我が家の地球防衛艦隊

ヤマトマガジンで連載された宇宙戦艦ヤマト復活篇 第0部「アクエリアス・アルゴリズム」設定考証チームに参加しました。

アンドロメダ型宇宙戦艦(宇宙戦艦ヤマト2199版)後編

2015-06-20 21:11:04 | 1/1000 2199版アンドロメダ(エルステッド)


 アンドロメダ型の攻撃力を象徴する装備は、やはり各種の大口径衝撃砲であろう。
 主戦兵器として装備した八式五六サンチ陽電子衝撃砲はヤマトの四八サンチ砲すら遥かに上回る大型艦載砲であり、一発あたりのエネルギー量はヤマトの180パーセントにまで達した。アンドロメダ型は対軽艦艇用の副砲をオミットすることで本砲を三連装四基、計一二門搭載していたから、一斉射撃時のエネルギー総量は実にヤマトの2・4倍、発射速度の向上も踏まえて単位時間あたりに換算すれば三倍を優に超える砲撃力と評し得た。
 アンドロメダ型の主砲は基礎研究段階では、対艦攻撃兵装として必要十分以上の威力を有すると考えられたヤマト型の四八サンチ砲改良型(長砲身化による威力向上と発射速度向上を図った新型)を四連装四基一六門搭載する案が有力であった。しかし、ガミラスのゼルグート級一等航宙戦闘艦やガトランティスのメダルーサ級殲滅型重戦艦との交戦記録が重視され、更になる大口径化・大威力化が図られたという経緯がある。
 上に挙げた両級はヤマトのショックカノンでも容易には戦闘能力を奪うことができず、特にゼルグート級の正面装甲は決戦距離から放たれた収束状態のショックカノン・ビームを完全に拡散・跳弾させるほどの強度を有していた。その事実は、木星の浮遊大陸上の戦闘結果からヤマトのショックカノンですら実質的には『無敵』と考えていた地球の技術者たちを驚愕させるに十分であった。
 幸い、ゼルグート級であれメダルーサ級であれ、ヤマトが対峙した際はいずれも単艦であったから対抗可能であったものの、もしこれらの同型艦複数と同戦場で合いまみえた場合、四八サンチ砲装備では劣勢となるのは確実だった。
 アンドロメダ型はボロディノ型と同様に数的劣勢下での艦隊戦闘を強く意識した存在であり、自らより規模で勝る敵艦を短時間で撃破することは最早宿命にも近い命題であった。その結果、艦規模と機関出力が許容し得る範囲で威力と門数、発射速度等から総合的な優位が認められた五六サンチ砲一二門装備が決定されたのである。検討上の最大口径は六〇サンチ砲の連装四基八門搭載案であったが、威力は申し分ないものの、手数の不足が懸念されたことから不採用となっている。
 加えて、ボロディノ型では艦内容積の制約から諦められた主砲の実体弾とのハイブリッド化もアンドロメダ型では復活しており、ヤマトでは艦首側主砲・副砲のみがハイブリッドタイプであったものが、アンドロメダ型では艦尾側主砲についてもハイブリッド化を達成している。
 こうした変更が可能となったのは、艦載機格納方式の変更と補助エンジンの強化によるところが大きい。元々、ヤマトのリボルバー・パレット式格納庫は地球帰還まで一切の補充が不可能という制約から、限られた空間内にできるだけ多数の機体を搭載することを重視して採用されたシステムであった。しかし、その根幹とも言うべきパレット・レールは被弾時の衝撃に弱く、ヤマト航海中も度々故障が発生した非常にデリケートなシステムだった(被弾の相次いだ七色星団会戦時に故障が発生しなかったことは奇跡と言われた程だ)。
 アンドロメダ型の想定する作戦域は基本的に太陽系内であり、機体補充も容易であることから機構の複雑なリボルバー・パレット式採用のメリットは少なく、機械的信頼性の高い通常の多段式格納庫が採用されている。さすがに搭載機数の減少は免れなかったが、それでも常用一八機、予備四機を確保することができた。
 また、リボルバー・パレット式が採用されなかった理由として、補助エンジンの増設・強化も挙げられる。アンドロメダ型は補助エンジンとして大型の核融合推進機関を計四基、艦尾を取り囲むようにX字配置で設置しており、これが艦内空間を著しく圧迫した為、ヤマトのようなパレット・レールを敷設することは現実的に不可能であった。補助エンジンの強化は、メダルーサ級の有する超・長距離砲『火焔直撃砲』の緊急回避を可能とする瞬間的機動力が重視された結果であったが、副産物としてアンドロメダ型の純粋な戦術機動能力をも著しく向上させることになった(もっとも、アンドロメダ型が全力機動を行った場合、ボロディノ型が追随できないという問題も生じたが)。



 艦首に装備された二門の一〇式三六〇サンチ拡散衝撃砲は、基本原理こそ前型たるボロディノ型のそれと同様だが、口径的には三倍にも達したことで開発は難航、正式採用はアンドロメダ型就役直前にまでずれ込んだ。当時、開発遅延の理由として大口径化に伴う薬室設計の困難が報じられていたが、その真の理由が『地球イスカンダル和親条約』違反の波動砲とのハイブリッド化にあったことは後の世によく知られている通りである。
 本型が地イ和親条約に違反する波動砲を搭載しているという事実は、地球連邦政府及び地球防衛軍においても特A級の最重要機密事項であり、宇宙における実戦部隊の長である地球防衛艦隊司令長官ですら平時にあっては告知されない程の徹底ぶりであった(防衛艦隊司令長官には連邦政府が戦時状態を宣言して初めて告知された)。

