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ヤング ブラック・ジャック

2023-11-24 04:36:55 | 薬学
登録日:2017/01/09 Mon 10:46:37
更新日:2022/10/24 Mon 18:29:22
所要時間:約 14 分で読めます

 






彼はなぜ闇医者へと堕ちたのか――――




『ヤング ブラック・ジャック』は、ヤングチャンピオンにて連載されていた漫画作品。
2011年の同名のテレビドラマが放送されているが、内容的には無関係である。
単行本は全16巻。

 

原作:手塚治虫
脚本:田畑由秋
作画:大熊ゆうご
医療監修:後藤伸正
協力:手塚プロダクション

 

以降「原作」と示した場合は原則、手塚治虫氏の『ブラック・ジャック』を指すこととする。



概要

タイトルからわかるとおり、ブラックジャックこと間黒男のヤング時代を描いた物語。
主に彼が医学生であったころが中心であるが、高校生~免許剥奪後すぐのあたりの話も入っている。
数話完結方式で時系列は掲載順に一致しないため、単行本では時系列が巻末にまとめられている。



物語の中心は1968年であり、当時の情勢と絡んだ要素が多い。
当時は高度経済成長の真っ只中でありながらも、米ソ冷戦構造の影響下にあり、安保闘争などが燻っていた時代である。
特にベトナム戦争や東大紛争、学生運動などはこの作品のストーリーとは切り離せない。

 

作画担当の絵柄が個性的であり、単刀直入に言ってしまえば 腐女子向けの絵柄 である。
細めで筋肉質な男性もよく登場し、黒男のサービスシーンやBLを想起させるシーンも多い。
題材が不朽の名作であることもあり、絵柄だけで作品を判断し、駄作扱いする人々がいるのも事実である。

 

しかしストーリーはオリジナル要素をいれつつも、原作の要素も多く取り入れている。
手塚作品におけるスター・システムも取り入れており、 登場人物はすべて何らかの手塚作品にモデルがいる
単行本の巻末にはそのモデルの紹介と解説も乗っており、ブラックジャックだけでない手塚作品への愛も見て取れる。
絵柄は確かに賛否あるが、決して腐人気だけでここまで継続してきたわけではないと断言しておく。
確かな欠点を挙げるなら、医学生前後の話のため ピノコの活躍は絶望的である ことは大きいだろうか。
…と思ったら11巻でついに登場した。




2015年秋にTVアニメが放送された。
作画スタッフにOVA版や03~06年放送の『ブラック・ジャック』に参加した面々が多数おり、
キャラクターデザインは大熊ゆうご氏の絵柄を基にしつつもそちらに近くなっている。
話数や尺の都合で漫画版の要素が大幅にカット、改編された話も存在する。(11、12話の後半部が医学生時代であるなど)
その点の賛否は原作のTVアニメでもちらほら聞かれたため、ある程度は仕方ないだろう。

 

ナレーションや次回予告は、原作アニメのブラックジャック役で知られる大塚明夫氏が担当した。
このことは物語が ブラックジャックの回想 という形で締められることになり、視聴者からの評判は上々であった。
EDも、2枚のトランプが回転しながら登場人物とそのルーツ元を次々と比較してゆく演出が好評であった。

 

……しかし、一番話題になったのは「 ギリギリマンボウチャンス 」などに代表されるOP「I am Just Feeling Alive」の空耳の数々だったり。
またOPのラストカットが 刀を構える百鬼丸似の男とメスを構える間黒男が対峙する というものであり、
到底医者の漫画とは思えないカットに、原作1話をもじって 医者はどこだ!? と言われたりもした。
ついたあだ名は「人切り執刀斉」「見境なき医師団」「るろうに検診」など
こうしたシリアスな笑いどころも、ネタ化に一役買っていたのかもしれない。



■あらすじ

時代は1968年。東大紛争が勃発し、学生運動が激しさを増す中、とある大学の医学部に1人の奇妙な男が在籍していた。
半白の髪、全身に残る無数の傷、傷跡を境に皮膚の色が違う顔面。医師免許を取得するため、勉強に励むその青年の名は、間黒男(はざま くろお)。
その天才的な手腕によって、数々の奇跡を起こすことになる彼は、後にブラック・ジャックと呼ばれる。
恩師の本間丈太郎に憧れ、まっとうな医師になることを志していた間黒男が、無免許医となり莫大な医療費を要求するようになった経緯がここに明かされる。



