同国の航宙機主兵主義を象徴する大型母艦。
本級登場以前にガミラス軍航宙母艦戦力の主力を為していたのは、ポルメリア級をはじめとする円盤型宙母であった。しかし、これらの艦は基本的に宇宙空間での運用を前提に設計された艦であった為、惑星大気圏内・重力圏内での作戦行動に難があるのが実情だった。しかしデスラー総統の就任以降、同国が覇権主義・膨張主義に転じたことで、これら艦艇の大気圏内・重力圏内活動が急速に増加し始める。
現在の地球人類には俄に信じ難いが、それ以前のガミラス軍は国防軍的性格の強い軍事組織であり、そのドクトリンは、自国勢力圏に侵攻してくる敵戦力の水際阻止にあった。
当然、彼らが想定する戦場は自国勢力圏外縁の宇宙空間であり、陸上軍や陸戦隊はともかく、艦隊戦力が惑星上で作戦行動を行うことは殆ど考慮されていなかった。これは、ガミラス軍艦艇が常用する各種兵器の威力が強力過ぎ、自国惑星上で使用すれば付帯被害が膨大になり過ぎるが故の判断であった。
しかし、ガミラス軍の活動が自国勢力圏の防衛から他国への侵略・侵攻に変化したことで、事態は一変した。被侵攻国が侵略者に対して徹底抗戦を決意した場合、彼らが最後の拠り所にするのは自国惑星であり、侵略者たるガミラス軍艦隊は惑星上の敵戦力を殲滅・掃討しなければならなかったからだ。
古今東西・異星文明をも問わず、そうした任務に航空機/航宙機が有効であることは明らかであり、ガミラス軍も地上攻撃に母艦航宙機隊を惜しげもなく投入した。だが、当時の主力母艦である円盤型宙母は重力圏内における作戦行動を殆ど考慮しない設計であった為、慣性・重力制御機能の余裕に乏しかった。これは、惑星重力圏内での戦術機動能力が不足していることを意味しており、実際に地上からの迎撃によって撃沈される艦が続出した。
ガミラス軍は円盤型宙母の設計を見直し、慣性・重力制御機能の強化を図ったが、長年に渡り空間運用に特化して熟成された設計が裏目に出て、見直し作業は思うように進まなかった。もともと慣性・重力制御システムは艦の中でも大きな容積を占める機構であり、それを強化、つまりは大型化しようとすれば、他の機能――宙母の場合は艦載機運用機構――を大きく損なってしまうのは自明の理であったからだ。
ガミラス軍は円盤型宙母を惑星重力圏外から運用することで当面の損害を回避しようとしたが、それにも問題があった。この場合、艦載機は出撃の度に大気圏突入と離脱を自力で行わなければならず、機体の疲労・消耗が激し過ぎた。また、大気圏突入中は惑星大気との摩擦によって機体のセンシング能力が一時的に低下し、被撃墜率の上昇も避けられなかった。更には、発艦から帰艦までのタイムスパンが大幅に延長される為、戦力運用効率の著しい悪化まで招いてしまうことになった。
しかしそれでも、母艦が搭載機ごと撃沈されるという最悪の事態に比べれば遥かに“まし”であり、ガミラス軍は永らく非効率と知りながらも円盤型宙母を惑星重力圏外から使用し続けざるを得なかった。
そうした事態に対応する為、新規に開発・建造されたのがゼリウド級をタイプシップとする多層式航宙母艦だ。
本級最大の特徴は、上部甲板に四層、下部甲板に一層が配置された合計五層の飛行甲板にある。下部飛行甲板と上部甲板の内、最上部一層が着艦用、それ以外の上部飛行甲板(主飛行甲板)三層が発艦専用として使用される。それらは全て、搭載機の急速発艦と急速着艦を最重視した結果であり、本級に非常に特徴的な外観を与えることになった。地球では、階段状に設置された三枚の主飛行甲板から、本級を『三段空母』と呼ぶ研究者もいるが、ガミラス軍における名称はあくまで“多層式”宙母であった。
惑星攻撃におけるゼリウド級の運用思想は徹底したヒット・アンド・ウェイである。本級は敵惑星重力圏・大気圏に侵入すると、円盤型に比べて著しく強化された慣性・重力制御機能を活かした高機動で敵迎撃を回避しつつ、多数設置された飛行甲板から搭載機を急速発艦、発艦完了後は一気に大気圏外に離脱する。艦載機回収時も基本的にはほぼ同様のシーケンスを辿り、大気圏突入・急速着艦・大気圏離脱を短時間で実施することになる。
こうした強行運用を可能とする為に、本級は非常に堅牢な構造と装甲部材を採用しており、大威力の艦砲や地上砲ならばともかく、通常の航空機や航宙機に搭載可能な規模の兵器では、撃沈は極めて困難であった。その為、艦隊配備当初は『本級こそ武人の蛮用に耐え得る宙母』と各級指揮官から絶賛を受け、一部からは“装甲宙母”とまで称された。