 イスカンダル王国は滅亡寸前であった地球に救いの手を差し伸べ、超光速航宙技術のみならず、完全に破壊された地球環境を復元するシステムまで無償供与してくれた恩人であり、現実政治上も既知の外宇宙勢力の中では唯一友好関係を維持している国家であった。そんな唯一無二の外交関係を破綻させかねない条約違反は、やはりあまりにも強大で獰猛な星間国家に対する恐怖が直接的な原因となっていた。
 2199年末のヤマトの地球帰還後、ヤマト艦長 沖田十三がコスモ・リバースシステムの受領にあたりイスカンダル王国と締結した和親条約の存在は大きな波紋を呼んだ。イスカンダルへの派遣にあたり、ヤマト運用における最高責任者である沖田には臨時の外交全権が与えられていたが、その経緯がかなり泥縄的であったことも、波紋を一層大きくしてしまう原因となっていた。
 当初の予定ではヤマトには国連本部から派遣された特別全権代表が乗艦する予定であったが、ヤマト出航直前に来襲したガミラス宙母の攻撃により、シェルターへ避難していた全権代表が殉職してしまったのである。既に抜錨まで九六時間を切ったタイミングでの思わぬアクシデントに代替要員を準備することもできず、結果的に沖田艦長が艦運用のみならず対イスカンダル外交交渉の重責まで一手に担う決定が下された。
 そうした経緯もあって、沖田艦長がイスカンダルと取り交わした国家間条約の妥当性を巡って国連及び統合軍は一時、大きな混乱に見舞われることになる(加えて言えば、地球帰還時、沖田艦長が病没していたことも問題を複雑化させる一因となった)。
 最も過激な主張は、イスカンダル到着時点で病床にあった沖田艦長は既に外交的判断を下せるだけの能力を喪っており、その判断がもたらした地・イ和親条約も無効というものであった。また、無効とまではいかなくても、事後の地球の外交判断として条約の破棄を宣言すべしという主張も多かった。
 こうした主張は政治家や外交関係者のみならず、沖田艦長の身内とも言うべき統合軍内部からも発せられており、その急先鋒である軍務局は、ガミラス戦役勃発時の命令不服従の記録まで持ち出し、沖田艦長の判断力の妥当性を厳しく追及した。
 こうした国連と軍双方の動きに、特に生還したヤマト乗員が強く反発し、これに対し軍務局が反抗的なヤマト乗員を実質的な軟禁状態に置くという異常事態にまで至ってしまう。
 しかしその時点で、極東管区行政長官であり個人的にも沖田艦長との親交が深かった藤堂兵九郎が、これまで世論に対して極秘とされていたイスカンダルとの条約情報をリークしたことで情勢は一変した。世論は、地球の恩人であると同時に救世主でもあるイスカンダルとの平和的条約の破棄を隠密裏に画策した一派を激しく批判し、国連も軍もそうした動きを無視することができなかったからである。
 もちろん、自らの命を賭してまで任務を完遂した沖田艦長に対する世間一般の評価も絶大であり、それを貶めようとした軍務局も最終的には矛を収めざるを得なかった。
 こうして、地イ和親条約の取り扱いについては一応の政治的決着を見たものの、意図的な情報漏洩を行った藤堂長官はそのかどで後に長官職を追われ、また国連と軍に対する不満を大きくしたヤマト乗員の多くも自ら軍を去っていった。また、様々な事情から軍に残った者も長く冷遇的な扱いを受けることになる。
 そうした懲罰的な人事が徹底して行われたのは、国家や軍としての面子はもちろんだが、木星で確認された波動砲の宇宙規模の威力に魅了された人々にとって、その封印に同意したヤマト艦長と乗員の行いは許しがたい愚挙であり、それに対する怨嗟の感情があまりにも大きかったからだと言えるだろう。
 そして、波動砲復活に燃える彼らの暗い情念は、戦後一〇年以上を経てようやく実現され、新生・地球連邦を象徴する最大最強戦艦であるアンドロメダ型に国際条約違反の汚名を永久に刻印してしまうのである。



 アンドロメダ型に対する誤解として、本型が全地球艦隊の指揮統制を目的とした“戦略指揮戦艦”であるというものがある。
 確かに、本型は各種レーダー・センサーによる探知性能や通信能力において、地球艦艇としては最高度の性能が与えられており、生存性についてもヤマト型すら遥かに上回る多重化された直接防御力に加え、最大60分もの連続展開時間を誇る波動防壁まで有していた。しかし、それらだけを以ってアンドロメダ型が全軍指揮を目的としていたと判断するのは早計である。
 アンドロメダ型にとってこれらの性能は全て、戦闘艦としての攻防性能を極大化する為の手段に過ぎず、実際のところ本型を全地球艦隊どころか一艦隊の旗艦としても運用する計画は一度として存在しなかった。
 確かに旗艦とは、戦術単位の指揮官が座乗する艦であり、いかなる状況においても指揮系統を維持する為に、最も高い生存性を有していなければならない。しかし、それは同時に指揮官(旗艦)こそ最も危険を避けねばならないことを意味し、極論すれば、旗艦は指揮官が座乗しているが故に、最も危険から遠い存在でなければならないのである。
 戦場におけるアンドロメダ型は、最強戦艦として獅子奮迅の活躍が期待される無二の存在であり、その構成要素は全て攻防性能の充実にあてられるべきであった。『指揮』という要素は寧ろその能力を縛ることになる上に、他艦でも十分に担うことが可能であることから、本型の要求性能には大規模な指揮統制能力はあえて含まれていなかった。
 同型についての誤解の原因は、ガトランティス戦役時、同型一番艦アンドロメダが土方提督の下、実質的な全軍の戦術指揮を執ったことに起因すると思われるが、それはあくまで偶然であって、決して必然ではない。
 その点、アンドロメダ型はその優美なシルエットとは裏腹に、極めて武闘派の実戦的な戦艦であった。嘗てはヤマト計画に携わり、地球帰還後は高等防衛技術研究局の主席研究員に転じ、アンドロメダ型の各種装備開発にも尽力した真田志郎一佐は本型を『戦闘マシーン』と評したが、極めて的確な表現であったと言えるだろう。



 アンドロメダ型宇宙戦艦を語る上で、土方竜という軍人の存在を欠かすことはできない。
 2201年、連合宇宙艦隊司令長官職に就いた土方は、ガミラス戦役の結果、消滅寸前まで消耗し切っていた宇宙艦隊の再建に奔走した。ガトランティス戦役時の活躍から武闘派の戦術指揮官という印象が強い土方だが、軍政家としての手腕と指導力、構想力も一流であり、2200年代の地球の宇宙軍事力整備方針は、土方の戦略思想を色濃く反映したものとなった。
 彼が何よりも重視したのは、たとえ部隊数は少なくとも、主力となる部隊(艦隊)は規模の大きな、打たれ強い編成とすること。そしてもう一つは、限られた軍事力の効率的な運用を可能とする多重的な太陽系内哨戒網と通信網の確立であった。
 前者の象徴としては、先に述べた『八八艦隊』構想が挙げられる。月及び土星に配置した第一・第三艦隊を戦艦・巡洋艦各八隻からなる強力な八八艦隊として主力と為し、太陽系外周には警報・遅滞部隊として比較的小規模な艦隊複数を置くというものであった。土方就任以前の宇宙艦隊編成方針はむしろこれとは反対に、外周艦隊にこそ主力艦が多数配備され、内惑星域に配置されていたのは二線級の予備兵力ばかりであった。
 土方に言わせれば、太陽系外縁に広く配置されることになる外周艦隊に主力艦を配備しても、分散したままでは緒戦で各個撃破されてしまうだけであり、主力艦は一まとめにした上で後方に待機、好機を捉えて敵主力に決戦を挑み、これを一撃で殲滅するしか国力面で戦力的劣勢が確実な地球艦隊に勝機はなかった。
 土方の連合宇宙艦隊司令長官就任以降、彼の提唱した“後手からの一撃(バックハンド・ブロウ)”の有効性が各種研究会での兵棋演習等で度々証明されたこともあり、結果として連合宇宙艦隊の編成・運用方針として採用されることになるのである。
 そしてもう一つ、土方が強く推進したのが密度の高い太陽系内哨戒網と、哨戒結果を確実に伝達可能な多重的且つ複合的な通信網の建設であった。前述した“後手からの一撃”も、侵攻勢力の動向を正確に把握していなければ、単なる画餅と化してしまう。多重化の必要性についても言うまでもないだろう。侵攻勢力が緒戦において防衛側の哨戒・通信網の無力化を狙うのは古今東西、異星文明であっても変わりはなく、多重化による抗堪性の向上と機能維持はあらゆる意味で不可欠だった。
 土方の主張の有効性は特定の戦略思想に拠らずとも、限られた戦力の経済的・効率的運用を考えれば疑う余地はなかった。しかし、当時の統合軍予算は正面装備への偏重を強めており、また太陽系全体の哨戒・通信網の高密度多重化には八八艦隊がもう一個編成できるほどの膨大な予算が必要であったことから、整備は遅れがちだった。
 しかし、土方と軍内外を問わない彼の理解者たちの尽力もあって、ようやく2207年からの第三次補充計画に哨戒・通信網の拡張予算が組み込まれる見込みとなったが、地球連邦政府発足に係る政治的要請から急遽加えられたアンドロメダ型の予備予算の煽りを受け、内定していた哨戒・通信網拡張予算は大幅に削減されてしまう。
 これに対し、土方自身が再三再四に渡り決定を覆すべく活動したもののこれを果たせず、結果的に地球の哨戒・通信網は極めて貧弱なままガトランティス戦役を迎えることになってしまうのである。



