要塞事務監(事実上のイゼルローンの市長に相当する立場)としてイゼルローンに赴任した(この日付は原作小説版のもの。アニメ版では2月19日に催行された捕虜交換後にハイネセンに戻ったヤンに、ビュコックが、近々キャゼルヌを要塞勤務に出来ると話しており、実際に赴任してきたのは4月10日の惑星シャンプールでの蜂起と13日のハイネセンでのクーデター発生の間として描かれている)。その後、クーデター鎮圧の為ヤン艦隊がイゼルローンから離れている時に要塞の司令官臨時代理を務めていたのを初め、要塞の実務全般の責任者として任務に従事した。
ラグナロック作戦でイゼルローン要塞から撤退してハイネセンに帰着後に中将となったが、本来は任務では無いヤン艦隊の運営担当にそのまま居残り、バーミリオン星域会戦にも参加した。バーラトの和約後に辞表を提出したが却下され、後方勤務本部長代理に就任した。
799年7月に発生したヤンの逮捕に関する一連の騒動には関知出来なかったが、7月25日にヤン一党がハイネセンを脱出するに際して連絡を取ってきた時、即座に同行する事を決め、ロックウェル統合作戦本部長の慰留と「代理の字を外す」という申し出を「ふん!」の一言で拒絶してそのままヤンと合流した。以降は常にヤンと行動を供にし、ヤン艦隊やイゼルローン要塞の補給や補充を担当。ヤンの死後もユリアンを軍事司令官代理擁立し、シヴァ星域会戦終結まで任務を続けた。
能力[edit source]
後方勤務と事務処理のエキスパートとして、ヤン艦隊及びイゼルローン要塞の運営面を一手に引き受けていた。彼がくしゃみをすればイゼルローン全体が発熱する、と言われたほどで、実際に1週間ほど病欠した際は事務全般がかなり滞り、苦情が殺到したという。士官学校時代に書いた組織工学に関する論文が大企業の経営陣に認められてスカウトされたという経歴を持っている。副官フレデリカ・グリーンヒルや参謀長ムライと並んで、デスクワークが苦手なヤンにとっては欠かすことのできない人材といえる。
ラグナロック作戦では、ネーミングのセンス以外は批判が無かった「箱舟計画(アニメ版では箱舟作戦)」によって、イゼルローン要塞の506万8224人が、ロイエンタールが指揮する帝国軍の脅威にさらされながらも脱出に成功した。なお、この時は艦船が足りなかった為、戦闘艦艇にも民間人を分乗させるという、よく言えば柔軟だが悪く言えば乱暴な計画を考えた。ユリシーズに600人の乳児と母親及び医者と看護婦が乗ったエピソードはこの時のものである。
本人も自覚しているが、戦闘指揮官としては頼りない人物で、ヤンが査問会に呼び出されてイゼルローンを留守にしていた間に発生したガイエスブルク要塞戦では、司令官代理として指揮を執るものの、常に帝国軍の後手に回ってしまっていた。後方支援などのデスクワークでは極めて有能だが、前線指揮官には不向きという意味で、外伝に登場したセレブレッゼ中将と似ている。ただし、シェーンコップやメルカッツといった戦闘の専門家との関係は良好かつ尊重されており、自分の不得手を自覚した上で彼ら専門家の能力に衒いなく頼る等、状況判断能力や柔軟性などの点ではセレブレッゼとはまるで異なる。軍官僚としてはエリートと言ってよいキャリアの持ち主でありながら、それを鼻にかけることが全くなく、下位者や年少者の言にもよく耳を傾ける度量の広さは、周囲の一致して認めるところである。
なお、後方勤務と事務処理のエキスパートだけあって、後方から最前線に展開する部隊へ必要な物資を調達し、送り届けることについては紛れもないプロであるが、劇中では一度だけ、同盟軍の帝国領侵攻時には補給の手配に苦戦を余儀なくされる姿が描かれている。これは、同盟と帝国の軍事衝突が長きに渡ってイゼルローン回廊(特にイゼルローン要塞の完成後は同要塞から回廊の同盟側出口にかけての宙域)において発生しており、回廊を越えた帝国領への侵攻自体が先例の無い軍事作戦であったことからキャゼルヌにとっても手に余る状況であり、しかも発案者であるフォークの立案した作戦計画自体が稚拙なもので、加えて投入戦力も兵力3千万人という大軍である関係で必要な物資の量も膨大であったことが事をさらに困難にした。