しかし、本級が艦載機の武装や燃料設備を満載しているのは旧来からの宙母と何ら変わらず、一たび装甲が抜かれて艦内誘爆が発生すれば、(堅牢な構造が裏目に出て)手の施しようのない致命的誘爆に至る可能性が非常に高かった。事実、本級の装甲を過信した指揮官が、空間戦闘において本来ならば後方に残置すべき本級を最前線運用した結果、無為に失うような事態も配備初期には発生した(非常に高価な本級の損失に慌てた艦隊総司令部が運用規定を厳密に定めて以降は、こうした事態は回避されている)。
従来の円盤型とは大きく異なるコンセプトで建造された艦だけに、配備当初こそ多少の混乱があったが、ゼリウド級の有効性は明らかであり、ガミラス軍宙母部隊の主力として急速に建造と配備が進んだ。それに伴い、ポルメリア級など既存の円盤型宙母は比較的危険度が少ないと判断された戦域に二線級戦力として再配置され、艦隊護衛や哨戒任務などに充てられることになる。
また、本級の成功を受けて、より大型の母艦――ガイペロン級多層式航宙母艦――が建造されている。ガイペロン級は全長でゼリウド級の二割増し(乾重量では七〇パーセント増し)の巨躯を誇り、各種装備もゼリウド級の運用実績を反映して一層の充実を遂げた。更に、中期建造艦以降は最上部飛行甲板に新開発のアングルドデッキ(斜め飛行甲板)が装備され、急速発艦機能にも一層の強化が図られた。
このアングルドデッキは運用者側からも非常に好評であり、ガイペロン級初期建造艦や在来のゼリウド級にも長期ドッグ入りの際等に追加設置が順次行われている。この改装が施工されたゼリウド級は、それまで着艦専用だった最上部飛行甲板を発艦用にも使用できるようになった。但し、予算的制約やガミラス帝国崩壊に伴う混乱の影響を受け、全艦が改装を実施できた訳ではない。
大ガミラスの崩壊と長年に及ぶ流浪、更にはガルマン・ガミラス帝国建国に伴う独立戦争と、ガミラス民族激変の時代において、ゼリウド級は常にガミラス軍航宙母艦戦力の主力として奮戦を続けた。それは、後発のガイペロン級より小型且つ就役隻数が多かったこともあるが、何よりも長年主力として慣れ親しんだ本級に対する艦隊将兵の信頼が絶大であったが故である。そしてその信頼は、現在のガルマン・ガミラス帝国においても全く変わらず、全長五〇〇メートルを超える超大型母艦が主流となりつつある同軍中にあっても、ゼリウド級は改装を重ねながら艦隊母艦戦力の一角を担う存在であり続けている。
ガミラス三段空母が完成しまして、それがあまりに格好良すぎたものですから、妄想設定が勢いだけで書き上ってしまいましたw
妄想にあたり、このオリジナル版三段空母は2199で登場が予告されているガイペロン級の『前級』にあたる艦としました。
両級の位置づけを例えるなら、米海軍のヨークタウン級とエセックス級といったところでしょうか(^_^)
艦級名の『ゼリウド』は勝手に名づけたものですが、過去のヤマトPSゲームに登場した三段空母の艦名をもじっているので、完全なオリジナルとは言い難いです(^_^;)
さてさて、写真の三段空母はWAVE製の1/1000ガレージキットで全長は約33センチ、2199版ヤマトと全長ではほぼ同サイズですが艦幅では寧ろ圧倒しており、非常に迫力のある艦影です♪
ちなみにガイペロン級は、昨年の静岡ホビーショーでのバンダイスタッフさんのコメントによると1/1000スケールで40センチくらいになるそうなので、この三段空母より更に二割のサイズアップになるようですね。
今回の設定妄想では、そうした点もスパイスとして加えてみました(^_^)
三段空母は過去に色んなサークルさんからガレージキットが発売されましたが、WAVEキットの特徴は以下の二つだと思います。
①メインの飛行甲板三枚の前縁段差が小さい。
②アングルドデッキが再現されていない。
オリジナルのアニメを見ると甲板前縁の段差はもっと大きく、他のサークルさんのキットもそうされているものが多いです。
でも私的には、空母らしい箱っぽさが強調される気がして、WAVEキットの解釈も好きなんですよね(笑)
アングルドデッキが再現されていないのは残念ですが、宇宙戦艦ヤマト2199で登場が予告されているガイペロン級三隻もアングルドデッキの有無や飛行甲板形状でそれぞれに差異がつけられているので、寧ろ妄想の幅は広がったと思っています(^_^)
私の頭の中の妄想は↓のような感じで・・・・・・( ̄∇ ̄*)。。oO(妄想中)
ゼリウド級(プレ・ガイペロン級)→シュデルグ(ガイペロン級初期建造艦/ゼリウド級の拡大型)→ランベア(ガイペロン級中期建造艦/アングルドデッキ追加)→バルグレイ(ガイペロン級後期建造艦/飛行甲板形状変更(ステルス化?))