 後日、将来的な宇宙戦力整備方針をテーマとした軍民合同研究会において土方は、彼の役職と階級からすると極めて異例なことに、発表者として自ら壇上に立った。そして宇宙戦力整備の経済性と効率性を比較した一例として、同規模の予算でアンドロメダ型の建造と哨戒・通信網の拡張を現時点で行った場合、どちらがより費用対効果に優れているかを詳細に論じたのである。
 彼の理論は感情論や抽象論を一切廃した極めて客観性の強いもので、土方の発言の最後には検討会参加者の大半が深く首肯する程であった。だが、それに収まりがつかないのはここまでアンドロメダ型の早期建造を強引に推進してきた軍務総局と艦政本部、政治側からの要請に唯々諾々と従ってきた統合軍内局であった。彼らは、壇上の土方に対して懸命の反論に努めたものの、実戦経験に裏付けられた論理性と合理性において彼に適うべくもなく、その反論まで含めて完全に論破されてしまう。
 もちろん、この研究会開催時点で哨戒・通信網の予算削減とアンドロメダ型建造に向けての予備予算獲得は既に決定事項であった為、今更それが覆ることは無かったが、論理よりも感情を重視して強引に計画を推進してきた人々の顔に酷く泥が塗られたことは確かだった。しかし、この一件を契機として土方は軍内部とその報告を受けた政府の一部からも強い不興を買ったことで、確実視されていた地球防衛艦隊初代司令長官職の座を失ってしまうのである。
 もっとも土方本人は、一人の人間が十年近くも同一のポストを占め続けたことの方が異常であり、とっくに後身に道を譲っていて当然と考えていた節が強い。実際、未だ親交が続いていた藤堂兵九郎にもそのような言葉を残している。

 後世からの誤解も多いが、土方は決してアンドロメダ型の建造そのものに反対していた訳ではない。彼とてイスカンダル製波動コアの希少性と破格の威力は充分に承知しており、最終的な地球軍事力の完成にはアンドロメダ型が不可欠であると考えていた。しかし、未だ整備、補給、哨戒、通信といった基本的な軍事インフラすら極めて不十分な現在の地球がアンドロメダ型を保有しても、その建造努力に見合った能力を発揮することはできず、まずは現行の正面兵備を最大限有効に活用できるだけのインフラ整備が優先である――というのが土方の考えであった。
 だが、結果的に彼の主張は受け入れられることはなく、2210年12月31日を以って土方は連合宇宙艦隊司令長官職を退き、山南修が初代地球防衛艦隊司令長官として後任に就いた。土方の退役は半年後の予定で、それまでの期間は長官付として陸(おか)に上がり、軍人としての最後の日々を過ごすことになっていた。
 ――しかし、その僅か一ヶ月後に発生した地球圏全体を揺るがす大事件が、勇退前の定年配置に就いていた土方の運命を大きく変転させることになるのである。



 事件の舞台は、地球防衛艦隊主力が展開する土星タイタン鎮守府であった。
 その日、この地では二隻のアンドロメダ型の配置交替が予定されていた。それまで配置任務に就いていたアンドロメダから待機状態のギャラクシーへイスカンダル製波動コア(コア2)が譲渡され、以後の半年間はギャラクシーが配置状態に就くことになっていた(逆に、コアを引き渡したアンドロメダは地球に回航され、整備・休養期間に入る)。
 配置交替の場に、より安全度の高い地球や月ではなくタイタンが選ばれたのは、一時でもアンドロメダ型の配置に穴を開けない為であったが、結果的に虎の子の決戦戦力を無為に危険に晒す結果となってしまう。
 既に半年以上前から地球に対する隠密偵察活動に従事していたコスモダート・ナスカ総兵官率いる機動艦隊がこの日、全力を以って太陽系内最大規模の地球軍事拠点であるタイタン鎮守府に奇襲攻撃を敢行したのである。攻撃は宙母艦載機による泊地攻撃と、泊地出口を取り囲むように展開した“潜宙艦”による二段構えとされた。

 潜宙艦とは遮蔽・隠密化技術を徹底したガトランティス軍独自のステルス艦で、その遮蔽技術はアケーリアス文明遺跡の解析から開発されたものであったが、解析の元となった遺跡情報が不完全であったこともあり、遮蔽精度や持続時間の点でデッドコピーの域を出ていないのが実情だった(これを補うべく、ガトランティス帝国は完全な状態の“遺跡”の探索を各地で行っていた)。また、航行機関もガミラスのFS型宙雷艇等に広く採用されている空間航跡減衰機関“ヴァルート機関”のフルコピーで、こちらは遮蔽に比べて技術水準が低かったこと、ガミラス人科学奴隷の存在もあり、ほぼオリジナルと同等の性能を達成している。

 巣穴を急襲し、驚いた獲物が飛び出してきたところを仕留める――嘗ての猛獣狩りを彷彿とさせるナスカ総兵官の作戦は、全く警戒態勢をとっていなかった地球艦隊に甚大な被害を与えることに成功した。
 中でも、ナスカ総兵官が最優先攻撃目標とした二隻のアンドロメダ型は艦載機部隊からの集中攻撃を浴び、アンドロメダ中破、ギャラクシー大破という大損害を受けてしまう。幸い、両艦に攻撃が集中したことで、他艦の損害は比較的低いレヴェルに留まったが、それでも、艦隊泊地を離脱しようと緊急出港した艦複数が、待伏せていた潜宙艦からの雷撃を浴びて撃沈されている。
 一般的にはガトランティス側の大勝利とされる“タイタン鎮守府奇襲攻撃”であるが、攻撃を指揮したナスカ総兵官にとっては不満の残る結果でもあった。彼としては、地球圏最大最強と目星をつけたアンドロメダ型戦艦を波動防壁展開の暇を与えず艦載機攻撃のみで撃沈するか、仮にそれが為し得なかったとしても、泊地からの離脱を図るであろう同艦を潜宙艦による集中飽和雷撃で確実に撃沈することを狙っていたからである。
 しかし、アンドロメダ、ギャラクシー双方の艦長が配置任務引き継ぎの為に顔を合せていた際の奇襲であったことが、皮肉にも両艦を撃沈の運命から救うことになった。攻撃によって両艦の艦長と高級士官多数がほぼ同時に戦死したことで、指揮系統が失われた二隻は完全に行動不能に陥り、泊地から出ることすらできなくなってしまったからだ。