▲登場人物

 

CV.梅原裕一郎
主人公。ブラックジャックの若かりし時代であり、三流大学である本越大学(通称ポン骨大学)に通う医学生。
かつて爆発事故により重傷を負い、母と自分の治療費のために闇金に手を出し、3億円もの借金を背負っている苦学生。
本間丈太郎に憧れ修行を続けたため、医学生ながらその知識や技術力は非常に高く、時に違法な治療をして金稼ぎもしている。
それでもまだ全うな医者にあこがれている点や、医学生ゆえに立場が弱いのが原作との大きな相違。
精神的に未熟な面も含め、ブラックジャック時代なら一蹴しそうな問題でも大きく心を悩ませる。
しかし数々の経験を経て、徐々にブラックジャックに近くなっていく……。

 

医学以外の知識はからっきしで、そんなものは医学にいらないと強がったが「患者とのコミュニケーションに必要」と論破された。
原作も割とそうだが、若さゆえか表情豊か。時には顔芸も見せる。

 

自身が母の治療のために覚悟をして大金を借りたこともあり、その覚悟が彼の価値観の根幹にある。
このことが、彼が高額請求をして患者の覚悟を試すという行為につながっている。
そのため、決して自身の借金を踏み倒そうとはしないし、
治療費を値切る患者には「治療にはいくら払ってもいいという覚悟は嘘だったのか」と憤慨していた。

 

また、作風ゆえかやたらと脱ぐ。扉絵では特に顕著で、服だけではなくときには皮や肉まで脱ぐこともある。



CV.大塚明夫
間黒男と同一人物だが便宜上別に記載。若いころより眉が太くなり、貫禄がついている。
原作どおり医師免許を剥奪された後は、ボロボロになりながらアメリカをふらついている様子。
あるマフィアのボスの手術を請け負ったらしいが、断片的には語られているもののいまだ全容は明らかではない。
一時は死ぬことも考えたが、自身は母や本間先生に助けられた身であり、自分ひとりで生死は決定できないと悟る。
その後の動向は不明だが、1972年に原作で知られる海のよく見える家を買ったとのこと。

 

アニメでは冒頭や終わり、次回予告をナレーションとして努めた。
戦争の話題がよく出ることもあり、某むせるアニメやステルスアクションゲームを思い出した人も多いんだとか。
「どうしてあの男を助けたのだろうか。間黒男は自問したが、答えは出なかった」
「医療行為に正解などないことを、このときの間は知らなかった」



  • 岡本舞子
CV.伊藤静
黒男の先輩で研修医の女性。第1話で黒男にヘルプを求め、その圧倒的な技術を見たことから親しくなる。
自信家なのか美人を自称しているが、作中でそう他称されたことはない。
黒男の医師としての力量には尊敬や嫉妬を抱いているが、天狗になりそうな面は心配して指摘している。
特に無免許ながら違法手術を行うことには反対しており、同時に自身がそのきっかけになったことに責任を感じている。
最初は彼の性格に振り回されるも、最近は彼を騙して通訳にしたり論破して世間一般の知識をつけさせるなど扱いがうまくなっている。
今のところ彼に恋愛感情を抱くシーンはなく、サービスシーンもないなどヒロイン力はいまいち。
アニメでは所々登場回数が増えている。それでもヒロインとして認知されたかは非常に怪しい。

 

モデルは原作「BJ入院す」に登場する新宿南外科の女医(本名不明)。右腕を骨折したBJの入院先で働き、彼に恋をする。
……なのだがなぜか単行本のキャラクター紹介でモデルがかかれていない。上記はアニメEDにて発覚している。

 

同姓同名の芸能人がいるが一切関係はない。



  • 藪正人
CV.遊佐浩二
近所に病院を構える壮年の医師。学生のため表立って医療行為ができない黒男がよく病院を利用している。
年齢は不明だが24年前に太平洋戦争のニューギニア戦線に新米軍医として同行したので、少なくとも40代以上である。
戦地での体験がトラウマになり、血を見ると失神してしまう上に覚せい剤常用者となり借金もこさえていた。
しかし、ある出来事で黒男が生死に真剣に向き合おうとする姿を見て改心する。
自身を鍛えなおすため薬をやめ、戦争真っ只中のベトナムへ向かった。その後も黒男とは度々再会する。