そして一旦作戦が開始されると、オーベルシュタインが提案した焦土作戦をラインハルトが認可し実行したことから、同盟軍は食料といった物資不足に陥っていた5千万人もの帝国国民に食料を要求され、補給線が伸びきった状態では食料供給も困難となったため、キャゼルヌはイゼルローン要塞から補給艦隊を派遣するが、その司令官のスコットに帝国軍から攻撃される危険性を注意するものの、当のスコットがこれを軽視した果てに補給艦隊がキルヒアイス艦隊に攻撃されて壊滅したため、キャゼルヌの手腕を通り越した形で最前線での物資不足を解決する術は失われてしまった。
PCゲーム版においてもその能力は反映され、同盟軍と帝国軍の将官の中でも屈指の運営能力が設定されている。
人柄[edit source]
能力・経歴はまさに「エリート官僚」そのものだが、その言葉の持つ負のニュアンスとは全く無縁な人物。毒舌家で上司にも平気で噛み付く為、同盟軍上層部では煙たがられたが、逆に部下や後輩の面倒見が良く気さくに振舞うため、後輩のヤンやアッテンボローの信頼も厚かった。また、ユリアンがフレデリカに密かに想いを寄せていたことに気付いており、ヤンとフレデリカの結婚が決まった折、一人傷心を抱えるユリアンをさりげなく元気付け、また壮年の男性としてユリアンに道を説いている。ヤンやアッテンボローからは「先輩」と呼ばれているが、一緒に学んだことは無く、略歴の項にあるように、ヤンたちが士官学校在籍中に同校の事務監をしていて、知己を得ている。
なお、トラバース法に基づきユリアン・ミンツをヤンの被保護者として斡旋し、第13艦隊(通称「ヤン艦隊」)創設の際にヤンの副官としてフレデリカ・グリーンヒルを推薦したのはいずれも彼のした事であり(OVA版ではフレデリカの父親ドワイト・グリーンヒル総参謀長の推薦)、その後のヤンの運命に大きな影響を与えている事は間違いない。
21世紀アニメ版『Die Neue These』では20世紀アニメ版に比べると同盟側の男性主要キャラクターが全体的に若々しくデザインされていることを反映し、彼もまたヤンとの年齢差をあまり感じさせない風貌になっている。丸い縁無し眼鏡をかけている。
家族[edit source]
宇宙暦789年2月25日、大尉時代に知り合った上官の娘オルタンス・ミルベール嬢と結婚(結婚したのはキャゼルヌが中佐の時)。2女をもうける。当初は上官と部下の関係が抜けきらず、妻にはキャゼルヌ大尉と呼ばれていた。本編当時は(恐妻家に近い)愛妻家で家庭人の顔を持ち、長女のシャルロット・フィリスをユリアンと結婚させるという希望を持っていたが、これは後にシェーンコップの娘であるカーテローゼ・フォン・クロイツェルが出現したため実現がほぼ不可能となった(どちらが勝ってもヤン家には素敵な親戚ができる、とフレデリカにからかわれてヤンが深刻に考え込んでしまったのは余談である)。軍需物資の手配に関しては申し分ない能力を発揮したが、娘の夫だけは手配し損ねた模様である。なお、次女のファースト・ネームは物語終了まで登場しなかった。
ユリアンに語ったところによれば、彼の信条は“家内安全”ということである。
演じた人物[edit source]
アニメ
キートン山田 - OVA(20世紀アニメ版)
川島得愛 - 『Die Neue These』 (21世紀アニメ版)
v•d•eNotable soldiers of the Alliance/EFRG/IR