 本攻撃後、ナスカ艦隊が太陽系から離脱した為、戦火は一旦収束したが、その後のガトランティス帝国地球侵攻軍の初観測と認知により、地球防衛軍は早急に防衛体制を整える必要に迫られた。予備役の動員による兵員充足を筆頭に、各根拠地の強化、未就役(訓練中)艦艇の艦隊編入などが大車輪で進められたが、問題も少なくなかった。その最大のものが、決戦戦力であるアンドロメダ型の扱いであった。
 アンドロメダ、ギャラクシー共に、両艦の撃沈に固執したガトランティス艦載機の執拗な攻撃を全身に浴びており、四ヶ月後と想定されたガトランティス軍襲来までに修復を完了させることは絶望的と考えられたからだ。苦肉の策として、より損傷の大きいギャラクシーから健常な部品・部材取り上げ、更にアンドロメダ型三番艦用に収集されていた資材をも転用することで、辛うじてアンドロメダ修復の目処が立てられた。
 だがその結果、ヤマトからイスカンダル製波動コア(コア1)を接収する計画は立ち消えとなり、それどころか、ヤマトを宇宙戦艦として緊急現役復帰させることまでもが決定された。ギャラクシーやアンドロメダ型三番艦が目前に迫った戦役に間に合わない以上、地球における戦艦戦力No.2は間違いなくヤマトであり、その再戦力化は当然のことであった。
 復帰にあたっては、何よりも短期間での再戦力化が望まれたことから、現役・予備役を問わずイスカンダル航宙に参加した元乗組員がかき集められることになる。また、民間に下野していた者へも積極的な呼びかけが行われ、本人が了承すれば軍属としての乗艦が認められた。その際、軍属には特に年齢制限が定められていなかった為、機関長を務めた徳川“元”三佐を筆頭に、定年組はむしろ喜び勇んで馴れ親しんだ嘗ての乗艦の下に馳せ参じたという。
 また、動態状態こそ維持されていたとはいえ、ヤマトの艤装品・装備品はイスカンダル帰還時点から全く変化していなかった為、緊急の近代化改修が実施された。本来、こうした改装は計画の取りまとめだけでも数ヶ月から一年ほどの期間が必要であったが、幸い、ヤマトの改装案はアンドロメダ型の建造にも携わった真田一佐が“かねてより”“個人的に”作成しており、それが即決で採用されたことで緊急の改装が可能となった。
 真田一佐の改装案はまるで現在の状況を予期していたかのように行き届いたもので、代替装備品は既存艦艇からの直接流用や一部改造で対応できるものが大半を占めるばかりか、艦の運用も無理のない範囲で省力・省人化が図られており、イスカンダル航宙時程の乗員定数が見込めず、改装期間も殆どない現在のヤマトにとっては限りなくベストに近い改装内容であった。
 二ヶ月後、昼夜兼行の突貫作業で改装を終えたヤマトは慣熟訓練と新装備テストの為に、慌ただしく地球を出航した。そして太陽系外縁部航行中、イスカンダル語による救難信号を受信したヤマトは現場へ急行。そこで既に大破状態のイスカンダル船とそれに攻撃を繰り返すガトランティス艦隊を発見する。
 イスカンダル船には地球にとっても馴染み深いユリーシャ・イスカンダル王女が座乗しており、王女は地球とガトランティス帝国の講和仲介を目的に来訪したものの、ガトランティスとのコンタクトに失敗、逆に攻撃を受けてしまったのである。
 ヤマトはイスカンダル船救助の為に一時停戦を呼びかけたが、ガトランティス艦隊はこれに応じないどころか、介入してきたのがヤマトと知ると、功名を上げる機会とばかりに一気呵成にヤマトへの攻撃を開始した。迎え撃ったヤマトは改装による戦闘能力向上を活かしてガトランティス艦隊を撃破、ユリーシャ王女を艦内に保護して地球へと一旦帰還した。その際、救助したガトランティス軍捕虜の証言により、地球はガトランティス地球侵攻軍の規模と予想よりも早い襲来時期を知るのである。



 早期の再戦力化に成功したヤマトとは対照的に、突貫修理の続くアンドロメダには未だ大きな問題が残されていた――戦死したアンドロメダ艦長の後任選定である。
 本論でも述べた通り、アンドロメダ型はその圧倒的な攻防性能から、戦略性すら帯びた戦術兵器であり、その運用責任者(艦長)には戦術判断能力のみならず、戦略的思考能力まで要求される。しかし、そうした能力を持った人材は悉く、艦長職やより高位の艦隊指揮官職に就いており、この急場においてそれを引き抜くことは、引き抜かれた艦や艦隊の戦力低下に直結するのは確実だった。
 そうした状況が、地球で待命状態にあった土方に新たな運命を課すことになる。
 呼集を受けて防衛艦隊司令部に出頭した土方を迎えた山南は、アンドロメダ艦長就任を記した命令書を土方に自ら手渡すと、彼の常である諧謔に溢れた口ぶりでこう言ったという。

「立ってる者は、親でも使えと言うでしょ?――アンドロメダをお任せします。好きに暴れてきて下さい」

 皮肉と言えばこれほどの皮肉はなかったが、土方は自らの軍歴に終止符を打つ契機となった最強戦艦の艦長として再び前線に立ち、自らの主張が入れられなかったことで貧弱なままの太陽系内哨戒網と通信網に苦労しつつ、ガトランティス戦役を戦い抜くことになるのである。
 そして、山南の言葉にも偽りはなかった。本戦役において艦隊司令長官である山南は後方の巡洋艦“インディアナポリス”において全般指揮を執り、前線指揮に関しては土方にほぼフリーハンドの指揮権を与えたからだ。もちろん、こうした措置には未だ土方に悪感情を抱く軍務総局をはじめとして大きな反対があったが、山南はそれら全ての“雑音”を全て押さえつけ、前線部隊の行動に一切の制約を課すことはなかった。
 そしてこの措置が、地球防衛艦隊の大胆な集中と機動運用を可能とし、総兵力においては地球に十数倍するガトランティス帝国地球侵攻軍の各個撃破を成し遂げる上で重要な要素となった。特に、ガミラス帝国軍と比べても戦果にはやる傾向の強いガトランティス軍は、目前の戦況が優勢であれば競って突出することが多く、そうした部隊は“後手からの一撃”を前提に土方が自ら鍛え上げた地球艦隊にとっては、図上演習における赤軍(敵対勢力)と同様の好餌でしかなかった。しかし、ガトランティス軍の戦力は物量において圧倒的であり、機動防御を繰り返す地球艦隊の疲労と損害も急激な増加を強いられることになる。
 結果的に、地球艦隊はガトランティス艦隊主力の捕捉殲滅に成功するものの、それは自らの壊滅と引き換えであり、最終決戦において辛うじて戦闘能力を維持していたのは、アンドロメダとヤマトの他は、最早一個艦隊にも満たない各種艦艇に過ぎなかった。全ての艦が満身創痍の上、既に各種弾薬にも事欠く状況であったが、土方指揮の下、その士気は未だ失われてはいなかった。
 しかし、新たに出現した圧倒的に強大な敵の猛攻を前に、土方は遂に他艦の撤退と自身を除くアンドロメダ全乗員の離艦を命じる。そして、自らの権限と責による地球・イスカンダル和親条約の違反をヤマトに乗艦していたユリーシャ王女に宣言すると、禁断の最終兵器『波動砲』の発射態勢を取るのである――。