 

黒男の気持ちをよく理解しているうえに小柄で表情豊かかつリアクション豊富で、舞子があまりヒロインっぽくないこともあって
読者からヒロイン扱いされることもしばしば。ヤク中であったことから メインヘロイン とも呼ばれたりする。
彼が中毒になったのはドラッグではなく覚せい剤のため、''メインヒロポン''が正しいのだが
アニメでももちろん登場。藪の安否を気にしてベトナムまで危険を冒して来た黒男を心配するシーンは、ヒロインの貫禄十分であった。
しかし8話を最後に登場せず、一部のファンを絶望させた。

 

モデルは原作「きたるべきチャンス」で登場する綿引博士。特に病気でやつれた顔はヒロポン中毒時の藪そっくり。



  • 立入灯郎
CV.東地宏樹
借金の取立屋。黒男や藪の債権を握っており、度々借金返済を迫る。
金がないなら黒男の母親の生命維持装置を切れといったり、生命保険による自殺を示唆するなど容赦のない性格。
しかし情が全くない訳でもなく、アニメ最終話ではすっかり考え方の変わった黒男をみて驚いていた。
黒男がブラックジャックになった後は、彼に裏社会のボスの手術を要請するも失敗し、追われる身となっている。
なお、彼を追った人物は原作の「指」に登場する間久部縁郎である。

 

外見は手塚諸作品に度々登場するアセチレン・ランプ。



  • 軍医キリー
CV.諏訪部順一
「ベトナムにて」で初登場。短髪のアメリカ軍軍医。
患者の命を救うことに情熱を燃やし、そのためなら自らの危険も省みない。
患者に対しては敵味方の区別もせず、どんな重症でも最後まで諦めないなどまるで原作のブラックジャックのようである。
経験則から独自の医療品を作成するなど、その技術力も高い。
黒男のことはまだ免許もない若造と馬鹿にするも、後に意気投合して、絨毯爆撃寸前の危険な場所で手術を共に行った。



本名はキリコ。お察しだろうがあのドクター・キリコの若かりし時代である。
安楽死というある意味「諦め」の手段を用いる原作の彼とは大幅に性格が違い、読者を驚かせた。
ただし、笑い方はそっくりである。

 

黒男が帰国した後もベトナムで軍医を続け、「ホアの日記」で再登場。
ベトナム人の女医ホアと意気投合するも、紆余曲折の末に彼女は大量の放射線を被爆してしまう。
対処法もなく日々弱っていく彼女を見て、キリーはとうとう……




▲複数の話に登場する人物



  • レイモンド
CV.井上倫宏
「拉致」に登場したフィリピン人男性。白血病を患う娘の治療費のために日本に密入国していた。
移植直前に患者が死亡するが、黒男が整形手術でレイモンドを患者そっくりに整形したことで(原作1話「医者はどこだ!」と同じ案件)
以降金山として生きていくことになり、時折黒男に金銭援助を行う。

 

モデルは原作「裏目」で登場した黒人サミー。こちらでも陰謀にまきこまれ大怪我を追っている。



  • 青山
CV.豊口めぐみ
脱走兵」で初登場した女性。べ由連(ベトナムに自由を市民連合)の新左翼であり、ベトナム脱走兵を支援していた。
脱走兵のスミスが脳浮腫に陥るが、脱走がばれるため公共の病院が使えず、学生である黒男に治療を依頼する。
自分の目的のためなら他人の都合を省みない高圧的で傲慢な発言を繰り返し、黒男を激怒させた。
その後もより過激な革命運動へ身を投じ「狂騒の季節」で再登場。顔に傷を負いながらブラックジャックに今上エリの治療を依頼した。
これらの経験より、黒男は「手術は前金制にする」「安易に引き受けず、慈善事業はしない」ことを学んだ。

 