Flag officers al-Salem • Sandle Alarcon • Appleton • Bruce Ashbey • Dusty Attemborough • Baunsgoal • Vittorio di Bertini • Alexandre Bewcock • Birolinen • Borodin • Bronze • Ralph Carlsen • Alex Cazerne • Sinclair Cerebrese • Chen • Chung Wu-Cheng • Connally • John Drinker Cope • Dawson • Desch • Fang Tchewling • Edwin Fischer • Dwight Greenhill • Hawood • Frederick Jasper • Kaltenborn • Konev • Kubersly • Lefebvre • Legrange • Lin Pao • Lassalle Lobos • Arthur Lynch • Mascagni • Matthewson • Willibald Joachim von Merkatz • Montcharmand • Moore • Lionel Morton • Murai • Nguyen Van Huu • Paetta • Pastolle • Fyodor Patrichev • Rockwell • Alfred Rosas • Walter von Schönkopf • Martin Otto von Siegmeister • Sidney Sithole • Stokes • Yūsuf Topparol • Ulanhu • Ramsay Wartz • Wallace Warwick • Yang Wen-li
Senior officers Hamdi Ashur • Bagdash • Rainer Blumhardt • Asadora Chartian • Christian • Aubry Coquelin • Barnaby Costea • Desch • Ebense • Emerson • Andrew Falk • Fields • Frederica Greenhill Yang • Jawaf • Jennings • Ivan Konev • Lao • Jean Robert Lapp • Kasper Linz • Marino • Nilsson • Pfeifer • Olivier Poplin • Bernhard von Schneider • Soun Soulszzcuaritter • Veigh • Whitty • Malcolm Wideborn
Junior officers Caldwell • Sále Aziz Cheikly • Karl von der Decken • Warren Hughes • Julian Mintz • Franz Valleymunt
Lower ranks Chan Tao • Ed • Hazuki • Katerose von Kreutzer • Louis Machungo • Simon
Alex Cazerne
Thumb
Rear Admiral Cazerne (798 UC)
Gender: Male
Affiliation: Free Planets Alliance
Rank: Vice admiral
Spouse(s): Hortense Cazerne
Children: Charlotte Phyllis Cazerne,
unnamed daughter
Played by: Keaton Yamada
Alex Cazerne (Japanese: アレックス・キャゼルヌ) was an Alliance vice admiral of logistics who served as a staff officer and close friend of Fleet Admiral Yang Wen-li. Regarded as being an efficient bureaucrat, he was an expert in administrative and logistical work, essentially being the chief of logistics for the Yang Fleet and Iserlohn Fortress.