――おわり


前回の妄想設定が去年の11月でしたから、半年以上も間が空いてしまいましたが、ようやく完成です(^_^;)
このアンドロメダ型で、2199世界の艦艇の設定妄想は三隻目になります。
今回も結果的に前後編に分けないといけないボリュームになってしました。
最初はもっと簡単に考えていたんですけどねぇ(^o^;)
正直、ここまで長い文章になるとは自分でも予想していませんでした。
でも、オリジナル版世界のアンドロメダとの差別化はちゃんとできたと思って満足もしています(毎度の自画自賛w)
オリジナル版のアンドロメダは多数存在する主力戦艦(とその波動砲)を統合制御する為の戦略指揮戦艦という色合いの強い戦艦と個人的に考えていますが、2199世界のアンドロはイスカンダル製波動コアの希少性と強力さ故にタイマン上等、ひたすら強くて硬い武闘派の戦艦としました。
もちろん、イスカンダル製波動コアがガミラス製コアと比べて強力という公式設定はどこにもありません。
しかし、最終話近くの第二バレラスやデウスーラⅡ艦内の描写からすると、それなりに納得いただける設定と(勝手に)思っています。

後半の土方さんのくだりについては蛇足だったかもしれませんが、どうしても土方さんにはアンドロメダに乗って獅子奮迅の活躍をしていただきたかったので、勢いでそれらしい話のさわりを少しだけ書いてしまいましたw
仮に2199世界で続編が作られるとしても、ここに書いたような『さらば』や『2』のような展開になることはないと思っていますが、さすがに全くのオリジナル展開が考えられるほどの妄想力はないので、『2』展開を下敷きにお茶を濁しています(恥)

また、更に細かいことを言うと、今回の妄想でアンドロメダが就役する2211年には土方さんは既に68歳になってしまっています。
現在の自衛隊において将官クラスでも定年退職年齢は60か62歳なので、この68歳という年齢はやや苦しいところがありました。
でも、三佐の徳川機関長は2199では62歳の設定で、ヤマト出港時にあと二ヶ月で定年という設定があったので、この設定を利用させていただくことにしました。
現在の自衛隊の三佐の定年退職年齢は一部の例外を除いて55歳なので、高齢化が進んで一般的に退職年齢が引き上げられたからか、戦争で人員が足りなくなったからか、2199世界は現在よりも7~8年退職年齢が高くなっているようです。
なので、68歳の土方さんは将官なのでぎりぎりセーフ・・・・・・ということにしてしまいました。
ま、御都合主義ではありますが、私が書いていて気持ちのいい妄想世界のことですので、どうか生暖かい目で見守ってやって下さいませ(笑)

今回の画像のアンドロメダは、一昨年(2013年)のトレフェス神戸で入手したエルステッドさんのアンドロメダです。
イベント会場でお話を伺ったところ、ディーラーさんはこのアンドロメダを1/1000スケールキットとして造形されたとのことでした。
なので、有難くそれに便乗させていただき、ここでは2199版1/1000アンドロメダとしての登場させていただきましたw
アンドロメダのガレージキットとしては、某サークルさんの1/500も有名ですが、あちら様のキットはマッシブさの目立つ『これぞ戦艦!』という漢らしいデザインライン(私感です)であるのに対して、こちらのキットは優美なラインの際立つ『星海の女王』といった印象です。
これまた私感ですが、このアンドロメダは、アンドロメダと言えば誰もが思い出す『あの』アンドロメダ(〇ンダイの1/700キットの昔のパッケージ画)をイメージされているんじゃないかと思います。
こう・・・・・・斜め前方から煽り気味で見上げてやると、後方へ向けて傾斜の強い艦橋や、引き締まった艦尾のラインはそう感じられて仕方がありませんw

最近はなかなか思うように自分の時間が取れず、昔のようなテンポの速い記事アップはとてもできそうにありません。
ですが、このブログはこれからも細く長く続けて、ヤマトシリーズの今後の展開を見守っていきたいと思いますので、たまにでも覗いていただけましたら幸いです。
ではでは最後にオマケ画像をもう一枚♪
あくまで『オレ設定』ではありますが、2199世界の地球戦艦四隻が1/1000で揃いましたので、メザシにしてみましたw
各艦のサイズの違いを実感いただけましたら幸いです(^o^)


注記:本文章は『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の制作が発表される以前(2014年7月)に書いたもので、2202とは一切関係ありません。
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アンドロメダ型宇宙戦艦(宇宙戦艦ヤマト2199版)前編

2015-06-20 21:10:31 | 1/1000 2199版アンドロメダ(エルステッド)
(注)本設定は『宇宙戦艦ヤマト2199』世界の未来に登場する(かもしれない)“アンドロメダ”を妄想したものです。
未だ公式作品化されていない時代のことですので、オリジナル設定を多く含んでいます。
尚、本設定の世界観は、当ブログで過去に公開しました『主力戦艦(ボロディノ型宇宙戦艦)』と共通しています。
特に地球が独自に製造した波動コア(テラジウム・コア)や波動砲に代わる決戦兵器(拡散衝撃砲)の開発経緯等については、そちらで先に御確認いただくことをお勧めします。
注記:本文章は『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の制作が発表される以前(2015年6月)に書いたもので、2202とは一切関係ありません。



 2211年に就役した地球圏最大最強の宇宙戦艦。
 本型の建造がヤマト型宇宙戦艦を強く意識したものであったことは、計画時の艦政本部内呼称が『“超ヤマト型”宇宙戦艦』であったことからも明らかだ。
 前人未到の往復三〇万光年を遥かに超える大航宙を成功させ、文字通り地球と全人類を救う活躍を示したヤマト型一番艦『ヤマト』――しかし意外にも、ヤマト計画本部において設計業務を担当した艦政本部員達にとっては、決して満足し得る艦ではなかった。純技術的観点で言えば、ヤマト型の実態は建造途中の武装移民調査船に無理やり次元波動エンジン搭載改装を施した艦であったからだ。
 もちろん、改装にあたっては当時の地球で望みうる最先端技術と資材、頭脳が惜しげもなく投入され、就役した艦は十二分な完成度を有していたが、それでもオリジナルの艦の規模や許容された建造期間、入手可能資源の限界から諦めなければならない仕様・性能も少なくなかった。艦の設計に責任を持つ艦政本部員にしてみれば、次元波動エンジンの搭載を前提に新たな艦を設計した方がより優れた艦が実現できるのは自明であっても、当時の地球の物的・時間的ファクターがそうした理想論を許容しなかったのである。
 それは『技術者たる者、到達可能な最高度を追求すべし』という技術者としての矜持に反するものであったが、人類滅亡という究極的危機状態においては否応もなかった。加えて、彼らにとっては妥協の産物でしかない筈のヤマトが達成した成果があまりに偉大であったことも、ガミラス戦役後、彼らの“超ヤマト型”に対する欲求と渇望を歪な形で強めてしまったと言えるのかもしれない。