モデルは『バンパイヤ』の岩根山ルリ子。原作ではU-18の製作者ワットマン博士として登場した。



  • CIAの男/ヒューゴ
CV.武内駿輔
「脱走兵」で初登場。CIAに所属する強面で眼鏡をかけた男性。
CIAの職務に忠実で冷徹だが、全く情がないわけではない。
ある事情で黒男に仲間を助けられたため、無免許医療行為で捕まった彼を釈放し、犯罪記録を抹消した。
同時に医学生の身で優れた技術力を見せた黒男に興味を持つ。
「苦痛なき革命」で再登場。アメリカの闇を知る後述のリーゼンバーグ教授に、発覚したら始末すると警告をした。
「囚われの間に」でも登場。裏社会でも身を追われたブラックジャックの才能を惜しみまだやりなおせると声をかけるも、
失意のそこにいたブラックジャックは耳を貸さず、路地裏へと消えていった。

 

モデルは『人間昆虫記』の釜石桐郎。
アニメのCVが当時アイドルPとして名を上げた人物であったため、彼の裏家業の姿と言われたりもした。



  • 今上エリ
CV.悠木碧
「狂騒の季節」で初登場。学生運動に身を投じる女性で、集団の中にいても反対を貫ける芯の通った面を持つ。
顔の傷を黒男が治療したことで親しくなり、彼に恋心を抱くが、次第に彼とのすれ違いが多くなる。
後にあるシーンをみたことで失恋し、折り悪く学生運動時のリーダーに誘われたことで統合赤軍の活動に身を投じてしまう。
そこで「反省」という名のリンチをうけた青山をかばったため、自身もリンチを受け虫の息に。
ブラックジャックが駆けつけるも治療の甲斐なく死亡。この一件は彼の心に深い傷を残した。
黒男がボンカレー好きになった話でも登場する。彼に笑顔を向けるが、彼女の結末を知る読者は悲しい気分になったとか。

 

アニメでは最終話に登場。尺の都合で彼女の心理描写がばっさりカットされている。
そのためアニメのみの視聴者には、好奇心で社会運動に乗っかった軽い女性と思われがちでもある。

 

モデルは『リボンの騎士』のサファイヤ。



  • 百樹丸雄
CV.宮野真守
「無残帳」で初登場。本越大学にやってきた講師。
以前は帝都大学で働く優秀な外科医だったが、交通事故で四肢を失って職を追われている。
黒男の恩師である本間丈太郎や、黒男とは旧知の仲であり彼のリハビリも見てきた。
特殊な義肢を開発し外科医として再起を図るも、それをよく思わない帝都大学の面々の陰謀により失敗し、失意の底に陥る。
後に彼が四肢を失った事故も彼らが原因と知り、残酷な復讐に走ってしまう。
丸雄自身は権力に興味はなかったが、彼が医学部の権力争いの闇に飲まれて狂った姿をみたことが、黒男が権力を嫌う一因になった。
アニメでは書かれなかったが、黒男の事故の原因となった復讐相手5人のことを知っており、彼に復讐の道を歩ませる最後の後押しをした。

 

モデルは『どろろ』の百鬼丸。そのほか「無残帳」には『どろろ』をモデルにするキャラクターが大勢登場する。
義肢に様々なギミックを仕込み、相手の四肢を奪って自身に移植しようとする姿はまさにモデルそのもの。
なお、原作にも百鬼丸がモデルのスターシステムのキャラは出ているが、彼らとは無関係である。



▲ほかの作品に登場する人物

 

  • リーゼンバーグ教授
CV.山野井仁
「苦痛なき革命」で登場。黒男がアメリカ滞在中に師事した脳医学の権威。
その大きな鼻がどうやってマスクに隠れてたんだという突っ込みはなしで。
脳医学の権威だが骨折の手術も一流で、また精神医学についての論文も書いている。

 

誠意ある人物だが、かつては「ドクター・リンゲ」の名でナチスの化学兵器実験に関っており、その課程で人体実験もしていた。
その被験者である無痛症のジョニーが現れ、彼によって人体実験の秘密発覚を恐れたCIAによりジョニー共々狙われるも、
彼の無痛症を治療することで証拠がなくなり、彼の命を救って見せた。
黒男はリーゼンバーグの技術に近づくため医学生という立場を隠して手術に協力しており、
その技術のためなら法を意に介さない倫理観を、かつて人体実験に明け暮れた自分と同じで危険なものだと危惧した。

 