中期建造艦の運用実績が良好であれば、それ以前に建造された艦がアングルドデッキの追加改装を受けるのも自然な流れだと思いますし、予算やドック入りのスケジュールの都合から、改装を受けられた艦、受けられなかった艦で仕様の差異が生じるのも(特に戦時であれば)十分にあり得るかと(^_^)
しっかし、この三段空母は本当にカッコいいですねぇ。
元キットは艦体側面部のモールドが乏しいので少し追加してあるのですが、それも丁度いいくらいのアクセントになっていると思います(^o^)
ガイペロン級の1/1000キットが発売されたら、是非同じカラーリングで並べてみたいものです♪
あ、それと以前から予告している『宇宙空母』はこの三段空母とは全然別のネタですので、念のため(^_^;)
さてさて、しばらくウチはガミラス艦隊強化期間になりそうですw
宇宙空母→三段空母?→プレガイデロン級!ときましたか!
航宙母艦の飛行甲板の存在意義にまで言及したポルメリア級からの脱却の意味、流石としか言いようがないです♪
まあしかしカッコ良すぎですね。ガイデロン級予約決定ですw鹵獲艦として地球艦隊に組み込みますかねw
順番でいうと、円盤型→旧作の三段空母→2199の三段空母(ガイペロン級)の順ですね(^_^)
ちょっとした思いつきから書き始めた妄想設定の割には、それなりにまとまったと自画自賛しとりますw
三段空母、非常にカッコいいんですけどね、とにかく大きいんですよ、長い上に太い!!(^_^;)
2199版のガイペロン級ではここから更に二割もサイズアップするのですから、置き場所的に三隻揃えるなんて夢のまた夢ですね(^▽^;)
何とか一隻だけでも確保して並べたいところです(^o^)
ただ艦橋だけは一寸(^^;)、薄いしタワー斜めで更に薄くて・・・・・
本体と行き来出来るのかなと・・・・・
でも此の艦、正確には四段空母?w
主力戦艦>モリモリに盛ってますw
実はポリパテは前回の巡洋艦で初使用なんです、今までラッカーパテと光パテしか使っていなかったので、思う様に成形できるポリパテにはまってしまいましたw
いつか岡山のプラ板使いさんから1/1000ガレキが発売されそうな気がしますね。
もし具体化したら全長50センチオーバーの上に、幅も20センチ以上あるバケモノなので、イベント会場で現物を見るだけでお腹一杯になっちゃうかもしれません(^^;)
> 本体と行き来出来るのかな
一応、ヤマトの第三艦橋接続部よりかは太いので、大丈夫かなぁ…?と思ってますw
> 正確には四段空母
宮武さんがPS版の為にリファインされた時の資料にも『正確に数えれば“四段空母”』とご自身ではっきりと書いておられますので、何と言いますか、まぁw
> ポリパテ
ちなみに、どちらのメーカーのを使われてます?
メカコレ三段空母のイラストを見てみたんですが、ランベアには飛行甲板の出っ張り?が最下層の1つだけなんですが
シュデルグには下から3つありまして、我が家さんとは違う予想なんですが ランベア→シュデルグ→ガイペロン の順で
建造され、アングルドデッキが採用されてから一番戦闘力が
低いランベアからつけられ、シュデルグには間に合わなかったと思うのですがどうでしょうか?