 彼らに与えられた“超ヤマト型”実現の最初のチャンスは、ガミラス戦役後初の次元波動エンジン搭載戦艦である『ボロディノ型宇宙戦艦』計画時だった。この際、彼らは戦役中から予備検討を進めていた400メートル超級大型宇宙戦艦案を満を持して提示し、国連統合軍の軍政を司る『軍務総局』からも強い支持を得た。軍務総局はガミラス戦役後の地球軍事力を象徴する“ポスト・ヤマト”をかねてより欲しており、奇しくも艦政本部の一部が提唱する“超ヤマト型”と思惑が一致したのである。
 当時、六大州及び各行政管区の軍務局を束ねる軍務総局の長には、極東管区軍務局出身の芹沢虎鉄が就き、戦役中に発言権と実務権限を著しく増した軍令部門(実戦部隊)に対して巻き返しを図っていたが、ヤマトを筆頭に実戦部隊が成し遂げた戦果とそれに対する市井からの支持と信頼は圧倒的で、巻き返しは容易ではなかった。
 軍政部門の復権には、実戦部隊を手なずけられるだけの高価な“オモチャ”と、あまりに偉大なヤマトを一挙に過去の記憶にまで押しやれるだけの圧倒的存在が必要というのが軍務総局の判断であり、更に芹沢総局長個人について言えば、ガミラス戦役のきっかけとなったガミラス探査艦隊への先制攻撃指示に係る黒い噂が常につきまとう自らに対し、地球帰投直前に病没したヤマト艦長 沖田十三の一輝かしい功績への対抗心が動機の多くを占めていたと言われることも多い。

 だが、こうした艦政本部の一部と軍務総局の奇妙な共闘関係も結局は実を結ぶことはなかった。当時の国連宇宙海軍の戦力整備方針は、まずもって太陽系防衛に足る『最低数量』の確保であり、個艦性能の重視は二の次、三の次でしかなかったからだ。その結果、『ボロディノ型宇宙戦艦』にはより量産性と調達性に優れる260メートル級設計案が採用されることになるのである。
 それは“超ヤマト型”推進論者にとっては新たな失意の結果であったが、実際問題として、ボロディノ型が計画された2202年頃の地球の状況では、400メートルを超える巨艦を多数調達・整備することは財政的にもインフラ的にも非現実的であり、推進派が“地球の現状も理解できない時代錯誤の対艦巨砲主義者”と揶揄され、白眼視されるのも無理はなかった。更に言えば、仮にボロディノ型が400メートル級宇宙戦艦として建造されていたとしても、結局は“超ヤマト型”推進論者の満足する艦には到底なり得なかったことも確実だった。なぜなら、ボロディノ型が使用できたのは地球製波動コア『テラジウム・コア』のみであり、本コアの次元還元効率がイスカンダル純正の波動コア『イスカンダリウム・コア』に対して決定的に劣る以上、性能面でヤマトを超えることは絶対に不可能だったからだ。
 後の技術検証で、テラジウム・コア実装艦にヤマト並みの戦闘力を持たせるには、コア複数をクラスター化した超大型波動エンジンが必要であり、艦のサイズは最低でも700メートルを超えると判定されている。尚、コアをクラスター化(複列化)することで大出力を得るというアイデアは、ガミラス帝星での戦闘において救出されたヤマト船務長の証言から得られたものであった。
 結果的にボロディノ型検討において“超ヤマト型”は不採用にはなったものの、検討を通じて“超ヤマト型”を現実の存在とする為に必要な前提条件が改めて整理されたこと、過去に例をみない大型戦艦設計における基礎が固められたこと、そして何よりイスカンダリウム・コアが必要不可欠であることが改めて理解されたことが、後のアンドロメダ型建造時にも大きな役割を果たすことになるのである。



 “超ヤマト型宇宙戦艦”の実現には、その存在を成立・維持するに足る経済力と社会資本に加え、何よりイスカンダル製波動コアが不可欠――それがボロディノ型計画時に再認識された冷徹な事実であった。経済力やインフラについてはガミラス戦役以降、地球の着実な復興により遠からず解決されるであろうことが確実視されていたが、イスカンダル製波動コアの扱いは極めて政治性が強く、解決の目処はおろか、糸口すら見出せない状況が続いた。
 なぜなら、当時の地球が保有するイスカンダル製コアは、イスカンダル王国第一皇女“サーシャ・イスカンダル”によって地球にもたらされ、そのままヤマトに実装されたコア(コア1)と、ビーメラ星系第四惑星から回収されたコア(コア2)の、僅か二基のみであったからだ。
 この内コア1は、未だ地球環境回復プロジェクト用特務艦としてコスモ・リバースシステムを稼働させ続けているヤマトが実質的に独占(プロジェクト完了はどれ程早くても2225年とされていた)していたから、運用の自由が確保されているのは唯一“コア2”のみであった。当然、実質的には唯一無二の存在である“コア2”の使用権限は高度な政治性を帯びており、軍の一担当部局程度で運用を決定できるような存在ではなかったのである。
 つまり、“コア2”の積極使用には何らかの政治的決断が必要であったが、その機会はガミラス戦役休戦から5年を経てようやく訪れることになる。有史以来初となる全地球規模の統一政体――『地球連邦』――の発足決定だ。
 2206年から予備的活動を開始した地球連邦仮政府は、2211年の正式発足にあたり、全地球市民に新時代の幕開けと未来の安寧を確信させる『象徴』を強く欲しており、その『象徴』として予てより計画が浮上しては消えていた“超ヤマト型宇宙戦艦”に白羽の矢が立てられたのである。こうした政治環境の変化に艦政本部と軍務総局の“超ヤマト型”推進論者たちは直ちに呼応、僅かな期間で計画を整えていった。
 当時、国連宇宙海軍(後の地球防衛軍地球防衛艦隊)は第二次補充計画(2204~2206)をほぼ予定通り完遂し、太陽系を防衛するに足ると判断される戦力が最低限ながらもようやく充足されつつあった。2206年時点で、続く第三次補充計画(2207~2209)の内容もほぼ固まっていたが、急遽本計画の予備費枠が拡大され、“超ヤマト型”の設計検討と建造資源調達予算が織り込まれた。全ては“超ヤマト型”の完成と就役を2211年の地球連邦政府発足式典に間に合わせる為で、こうした予算上の特例措置により2207年から実質的な建艦作業が開始されたことで、本型は辛うじて2211年度初頭の就役が可能となった。但し、地球の戦闘艦艇としては初めて400メートルを超えた巨大戦闘艦を詳細設計開始から僅か四年で就役に至らしめるのは決して容易ではなく、実際の設計・調達・建造作業は突貫に次ぐ突貫であった。
 また、本型の一番艦、二番艦の建造を担当したのは当時最も高い宇宙艦艇建造能力を持つとされたノースロップ・グラマン社のニューポート・ニューズ造船所及び三菱重工業 長崎造船所(ヤマト建造を担当した坊ノ岬沖特設ドックは、長崎造船所の工場疎開時に設置された分工場である)であったが、それでも400メートル級の巨艦建造にはドックサイズが不足しており、建造に先立ち大規模なドック拡張工事が実施されている。また、両造船所は技術レヴェルの高さ故に対抗心も旺盛であり、それぞれの艤装委員長も巻き込んで競い合うように艤装改正を行った。その結果、完成した一番艦、二番艦は細部においてはかなりの相違点を有していたという。
 “超ヤマト型宇宙戦艦”が“アンドロメダ型宇宙戦艦”と正式に命名され、一番艦『アンドロメダ』二番艦『ギャラクシー』が就役したのは、地球連邦政府の発足式典が開催された2211年1月1日のことであった。命名式は式典内の一イベントとして執り行われ、会場上空を低空でフライパスしたネームシップ『アンドロメダ』の雄姿が式典に華を添えた。ヤマトをも遥かに上回る巨艦でありながら優美且つ未来的な艦影は、招待客や各種中継で式典を視聴していた地球市民たちに、新時代の到来を実感させるに十分なインパクトを持っていたとされ、その点で言えば、アンドロメダ型の建造目的の一つはこの時点で完全に達成されたと言っても過言ではないだろう。