Contents [hide]
1 Early career
2 Iserlohn
3 Postwar government
4 El Facil and Iserlohn again
5 Appendices
5.1 Appearances
5.2 Name variations
5.3 Memorable quotes
Early career
Cazerne with Lt Commander Yang Wen-li (788 UC)
Not much is known about Alex Cazerne's early career besides the fact that in 788 UC he held the rank of commander and was the superior of the young officer Yang Wen-li. That year, he assigned Yang — who recently gained the status as the Hero of El Facil — to research and investigate the Tuesday Correspondence, a series of letters mailed to the Alliance military over a number of months that claimed that the famous war hero Bruce Ashbey had been murdered instead of dying in battle, as was commonly thought. Yang was later transferred to a prisoner of war camp on Econia, where he met with some veterans and learned more about Ashbey's last battle, the Second Battle of Tiamat. Cazerne later arranged Yang's transfer back to Heinessen where Yang shared his results with his superior and their friend, fellow officer Dusty Attenborough. (SL: 'The Hero's New Assignment', 'The Hero of Econia', 'The End of One Journey', 'The Journey in Search of the Exit')
Cazerne fell in love with and married Hortense Milbelle, the daughter of an Alliance soldeir who had been Cazerne's superior, in February 789 UC. They went on to have two daughters. It was also Cazerne who arranged for Julian Mintz, an orphan, to be assigned to Yang as his adopted son. He apparently planned with Yang to get Julian to marry his daughter, Charlotte Phyllis Cazerne, in the future. (LOGH: 'New Trends', 'One Narrow Thread', 'The Arrow Is Released'; SL: 'The End of One Journey', 'The Journey in Search of the Exit')
Several years later, by the spring of 796 UC, Cazerne was a flag officer and assisted Yang Wen-li, commander of the new 13th Fleet formed after the recent Battle of Astarte, in acquiring the Rosen Ritter elite infantry unit for his planned capture of Iserlohn Fortress. After the success of the Seventh Battle of Iserlohn in May of that year, Cazerne was assigned as the chief rear staff officer for the expeditionary force created for the invasion of the Imperial Territory that was decided on by the Alliance government. As such, he was in charge of supplies, having a reputation for being a skilled administrator. But the invasion force ultimately fell for Reinhard von Lohengramm's ploy of using a scorched earth policy to cause a supply shortage and later ambushing the Alliance supply fleet. The Alliance fleets were defeated and suffered more than twenty million casualties, making the invasion a disaster. As the supply chief Cazerne took the blame for the supply shortage and was reassigned to a base on the frontier, though newly promoted Admiral Yang vowed to get him transferred to his post at Iserlohn Fortress as its main administrator. (LOGH: 'Birth of the 13th Fleet', 'The Rosen Ritter', 'Invasion of the Imperial Territory', 'Liberation of the Frontier Zone', 'New Trends')
Iserlohn
In early 797 UC Cazerne had been transferred to Iserlohn Fortress as chief administrator and became part of Yang's command staff. When Admiral Yang and the Iserlohn Garrison Fleet departed to put down rebellions at the outbreak of the Alliance Civil War in March and April of that year, Cazerne was appointed in Yang's place as interim fortress commander in his absence. In the fall of 797 UC it was Cazerne who greeted and accepted the defection of Imperial High Admiral Joachim Willibald von Merkatz in the conclusion of the Imperial Civil War (which had been happening around the same time). Upon Yang's return Cazerne returned to his original duties. (LOGH: 'The Yang Fleet Goes Out', 'Victory for Whose Sake?', 'First Battle')
The Cazerne family held a dinner to celebrate Yang's ward Julian Mintz getting promoted in early 798 UC. While they were there, Rear Admiral Cazerne expressed his concern for Yang's safety and the political ability of Job Trunicht, Supreme Council Chairman, to survive failures. Cazerne believed that Trunicht should have fallen after the Battle of Amritsar or the civil war, but instead his control over the government had grown. He also thought that Trunicht hated Yang and wanted to get rid of him but could not do so as long as the Empire remained a powerful threat to the Alliance. His young commander brushed off the concerns, however, so Cazerne asked Julian Mintz to look after his guardian's safety. As the logistics chief had feared, in March 798 UC the Alliance government issued a summons for Admiral Yang to appear on Heinessen for an inquiry. Having no choice the young admiral departed for the capital aboard a cruiser. Unbeknownst to them, in the Empire, Geiersburg Fortress had been successfully mobilized using warp engines and prepared to enter the Iserlohn Corridor to attack. Cazerne again was appointed in command while Yang was absent. (LOGH: 'One Narrow Thread', 'Lost Things', 'The Inquiry Committee')