スターシステムによる登場ではなく、『ミッドナイト』に登場するリーゼンバーグ教授その人である*1
そちらでは後に被験者が病院に押しかけ、彼ともみあいになり道連れになってしまった。



  • トマス・ウィリアムズ
CV.高橋英則
「苦痛なき革命」に登場するベトナム戦争帰還兵。戦地での原因が元でPTSDとなり、藪とともにリーゼンバーグの元を訪れる。
そこで黒男や舞子とも知り合い、ジョニーについての情報を提供した。
後にPTSD克服には人生を掛けるほどの強い目的が必要と知り、役者業を目指すことになる。

 

『七色いんこ』の「ピエロのトミー」であり、その生き様は同作主人公の七色いんこに受け継がれていった。
アニメではPTSDで苦しむ際に藪と同じベッドで寝ていたため、視聴者からは 現地妻 浮気相手 などと呼ばれてしまった。



▲その他

 

  • 本間丈太郎
「傷だらけの17歳」で登場。皆ご存知であろうブラックジャックの執刀医で彼の恩師。
黒男が手術の後遺症で背骨に異常をきたしたと知り、海外から駆けつける。
独自開発の人工骨を用いて無事に手術を成功させるも、最後の段階で助手たちに全員外に出るよう指示する。
意図のつかめないまま全員出て行き、オペ室に一人残った丈太郎が黒男から取り出したのは……。

 

  • 如月めぐみ
研修医時代のブラックジャックの恋人。セリフなどはないが、彼女の存在は決して無視されていない。
あるシーンを今上エリがこっそり見ており、彼女が失恋から破滅に向かうきっかけになってしまった……。

 

  • ピノコ
おなじみ奇形嚢腫から生まれた自称ちぇんちぇーのおくたん。11巻でついに登場。
雪山へある人物を探しに行くブラックジャックの後を勝手についてきた。独特なピノコ語の再現度はあんまり
目的の人物が女性とわかると怒ってつっかかるなど、嫉妬深い性格は変わらない模様。

 

  • 手塚治虫
作者その人。原作でもちょくちょく登場し、締め切りに追われる「シメキリ病」を発症したり、テロ犯人と疑われているさなか警察署で漫画を書かされたりしていた。
短編「ヤバい男」で登場し、病院にてベッドで横になりながら漫画を書き続けていた。
漫画に対してはどんな状況でも死ぬまで書き続けるという強い信念を持ち、その姿勢はある問題に直面していた黒男を勇気づけた。
ちなみに書いていたのは「やけっぱちのマリア」。
ハレンチ学園のブームに乗ったエログロナンセンスな描写の多いアバンギャルドな作品であり、週刊少年チャンピオン創刊時の作品である。



ほかにはゲラ、山田野教授、辰巳先生などが回想や台詞、チョイ役などで登場している。
同期の友人の手塚などは未登場。




余談

  • 単行本巻末の年表では、黒男は1946年生まれとなっている。
    1965年に医大に入学し、漫画1話の1968年では彼は4年生である。
    これは1973年の原作連載にあわせたためであるが、単行本5巻で時系列に間違いが出てしまっている。
    (1970年に研修医となった黒男をエリが見かけるとあるが、この地点で彼はまだ6年生(医学生)のはずである)
    そのことに作者側も気づいたのか、12巻の年表ではエリが研修医となった黒男を見かけたのは1971年に変更されていた。
    辻褄こそ合うようになったが、同年7月には免許をはく奪されたうえでの行動を起こしているため、彼が正式な医療行為を行えた期間は わずか4か月もない ということに…。

 

  • アニメ11話のエンドカードを手塚治虫風の絵柄で知られる田中圭一氏が担当した。
    彼は、同時期爆発的人気であり無断パロディで知られる『おそ松さん』風のイラストを描いたため大変な反響があった。
    この反響は公式でも予想していたのか、事前にもTwitterにて含みのあるコメントがされていたが、
    治虫氏の娘である手塚るみ子氏から「 元祖無断パロディ作家の意地を見せたな 」という皮肉をこめた賛辞を送られたことにより、
    公式Twitterにて改めて謝罪をするに至った。




「俺が、手を貸す」

 

「君は追記修正免許をもっていないだろう?」

 

「それがどうした!」

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