 アンドロメダ型の建造隻数は2210年度予算で二隻『アンドロメダ』『ギャラクシー』、更に次年度予算で一隻(艦名未定)の建造が予定されていた(もちろんアンドロメダとギャラクシーの予算承認は名分的なものである)。
 当初は、2211年度に就役するアンドロメダ型は三隻が要求されていたが、予算上の問題に加えて本型を建造可能な設備の不足から、大きく二期に分けた調達が図られたのである(2211年に予算承認された三番艦の就役は2214年度とされていた)。アンドロメダ型を建造・補修可能なドックはニューポート・ニューズと長崎のみであり、アンドロメダとギャラクシーの建造完了後、ニューポートではアンドロメダ型三番艦の新造、長崎は就役済み二隻の補修整備を担当することになった。
 よく知られている通り、本型の三隻という建造隻数は地球が有するイスカンダル製波動コアの数量から決定されたものであった。
 地球が運用の自由を確保していたイスカンダル製波動コアは“コア2”ただ一基のみ。それにも係らず三隻ものアンドロメダ型建造が企図されたのは、いかなる状況においても常時一隻のアンドロメダ型を実戦配備状態に置きたいという国連統合軍(後の地球防衛軍)の強い希望によるもので、三隻のアンドロメダ型とその固有の乗員は『配備』『整備(休養)』『即時待機』という三サイクルのローテーションによる運用が企図されていた(もちろん“コア2”は『配備』状態のアンドロメダ型に支給されることになる)
 更に、ガミラス戦役のような国家危急の折には、緊急措置としてヤマトから“コア1”を譲り受け、『即時待機』状態のアンドロメダ型を『配備』状態に持ち込むことすら計画されており、この場合、二隻のアンドロメダ型を同時に実戦配備状態に置くことが可能であった。但し、この措置は未だ稼働状態のヤマトのコスモ・リバースシステムを強制停止することと同意であり、危機終息後、波動コアをヤマトに再装着したとしてもコスモ・リバースを再稼働できるのかという点に強い懸念があった。しかし、人類の存亡に係る非常時には地球環境の再生よりも人類の存続を優先するという政府方針が改めて示され、地球連邦政府大統領権限でのみ実行可能な非常措置として法制化が行われたのである。

 政府と軍がこれほどまでにアンドロメダ型の配備数に固執したのは、ひとえに同型の有する圧倒的な戦闘能力に原因があった。各種シミュレーションで確認されたそれは、当時の地球防衛艦隊の決戦戦力(機動戦略予備)である第一及び第三艦隊すら単独で撃破可能と判定されるほどであったからだ。
 当時の第一・第三艦隊はいずれもボロディノ型宇宙戦艦八隻、アルジェ型宇宙巡洋艦八隻を主力とした所謂“八八艦隊(エイト・エイト・フリート)”編成を採っており、通常編成の艦隊の数倍の戦闘能力を有するばかりか、『メ号作戦』時に臨時増強された大ガミラス帝国軍 太陽系派遣艦隊の全盛期戦力ですら撃破可能と評された空間打撃部隊であった。しかし、それほどの戦闘実力を以ってしても、アンドロメダ型には抗し得ないという判定が下されたのである。
 更にシミュレーション検討においては、アンドロメダ型とヤマト型の戦闘能力の比較も行われており、アンドロメダ型を撃破するにはヤマト型ですら(現実的には有り得ない想定だが)四隻以上が必要という結論が導き出されていた。
 つまり、アンドロメダ型の戦闘能力は地球の宇宙軍事力を一〇パーセント単位で変動させるほどの影響力を有し、ありていに言えば、その不在は決戦戦力の半減に他ならなかったのである。その点、たとえ建造・維持コストが破格であっても、アンドロメダ型の三隻建造は費用対効果的には十分に理に適った行為である――そう計画推進者たちは主張していた。



 こうした、圧倒的という言葉ですら不足するアンドロメダ型の性能が、本型とヤマト型以外の次元波動エンジン搭載艦が装備する地球製波動コア(テラジウム・コア)より遥かに高い次元還元効率を誇るイスカンダル製波動コア(イスカンダリウム・コア)に起因していることは言うまでもないが、その性能は前述した通り同一コアを使用するヤマト型をも大きく凌駕している。
 ヤマト型との性能差異は、艦体サイズの大型化と周辺補機類の小型化成功により、機関規模がヤマト型の実に二倍にまで達したこと、ヤマトでは重視された移民探査艦的要素(汎用艦的要素)を極力切り詰め、戦闘艦としての仕様・装備に特化したことが主たる要因として挙げられる。
 建造途中の武装移民探査船にイ式次元波動エンジンを急造的に搭載したヤマト型に対し、アンドロメダ型は設計段階から同機関の搭載を前提とした純然たる戦闘艦であり、その仕様・装備は全て対艦戦闘に特化していた。こうした(多目的艦としての汎用性を極めたヤマト型とは対照的な)戦闘艦としての徹底は、前型であるボロディノ型宇宙戦艦も同様であったが、多くの困難を伴ったボロディノ型の建造及び運用実績が反映された結果、アンドロメダ型の完成度は就役当時から非常に高かった。