Geiersburg entered the Corridor on April 10. In strategy meetings of the fortress command staff at Iserlohn, Cazerne and the others decided that the best policy was to buy time while Yang was away by having a defensive strategy. Walter von Schönkopf later convinced Cazerne to adopt more aggressive measures in response to the attacks coming from Geiersburg and the Imperial fleet that had been brought aboard the smaller fortress. Ultimately they were able to hold out until Yang returned from the inquiry on Heinessen and implemented a plan that destroyed Geiersburg and most of its escorting fleet, saving the Alliance from a potential Imperial invasion in the spring of 798 UC. (LOGH: 'The Inquiry Committee', 'War Without Weapons', 'Fortress vs Fortress', 'The Return')
When the Iserlohn garrison received word of the kidnapping of the young Emperor Erwin Josef II and his defection to the Alliance, as well as the formation of the exiled "Galactic Empire Legitimate Government," Cazerne and the others reacted negatively to the development. When Duke Reinhard von Lohengramm's government in the Empire declared war on the Alliance in response, the supply chief accompanied the Yang Fleet when it abandoned Iserlohn Fortress, being in charge of organizing the evacuation of not only military personnel but the several million civilian family members that were also living there. He was frustrated when Dusty Attenborough implemented a plan against the besieging Imperial Fleet that resulted in the destruction of several hundred transport vessels. In the aftermath Cazerne accompanied Yang during his guerilla campaign against the invading Imperial forces in the Alliance territory, having no official position since departing Iserlohn, and later was present at the historic Battle of Vermillion. (LOGH: 'The Arrow Is Released', 'A Departure', 'Invitation to a Requiem', 'Admiral Yang's Ark Fleet', 'The Darkness Before Dawn', 'Battle After Battle', 'The Battle of Vermilion (Part One)', 'The Battle of Vermilion (Part Two)')
Postwar government
With the fall of the Alliance to the Empire after Vermillion and the resignation of Job Trunicht, Alex Cazerne was among those of Yang's subordinates who chose to remain in the Alliance Fleet in spite of it becoming a client state of Kaiser Reinhard's Empire. Cazerne did take part in the planning of allowing several fighters to escape and to establish a resistance movement that could preserve the Alliance's military strength for future battles, ironically under Admiral Merkatz. He himself held the post of acting secretary of logistics at the joint operations headquarters, although much of the Alliance Fleet had been decommissioned and only the skeletal administrative structure remained. While Yang lived in retirement, the Cazerne family remained in contact with him, living not very far away. (LOGH: 'Sudden Change', 'Long Live the Emperor!', 'After the Ceremony, the Curtain Rises Again...', 'Past, Present, and Future')
When the Lennenkampf affair in the summer of 799 UC resulted in Yang fleeing from Heinessen after escaping from imprisonment by the Alliance authorities, Cazerne abandoned the government of Chairman João Rebelo. Although Admiral Rockwell, joint operations headquarters chief, tried to get Cazerne to stay by promising to remove "acting" from his title of secretary of supply and logistics, he did nothing more than scoff in response and joined Yang's loyalists. (LOGH: 'Blood Running Down the Stairs: Cascade')
El Facil and Iserlohn again
Following Yang and his subordinates' evacuation from Heinessen, they proceeded to Admiral Merkatz's base that they had established in secret after the defeat of the Alliance. This was further complicated by the declaration of independence from the Alliance by the planet El Facil on 13 August 799 UC. In the end, they decided to not go to El Facil right away because Yang believed they did not possess enough military strength to protect the planet from attack. (LOGH: 'Holiday's End', 'Against All Flags')
Appendices
Appearances
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LOGH: (39)
Overture to a New War
SL: (5)
Name variations
Alex Caselnes (Novels)
Alex Cazellnu (LD subtitles)
Alex Caselnes (Japanese fan sources)
Memorable quotes
"Yang, come back alive. This war is too stupid to die in." (LOGH: 'Liberation of the Frontier Zone')
"In fairy tales, it's long been recognized that princes and princesses are always right, while ministers of state are not. But we can't decide justice based on fairy tales." (LOGH: 'The Arrow Is Released')
[show]v•d•eNotable soldiers of the Alliance/EFRG/IR
Categories: Alliance citizens | Soldiers | Iserlohn Republic citizens