 これらの要素に加え、ボロディノ型において初めて試みられた『タキオン粒子発振増幅制御装置』の強化も、ヤマト型との性能差異を一層拡大する上で大きな役割を果たしている。
 現在では単に『増幅装置』と呼ばれることも多い本装置の強化原理は比較的単純で、次元還元反応の発生に不可欠な触媒であるタキオン粒子を常用時よりも遥かに高い濃度で波動炉心に供給することで、通常では達成不可能な大エネルギーを得ようというものであった。
 宇宙エネルギーとも称されるタキオン粒子は、宇宙空間はもちろん惑星上にも広く分布しており、次元波動エンジン搭載艦船はタキオン粒子を常時捕集しつつ、それを波動炉心へ供給することで次元還元反応を発生させている。
 炉心へのタキオン粒子供給は、その濃度が次元還元反応により発生可能なエネルギー量と機関への付随負荷(圧力や熱量)に大きく影響し、供給濃度が低過ぎれば機関規模に対して発生エネルギー量は著しく過小となるし、逆に濃度が高すぎれば、発生エネルギー量に見合わないほど機関に対する負荷が増し、それに対応した重厚で頑丈な(つまりは高価で生産性も劣悪な)機関を用意しなければならなくなる。
 当然、『最適濃度』と呼ばれる費用対効果的にベストな機関規模とタキオン粒子供給濃度の組み合わせが存在し、いかなる銀河列強においても(いや、膨大な数の艦船を有する巨大な星間国家だからこそ)純然たる経済的理由から、この『最適濃度』が広く適用されているのである。
 勿論、地球もその例外ではなく、ボロディノ型以前の各種艦船に採用されたタキオン粒子供給濃度もこの『最適濃度』だった。供給濃度を更に高め、高コストと低生産性に目をつぶれば、より高性能の艦が実現可能であることも判明していたが、ガミラス戦役終結後の復興と再建に狂奔する地球に必要なのは、まずもって“数”であり、生産性や調達コストに見合わない過剰性能など絶対に許容されなかったからだ。
 しかしそうした、経済原則を重視した健全な建艦方針は、次元波動エンジン搭載艦としては初の『生まれながらの戦艦』であるボロディノ型が、260メートル級の小身でありながら列強各国の400メートル級戦艦を凌駕する戦闘能力を求められたことで大きな変化を余儀なくされる。



 ボロディノ型は、当時の地球の国力でも大量建造可能な最大規模の艦型が選択されていたが、それでも他国の400メートル級戦艦とは全長サイズで1.5倍、規模にすれば3倍以上の格差があり、常識的に考えて性能上の凌駕は不可能であった。しかし、他国戦艦が長期航宙や多種多様な任務への対応を考慮した“大型汎用艦”的艦艇であったのに対し、ボロディノ型は仕様面において極端なまでの“対艦戦闘艦”への特化を図ることで、純粋な攻防性能に限っては何とかそれらに対抗可能なレヴェルへの到達が可能となった。
 だが、ガミラスやガトランティスといった無数の恒星系を有する巨大な星間国家と、弱小且つ新興の単一星系国家にすぎない地球との絶望的なまでの国力差を考えれば、ボロディノ型の戦闘能力は他国戦艦を完全に凌駕する存在でなくてはならならず、このジレンマを解消する為の窮余の策として選択されたのが、高濃度タキオン供給による機関性能の底上げだったのである。
 しかし、復興が急速に進みつつあったとはいえ、2200年代初頭の地球の国力では、最適濃度以上のタキオン粒子供給に恒久的に耐久可能な次元波動エンジンの量産は、技術的にも経済的にも非常に困難、現実的には不可能であった。その結果、妥協の産物として、高濃度タキオン供給への耐久は一時的――大規模会戦時などの極めて限定された局面のみ――で良いという決定が下された。
 これにより、通常時の艦の運用は最適濃度のタキオン供給で行い、大出力が要求される大規模戦闘等の非常時に限り、高濃度タキオンを供給するという地球独自のシステムが完成をみるのである。
 但し、これ程の妥協を図っても尚、その製造コストはタキオン粒子を最適濃度でのみ供給する同規模機関の実に三倍にも達し、更に高濃度供給運転を長時間行った後の機関は各部の消耗から著しく出力が低下する上に、その回復には全消耗部品の交換を含む徹底的なオーバーホールが必要だったことから、生産・運用・維持いずれの面においても財務担当者からすれば悪夢のようなウェポンシステムだった。その為、高濃度タキオン供給――通称『増幅運転』――はデフコン2以上の警戒レヴェルにおいて、所属艦隊司令長官の承認がなければ実施することができないよう強度の制限(システム・プロテクト)がかけられており、このシステムが『最後の手段』であることをいやが上にも際立たせることになる。
 このようにコスト上・運用上の制約は非常に大きかったものの、『増幅運転』時の機関性能は通常時の二〇〇%にも達し、決戦時限定とはいえ、その圧倒的な機関出力とそれによって著しく強化される攻防性能は、強大な星間国家との絶望的なまでの戦力格差に怯える地球連邦にとっては、非常に心強いものであった。
 当然、地球連邦政府と防衛軍は、当初は以降建造される全ての次元波動エンジン搭載艦艇に本システムの実装を望んだが、やはり製造・維持コストの壁はあまりにも高く、最終的に元々高コストの戦艦級艦艇にのみ導入されることになる。



 増幅運転時に使用する高濃度タキオンは、それ単独では可燃性も爆発性も有しない為、外部タンク方式での搭載が可能であった。アンドロメダ型やボロディノ型等、地球における最初期の次元波動エンジン搭載艦は重武装・重防御を追求するあまり、殆ど艦内に余裕のない設計であったから、艦内空間を圧迫しない外部タンク方式は非常に都合が良かった。
 ボロディノ型、アンドロメダ型共に、艦体下部に外部タンク二基を装備したが、ボロディノ型のタンク(通称:タキオンタンク)がある程度の防弾性能を有するだけの圧力タンクであったのに対し、アンドロメダ型のそれはタンク単独でもタキオン粒子の捕集が可能な最新型であった。
 その差は大きく、ボロディノ型でのタキオンタンクへの充填は、通常時に捕集したタキオン粒子の内、機関へ供給されなかった余剰分でのみ行われる為、一たび増幅運転が開始されれば、後はタンク内の粒子を使い切るまでしか増幅運転を継続することができなかった(加えて、機関そのもの耐久性の点からも長時間の連続増幅運転は困難だった)。これに対し、アンドロメダ型は増幅運転開始後も、タンクがタキオン粒子を独自に捕集し続けることで、より長時間の増幅運転を継続することが可能であり、機関の耐久性もコストと生産性を度外視した構造強化によって十分に確保されていた。
 だが、こうした外装式タンクは後のガトランティス戦役にて、被弾による内部漏洩や流失が相次ぎ、システムとしての思わぬ脆弱性を晒すことになる。予定通りのスペックが達成できたのは全戦艦中の半数あまりに過ぎず、その結果、ガトランティス戦役以降、より抗湛性の高い内蔵タンク方式が主流となり、後の更なる技術革新――第二世代次元波動エンジン(スーパーチャージャー搭載次元波動エンジン)――の嚆矢となるのである。
 とはいえ、ガトランティス戦役においても、地球戦艦は艦サイズからは想像もできないほどの戦闘能力を突如として発揮するとして、ガトランティス軍にとっては恐怖と驚愕の的であったという。ボロディノ型ですらそうした評価であったから、基本的な戦闘実力ではボロディノ型に十数倍するアンドロメダ型の増幅運転時の戦闘能力は、まさに猛り狂う伝説の巨竜“リヴァイアサン”を彷彿とさせ、複数個のガトランティス艦隊を単独で殲滅するほどの猛威を戦場で見せつけた。




――後編につづく

主力戦艦の設定妄想を書いている時に宿題として残した艦底のタンクの理由付けがようやくできましたw
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